【ガチンコ比較】「iPhone X」と「Xperia XZ Premium」のカメラはどっちがキレイ!?

スマホのカメラもかなり進化してきていて、ちょっとした撮影ならデジカメよりもスマホのほうがシェアもラクだしそっちのほうがいいな、と思っている人も多いと思います。
撮りたいものは人それぞれですが、重要なのは自分の思ったものがきちんと写せているかどうかですよね。
そこで今回は、Appleの「iPhone X」とソニーの「Xperia XZ Premium」の2機種でカメラ性能を比較しました。
どんなシーンが得意か、色味がどうかなどの差がありますが、2つのフラッグシップモデルでどのような違いが出るのか作例を比較していきたいと思います。
目次:
iPhone XとXperia XZ Premiumのカメラ性能をチェック

・アウトカメラ(広角):1,200万画素 F1.8 焦点距離(35mm換算)28mm
・アウトカメラ(望遠):1,200万画素 F2.4 焦点距離(35mm換算)52mm
なんといっても2つのレンズを搭載しているのがポイントですね。いわゆる望遠レンズの方は、35mm換算だと52mmなのでズームというより標準レンズくらいです。だいたい人間の目で見るのと同じような画角でとれますよ。また、望遠レンズにも手ぶれ補正がついているので、iPhone 8 Plusのときよりも活躍する機会が増えそうですね。

・アウトカメラ:1,920万画素 F2.0 焦点距離(35mm換算)25mm
焦点距離は35mm換算で25mmと、iPhone Xよりも広角になっています。風景などを撮るときは、より景観を広く写せるのでよさそうです。画素数も多く高精細な写真が撮れるのもポイントですね。
6つのシーンでiPhone XとXperia XZ Premiumのカメラ性能を比較
普段スマホで撮りそうな6つのシチュエーションで撮影してみました。
シーン①:風景
シーン②:逆光
シーン③:HDR
シーン④:夜景
シーン⑤:料理
シーン⑥:接写
画像は、タップ・クリックをすると大きく表示できます。1枚目がiPhone X(左)、2枚目がXperia XZ Premium(右)の順番で紹介しており、全て手持ちの撮影で行っています。
①:【風景】何気ない街並みのシーンを比較
●台湾の街並み


画角はiPhone Xが35mm換算で約28mm、Xperia XZ Premiumが同約25mmということでXperiaの方が若干広角です。風景撮影に関しては広角のXperia XZ Premiumが有利かなという印象。
曇天だったため空の色はどちらもいまいち確認できず。全体的に、iPhoneで撮影した写真は肉眼より気持ち明るめに撮れている感じです。
●高雄の美麗島駅


「世界で最も美しい駅」第二位にも選ばれた駅。ここでも広角なXperiaの方が画的には有利(とはいえ全体を撮れてないですが)。
どちらも色鮮やかに再現できていますが、若干Xperiaの方が高めの彩度で撮れているかな?という感じがしますね。風景撮影はXperiaの方が向いていそうです。若干暗めに写ってしまったら補正で明るさを持ち上げてあげてカバーして使うようにすればいいでしょう。
②:【逆光】明暗差を比較
●台湾、龍虎塔。逆光気味での撮影


Xperiaのほうが全体的に暗めな仕上がりになってしまっていますね。iPhoneの方は明暗差が少なく頑張ってる感じがしますが、なんとなく全体的にもやっとした感じが出ています。
●蓮花潭の春秋御閣


こちらも龍虎塔同様iPhoneの方が明るめに写っていますが、Xperiaの方が色再現がよく出ています。また、Xperiaは中心部から外れるとちゃんと解像してない部分が目立ったりしている印象もあります。
ちなみに、上2つのシチュエーションはどちらもHDRが有効になっていない状態。それでもここまで明暗差を少なく写せているのはすごいなと感じました。
③:【HDR】空の上から撮影
●機内から上空を撮影


どちらもHDRをオンにした状態で撮影しました。
翼の部分に注目すると、Xperiaの方が明るく写せていますね。とはいえiPhoneの方もかなり検討しているんじゃないかなと思います。
なお、HDRは露出の異なる複数枚の画像を合成して作られるので、手ブレに気をつけて撮影しましょう。
④:【夜景】高層ビルからの撮影を比較
●高雄85タワーから高雄の町並を望む


Exifを見ると、iPhoneはシャッタースピード1/15秒ISO 1000、Xperiaはシャッタースピード0.8秒ISO 160となっています。
ISOが上がっている分どうしてもiPhoneの方はノイジーですね。Xperiaはシャッタースピードを遅くすることでノイズを減らしていますが、シャッタースピードが遅いので手ブレにはかなり気を使う必要があることが分かります。
光源となるものが結構少なかったのでわりと厳し目ですが、Xperiaの方がノイズが少ない分キレイに写せている印象だと思います。
●都庁の展望台から新宿方面を撮影


iPhoneはシャッタースピード1/4秒ISO 500、Xperiaはシャッタースピード0.8秒ISO 250です。また、iPhoneの方は露出を少し持ち上げています。
先程とはことなりかなり光源が多いので、あまりISOを上げなくてもよかったようで、どちらもノイズは少なめ。
iPhoneの方は露出を上げているため空や建物なども気持ち明るく写っています。Xperiaは建物や空は暗く、しかし光源があるところはしっかり明るく写っています。これには関心しました。
風景同様、夜景もXperiaが強いかなと思います。
⑤:【料理】SNSにも載せたい写真はどっちがキレイ?
●牛肉麺


どちらもオートで撮影。Xperiaは料理モードが有効になっています。
どちらも彩度高めで色合いがよく写っていますが、iPhoneの方が気持ち暖かめな色味になっているので美味しそうですね。
●ハンバーガー


薄暗い店内でハンバーガーを撮影。こちらもXperiaは料理モードです。
色温度はどちらも同じぐらいですが、ハンバーガーのチーズ部分をみると、Xperiaのほうが黄色みが強く出ているかなという感じがします。
好みの差はあるかもしれませんが、カフェとかでインスタ映えを狙った写真を撮るならiPhoneの方がよいかな?と思います。しかし、Xperiaも昔よりは美味しそうに撮れるようになり進化したなと感じます。
⑥:【接写】寄りで撮りたい時はどっち?
●先程のハンバーガーをアップで


ハンバーガーのてっぺんにピントが合うくらいの位置まで寄って撮影。
より寄って撮影できるのはiPhoneの方でした。実際の写りとは別に、目一杯寄りたいのであればiPhoneの方が強いですね。料理や植物など「寄り」撮影したい時にはiPhone Xがいいでしょう。
「iPhone X」「Xperia XZ Premium」のカメラの違い
今までは両者同じ条件で撮影してきましたが、iPhone XとXperia XZ Premiumはそれぞれの機種にしかない魅力もあります。
iPhone X
iPhone Xは広角レンズの他に望遠レンズも備えるデュアルレンズ仕様。望遠のほうは35mm換算で約52mmと、望遠というより標準レンズに近い感じですが、撮れる画が全然違います。

広角レンズで撮影した場合、どうしてもパースがかかってしまうため、ジョッキなど直線的な物を撮影すると歪みが目立ってしまいますが、望遠レンズだとそれがなくなります。

料理を撮るときも、見た目に近い構図で撮れるので個人的には望遠レンズを使用したほうが美味しく撮れると思います。
iPhone Xの場合は望遠レンズにも手ぶれ補正がついているため、iPhone 8 Plusよりも使い所が増えるのではないでしょうか。
また、独自機能としてポートレートモード、ポートレートライティングも挙げられます。背景をぼかして被写体を際立たせることができるため、人物だけでなく食べ物に対してもいい感じに写せます。
画像1枚目(左)はポートレートモードを使わず望遠レンズで撮った写真。2枚目(右は)ポートレートモードで撮影した写真。ポートレートモードで撮影した写真は、背景がボケているのがわかります。
ポートレートライティングは、ポートレートモードで撮影した写真に照明効果をつけられるもの。先程の鯉のオブジェで試してみましょう。
ステージ照明は、ピントがあっている(と認識される)部分以外が暗くなります。デジタル処理のため、背景にあってもピント領域と判断されると写ってきてしまうので、ちょっと使い所は難しいかもしれません。

デジタル処理のため、背景と認識されるとボケてしまうので、ストローや紐状のもの、背景色と似ている色がある場合は失敗することもしばしば。iPhone Xに搭載されているポートレートモードの検証はこちらの記事でも検証しています。参考にどうぞ。
Xperia XZ Premium
Xperia XZ Premiumで特徴的なのはスーパースローと先読み撮影機能でしょうか。
スーパースローは最大960fpsの動画を撮影できるため、肉眼では確認できないようなものまで撮れてしまいます。すごい。
先読み撮影は、カメラが被写体の動きを検出すると自動で画像を一時保存し、シャッターを押した瞬間と押す前の画像から最大4枚の写真を記録する機能。
シャッタータイミングを合わせづらい被写体に有効です。




結構便利な機能ですが、発動タイミングがXperia任せなので、ほしい時に有効にならなかったりする場合があるためちょっとクセが強いかなと感じました。
しかし、よく動くペットの写真なんかを多く撮るという人にはありがたい機能だと思います。Xperiaのカメラ性能はこちらの記事でも検証しています。参考にどうぞ。
まとめ
やはり両者それぞれ得意なシーンが異なっているなという印象を感じました。iPhone Xであれば料理の写真を撮るのに向いているなと思います。特に望遠レンズを使ったり、ポートレートモードをしようすることで写真の印象がだいぶ違います。
Xperia XZ Premiumに向いているのは風景や夜景ではないでしょうか。広角、そして高解像度なレンズで、バシッと決まるとかなりかっこいい写真が撮れます。
それぞれの特徴的な機能にも注目したいですね。特にXperiaのスーパースローは使い所が難しいと感じるかもしれませんが、何気ないものをスーパースローで撮影するだけで、結構面白いものが出来上がったりします。
あくまでもスマホでの撮影なので、画質はお高い一眼レフなんかと比べるものではありませんが、撮りたいと思ってから撮影するまでのスピード感や、即シェアできると言った部分は一眼レフにはない魅力です。
どんどん進化するiPhoneとXperiaのカメラ性能、あなどれないですね。今後にも注目していきたいです。