ASUS ZenFone ARをプレレビュー!現実を拡張する「Tango」はスマホの新しい使い方となるか?

ツイート このエントリーをはてなブックマークに追加
ASUS ZenFone ARをプレレビュー!現実を拡張する「Tango」はスマホの新しい使い方となるか?

ASUS JAPAN株式会社が2017年4月に発表したSIMフリースマートフォン「ZenFone AR(ZS571KL)」。

Googleが開発するAR(Augmented Reality。拡張現実)技術の「Tango」とVR(Virtual Reality。仮想現実)技術の「Daydream」、2つを同時にサポートする世界初のスマートフォンとして注目を集めています。

発売予定は2017年夏とまだ少し先となっています。そこで今回はこのZenFone ARの外観デザインや処理性能、カメラ、そして特徴機能のひとつ「Tango」をプレレビューしていきます。

※なお今回用いるのはあくまでエンジニアリングサンプル(検証用サンプル機)であり、今夏に発売予定されている製品版では外観デザインや仕様が異なる可能性もあります。この点は、あらかじめご了承くださいね。

※編集部追記
2017年7月ASUS ZenFone ARの記事を発売後に改めて公開いたしました。こちらも併せてチェックしてください。

目次:

スペックを含む発表済みの情報をおさらい

まずはじめに、ZenFone ARに関してすでに発表されているスペック(仕様)情報などをおさらい。

サイズ 縦 約 158.98 x 幅 約 77.7 x 厚さ 約 4.6-8.95 mm
質量 約 170 g
プラットフォーム Android 7.0 Nougat
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 821(クアッドコア)
メインメモリ 6GB/8GB
内蔵ストレージ 64GB/128GB
外部ストレージ 対応
ディスプレイ 5.7インチ(2560×1440) Super AMOLED
アウトカメラ 2,300万画素
インカメラ 800万画素
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)
Bluetooth Bluetooth 4.2
通信方式 FDD-LTE:B1/2/3/5/7/8/18/19/20/26/28
TD-LTE:B38/39/40/41
WCDMA:B1/2/5/6/8
GSM:850/900/1800/1900MHz
バッテリー 3,300mAh
SIMカードスロット NanoSIM x 2
※SIMカードスロット2はmicroSDカードとの排他設計
希望小売価格 ZS571KL-BK64S6(RAM6GB/ROM64GB):89,424円(税込)
ZS571KL-BK128S8(RAM8GB/ROM128GB):107,784円(税込)

※より詳しい内容はASUS公式サイトの製品ページ、およびニュースリリースから確認できます。

ZenFone ARにはメインメモリ/内蔵ストレージの構成が異なる2モデルが用意されていますが、下位モデルといってもRAM6GB/ROM64GBと十分ハイエンドな仕様。ここにSnapdragon 821プロセッサも加え、処理能力が求められるTangoをより快適に使うことが意識された内容です。

また画面には解像度が2K相当ときめ細かく、発色の豊かさ・くっきりとしたコントラストが魅力の有機EL(Super AMOLED)ディスプレイを採用。AR・VRともにディスプレイに表示される映像を楽しむ機能であるだけに、この点に力が入っていることも欠かせません。

その他の基礎仕様として、背面にはTriTech(トライテック)技術をサポートする2,300万画素のメインカメラを搭載。像面位相差AF、レーザーAF、コンティニュアスAFを組みわせることで最速0.03秒でのピント合わせを実現します。

そして上記仕様表に記載していませんが、ZenFone ARではメインカメラのほかに、場所や動きを感知するモーショントラッキングカメラ、深度カメラを組み合わせたTriCam(トライカム)システムもサポート。Tango対応アプリはこれらを使って楽しむことになります。

なお今回レビューに用いるのは、6GBのメインメモリと64GBの内蔵ストレージを搭載する下位モデル(型番:ZS571KL-BK64S6)です。

ZenFone AR

ASUS ZenFone AR(ZS571KL-BK64S6)
Tango AR & Daydream VR 対応
カラー:ブラック

価格:84,240円(税込)

革シボデザインにカメラがぎょろりと並ぶ外観

続いてZenFone ARの外観デザインを写真でチェック。

前面:縦長でスリムな印象

前面:縦長でスリムな印象
ディスプレイ下には指紋認証センサー内臓の物理ホームキー

ディスプレイ下には指紋認証センサー内臓の物理ホームキー
背面:革シボを連想させる立体的なデザイン

背面:革シボを連想させる立体的なデザイン
メインカメラ、モーショントラッキングカメラ、深度カメラが並ぶ

メインカメラ、モーショントラッキングカメラ、深度カメラが並ぶ
下には「ASUS」と「Tango」のロゴも

下には「ASUS」と「Tango」のロゴも
側面(上):フレームは金属製

側面(上):フレームは金属製
側面(右):音量キーと電源キーを配置

側面(右):音量キーと電源キーを配置
側面(下):外部入出力端子はUSB Type-C規格

側面(下):外部入出力端子はUSB Type-C規格
側面(左):SIMカード/microSDカードメモリスロットを搭載

側面(左):SIMカード/microSDカードメモリスロットを搭載

5.7インチとそこそこ大きさのあるディスプレイを搭載し、かつナビゲーションキーが画面の外に搭載されていることもあってか、デザインの第一印象は “縦に長い”といった感じ。

以前レビューしているASUS現行フラッグシップスマホの上位モデル「ZenFone 3 Deluxe」と似た印象を抱きます。

とはいえ背面に配置された、ぎょろりと目を引くカメラ群、革シボのような質感が再現された背面パネルなどは、見た目に大きく異なる部分です。

“普通のスマホ”としても大満足な処理性能

検証用のサンプル機ですが、気になる処理能力もさらりとチェック。

メインメモリは6GB中4.3GBが空いている

メインメモリは6GB中4.3GBが空いている
内蔵ストレージも64GB中52GBはユーザーが自由に使える

内蔵ストレージも64GB中52GBはユーザーが自由に使える
AnTuTu Benchmarkのスコアは16万点弱AnTuTu Benchmarkのスコアは16万点弱

AnTuTu Benchmarkのスコアは16万点弱とかなり高い

仕様からある程度想像はついていたものの、特に処理能力は海外向けのハイスペック機種と比べても上位に分類できるもの。ゲームをいろいろプレイしてみても、気になるような動きのストレスはまず感じることがありませんでした。

ZenFoneシリーズに共通して搭載される、ASUS独自アプリもプリインストールされていますが、それを含めても、メインメモリや内蔵ストレージにもしっかりとした余裕があります

余談ですが、ゲームを遊ぶ中であらためて感じたのは、ディスプレイ表示がキレイということ。発色のよさに思わず唸ってしまいました。

思わず唸ってしまったほど発色が良かったディスプレイ

思わず唸ってしまったほど発色が良かったディスプレイ

筆者が現在使っているスマートフォンが液晶ディスプレイ搭載モデルということも補正になっているとはいえ、このキレイな画面でAR・VRが楽しめるのは素直にうれしいですね。

ARだけじゃない!キレイに撮れるカメラをチェック

次は有効画素2,300万画素でTriTech AF技術をサポートするメインカメラをテスト。

メインカメラはこれ

メインカメラはこれ
カメラアプリのメイン画面。ZenFone 3シリーズと大きく違う印象はない

カメラアプリのメイン画面。ZenFone 3シリーズと大きく違う印象はない
マニュアル設定での撮影ももちろん可能

マニュアル設定での撮影ももちろん可能
撮影モードも20種類と豊富
撮影モードも20種類と豊富

撮影モードも20種類と豊富

カメラアプリのUIデザインや操作方法は、ZenFone 3やZenFone 3 Deluxeなどと大きく変わらない印象。搭載される撮影モードも多く、場面に応じた設定も簡単です。

ここからは実際にメインカメラで撮影した作例をいくつか紹介します。すべて撮影後の加工はリサイズのみで、各写真はタップ(クリック)すると大きなサイズでチェックできます。

ZenFone AR カメラ作例:やや薄暗い室内で撮影

やや薄暗い室内で撮影。毛並みは潰れず、しっかり確認できる
ZenFone AR カメラ作例:よく晴れた日中の屋外で撮影

よく晴れた日中の屋外で撮影。空の色は見たままに近いが、木の葉の色味はやや明るすぎる気も
ZenFone AR カメラ作例:屋外に植えられた花に接近して撮影

屋外に植えられた花に接近して撮影。色味・輪郭とも細部まで記録できた
ZenFone AR カメラ作例:屋内の窓際で撮影

屋内の窓際で撮影。差し込む日差しが強かったが色味は自然に
ZenFone AR カメラ作例:明るい屋内で撮影した唐揚げ

明るい屋内で撮影した唐揚げ。カラッと揚がった衣の質感までわかる

メインカメラは気になるクセもなく、キレイな色味で、細部まできちんと記録できます。下位モデルでも価格は決して安いとはいえないZenFone ARですが、単純に「SIMフリーのハイエンドモデルが欲しい」という気持ちで購入しても十分満足できる内容です。

AR技術「Tango」対応アプリを試す

最後にZenFone AR最大の特徴である、TangoによるAR技術を試してみることに。

ZenFone ARにはTangoアプリがプリインストールされており、このアプリでTangoのデモテストが可能。またTango対応アプリも、(Google Playに公開されているものを)Tangoアプリから探せます。

Tangoアプリ起動直後Tangoアプリ起動直後

Tangoアプリ起動直後。冒頭で簡単なデモが体験できる
モーショントラッキングカメラと深度カメラ

いよいよ、モーショントラッキングカメラと深度カメラの出番

AR技術はその名のとおり、現実世界を“拡張”するもの。ZenFone ARのメインカメラで映した現実世界に対し、何らかの情報を重ね合わせて、現実世界+アルファの拡張された世界を再現します。

回はGoogle Playで公開されていた中から、Google製で空間の測定に使える「Measure」、現実世界にホログラムを重ね合わせて遊べる「HOLO」、恐竜を表示し学ぶことができる「Dinosaurs Among US」の3つを試してみました。

Measureはその名の通り、AR技術によりカメラで空間を測定できるアプリ。

Measure:起点と終点を指定することで空間を測定できる

起点と終点を指定することで空間を測定できる
Measure:3種類のカメラを駆使して奥行きもきちんと測定できる

3種類のカメラを駆使して奥行きもきちんと測定できる
Measure:3点以上でも連続して測定できる

3点以上でも連続して測定できる

Measureで測定した距離を後から実寸してみましたが、その差は1cm前後とほぼ正確。「高さ x 幅 x 奥行き」といったように3点以上の測定もできるので、購入する家具を設置するスペースがあるか、確認する用途などにも使えそう

HOLOはユニークなキャラクターをホログラムとして召喚し、遊んだり、変わった写真を撮って楽しめるアプリ。

HOLO:何もない場所

何もない場所に……
HOLO:ホログラムを表示できる

少し変わった動作を見せる特徴的なキャラをホログラム表示できる
HOLO:見る角度により、見え方も変わる
HOLO:見る角度により、見え方も変わる
HOLO:見る角度により、見え方も変わる

空間情報を記録しているため、ホログラムの位置はしっかり固定される。見る角度により、見え方も変わる

こちらは実用的に使うツールというよりは、遊んで楽しむアプリといったところ。今話題のアメリカ大統領っぽい(?)キャラクターなども用意されており、ジョークとして楽しむのにもよさそう。

Dinosaurs Among USは恐竜のホログラムを表示して楽しむほか、その恐竜のついて学ぶこともできるアプリ。

Dinosaurs Among US:呼び出す恐竜を選び、机の上にロックオン

呼び出す恐竜を選び、机の上にロックオン
Dinosaurs Among US:呼び出した恐竜の足

出てきたのは足……だけ?
Dinosaurs Among US:想像以上の大きさ!

ではなく、そのままカメラの向きを変えると、筆者の左頭上に恐竜の頭が。デカイ
Dinosaurs Among US:想像以上の大きさ!

机の上に呼び出したという補正もあるが、後ろに下がっても全身が入らない
Dinosaurs Among US:もちろん何もいない

言うまでもなく、スマホを避ければ何もいない

Dinosaurs Among USも現実世界にホログラムを重ね合わせた状態で写真撮影が可能。また恐竜に表示されるマークをタッチすると、博物館で見れるような説明文(ただし英文)も読むことができます。

表示する大きさのパーセント指定もできるので、博物館に行かずとも、実物の大きさも含めて、学ぶことができますね。

その他、日本向けに配信はされていなかったものの、カメラで撮影している人に擬似的に衣服を試着させ、実際に着ずとも着用時のイメージが確認できるアプリなども見つけることができました。まさに現実を拡張して、スマホの新たな使い方につながる機能といったところ。

なお、Tangoを試していてひとつ気になったのは発熱。ついつい楽しくなり連続で10分前後遊んでいたところ、カメラ付近を中心に、側面の金属フレームにかけてかなり熱を持つことがありました。

連続で使うとカメラ付近に発熱は感じた

連続で使うとカメラ付近に発熱は感じた

Tangoをしっかり使うためには高い処理能力が必要である一方、この処理能力をキープできる対策も必要といえるのかもしれません。市販品が発売されるまでに、さらにチューニングされることを期待したいですね。

評価まとめ:スマホの用途を拡げる技術の今後に期待

Googleが開発するAR技術「Tango」とVR技術「Daydream」の両方に対応する世界初のスマートフォン「ZenFone AR」。

今回主にテストできたのはTangoのみでしたが、これまでのスマートフォンとはまた異なる、新たな視点で使いみちを一歩拡げる機能といえるでしょう。製品版が出たら、VR技術もぜひ試してみたいものです。

パッケージは組み立て式のVRゴーグルとしても使える

パッケージは組み立て式のVRゴーグルとしても使える

2017年5月時点では、日本で発売中のTango対応機は1機種のみ。日本語に対応するアプリのラインナップもお世辞にも多いとはいえません。

そんな中、ZenFone ARの登場によってARがスマホの新しい使い方として認知されれば、この状況が変わるきっかけになるかもしれません。製品版の登場をあらためて楽しみに待ちたい存在です。

ZenFone AR

ASUS ZenFone AR(ZS571KL-BK64S6)
Tango AR & Daydream VR 対応
カラー:ブラック

価格:84,240円(税込)

発売中のZenFone3シリーズのレビュー記事はこちら

発売中のZenFoneシリーズのレビュー記事はこちら

モバレコでは、スマホと格安SIMがお得になる・役に立つ記事を平日12:00に配信中です。

こちらの記事はいかがでしたか?

お役に立ちましたか?

送信する

もしよろしければお友達に
ご紹介お願いします!

  • ツイート
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

スマホをはじめとする「ガジェット」に関心があるフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品。個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。