他とは違う世界初の技術が光る「虹彩認証」「TransferJet」 docomo ARROWS NX F-04G 徹底レビュー

書いた人: Yusuke Sakakura

カテゴリ: arrows

他とは違う世界初の技術が光る「虹彩認証」「TransferJet」 docomo ARROWS NX F-04G 徹底レビュー

NTTドコモから富士通の最新スマートフォン「ARROWS NX F-04G」が5月28日に発売されました。

この「ARROWS NX F-04G」には、目で画面ロックを解除できる「虹彩認証」と、写真や動画を超高速で転送できる「TransferJet」といったスマートフォンに世界で初めて搭載される機能が2つも搭載されています。

前回は使用期間が約2週間のファーストインプレッションをお届けしましたが、今回は1ヶ月使いこなして感じたことをお届けします。

目次:

世界初の新技術!虹彩認証「Iris Passport」の長所と弱点

ARROWS NX F-04Gの最大の特徴といえる虹彩認証「Iris Passport

グリーンのリングで覆われた虹彩認証用の赤外線カメラ
グリーンのリングで覆われた虹彩認証用の赤外線カメラ

虹彩認証とは、瞳の虹彩といわれる部分で認証を行うもので、遺伝子の影響を受けにくいことから個人を特定する要素としては指紋認証よりも優れていて、他人を本人と誤認識する確率は指紋認証の「10分の一」と高い精度をほこります。

ファーストインプレッションでもお伝えしたとおり、虹彩の読み取りから認証までにかかる時間は指紋認証よりもはるかに速く、精度も高いため満足度は非常に高いものとなっています。

ただ、虹彩認証には仕組み上の弱点があります。虹彩認証を読み取るために赤外線LEDを利用しますが、屋外など明るい場所では太陽光が赤外線を邪魔するため、認証するまでに時間がグンと伸びてしまいます。

虹彩の登録・認証時には赤外線LEDが赤く光る
虹彩の登録・認証時には赤外線LEDが赤く光る

どうすれば屋外など明るい場所でも精度を改善できるのか、虹彩認証について調べてみたところ、ARROWS NX F-04Gには、虹彩認証の精度を向上できる2つの機能が搭載されていました。

1つめは、虹彩データを上限3パターンまで端末に登録することができる機能です。

虹彩認証では、あらかじめ登録しておいた虹彩データと認証時に読み取った虹彩データを照らし合わせて認証を行いますが、あらかじめ3つの虹彩データを登録できるというワケ。

設定画面の「ロック・セキュリティ」→「虹彩管理」→「虹彩認証の精度を向上」から虹彩データを登録できる
設定画面の「ロック・セキュリティ」→「虹彩管理」→「虹彩認証の精度を向上」から虹彩データを登録できる
設定画面の「ロック・セキュリティ」→「虹彩管理」→「虹彩認証の精度を向上」から虹彩データを登録できる
設定画面の「ロック・セキュリティ」→「虹彩管理」→「虹彩認証の精度を向上」から虹彩データを登録できる

屋外で虹彩認証を利用した場合に精度が落ちてしまう原因は、周りの明るさに応じて虹彩の大きさが変化するためなので、明るさの異なる屋内と屋外で虹彩を登録すれば、虹彩認証の精度が向上できるはず。

実際に晴天時の屋外で虹彩を登録したのち、虹彩認証を利用してみたところ、屋内よりも時間はかかるものの、ほとんど通らないという事象が解消され、虹彩認証を利用して画面ロックを解除することができました。

2つめは、虹彩認証の学習機能です。

ARROWS NX F-04Gの虹彩認証を利用して認証に成功すればするほど、精度が向上する学習機能が搭載されています。

上で書いた3つの虹彩データが「親」、認証が成功した虹彩データが「子」といったように2つのデータには関係性があって、認証が成功した虹彩データが最も近い親データに書き足されることで精度がどんどん向上していくそうです。

確かに使いはじめのころよりも虹彩認証の精度は確実に増している気がします。

2つの機能を使いこなすことで、後半の2週間は虹彩認証をより快適に利用することができました。メガネをかけている時など、認証が通りづらいこともありますが、虹彩認証で画面ロックを解除するたびに高揚感を得られるのでストレスを感じにくいという効果もあるような気がしています。

虹彩認証をより快適に使えた機能も紹介したいと思います。それがARROWS NX F-04Gで初めて搭載された機能「タッチでON」です。

指紋認証では、センサー部を押すことでディスプレイが点灯し、そのまま指紋をセンサに滑らすことでワンアクションでディスプレイのONから画面ロックの解除までを行うことができましたが、虹彩認証の場合は電源ボタンを押してから虹彩認証を利用する必要があります。

それを解消するのが「タッチでON」。これは、点灯していない状態のディスプレイをタッチすることでディスプレイを点灯させるというもの。

タッチの範囲は細かく変更できるため、好みの場所をタッチすることでディスプレイをONにすることができます。また、照度センサーを利用することで暗い場所で動作しないよう制限をかけているため、ポケットやカバンの中で誤動作しないようになっています。

タッチエリアは細かく変更できる
タッチエリアは細かく変更できる

別メーカーの端末でも「タッチでON」のような機能は搭載されていますが、ポケットの中で誤動作してしまい、電話をかけてしまった経験もある自分としては嬉しいところです。

「タッチでON」によってポケットから取り出し、目の前に端末を持ってくるまでの間にディスプレイを点灯させることで、ほぼワンアクションでの画面ロック解除も可能です。

本当に必要な機能を追求し、進化した超高速オートフォーカス

スマートフォンで最も利用機会の多いカメラ。ARROWS NXシリーズのカメラは初代から今作のF-04Gまでシンプルというスタイルを貫いていて、ARカメラやフィルターといったトレンドの機能はありません。

スマートフォンのカメラは「とにかく目の前にあるものをシンプルに速く撮りたい」という思いから自身もそういった機能を利用することはほとんどありません。
事前に何かを設定してから写真を撮影するというのはスマートフォンのカメラには求められていない気がしています。

みなさんもスマートフォンで写真を撮影してから、Instagramなどのアプリでフィルター機能を使って投稿するという使い方をしている人が多いのではないでしょうか。

カメラアプリのインターフェースはデザインも機能もシンプル
カメラアプリのインターフェースはデザインも機能もシンプル
カメラアプリのインターフェースはデザインも機能もシンプル

「とにかくシンプルに」というコンセプトを感じるARROWSのカメラの進化点でアピールされているのは超高速オートフォーカスです。

昨夏モデルのARROWS NX F-05Fと比べて半分以下の時間でフォーカスが合うようになっているとのことで、カメラを構えてすぐにフォーカスが合うためサクサク写真を撮ることができます。

実際にF-04GとF-05Fでフォーカスの時間を比べてみたところ、確かにかなり高速化されていて、F-05Fではオートフォーカスを待つよりもディスプレイをタッチしてフォーカスを合わせていましたが、フォーカスが高速化されたF-04Gではそういった操作は必要ありません。

画質に直結するカメラのセンサーには、XperiaやiPhoneにも採用されているソニーの「Exmor RS for mobile」を搭載。画質は非常に良く、満足しています。色味も良く、背景がしっかりボケてくれるという印象がありますね。

なお、写真はタップ(クリック)するとオリジナルサイズで確認できます。

「ARROWS NX F-04G」のカメラ「ARROWS NX F-04G」のカメラ「ARROWS NX F-04G」のカメラ「ARROWS NX F-04G」のカメラ「ARROWS NX F-04G」のカメラ「ARROWS NX F-04G」のカメラ

カメラの新機能としては、ようやくリアルタイムHDRに対応。F-04GのHDR効果はバツグンなのでリアルタイムへの対応は非常に嬉しいところ。

もうひとつの新機能として4K動画にも対応しています。4K対応のディスプレイがないと4K動画本来の美しさを感じることはできませんが、動画を拡大した状態でもキレイな画質で再生できるというメリットがあります。

4K動画は野球中継の実況・解説でも使われているようにスポーツなどの場面で活躍しそうです。

端末にタッチするだけで、瞬間シェアするTransferJet

虹彩認証に続く、もうひとつの世界初の機能としてARROWS NX F-04Gは「TransferJet」に対応しています。

「TransferJet」とは、無線ながら375Mbpsという超高速で写真や動画を転送できる規格・製品。

F-04Gの側面にある電源ボタンの上部にTransferJetが内蔵されていて、この部分をTransferJetのアダプタに近づけると写真が転送されます。

ARROWS NX F-04GをTransferJetのアダプタに近づけると写真や動画が転送される
ARROWS NX F-04GをTransferJetのアダプタに近づけると写真や動画が転送される

使用期間中に旅行があったので、旅行中に撮影した300枚ほどの写真と4K動画を3本をTransferJetを使ってF-04GからPCに転送してみたところ、総容量約1.2GBのデータをたったの4分で転送できました。

F-04Gで撮影した写真1枚の容量は約3MB〜5MBといったところですが、数秒でPCに転送可能です。写真がスイスイとPCに吸い込まれていくような感覚に陥り、ストレスフリーで旅行中に撮影した写真を整理することができました。スマートフォンの回線が3GからLTEになった時のように世界観がちょっと変わります。

ただ、弱点もあってF-04G同士の利用以外では、TransferJetの専用アダプタが必要になるため、撮影した写真を友だちにシェアしにくいということ。

というのもTransferJetの専用アダプタは、PC用のUSB型、Android用のmicroUSB型、iOS用のLightning型の3種類が発売されており、OSごとにアダプタを買い揃える必要があります。

※TransferJetを利用するにはアダプタが必要になる
※TransferJetを利用するにはアダプタが必要になる

また、友だちと写真をシェアするためにアダプタを持ち歩く必要があることやTransferJetのシェアは1対1となっているため、人数分だけ転送する手間がかかってしまいます。
そういったことから、写真を撮ったその場でのシェアは難しいので、後日GoogleフォトやFlickrに写真をアップロードしてURLを共有するといった運用で切り抜けるのが良いと感じました。

ARROWS NX F-02Gと比べ、どれだけ進化したのか?

2014年冬モデルとして昨年発売された「ARROWS NX F-02G」との進化点も紹介しておきます。

ボディは、奇抜なデザインを採用した従来モデルのF-02Gから大幅に変更され、F-04Gはスタイリッシュで男性も女性も手に取りやすい万人受けするデザインに変更されています。

ボディのデザインはスクエア型のスタイリッシュなデザインを採用
ボディのデザインはスクエア型のスタイリッシュなデザインを採用

ボディデザインの変更によってサイズもコンパクトに仕上がっており、ディスプレイのサイズは同じ5.2インチながら、横幅は4mmも小さくなり持ちやすくなりました。

横幅が小さくなったことで持ちやすいボディに
横幅が小さくなったことで持ちやすいボディに

ボディの重さについても13gも軽量化されたことで、ゲームプレイ時など長時間の片手操作でも手が疲れにくくなっています。

OSにはAndroid 5.0 Lollipopを搭載。Android 5.0では多くの新機能が追加されるだけでなく、新デザインが採用されるなど、進化幅はとても大きくなっています。

NTTドコモはAndroid 5.0 Lollipopへのアップデート予定端末を発表しており、従来モデルのF-02Gを含まれていますが、記事投稿時点でアップデートは配信されておらず、すでに先行発表されている次期「Android M」までアップデートされるかは微妙といったところ。

CPUはクアッドコアからコア数が倍になったオクタコアに進化。
Snapdragon 810シリーズという発熱に問題を抱えるプロセッサで、ここ1ヶ月における使用期間中も発熱に数多く悩まされました。
今のところオクタコアの恩恵を感じるポイントがないものの、バックグラウンドでは虹彩認証や処理効率の向上によるバッテリーの持ち時間の延長などに寄与しているのでしょうか。

LTEは「PREMIUM 4G」をサポートすることで下り最大150Mbpsから最大225Mbpsまで向上。さらに、トラフィックが集中するエリアで通信速度の底上げも見込めるため、最大値の向上だけでなく体感速度の向上も見込めます。ただ、「PREMIUM 4G」の対応エリアはまだまだ限られているため、今回は試すことができませんでした。

キャリアアグリゲーションによって下り最大225Mbpsまで通信速度が向上
キャリアアグリゲーションによって下り最大225Mbpsまで通信速度が向上

引用元:FMWORLD.NET

Wi-Fiについてもデータ通信を行うアンテナを2本に増やすことで、通信速度を向上する「Wi-Fi MIMO」を新たにサポート。通信速度は最大433.5Mbpsから867Mbpsにまで倍速アップ。TwitterやInstagramへの画像投稿、ブラウジングなどデータ通信量の少ないライトな使い方では倍速アップを感じることはできないものの、データ量が大容量となる動画のストリーミングでは確かな違いを体感できます。

通信速度が倍増する「Wi-Fi MIMO」に対応
通信速度が倍増する「Wi-Fi MIMO」に対応

引用元:FMWORLD.NET

自分はお風呂に入りながら、nasneで録画したテレビ番組や放送中の番組をスマートフォンで長時間試聴するため、Wi-Fi MIMOへの対応は非常に嬉しいところです。

富士通ならではの親切機能としては、前述した「タッチでON」に加えて、新たに「アシストナビ」が搭載されました。

アシストナビは、毎日の行動パターンを元にこれから行く目的地を予測してルート案内をしてくれるというもの。さらに、実際に移動した履歴から運賃を自動で計算してくれる機能も備えており、旅費精算時や確定申告時にとても便利に利用することができます。

行動情報と位置情報から行き先を予測してルート案内と行い、移動履歴から運賃を自動計算

行動情報と位置情報から行き先を予測してルート案内と行い、移動履歴から運賃を自動計算

行動情報と位置情報から行き先を予測してルート案内と行い、移動履歴から運賃を自動計算

夏モデル他機種と比べてどうなのか

NTTドコモから今夏モデルとして発表されたフラグシップスマートフォンは5機種あり、「5インチ以上のディスプレイ」「生体認証」「オクタコアプロセッサ」「Android 5.0」など共通点が多く存在するため、どれを購入して良いのか迷ってしまう人は多いかと思います。

デザインについては好みがあるためなんとも言えないので、こういう時は自分にとっての「決め手」となる特徴的な機能を見つけて比べるのが有効だと思います。

今回レビューをお届けした「ARROWS NX F-04G」であれば、虹彩認証TransferJetが購入の決め手になるはず。

今夏モデルではXperia Z4を除いてすべてのフラグシップスマートフォンに生体認証が搭載されていますが、虹彩認証を搭載するのは他キャリアから発売されたモデルと比べてもF-04Gのみ。指紋認証をようやく搭載した他メーカーが秋冬モデルですぐさま追従できる可能性は低い気がします。

TransferJetについては、対応モデルが増えることで写真や動画をシェアしやすくなり、使い勝手が増すため、追従された方が嬉しい機能と言えると思います。

前述したとおりいずれもホントに魅力的な機能です。

決め手を見つけたところで、弱点も確認しておきましょう。ARROWS NX F−04Gの弱点はやはりSnapdragon 810シリーズというCPUに起因する発熱問題にあるかと思います。

ただ、ドコモの今夏モデルでは、Galaxy S6 / S6 edgeを除いた3機種すべてにこのCPUが搭載されており、Xperia Z4やサムスン製のオクタコアプロセッサを搭載するGalaxy S6 edgeも利用してみましたが、発熱問題と無縁というわけではなく、ゲームアプリやYouTubeでの動画視聴など負荷のかかるアプリを利用する場合は、大なり小なり発熱に悩まされることになるかと思います。

ARROWS NX F-04G、Xperia Z4 SO-03G、Galaxy S6 edge SC-04Gの3機種をいずれも数週間〜数ヶ月触ってみた結果、ARROWS NX F-04Gが最も発熱するまでの時間が短く、発熱した後にかかるCPU制限後の動きもARROWS NX F-04Gが最もモッサリ感が強いな、という印象です。

まとめ

ということで、前回のファーストインプレッションからさらに踏み込んで「ARROWS NX F-04G」の使用感をお届けしましたがいかがでしたでしょうか。

個人的にはスマホに世界で初めて搭載された「虹彩認証」と「TransferJet」は、非常にツボな機能で、今から虹彩認証よりも精度や認証スピードで劣る指紋認証には戻れませんし、超高速なTransferJetなしでは写真や動画の整理も有り得ません。

安定したスマートフォンよりも、ワクワクさせられる最先端の機能を搭載したスマートフォンに毎日触れていたいという方にオススメの逸品です。

前の記事:

虹彩認証だけじゃない!驚きのハイスペック!ARROWS NX F-04G ファーストインプレッション

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

プロフィール

モバレコでは、2015年からレビュー記事を中心に寄稿しています。

また、スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うモバイル専門のメディア「携帯総合研究所」を個人で運営。発表会の取材はもちろん、前職はシステムエンジニアでプログラミングの経験をいかして3キャリアの料金を比較できる料金シミュレーターなども開発しています。

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