Google Pixel 3a / 3a XL レビュー! 価格以上に満足できる性能とカメラが魅力

2019年5月に発表されたGoogle最新スマートフォン「Google Pixel 3a / 3a XL」。昨年大ヒットした「Google Pixel 3 / 3 XL」の廉価版でこれまでのミドルレンジモデルの常識を覆す注目の機種となっています。
Google Pixel 3a / 3a XLは、Google Pixel 3 / 3 XLとほぼ同等のカメラ性能を持ち、省電力で高性能なCPUを搭載、Pixel 3aはコンパクトで使い勝手の良さが魅力、Pixel 3a XLは大画面で動画鑑賞、ゲームにも最適な一台になっている魅力なスマートフォンです。
国内では既にGoogleストアやソフトバンクからGoogle Pixel 3aおよびPixel 3a XLを2019年5月17日(金)より順次発売が行われています。docomoはGoogle Pixel 3aの取り扱いを発表。Googleストア、ソフトバンクでは販売開始済み、ドコモでは6月7日に発売。
今回は、Google Pixel 3a / 3a XLを用いてそれぞれの「デザイン」「スペック」「特徴」「カメラ性能」「比較」、様々な視点からレビュー・評価していきます。
目次:
【デザイン・外観】飽きのこないポップなデザイン

Google Pixel 3aは、有機ELディスプレイを採用しています。画面サイズはPixel 3aが5.6インチ、Pixel 3が5.5インチとわずかにディスプレイサイズが0.1インチ大きくなっています。
画面サイズは大画面と言えるサイズですが、手に持ったときに感じるのはその「コンパクトさ」です。驚くほど、軽く、薄く、コンパクトです。Pixel 3から続く”こだわり”を、Google Pixel 3aも引き継いでいます。










Pixel 3a本体背面は、ポリカーボネート製で作られています。本体背面の素材が変わりましたが、見た目に差はないように感じます。フレームの継ぎ目がなくなり、見栄えが良くなりました。質感も良く、光沢感は薄れたものの、滑りにくくサラサラしているので「ずっと触っていたい」そんなソフトな肌触りになっています。
Google Pixel 3a、3a XLどちらも指紋認証センサー、ボタン配置は同じです。本体右側側面に上から電源ボタン、音量ボタン、左側側面にSIMカードスロット、本体上部側面に左からイヤホンジャック、マイク、本体下部側面にはステレオスピーカー、Type-Cコネクタが搭載されています。
背面左上にメインカメラ、中央に指紋認証センサー、下部に「G」のロゴが刻まれています。Google Pixel 3a、Pixel 3a XLはどちらもおサイフケータイ・FeliCaに対応していますが、ロゴマークはありません。そのため見た目もシンプルでより統一感があるデザインになっています。


Google Pixel 3aは持ってみると分かりますが、ベストサイズです。”ちょうど良い”がぴったり当てはまる本体サイズになっています。背面の触り心地と、湾曲した背面がより本体の持ちやすさに貢献してくれています。
Google Pixel 3a XLは、Pixel 3aよりも一回り大きいです。Pixel 3aとは違い片手での操作より両手操作の方が快適です。背面がラウンドしているおかげで手にフィットする感じは、Pixel 3a同様に感じます。


Google Pixel 3aと3a XLと並べて見ると分かりますが、より大画面なのはGoogle Pixel 3a XLです。Pixel 3a XLは、縦が約9.2mm長く、幅が6mm大きく、約20g重くなります。(Pixel 3a:151.3 x 70.1 x 8.2 mm / 147g、Pixel3a XL:160.1 x 76.1 x 8.2 mm / 167g)
実際に使ってみるとGoogle Pixel 3a XLの方が、動画鑑賞やネットサーフィン、ゲームなどをメインでやっていくなら最適なサイズだと感じました。ただし、Google Pixel 3aのような手で持った時のフィット感やコンパクトさが減ります。自分の利用用途に合わせた選び方をしていくことをおすすめします。

Google Pixel 3aと3a XLの本体カラーはClearly White、Just Black、Purple-ishの3色です。今回使用しているのは、Purple-ishです。濃い大胆なパープルではなく、薄い上品なパープルを採用しています。


Google Pixel 3aのClearly WhiteとPurple-ishの色味の違いを比較してみました。下がClearly White、上がPurple-ishです。比較するとClearly WhiteよりもPurple-ishの色味が薄いパープルが入っているのが分かりやすいと思います。
純正ケースはつけていて気持ちいいフィット感




ソフトなさわり心地のマイクロファイバー製の素材でありながら、しっかり端末を保護してくれるPixel 3a / XL純正ケース。端末の購入時に一緒にぜひ検討してみるといいでしょう。
【スペック・性能】ミドルレンジモデルだが「高性能+省電力CPU」仕様に
Google Pixel 3a / 3a XLのスペック・性能をスペック表でチェックしていきましょう。
機種名 | Google Pixel 3a | Google Pixel 3a XL |
---|---|---|
本体サイズ(縦×幅×厚さ) | 151.3 x 70.1 x 8.2 mm | 160.1 x 76.1 x 8.2 mm |
重量 | 約147g | 約167g |
ディスプレイ | 約5.6インチ FHD+(2,220 x 1,080) OLED(有機EL) アスペクト比18.5:9 |
約6.0インチ FHD+(2,160 x 1,080) OLED(有機EL) アスペクト比18:9 |
OS | Android 9.0(初期搭載OS) | Android 9.0(初期搭載OS) |
SoC | Snapdragon 670 | Snapdragon 670 |
メモリ(RAM) | 4GB | 4GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 64GB | 64GB |
外部ストレージ | 非対応 | 非対応 |
アウトカメラ | 約1,220万画素 / F値1.8 光学式手ぶれ補正 |
約1,220万画素 / F値1.8 光学式手ぶれ補正 |
インカメラ | 約800万画素 / F値2.0 | 約800万画素 / F値2.0 |
バッテリー | 3,000mAh | 3,700mAh |
充電端子 | USB-PD 2.0(Type-C) | USB-PD 2.0(Type-C) |
通信方式 | GSM(850/900/1800/1900MHz) LTE対応バンド( 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 8 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 21 / 26 / 28 / 38 / 41) |
GSM(850/900/1800/1900MHz) LTE対応バンド( 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 8 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 21 / 26 / 28 / 38 / 41) |
SIMカード | Nano SIM | Nano SIM |
Wi-Fi | Wi-Fi2.4GHz+5GHz 802.11 a/b/g/n/ac | Wi-Fi2.4GHz+5GHz 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
本体カラー | Clearly White Just Black Purple-ish |
Clearly White Just Black Purple-ish |
その他 | ステレオスピーカー対応 18W急速充電対応 Felica対応 |
ステレオスピーカー対応 18W急速充電対応 Felica対応 |
OSは最新の「Android 9.0 Pie」と3年間のOSアップデート、3年間毎月のセキュリティアップデートが保証されています。CPUはミドルレンジ向けのSnapdragon 670を搭載しています。ミドルレンジモデル向けのCPUではありますが、高性能+省電力CPUとなっており、数年前のハイエンドモデル以上の性能を誇ります。
参考までにベンチマークテストの「Antutu Benchmark」の測定結果を下記に記載します。


左がPixel 3a、右が3a XLそれぞれ約16万点とミドルレンジモデルながらハイスコアを叩き出しています。実際に3Dゲームやネットブラウジングしてみましたが、驚くほど快適でびっくりします。PUBGモバイルをプレイしてみましたが、初期設定でHD画質(高画質、デバイス負荷は高い)に設定されていました。ハイエンドモデルのように全くカクつかずに動作するというまではいきませんが、普通に問題なく遊ぶことができました。
バッテリー容量は、Pixel 3aが3,000mAh、Pixel 3a XLが3,700mAhとPixel 3とPixel 3XLよりもバッテリー容量が増えました。また、省電力CPUと相まってバッテリー持ちが格段に良くなっています。一日中写真やネットブラウジング、Twitterをしていましたが、朝から晩まで使うことが出来る魅力的なバッテリー持ちを実現しています。
Google Pixel 3a、3a XLの違いとしては、2つあります。まずは本体・画面サイズが異なります。Pixel 3a XLの方が、6.0インチとPixel 3aよりも大画面になって、本体サイズも大きくなっています。
2つ目は、バッテリー容量です。Pixel 3a XLは、物理的なサイズも大きいこともありPixel 3aよりも大きなバッテリーを搭載しています。そのため、若干Pixel 3aよりも使っていてバッテリー持ちが良いように感じました。
【比較】Google Pixel 3 / XLと3a / 3a XLはどこが違うのか
Google Pixel 3 / XLと3a / 3a XLの違いを見ていきましょう。

デザインについては、Google Pixel 3 / XLでは、背面がガラス素材「Corning Gorilla Glass 5」を採用されていますが、3a / 3a XLではポリカーボネートを採用しています。見た目の違いはほぼありません。触るとガラス特有の冷たさなどはないですが、非常にサラサラしていて持ちやすく、滑りにくい質感になっています。また、3a / 3a XLではPixel 3 / XLとは使っている素材が違うため、側面にフレームはなく継ぎ目のないユニボディが採用されています。

ディスプレイについては、Google Pixel 3が5.5インチ有機ELディスプレイ(FHD+)、HDR対応、アスペクト比18:9。Pixel 3aが5.6 インチ有機ELディスプレイ(FHD+)、アスペクト比18.5:9となっています。
Google Pixel 3 XLは、6.3インチノッチ型有機ELディスプレイ(QHD+)HDR対応、アスペクト比18.5:9。対して3a XLは、6.0 インチ有機ELディスプレイ(FHD+)、アスペクト比18:9、ノッチはなしとなっています。
どちらも有機ELディスプレイを採用しているので一般的利用であればまず粗さが気になることはなく、実際非常に綺麗です。ただし、3a / 3a XLはHDR対応していないので動画視聴時など、コントラストにわずかな差が生まれますが、正直あまり気になりません。
また、Pixel 3a XLの変更点で嬉しいのはノッチディスプレイではないことです。Pixel 3 XLではノッチディスプレイを隠す機能がありましたが、Pixel 3a XLはノッチを隠した状態とほぼ同じ液晶表示サイズになっています。
CPUについては、Google Pixel 3 / XLが一世代前のハイエンドモデルCPU「Snapdragon 845」、3a / 3a XLは最新のミドルレンジモデル向けCPU「Snapdragon 670」を搭載しています。処理性能、動作、レスポンス、グラフィック性能に関してはGoogle Pixel 3 / XLが上です。使ってみるとわかりますが、「Snapdragon 670」でも十分すぎるほど不満がない動作・レスポンスを実現しています。3aと3a XLのCPUの違いはなく、どちらも同じ快適さです。

カメラ性能について、メインカメラは画素数や光学式手ぶれ補正等の基本的な仕様はほぼ同等です。3a / 3a XLでも驚くほど綺麗な写真が手軽に撮影出来ます。ただし、Google独自の画像処理プロセッサ「Pixel Visual Core」が非搭載なので、撮影後の写真処理がPixel 3 / XLよりも3a / 3a XLの方が数秒遅れます。Pixel 3を使ったことがない方ならあまり気になるほどではありません。
価格について、Googleストアで販売されているSIMフリーモデルを参考に比較してみます。Google Pixel 3が95,000円~(税込)、Pixel 3aが48,600円(税込)です。約半額になっています。続いて、Google Pixel 3 XLは、119,000円~(税込)、3a XLは60,000円(税込)とこちらも約半額の価格設定になっています。
3a / 3a XLともにこれだけの性能・カメラが詰まっているのに、Google Pixel 3 / XLと比べると約半額の価格設定は驚異的です。ちなみに、3a / 3a XLの価格差は約10,000円です。価格差はそれほどないので、自分が使いたい用途に合わせて選ぶことをおすすめします。
【カメラ性能】4万円台でここまで撮れる!特に夜景モードに注目

Google Pixel 3a / 3a XLが最も評価されるべきポイントはカメラです。去年話題になったPixel 3 / XLのカメラをミドルレンジモデルながらほぼ同等性能のカメラをPixel 3a / 3a XLに搭載しています。今までのミドルレンジモデルの常識を覆したカメラを徹底的にみていきましょう。
Pixel 3a / 3a XLのメインカメラはPixel 3 / XLと同じシングルカメラを搭載しています。1,220万画素、F値1.8、ミドルレンジモデルですが光学式手ブレ補正にも対応しているのは嬉しいポイント。また、去年Pixel 3で話題になった凄く暗い場所での撮影でも明るく撮れる「夜景モード」も搭載しています。
他にも一眼レフのような被写体の背景をぼかして撮影できる「ポートレートモード」やデジタルズームでも画像の劣化を抑えながら撮影できる「超解像ズーム」。
シャッターを切ったあとにその前後の瞬間の画像をキャプチャーして自動的に一番良い1枚を選んでくれる「トップショット」にも対応、またカメラを向けた商品をAIが調べて検索してくれる「Googleレンズ」の使用も出来ます。
早速、実際にGoogle Pixel 3a / 3a XLで撮影した作例を紹介していきます。


Pixel 3a XLで日中の風景を撮影。風景撮影にも強く、空の青さも現実に近いはっきりした色味を捉えてくれます。Pixel 3aではゴツゴツした石垣を撮影。石壁の質感が写真で伝わってくるような質の良い写真の撮影が手軽に出来ます。


Pixel 3aで撮影。料理の写真は、温かみが強すぎない現実に近い色味の写真が撮影が可能。料理も美味しそうにバシバシ手軽に撮れます。


Pixel 3a XLで撮影。驚くほど寄れるカメラです。花の色味も綺麗で背景のボケ具合も自然に出せています。接写もPixel 3a 1台でこなせます。


Pixel 3a XLで撮影。左が1倍、右が最大8倍ズームです。解像度を出来るだけ落とさない超解像ズームがしっかり効いた写真が手軽に撮れます。


Pixel 3a XLで撮影。ポートレートモードは驚きの背景ぼかしを体験出来ます。完璧ではありませんが、スマホでここまで撮影出来るのは凄いとしか言いようがありません。
Pixel 3a / 3a XLのメインカメラは恐ろしいぐらい夜間撮影にも強い。夜間や暗所の撮影でも光があっても白飛びが少なく、ハッキリ締まった写真が撮影可能です。Pixel 3 / XLとも違いがわからないレベルの写真撮影が出来ます。

あまりに暗い場所での撮影時は自動で、夜景モードへの案内を表示してくれるのも非常にありがたい機能です。


暗闇の中では夜景モードは凄く力を発揮してくれます。標準モードではかなり暗く撮れるシーンも、夜景モードであれば全体的に明るく撮れます。
今回さまざまなシーンの撮影をして僕が感じた感想は、素直に「カメラ凄すぎる」です。評価としては、様々な点を考慮して何度考えても満点以外はありえません。
これまでいくつものミドルレンジモデルを使ってきましたが、ここまで撮れるミドルレンジモデルのカメラはPixel 3a / Pixel 3a XLが初めてです。それぐらい多彩なシーンへの対応、「ポートレートモード」などのオプション機能の豊富さ、AIの精度は素晴らしいものを感じました。

「Googleレンズ」は、カメラで写した対象を認識し、その対象を自動で調べて検索してくれたり、例えば料理であれば料理名を調べることができます。上記写真のようにスマートフォンを対象のモノにすると自動でそのスマートフォン名を調べてくれました。
最近は、Googleアシスタントを使い喋りかけて音声で検索してくれるという機能もありますが、これなんだろうと思い出せない場面でも、Googleレンズを使えば調べてくれるのでより便利になりました。
Google Pixel 3a / 3a XLのココがいい

3年間のOSアップデートとセキュリティアップデートが保証
Pixel 3a / 3a XLは、3年間のOSアップデートとセキュリティアップデートが保証されています。これはGoogle Pixel 3 /XLでも同じように保証されていましたが、ミドルレンジモデルで3年間アップデート保証されているのは凄いです。
他社のミドルレンジモデルのSIMフリースマートフォンでも一度大型アップデートされれば良い方なので、Pixel 3a / 3a XLがいかに凄いか分かってもらえると思います。価格は4万円台からで、長く安心して使えるPixel 3a / 3a XLは万人におすすめ出来ます。
Felicaに対応している
Pixel 3a / 3a XLの国内モデルは、FeliCa・おサイフケータイに対応しています。国内ではすでに必須機能となりつつある、おサイフケータイ。おサイフケータイが搭載されていないと、購入候補からどうしても外してしまうという方も多いと思いますが、Pixel 3a / 3a XLはしっかり国内仕様に対応してくれています。
ハイエンドモデルでも搭載していない機種がある中、Pixel 3a / 3a XLにFeliCaが搭載されていることは素直に評価されるべき点だと思います。
価格帯が秀逸
Pixel 3a / 3a XLの価格設定が、業界の常識を変えるほど凄い。Googleは、他社の軒並み10万円を超える高級ハイエンドモデル路線に一石を投じました。同時に、ミドルレンジモデルの常識を覆す一台にもなっています。
ここまでの性能・カメラを詰め込んで、価格は高級ハイエンドモデルの半額です。また、他社の格安ミドルレンジモデルとの価格に迫る勢いの価格設定です。性能やカメラ、機能にも驚きを隠せませんが、Pixel 3a / 3a XLの価格にも魅力を感じざるを得ないです。
評価まとめ

Google Pixel 3a / 3a XLは、“今までのミドルレンジモデルの常識を変える”。
Pixel 3 / XLから受け継いだ遜色ないメインカメラや長く使えるOSアップデート保証、日常利用に十分すぎる動作は圧巻です。出来るだけ長く使いたい、でも価格はとにかく安く抑えたい方にグサッと刺さるスマートフォンです。
唯一、デメリットを上げるとすればインカメラがデュアルカメラではなく、シングルカメラになったことで広角を利用した「グループ自撮りモード」を使えません。ただし、絶対必要としている方は限定的で「ポートレートモード」等は引き続き使えるので、十分妥協できる点だと感じます。
持ちやすさ、使いやすさ、軽さを重視する方なら「Pixel 3a」。大画面で動画鑑賞、ゲーム、ナビとしての利用を頻繁にする方は「Pixel 3a XL」をおすすめします。
長く、安心して使えるこれまでにないミドルレンジモデルをぜひ体験してみてください。