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HUAWEI P30レビュー! スマホカメラの常識を変えるHUAWEI渾身のフラグシップモデル
2019年5月に発売されたHUAWEIの最新作「HUAWEI P30」。しずく型ノッチを採用したワイドディスプレイをはじめ、爆速の画面内指紋認証や顔認証、機能別に3つのレンズを使い分ける驚異的なカメラ性能など機能を豊富に盛り込んだフラグシップモデルです。
米中関係の騒動により一時販売休止を余儀なくされましたが、2019年6月3日より家電量販店やMVNO回線とのセット販売を再開しています。
この記事では、HUAWEI P30の外観、スペックや特徴、気になるカメラ性能についてご紹介します。
目次:
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【外観・デザイン】グラデーションカラーが美しい背面に注目












しずく型ノッチを採用することで6.1インチのディスプレイがより大きく見えます、背面はグラデーションカラーが美しく、トリプルカメラの存在感も印象的に。
左右側面には、SIMスロット、電源・ボリュームボタン。本体、下部には充電端子、イヤホンジャック、スピーカーを搭載しています。
HUAWEI P30は6.1インチの有機ELディスプレイを搭載。発色が色鮮やかで炎天下の下でも明るく見やすくなっています。

インカメラ部分のみ切り欠きのあるしずく型ノッチにより、ベゼル幅を極限まで狭くして大画面でも横幅を5インチ台のスマートフォンと同等サイズに抑えています。

比較的コンパクトな部類に入る「Google Pixel 3」と本体サイズを比較してみたところ、ベゼル幅が細いためそこまで大きさは変わらなかったです。
しかし、指を移動させる範囲はHUAWEI P30のほうが大きく、ナビゲーションの操作や通知を確認するときに滑り落ちそうになります。バンカーリングやケースなどを着けて対策したほうが良さそうです。

指紋認証は画面内にセンサーを備えていて、ロック解除のアニメーションもクールでかっこいいです。認証精度やスピードも従来のセンサー式と遜色ない使い勝手を実現しています。


光の反射で様々な表情を見せてくれる
背面パネルはガラス製で、光の反射によって色合いがブルーからエメラルドグリーンにグラデーションしていく美しいデザインです。メーカーロゴの印字は端末を横にしたときに正しい位置になるようになっています。

左上には広角+超広角+望遠の3つのレンズ搭載。レンズが大きく飛び出ているため、ディスプレイを上にして卓上に置いて使うとガタつきが見られました。付属のクリアケースなどを使って段差を埋めると解決します。
右側面には音量ボタンと電源ボタン、左側面にはnanoSIMスロットを内蔵。ドコモ・au・ソフトバンクの大手3キャリアの主要周波数に対応しているため、キャリア問わず快適に使えるのは大きなメリットです。

SIMスロットはDSDVに対応しており、2枚のSIMカードを使って同時待ち受けが可能です。また、HUAWEI独自のMNカードを利用できます。microSDカードには非対応なのは少々残念でした。
トップにはマイク穴、ボトムには3.5mmイヤホンジャックとモノラルスピーカー、中央にType-Cポートを備えています。上位機種のP30 Proにはないイヤホンジャックが搭載されており、無線イヤホンの遅延やバッテリーが気になる方にとっては助かります。

本体カラーはブリージングクリスタルとオーロラの2色展開。どちらも鮮やかに光り輝くグラデーションが美しく男女問わず使える綺麗な色合いです。今回はオーロラを使用してレビューしていきます。
【スペック・パフォーマンス】パワフルで快適な性能
続いてはHUAWEI P30の基本スペックをご紹介します。下記データは公式サイトのスペック表を参考にしています。
カラー | ブリージングクリスタル、オーロラ |
---|---|
サイズ(縦 × 幅 × 厚さ) | 約149.1mm × 約71.36mm × 約7.57mm |
重量 | 約165g |
ディスプレイ | 約6.1インチ 19.5:9 (2,340×1,080)/ OLED |
OS | Android 9.0 Pie / EMUI 9.1.0 |
CPU(SoC) | HUAWEI Kirin980 64ビットオクタコア(2.6GHz×2 + 1.92GHz×2 + 1.8 GHz×4) |
メモリ(RAM) | 6GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 128GB |
外部ストレージ | HUAWEI MNカード(microSD非対応) |
背面カメラ | Leicaトリプルカメラ 広角:約4,000万画素(F1.8) 超広角:約1,600万画素(F2.2) 望遠:約800万画素(F3.4) 光学3倍、ハイブリッドズーム5倍、デジタル30倍ズーム対応 ISO 204,800 |
前面カメラ | 約3,200万画素 (撮影モードにより、解像度は若干変動します) |
SIMカード | nanoSIM×2(DSDV対応) (SIM2はHUAWEI MNカードと排他構造) |
対応周波数 | FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 26 / 28 TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41 (2545~2655 MHz) キャリアアグリゲーション対応 WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19 GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz |
充電端子 | USB Type-C(USB PD・HUAWEI Super Charge対応) |
バッテリー容量 | 3,650mAh |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth® 5.0 BLE(aptX, aptX HD, LDAC HD, HWA Audio対応) |
防水・防塵 | IP53 |
CPU(SoC)はHUAWEI Kirin 980を搭載。上位機種のP30 Proと同じものを使用しているため、動作パフォーマンスは非常に快適です。
メモリ(RAM)は6GB、ストレージ容量(ROM)は128GBと大容量で、多数のアプリを同時に立ち上げても動作がもたついたり裏で終了することなく利用できました。

3Dグラフィック性能を求められる「PUBG MOBILE」をプレイしてみたところ、高画質設定でも動きがスムーズでした。大画面かつ横に広いエリアを一望できるため、試合を有利に進められます。
さらに、性能を最大化させる「ハイパフォーマンスモード」を有効にすることで、よりパフォーマンスの向上が見込めます。参考までに、性能を数値化するベンチマークソフト「Antutu Benchmark」「GeekBench 4」「3DMark」のスコアを掲載します。
通常時ベンチマーク結果
ハイパフォーマンスモード設定時ベンチマーク結果
Antutu Benchmark |
GeekBench 4 | 3DMark | |
---|---|---|---|
通常時 | 291,247点 | シングル:3,258点 マルチ:9,709点 |
OpenGL ES 3.1:3,969点 Vulkan:3,471点 |
ハイパフォーマンス | 310,381点 | シングル:3,331点 マルチ:9,964点 |
OpenGL ES 3.1:4,324点 Vulkan:4,281点 |
結果はハイエンドモデルに恥じない高スコアを叩き出しました。執筆時点で最新のSnapdragon 845と比べても遜色のない性能を持っています。
しかし、アプリの対応状況などを鑑みると、より一般的なSnapdragonのほうが本来の性能を最大限発揮できるということもあるため注意が必要です。
気になるバッテリー持ちについては、3,650mAhの大きなバッテリーを搭載しているため長時間使っていても残量を気にせず丸一日使えました。利用する方法によってバッテリー持ちは変動しますが、動画視聴やカメラ、ゲームなどを長時間利用すると減りは速いです。
【比較】HUAWEI P20とHUAWEI P30はどこが進化した?
昨年発売されたHUAWEI P20と今期の最新モデルP30では、一体どれだけ性能が進化したのでしょうか。スペックを表にまとめてみました。
HUAWEI P20 | HUAWEI P30 | |
---|---|---|
カラー | ブラック、ミッドナイトブルー、ピンクゴールド | ブリージングクリスタル、オーロラ |
サイズ | 縦約149.1 mm×幅約70.8 mm×厚さ約7.65 mm | 縦約149.1mm×幅約71.36mm×厚さ約7.57mm |
重量 | 約165g | 約165g |
ディスプレイ | 約5.8インチ 18.7:9 FHD+(2,244×1,080) / TFT | 約6.1インチ 19.5:9 (2,340×1,080)/ OLED |
OS | Android 8.1 Oreo / EMUI 8.1 ↓ Android 9.0 Pie / EMUI 9.1.0 |
Android 9.0 Pie / EMUI 9.1.0 |
CPU(SoC) | HUAWEI Kirin970 64ビットオクタコア (2.36GHz×4 + 1.8 GHz×4) + i7 コプロセッサ |
HUAWEI Kirin980 64ビットオクタコア(2.6GHz×2 + 1.92GHz×2 + 1.8 GHz×4) |
メモリ(RAM) | 4GB | 6GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 128GB | 128GB |
外部ストレージ | 非対応 | HUAWEI MNカード(microSD非対応) |
背面カメラ | カラー:1,200万画素RGBセンサー(F1.8) モノクロ:2,000万画素モノクロセンサー(F1.6) 像面位相差+コントラスト+レーザー+デプスAF |
Leicaトリプルカメラ 広角:約4,000万画素(F1.8) 超広角:約1,600万画素(F2.2) 望遠:約800万画素(F3.4) 光学3倍、ハイブリッドズーム5倍、デジタル30倍ズーム対応 ISO 204,800 |
前面カメラ | 約2,400万画素(F2.0 / FF) | 約3,200万画素 (撮影モードにより、解像度は若干変動します) |
SIMカード | nanoSIM×2 | nanoSIM×2(DSDV対応) (SIM2はHUAWEI MNカードと排他構造) |
対応周波数 | FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 26 / 28 / 32 TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41 キャリアアグリゲーション対応 WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19 TD-SCDMA: B34 / 39 GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz |
FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 26 / 28 TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41 (2545~2655 MHz) キャリアアグリゲーション対応 WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19 GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz |
充電端子 | USB Type-C(USB PD・HUAWEI Super Charge対応) | USB Type-C(USB PD・HUAWEI Super Charge対応) |
バッテリー容量 | 3,400mAh | 3,650mAh |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth® 4.2 BLE(aptX / aptX HD / LDAC / HWA対応) | Bluetooth® 5.0 BLE(aptX, aptX HD, LDAC HD, HWA Audio対応) |
防水・防塵 | IP53 | IP53 |
昨年夏に発売されたHUAWEI P20と比べると、ノッチ部分が小さくなりディスプレイサイズが5.8インチから6.1インチにサイズアップしています。バッテリー容量も増えていますが、ディスプレイサイズが大きくなったため電池持ちはそれほど違いはありません。


OSはP20がAndroid 8.0 Oreoから9.0 Pieにアップデートしたのに対し、P30は最初からAndroid 9.0 Pieがインストールされてます。また、CPUとメモリ容量が強化されて、カメラがLeica監修のトリプルレンズ仕様になり画素数が向上しました。
【カメラ】HUAWEI P30の最大の魅力! カメラ性能を試す
HUAWEI P30を使ってみて最も良かったのがカメラ性能でした。

HUAWEI P30は約4,000万画素の広角レンズに加えて、よりワイドな範囲を撮影できる約1,600万画素の超広角レンズ、遠くの被写体を大きく映し出す約800万画素の望遠レンズの合計3つのレンズで構成されています。
より多くの光を取り込むために、イメージセンサーをRGGBからRYYBへ変更し、HUAWEI P20 Proと比べて40%も光を多く取り込めるようになりました。Kirin 980の画像処理プロセッサや自己学習アルゴリズムを組み合わせることで非常に暗所に強いカメラとなっています。

ソフトウェア面ではAIによるシーン認識機能に対応しており、フードや夜景、マクロ撮影、画質が劣化しにくい5倍ハイブリッドズームなど、シーンを選ばず自動で最適なモードに変更してくれます。
実際にHUAWEI P30で撮影した写真を下記に掲載します。風景と料理の写真は、設定をオートでAIをオンにした状態でリサイズのみ行っています。




日中の風景写真では空の澄んだ色合いや葉っぱの緑も色鮮やかに再現してます。都会のビル群では遠くにあるビルの細かいディティールまで潰れすに記録できました。
3枚目の秋葉原の雑居ビルでは、あえて逆光気味で撮影すると自動でHDRが働き、黒つぶれや白飛びが少ない写真に仕上がりました。
1倍→光学3倍→ハイブリッドズーム5倍
同じ位置に立って望遠で撮り比べてみたところ、ハイブリッドズームを使えば5倍まで画質が劣化せずに撮影可能でした。浅草のアーケード街は肉眼で見ると明暗差が激しい場所でしたが、写真ではそれを感じさせない自然な明るさに補正されています。
超広角→1倍→光学3倍
ハイブリッドズーム5倍→デジタル10倍→デジタル30倍
望遠だけではなく超広角レンズを使って撮り比べてみると、アクションカムのようにダイナミックな写真が撮影できました。最大までズームすると画質は劣化してしまいますが、これだけ遠くから撮っても狙った被写体にピントが合うのは、スマホカメラの進化を感じさせてくれます。


明暗差の激しい明かりを消した屋内で撮影。肉眼では真っ暗で見えにくい場所だとしても、明るいレンズや補正技術によって質感までリアルに再現されています。手ブレやノイズが発生しやすい環境下でもオート撮影でここまで撮れることに衝撃を受けました。


屋外でも撮影してみましたが、肉眼で見るよりも明るく撮れているため好みが分かれそうです。プロモードでマニュアル撮影をすると、シャッタースピードやISO感度などを細かく調節できておすすめです。
東京旅行で食べたもの
最後は撮影頻度の高いご飯の写真。食べ物を撮影するとフードモードで撮影され、彩度やコントラストを上げた美味しそうな写真に仕上がりました。ハンバーグのシズル感、パンケーキの柔らかさやタレの質感までうまく再現できています。
HUAWEI P30を使ってみてわかったオススメ・気になるポイント
最後に筆者がHUAWEI P30を使って感じたおすすめのポイント・気になるポイントをいくつかご紹介します。
HUAWEI P30の気になるポイント!
・明るく発色のいいディスプレイ
・認証精度の良い指紋センサーと顔認証
・モノラルスピーカーの音が残念
明るく発色の良いディスプレイ

ディスプレイが液晶から有機ELになったことで、黒が引き締まりメリハリのある映像を楽しめるようになりました。炎天下の下でも見やすく明るいためどんなシーンでも利用しやすいのは良かったです。
しずく型の狭額縁設計になったことでデザインの完成度も上がり、本体サイズを大きく変えずに一回り大きなディスプレイを搭載しています。実際に動画視聴やゲームなどで利用すると映像の没入感が向上しました。
認証精度の良い指紋センサーと顔認証

HUAWEI P20では画面の下に指紋認証センサーを配置していましたが、P30ではディスプレイ内にセンサーが移動しています。物理式のセンサーと比べても認証速度や精度が落ちることなく快適に使えます。
Galaxy S10シリーズは超音波式を採用しているのに対し、HUAWEI P30ではMate 20 Proにも使われた光学式です。光学式はディスプレイにガラスフィルムを貼り付けると反応が悪くなってしまうため注意が必要です。
指紋認証がうまく通らないときは顔認証を使ってロック解除も可能です。こちらも認証スピードが早く、画面を横にした状態でもロック解除が行なえます。
モノラルスピーカーの音が残念

個人的に残念だったのは、底面についたスピーカーがモノラル仕様であまり音が良くないこと。他社のフラグシップモデルではステレオスピーカーを搭載することが増えてきており、映像だけではなく音にもこだわりたい方にはちょっと残念な印象を受けるかもしれません。
防滴仕様のため音がこもりやすく、画面を横にして持ったときに指でスピーカーを塞いでしまうことが多々ありました。ベゼルレス設計のためディスプレイ前面にスピーカーを配置するのが難しいかもしれませんが、音の迫力や臨場感は次回に期待したいポイントです。
評価まとめ:HUAWEI P30は「スマホカメラの常識を変える」

HUAWEI P30は美しいデザインや高負荷時におけるパフォーマンス、カメラ性能など総合的に満足度の高いスマートフォンです。特に推しているカメラについては、スマホカメラの常識を変える驚きの高画質で他社の追従を許しません。
P20の頃はAIのシーン認識をオンにすると彩度やコントラストを盛りすぎる傾向がありましたが、今作では控え気味になって丁度良くなりました。超広角や望遠レンズと組み合わせることで旅行中でも大活躍してくれました。
SIMフリースマートフォンの中では高級な部類に入りますが、スマートフォンとしてもカメラとしても完成度が高いことを考えると買って損はないと思います。よりカメラ性能を求める方はドコモで販売予定のHUAWEI P30 Proを検討してみてください。