ASUS ZenFone 6を徹底レビュー! 魅力はカメラだけじゃなく総合的に満足できるフラッグシップモデル
書いた人: Yusuke Sakakura
カテゴリ: ZenFone

2019年8月20日に日本で発表されたZenFoneシリーズの最新フラグシップモデル「ZenFone 6」。最新のプロセッサ「Snapdragon 855」や8GBのメモリを搭載するなどスペックは今夏トップクラスです。
ZenFone 6の発売日は2019年8月23日です。RAM:8GB / ROM:256GBトワイライトシルバーのモデルは2019年8月30日の発売となっています。
180°回転する特徴的な「フリップカメラ」で大きな注目を集めているSIMフリースマートフォンをデザイン、スペック、カメラ性能、あらゆる視点でフォーカスしてレビューします。
目次:
ZenFone 6のデザイン・外観
デザインも大きく変化した「ZenFone 6」は、ノッチ付きのディスプレイから約92%の画面占有率を誇るオールスクリーンナノエッジディスプレイに進化しました。

ベゼルを極限まで小さくした“ナノエッジ”を実現するためにフロントカメラを廃止し、ワンタッチでメインカメラが180°ひっくり返るフリップ式を採用。

ボディのほぼすべてがディスプレイのため、高い没入感かつ迫力のある映像が楽しめるだけでなく6.4インチの割にコンパクトなサイズになっています。
エッジがゆるやかにカーブを描く背面はZenFoneシリーズならではの同心円状に輝くハデなスピン加工から大人っぽいグラデーションになり、これまでのZenFoneとは違う雰囲気に。カラーバリエーションはミッドナイトブラックとトワイライトホワイトの2色。
背面のフリップカメラはレンズユニットが黒なのでミッドナイトブラックの方が一体感があります。

高級感のあるメタルフレームには各種キーを搭載しています。新たに搭載されたスマートキーでは「OK Google」の代わりにボタンを押してGoogleアシスタントキーを呼び出せるほか、スクリーンショットの撮影やカメラの起動、自動回転などのショートカットキーとしても利用可能。

ボトムには最新の急速充電規格「Quick Charge 4.0」やUSB Power Deliveryに対応したUSB Type-C端子とスピーカー、有線イヤホンが使えるイヤホン端子を搭載しています。

ZenFone 6のスペック・性能
OS | Android 9.0 |
---|---|
プロセッサ | Snapdragon 855 オクタコア 2.84GHz |
メモリ | 6GB / 8GB |
ディスプレイ | 6.4インチ IPS液晶 2,340 x 1,080ピクセル、フルHD+ |
ストレージ | 128GB / 256GB |
カメラ | デュアルレンズ 標準:48メガピクセル 超広角:13メガピクセル |
バッテリー | 5,000mAh |
サイズ (高さ×幅×奥行き) |
約159 x 75.4 x 9.1mm |
重さ | 約190g |
microSD | 最大2TB |
SIM | nanoSIM x 2 DSDV |
価格(税抜) | 256GB:82,500円 128GB:69,500円 |
ZenFone 6は、ストレージとメモリ容量の異なる「256S8」と「128S6」の2ラインナップ。「256S8」はストレージが256GB、メモリが8GBのハイエンドモデル。「128S6」はストレージが128GB、メモリが6GBのモデルです。
モバイルデータ通信はハイエンドモデルでは珍しいデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応。さらにVoLTEはドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルに対応しています。
本体価格は、256GBモデルが82,500円(税抜)、128GBモデルが69,500円(税抜)となっています。
ZenFone 6のパフォーマンス・特徴をチェック

プロセッサは今夏フラグシップモデルが採用する「Snapdragon 855」を、メモリは6GBまたは8GBを搭載することで性能を数値化するベンチマークスコアは35万点を記録。ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone」を超える申し分ない性能です。
高いパフォーマンスを要求する「PUBG MOBILE」をプレイしたところ画質などの設定を最高値にしても当然快適にプレイできましたが、発熱が気になりました。Galaxy S10シリーズやAQUOS R3のような優れた発熱性能は期待しない方がいいでしょう。

バッテリーは超大容量の5,000mAh。画面の明るさを最大にしてYouTubeを連続再生したところ約9時間30分で電池が0%に。旅行中に新幹線で動画を見たり、乗り換えを調べたり、写真や動画を撮るなどしましたが丸1日余裕で持つなど電池持ちは心配いらずです。
大容量バッテリーを活かした機能としてリバースチャージ機能に対応。Galaxy S10のようにワイヤレスではないもののスマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど別のデバイスに充電ケーブルを繋ぐことでバッテリーをシェアできます。

大容量バッテリーはフル充電に時間がかかりますが、USB PDの充電アダプタを使用したところ約30分で40%、約120分でほぼ満充電になるなど充電時間は長くありません。
セキュリティ機能は指紋認証と顔認証に対応。指紋認証は背面に搭載されたセンサーを使って、顔認証はフリップカメラを使います。
フリップカメラを使った顔認証はギミックとしては面白いですが、カメラがフリップする時にモーター音がすることもあって電車などで使うと人の目が気になるかもしれません。
前モデルZenFone 5Zと比較!どこが違う?


前モデルのZenFone 5シリーズは「ZenFone 5」と「ZenFone 5Z」の2ラインナップでしたが「ZenFone 6」との比較対象になるのはハイエンドモデルのZenFone 5Zでしょう。
大幅に進化したのは「パフォーマンス」「カメラ」「電池持ち」の3点。
パフォーマンスでは、プロセッサが最新化され、メモリが最大で2GB増量されたことによってベンチマークスコアが10万点も伸びています。「PUBG MOBILE」ぐらいのゲームアプリでは体感できるほどの性能差はないと思いますが、ARを使ったアプリなどでは違いを感じるかもしれません。
カメラはフリップ式を採用したことによってフロントカメラの性能が大幅にアップしただけではなく、標準レンズの画素数がアップしたことでデジタルズームがより綺麗になり、超広角レンズは視野角が5°アップしたことでより広く写真や動画を撮影することが可能に。
また、撮影可能な動画の解像度もフルHDから4Kにアップしています。
電池持ちはバッテリーの容量が1,700mAhも増量されたことと、プロセッサの高性能化によって電池持ちも改善されています。5Zの電池持ちも優秀でしたが、ZenFone 6はそれなりにヘビーに使っても充電なしで1.5日間は持つはずです。
最大の魅力であり特徴のカメラ性能をチェック

ワンタッチで180°回転できる「フリップカメラ」は、セルフィがメインカメラと同じ画質で撮影できるだけでなく様々な機能に対応しています。
「フリーアングル撮影」ではボタンをスライドすることでカメラの角度を自由に変えられるため、ご飯やスイーツを撮る時に多用する真横からの撮影などもファインダーを見ながら楽な姿勢で撮ることができます。
特に便利だと思ったのは「オートパノラマ」。シャッターボタンを押すだけでフリップカメラが自動で動いてパノラマ撮影してくれるので、位置合わせなど撮影に時間がかかり、失敗することも多いパノラマがカンタンに撮れました。
カメラは48メガピクセル、f/1.79の標準レンズと13メガピクセル、f/2.4の超広角レンズを搭載するデュアルレンズ。視野角125°の超広角レンズは景色をダイナミックに撮影できます。なお、望遠レンズがないためズーム撮影時の劣化が気になるところです。
以下は実際にZenFone 6で撮影した写真と動画です。
※画像はクリックorタップすると大きな画像で表示できます。














超広角カメラは高画質でダイナミックに被写体を写すことができました。HDR++で明暗差が出てしまう部分でも綺麗に撮影が可能です。
夜景・夕景は苦手なシーンもありますが、ネオンやイルミネーションはクッキリと鮮やかに撮影できます。オートパノラマ機能では、可動式のフリップカメラが自動的に動いてパノラマ撮影を行ってくれます。自分が動かなくても撮影できるのは便利かつ簡単に味のある写真が撮れます。
評価まとめ

最後に、まとめとしてZenFone 6を「性能」「カメラ」「電池持ち」「デザイン」「ディスプレイ」の5部門ごとに5段階で評価してみました。
ASUS ZenFone 6 ~総合評価~ | |
---|---|
スペック・性能 | ★★★★★ |
カメラ | ★★★★☆ |
電池持ち(バッテリー) | ★★★★★ |
デザイン・外観 | ★★★☆☆ |
ディスプレイ | ★★★★☆ |
【性能】
プロセッサは今夏最高の「Snapdragon 855」を採用。メモリも8GBを搭載することでベンチマークスコアは35万点超を記録するなど申し分なし。
【カメラ】
ZenFone 5シリーズで改善されたデュアルカメラはそれぞれのレンズ性能が向上してさらに画質アップ。逆光でも綺麗に撮れるHDR++や夜景モードによって確実に進化し、フリップカメラによってオリジナリティも加わりました。唯一の不満点は望遠レンズがないことによるズーム撮影の乏しさです。
【電池持ち】
モンスターを謳うバッテリーは超大容量の5,000mAhで、日常違いはもちろんヘビーに利用する旅行時でも快適です。毎日の充電が2日に1回で済むかもしれません。
【デザイン】
スピン加工がグラテーションやシンプルカラーリングされたことは高評価です。大きめのASUSロゴは変わらず、フリップカメラもデザイン的に優れているとは言えないですが、ミッドナイトブラックのカラーバリエーションであれば一体感がでます。
【ディスプレイ】
オールスクリーンナノエッジディスプレイは見た目もデザインも高く評価できますが、6.4インチとフルHD+の組み合わせはハイエンドモデルとしては解像度不足か。上下のベゼルやディスプレイのラウンドコーナーがボディと揃ってないなど気になる点があります。