ピーアップ「Mode1 RETRO」の魅力をレビュー!フィーチャーフォンからのステップアップに選びたい1台

携帯電話・スマートフォンの専売店である総合デジタルショップ「テルル」を関東圏に多数展開するピーアップが送り出すSIMフリースマートフォンの第二弾「Mode 1 RETRO」。
二つ折りのフィーチャーフォンスタイルの見た目に、Android 7.0、クアッドコアCPU、もちろんタッチパネル搭載と「ガラホではない」Mode1 RETROを、今回は開発者インタビューを交えながらご紹介していきます。
目次:
Mode1 RETROはこんなスマホ

冒頭でも書いた通り、Mode1 RETROはピーアップが開発・販売をするオリジナルのスマートフォン「Mode1」シリーズの2機種目。
2016年に発売された「Mode1 MD-01P」から約一年ぶりの新機種で、今回はフィーチャーフォンのような二つ折りスタイルが特徴のSIMフリースマートフォンです。

OSにはAndroid 7.0、液晶ディスプレイもタッチパネルに対応し、大手携帯電話事業者から発売されている「ガラホ」とは違う、スマートフォンとして操作のできる、テンキー付スマートフォンです。
細かい魅力や使い勝手をご紹介していく前に、まずは基本スペックから確認していきましょう。
Mode1 RETROのスペック
モデル名・型番 | Mode1 RETRO(MD-02P) |
---|---|
メーカー | ピーアップ |
OS | Android 7.0 |
CPU | Mediatek MT6737M(1.1GHz・クアッドコア) |
RAM・ROM | 2GB・16GB |
ディスプレイ | 3.5インチ ワイドVGA |
アウトカメラ | 約800万画素 |
インカメラ | 約200万画素 |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n (5GHz・2.4GHz) |
Bluetooth | Ver 4.1 |
対応ネットワーク・バンド | FDD-LTE Band1/3/8/19 W-CDMA Band1/6/8 GSM 1900/1800/900/850MHz |
対応SIM | nano SIMカード |
バッテリー容量 | 1,650mAh |
基本スペックとしては、昨今のSIMフリースマートフォンとして「エントリースペック」となっています。
また、先代の「Mode1 MD-01P」からの大きな違いとしてはネットワーク周り。Mode1 RETROでは「au」のネットワークへの対応が行われていません。VoLTEにも非対応となるため、格安SIMとの組合せだと人気の高い「UQ mobile」や「mineo Aプラン」との組合せでは利用できない点には注意が必要です。
開発者に聞く。Mode1 RETROのコンセプト、ターゲット
フィーチャーフォンライクなテンキーといった、ある意味では「ニッチ」なMode1 RETRO。オリジナルのスマートフォンとして2機種目にしてはかなり挑戦的です。
今回は特別にお時間を頂き、開発・販売元となる株式会社ピーアップに、Mode1 RETROのコンセプトやターゲットユーザー、こだわりについて直接お話を伺ってきました。

―― まず、Mode1 RETROはなぜ「RETRO」なのでしょうか」
RETROという言葉は古いという意味ではありません。単純に「古いもの」をさす場合は「Antique(アンティーク)」や「Vintage(ヴィンテージ)」という言葉を使います。RETROとは『古いもので培われた良さを、現代の技術でよりよいものにする』という意味があり、フィーチャーフォンの良さをスマートフォンとして形作ることに対して、RETROを冠しています。
―― 製品として、他に何かこだわった部分はあるのでしょうか?
RETROは古き良きモノを現在の技術でよりよくすること、というのは今お話しした通りです。これは「二つのモノを合わせ、より良くすること」とも言え、Mode1 RETROには二つ目のテーマ・コンセプトとして「Hybrid」を掲げています。
例えばデザイン。Mode1から続く「カーボン調」の外装に加え、今回はワンポイントで「木目」を入れています。また、プリセットの着信音や壁紙などのコンテンツについても「Hybrid」を感じ取れるようなオリジナルのものを今回は用意しています。

―― どのあたりのユーザーがターゲットなのでしょうか?
フィーチャーフォンからスマートフォンへ乗り換えを検討している人、または検討していた人が、フィーチャーフォンユーザーのうち、4割~5割を占めており、ここをターゲットにしています。
―― フィーチャーフォンユーザーの全てではないんですね?
フィーチャーフォンからスマートフォンに変えたいユーザーの購買意欲は高く、まずはそこにアプローチしていこうと考えています。
そうしたユーザーはスマートフォンに対して「(本体が)大きすぎる」「(タッチパネル操作が)使いづらそう」と考えながらも「地図やナビは便利そう」「ネットが見やすそう」とも考えています。
Mode1 RETROはコンセプトにもある通り、RETROとHybridをテーマに、フィーチャーフォンユーザーの「あったらいいな」をスマートフォンに反映させています。まずはスマートフォンに興味を持っている人に「いいとこどり」でスマートフォンを使ってもらいたいと考えています。
―― その他「こんな人に使って欲しい」などはあるのでしょうか?
メインターゲット以外では「サブ」や「コレクション」として持ちたい人も多いと考えています。
テンキー付のスマートフォンって、やっぱり珍しいじゃないですか。スマートフォンが好きな人は複数台持ちますし、フィーチャーフォンの形状は通話もしやすいので、通話用として2台目、3台目に選んで頂けたらなと。ギークな層も「おもしろいね」とコレクションがてら手に取って頂けたら嬉しいですね。

―― Mode1と比べるとかなり「こだわり」を感じますね
一発屋では終わらせたくないので。Mode1という世界観はまだ始まったばかりですが、デザインやコンセプト、ターゲットを明確にし、ユーザーが選び使っていく中で「Mode1らしさ」を感じ取ってもらえるよう、こだわりぬいて、大切に育てていきます。
―― 本日はお時間いただきありがとうございました
インタビューは約1時間弱を予定していましたが、実際には1時間半以上、熱くコンセプトやこだわりをお聞きすることができました。
正直なところ、お話を聞くまでは「テンキー付の安価なスマホ」「フィーチャーフォンを模しただけ」という安易な印象を筆者も持っていたのですが、Mode1 RETROには並々ならぬ情熱を感じられました。
Mode1 RETROのデザインや使い勝手をチェック
スペック、そしてメーカーのこだわりを聞いた上で、Mode1 RETROのデザインや使い勝手をチェックしていきます。
先に筆者なりの答えを書いてしまうと「フィーチャーフォンからスマートフォンへのステップアップとして、十分に選択肢にあがる機種」だと感じました。
Mode1 RETROの各部をチェック
まずは本体の各部のチェックから。

Mode1 RETROのカラーバリエーションは2色。
ブラックとホワイトが用意されており、ここは先代の「Mode1」同様です。インタビューでもこだわりとしてあって「Hybrid」を意味する木目調のデザインは、表面だとサブディスプレイ周り、背面だとカメラ周りに施されています。
ブラックとホワイトで、木目のデザインも違っているのにもこだわりが感じ取れる部分でしょう。

本体を開くと、その見た目はフィーチャーフォンそのもの。
ホーム画面はまさにAndroidそのものでもあるため、わかる人からすれば「スマホだ」とわかるところですが、そうでない人からすれば「こんなフィーチャーフォンあるんだ」と思う部分でしょう。


本体の左右はシンプル。とくにヒンジ近くにボリュームボタンが配置されているのはフィーチャーフォンに多いボタンの配置であり、このあたりもスマホらしさよりもフィーチャーフォンらしさを取った部分だと感じました。
充電端子はmicroUSB。ここはUSB type-Cを…と考えてしまいますが、メインターゲットのフィーチャーフォンユーザーです。従来使っていた充電器を使い回せたり、家族が使っていたスマホの充電器を使い回せるので、Mode1 RETROの立ち位置を考えれば納得できる部分です。


フィーチャーフォンからの乗り換えを意識した機種なので、実際にフィーチャーフォンと並べてみると、Mode1 RETROの方が僅かに本体が大きくなっています。
タッチパネル操作性や、スマートフォンとして最低限必要な画面の情報量を考えると3.5インチのディスプレイサイズはマストとも言えるため、小ささと使い勝手のバランスをとると、このサイズがベストなのでしょう。
テンキーもフィーチャーフォンと比べると面積が広めになっており、指の移動が少し大変にも感じますが、今現在フィーチャーフォンを使い続けるユーザー層を考えると「キーの押しやすさ」や「キーの見やすさ」を優先すべきであり、大きめのキーは、ターゲットに見合った設計とポジティブにも考えられます。
使い始めると音声検索ボタンが便利
Mode1 RETROのテンキーのうち、ちょっと珍しいのが「音声検索ボタン」です。

キーの一番上、中央に配置された「音声検索ボタン」。
これは押すことで「OK, Google」と同じことができるのですが、スマートフォンに不慣れな人からすれば「OK, Google」と電話機に向かって話しかけるのは些か不便だったり、恥ずかしかったりするでしょう。
また、文字の入力はスマートフォンよりも慣れたフィーチャーフォンの操作性で行えるとしても、やはり慣れないうちは「打ちづらい」と感じる場面もあるはず。
そこでこのボタンを押して話しかけるだけで検索できる!というのは、スマートフォンユーザーからすれば新しさを感じませんが、フィーチャーフォンを使っているユーザーからすれば「スマホっぽい」「未来っぽい」と感じられ、買い替えたメリットを感じるところかもしれません。
実際、レビュー期間中にMode1 RETROでルート検索などを行うのに利用してみましたが、メインで使っているスマホやスマートウォッチに「OK,Google」と話しかけるよりも気軽に音声検索が行えたのは、意外と便利でした。
最近はハイエンドスマートフォンを送り出すグローバルメーカーでも音声アシスタントを呼び出す専用のボタンやジェスチャーを採用する機種が増えているため、Mode1 RETROの音声検索ボタンはある意味では「最先端」かもしれません。
タッチパネル対応でナビやブラウザは使いやすい
続いてタッチパネル操作。Mode1 RETROが「ガラホ」と大きく違うのは、このタッチパネル対応という点でしょう。

3.5インチという、イマドキのスマートフォンで言えば小さな画面ではありますが、タッチパネルに対応したことで、とくに地図の拡大、移動は快適に利用できます。
カーソルキーで選択が難しい場面ではタッチパネルを利用して…という操作も、直感的。フィーチャーフォンで操作が面倒に感じる場面でもパパっとできてしまうのは、Mode1 RETROならではでしょう。
大手携帯電話会社から発売されている「ガラホ」に相当するフィーチャーフォンは、OSこそAndroidを採用するなどベースはスマートフォンですが、タッチパネル操作には非対応。
中には「スマホのようなことができると言われて買ったのに、全くそうではなかった」と落胆する声も聞こえてくるため、中途半端にスマホらしさを取り入れるガラホよりも「あくまでもスマートフォン」を貫いているMode1 RETROの方が優秀だと感じられる部分です。
Google Play、LINEにも対応している「Mode1 RETRO」
Mode1 RETROはここまでに何度も書いている通り「あくまでもスマートフォン」であり、AndroidをOSに採用しているため「Google Play」を通じて、好きなアプリを追加することが可能です。
もちろん、その中にはフィーチャーフォンユーザーが使いたいアプリとして挙げる「LINE」もあります。

その他にも、TwitterやFacebookといったSNSも使えますし、Swarmなど位置情報を利用したSNS・サービスも利用可能。
流石にディスプレイ側が360度開いて、スマートフォンのようなスレートスタイルにできるわけではないためゲームなどのアプリを楽しむには難しいのですが、フィーチャーフォンライクに使ってもよし、LINEや各種SNSを追加して、フィーチャーフォンからスマートフォンへのステップアップとして使っていくもよし。
フィーチャーフォンからのステップアップとしては、十分にアリな選択肢ではないでしょうか。
Mode1 RETROの価格・おすすめポイント

ここまでご紹介した通り、Mode1 RETROはこれからスマートフォンに買い替えてみたいというフィーチャーフォンユーザーにとって、魅力的な選択肢の一つと言えます。
改めて、ここでMode1 RETROのオススメポイントを書き出すと下記の3つといったところでしょう。
ここがオススメ!
・フィーチャーフォンライクな操作感
・タッチパネルに対応し、直感的な操作が可能
・あくまでもスマートフォン。LINEやSNS等アプリ追加が可能
まとめ:今のスタイルに進化したフィーチャーフォン。それが「Mode 1 RETRO」
インタビューにもあった通り、Mode1 RETROの「RETRO」とは、古き良きモノを今の技術で作り直すといいものになる、進化する、そういった意味が込められています。
「フィーチャーフォンを懐古する」のではなく、フィーチャーフォンを今の携帯電話の標準フォーマットである「スマートフォン」で具現化するとこうなるんだよ!という答えの一つ、それがMode1 RETROです。
フィーチャーフォンからスマホへ乗り換えてみたいと思っているけど、「難しそう、少し不安」と思っている人へぜひオススメしたい1台となっています。