【徹底比較】実際どこが違う!? ASUS ZenFone 4 / ZenFone 4 Proの選ぶポイントをチェック

2017年9月23日に発売された「ZenFone 4」と、その上位機種として2017年10月27日に発売された「ZenFone 4 Pro」。
SIMフリースマホの中でも人気の高いZenFoneシリーズの最新モデルであるこの2機種には、どのような違いがあるのでしょうか。実際に両機種を使い比べて検証してみました。
目次:
デザイン・外観の比較
まずは、「ZenFone 4」と「ZenFone 4 Pro」のデザインやサイズをチェックしてみましょう。

前面を見るとサイズやボタンの配置などはよく似ていますが、大きく印象を変えているのがベゼル部分の仕上げです。
ZenFone 4の画面周りはシンプルなブラックで、画面を消すと一枚板のような一体感のあるデザインとなっているのに対して、ZenFone 4 Proでは暗めのシルバーで、鏡のようにキラキラと光を反射します。
ZenFone 4 Proの前面のデザインは非常に個性的な一方で、写真や動画などを見る際の没入感、実用的な部分を考えるとシンプルなZenFone 4のほうが集中しやすいとも感じました。

どちらの機種も背面にはガラスを使っていて、光沢感のある仕上がりです。主な違いとしてはZenFone 4はデュアルカメラ部分まで1枚のガラスで覆われています。一方、ZenFone 4 Proはカメラ部分が別パーツとなっていて若干飛び出していること、そしてスピンデザインの有無が挙げられます。

ASUSのトレードマークともいえるスピンデザインは歴代のZenFoneシリーズでも採用されており、ZenFoneシリーズといえばこれ!という方も多いのではないでしょうか。
ZenFone 4では背面全体にこのデザインが施されていて、角度や光の当て方によって模様の見え方が変わる美しい仕上がりとなっています。

ZenFone 4 Proにはスピンデザインは施されていませんが、こちらは前述の鏡のようなフロントベゼルだけでなく、光沢のある側面やダイヤモンドカットされたエッジなど、全体的にZenFone 4よりも強い輝きを持ったデザインで上位機種らしいゴージャスさを演出しています。
本体形状や各パーツの配置はほぼ同じですが、落ち着いたデザインのZenFone 4ときらびやかなデザインのZenFone 4 Proで外観の印象は大きく違いました。好みが分かれる部分だと思うので、ぜひ一度触ってみてください。

両機種を重ねてみると、本体サイズはほとんど変わりません。数値上は長さ・幅・厚さのいずれもProのほうが大きいのですが、長さ以外は見比べても気付かない程度のわずかな違いです。


両機種とも薄型かつ側面に丸みを持たせてあるので、5.5インチの大画面スマホとしては持ちやすい部類です。
サイズや本体形状が非常に近いため持ちやすさに大きな違いはありませんが、ZenFone 4は165g、ZenFone 4 Proは175gと重さの違いがあります。わずか10gでもZenFone 4の軽さは持ち比べてみるとはっきりと分かり、扱いやすさに繋がっていると感じました。


今回、使用している端末のカラーは「ZenFone 4」がミッドナイトブラック、「ZenFone 4 Pro」がピュアブラックです。
「ZenFone 4」のカラーバリエーションはミッドナイトブラック・ムーンライトホワイトの2色、「ZenFone 4 Pro」はピュアブラック・ムーンライトホワイトの2色となっています。
スペックを比較
「ZenFone 4」と「ZenFone 4 Pro」のスペック情報(参照:ZenFone 4 製品ページ・ZenFone 4 Pro 製品ページ)
ZenFone 4 | ZenFone 4 Pro | |
---|---|---|
OS | Android 7.1.1 | Android 7.1.1 |
サイズ | 約155.4×75.2×7.5mm | 約156.9×75.6×7.6mm |
重量 | 約165g | 約175g |
SoC | Snapdragon 660 オクタコア | Snapdragon 835 オクタコア |
RAM | 6GB | 6GB |
ROM | 64GB | 128GB |
外部メモリ | microSDXC(最大2TB) | microSDXC(最大2TB) |
バッテリー容量 | 3,300mAh | 3,600mAh |
ディスプレイ | 5.5インチ 1,920×1,080(FHD) IPS液晶 |
5.5インチ 1,920×1,080(FHD) 有機EL |
アウトカメラ | 約1,200万画素(標準)+ 約800万画素(広角) |
約1,200万画素(標準)+ 約1,600万画素(望遠) |
インカメラ | 約800万画素 | 約800万画素 |
カラー | ミッドナイトブラック・ムーンライトホワイト | ピュアブラック・ムーンライトホワイト |
ZenFone 4はミドルレンジ向けSoCのSnapdragon 660、ZenFone 4 Proは最新のハイエンドSoCであるSnapdragon 835を搭載しています。
処理性能に差がある一方、RAMはどちらも6GBと余裕のある容量で、複数アプリの起動、マルチタスク機能の利用なども快適にこなすことができます。
内部ストレージはZenFone 4が64GB、Proは128GBという容量の違いもありますが、ZenFone 4 Proに搭載されているのは読み書きが高速なUFS 2.1規格のストレージです。容量の大きいアプリの起動や、動画撮影などではこちらの効果も大きいでしょう。
スマートフォンの性能を数値化できるベンチマークアプリを使って、両機種の性能を計測してみました。




Antutu BenchmarkとGeekbench 4という2種類のアプリで計測した結果を元に分析すると、まずAntutu Benchmarkによる総合性能のスコアではZenFone 4は112,827点。ZenFone 4 Proは168,391点と上位機種のZenFone 4 Proのほうがより高性能といえる結果になっています。
内訳を見ると特に差が付いているのは3D関連のスコアで、この部分で約4万点の差が付いています。3Dを多用したグラフィックの綺麗なゲームをスマートフォンで楽しみたい方にはZenFone 4 Proが適しているでしょう。
一方、CPU部分の性能を測るGeekbench 4のスコアを見るとかなり近い値が出ており、CPU性能の差は少ないことが分かります。実際に両機種を使ってみても、ホーム画面やSNS、ブラウジングなどの一般的な操作はZenFone 4でも上位機種との差をあまり感じませんでした。
様々なアプリを活用するヘビーユーザーでなければ、日常的な利用ではハイエンド機種並みの快適な動作が期待できるZenFone 4のコストパフォーマンスが高いといえます。バッテリー容量はZenFone 4 Proのほうが多いものの、高性能な分だけ電池消費も多いので持ち時間としては大きな違いはありません。
ディスプレイはどちらも5.5インチのフルHDディスプレイですが、ZenFone 4は液晶、Proは有機ELをそれぞれ採用しています。色鮮やかな表示では有機ELのProが有利な一方、焼き付きなどを気にせず利用できる液晶のZenFone 4にもメリットがあり一長一短です。
主なスペックの違いをおさらいしておきます。カメラ性能の違いについては次の章をご覧ください。
■ZenFone 4 / ZenFone 4 Proの主なスペックの違い
・グラフィック性能はZenFone 4 Proが高く、ゲームをよく遊ぶ方におすすめ
・CPU性能やRAM容量はZenFone 4も優秀で、日常的な用途ならコストパフォーマンスが高い
・バッテリー容量はProが多いが、持ち時間としてはあまり変わらない
・ZenFone 4は焼き付きの心配が少ないIPS液晶、Proは鮮やかな表示が得意な有機EL
カメラ性能を比較
ZenFone 4シリーズは「WE LOVE PHOTO」というスローガンを掲げていてカメラにも力を入れています。
ZenFone 4とZenFone 4 Proはどちらもデュアルカメラ仕様ですが、ZenFone 4は標準レンズ+広角レンズ、Proは標準レンズ+望遠レンズと役割が異なります。


カメラアプリのUIはほぼ同様でどちらも簡単に撮影できます。デュアルカメラの切替方法は以下の方法になります。
・ZenFone 4ではシャッターボタンの隣にある2つのボタンで標準・広角レンズの切り替えが可能。
・ZenFone 4 Proではシャッターボタン隣のボタンを押すごとに、1.0倍(標準レンズ)→2.0倍(望遠レンズ)→5.0倍(望遠レンズ+デジタルズーム)の順に画角を切り替えられるようになっています。
デュアルカメラの役割の違いを理解しやすいよう、それぞれ作例を用意したのでご覧ください。写真をタップ・クリックすると、大きな画像で表示できます。
ZenFone 4にはメインカメラよりも広い範囲を写せる広角カメラが搭載されているので、雄大な景色を写真に収めたい時や広い範囲を写したいけれど後ろに下がって撮ることができない時にカメラを切り替えると便利です。
一方、ZenFone 4 Proにはメインカメラの2倍寄って撮影できる望遠カメラが搭載されています。デジタルズームと違い画質を犠牲にすることなく望遠での撮影ができるので、ポートレートなどこだわりの1枚を撮るのに最適です。
また、標準レンズでは被写体が小さくなってしまいインパクトに欠けるシーンも、望遠レンズに切り替えれば印象的に切り取ることができます。
使い方のポイントとして、どちらの機種も広角・望遠レンズのサブカメラよりも標準レンズのメインカメラのほうが高性能な仕様となっています。光学式手ぶれ補正の搭載や画素ピッチの広いセンサー、レンズの明るさなどの長所がメインカメラにはあり、基本はこちらを使いつつ必要な場面で広角・望遠のサブカメラを使うのがおすすめです。
ここからは、両機種のメインカメラの性能を比較した作例をご紹介します。
いずれもオートモードでの撮影で、左側がZenFone 4、右側がZenFone 4 Proで撮影した写真です。


両機種ともメインカメラのイメージセンサーはIMX362で共通、レンズはZenFone 4がF1.8、ZenFone 4 ProがF1.7とスペックの違うものが搭載されています。
同じメーカーの機種で同じセンサーということで画作りは似ているのかな?と予想していたのですが、撮り比べて見ると意外にもかなり傾向の異なるチューニングとなっていました。
ZenFone 4はバランスの撮れた色味、ZenFone 4 Proはやや彩度が高めの色味です。


HDR機能を試すためにあえて逆光で建物を撮影してみました。ZenFone 4の作例は本来影になっている部分までしっかり明るく撮れていますね。


続いて人形を被写体にして接写を試してみると、寄れる距離の限界自体は2機種ともほぼ変わらなかったのですが、ZenFone 4 Proのみに高速・高精度なレーザーAFが搭載されているためかProの方がピントが合いやすい印象でした。




夜景や室内の写真では、ZenFone 4 Proの明るいレンズとビビッドなチューニングが本領を発揮します。
ココがポイント!
メインカメラ全体の傾向としては、日中の屋外で撮ることが多ければZenFone 4の自然な発色とHDRの効きの良さが、室内や夜間に撮ることが多ければZenFone 4 Proの鮮やかで見栄えのする発色と明るいレンズがそれぞれのメリットといえます。
サブカメラとしてZenFone 4の広角レンズとProの望遠レンズのどちらが欲しいかも含めて、利用することの多いシーンに応じて選ぶのが良いでしょう。
どんな人におすすめ?特徴と使い勝手をピックアップ
ここまでのポイントを踏まえて、ZenFone 4とZenFone 4 Proの特徴とおすすめしたい方をまとめます。
ZenFone 4

スタンダードな「ZenFone 4」は5.5インチの大画面スマホでありながら軽量で持ちやすく、広角レンズが搭載されたデュアルカメラは風景写真や集合写真など様々な場面で活躍します。
前モデルの「ZenFone 3」から大きく進化したスペックは、グラフィック性能を除けば「ZenFone 4 Pro」などのハイエンド機種に迫るほど。ミドルレンジモデルと侮れない性能を持ちながら電池持ちの良さとも両立しています。
マルチキャリア対応でSIMを問わず利用でき、4G+3GのDSDSにも対応しているので仕事用・プライベート用など2枚のSIMを使い分けることも可能。モバレコ バリューストアでは44,870円(税込)で発売中です。
価格も考えつつ動作の快適なスマートフォンが欲しい方におすすめで、特にグラフィック重視のゲームなどを遊ばない方であれば非常にコストパフォーマンスの高い機種です。
ZenFone 4 Pro

上位機種の「ZenFone 4 Pro」は、ZenFone 4とほぼ変わらないサイズの持ちやく、現行のAndroidスマートフォンではトップクラスの性能を詰め込んだ機種。
高性能な最新のSoCに大容量のRAM、高速なUFSストレージなど最先端のスペックによって快適な動作を実現しています。
望遠レンズとの切り替えが可能なデュアルカメラは、デジタルズームのような劣化なしに遠くの物を撮影したり、こだわりのポートレート写真を撮ることもできます。マルチキャリア対応、そして4G+3GのDSDSに対応している点はこちらも同様。モバレコ バリューストアでは75,000円(税込)で発売中です。
最上位モデルを求めるコアなZenFoneファンはもちろん、様々なアプリを利用するヘビーユーザー、ゲームをよく遊ぶ方にもおすすめの機種です。
比較まとめ

比較してみて最も驚いたのはZenFone 4のミドルレンジ離れした動作の良さで、重い3Dゲームをよく遊ぶ方などでなければどちらを購入しても動作には満足できると思います。
カメラ機能では、サブカメラが広角レンズか望遠レンズという違いがあり、良し悪しというよりはどちらが自分の利用シーンに合っているかが重要になります。
本体の持ちやすさはほぼ互角ですが少し軽い分、ZenFone 4がやや有利です。
デザインは、前モデルよりも落ち着いたZenFone 4と光沢の強いゴージャスな仕上げのZenFone 4 Proでかなり印象が異なります。どちらも完成度の高い機種なので、見た目の好みで選んでも後悔はないでしょう。
単なる上位互換ではなく、ZenFone 4・ZenFone 4 Proのどちらにもそれぞれ魅力があるので、ぜひ本記事を参考に検討してみてください。