Xperia 1 II レビュー! シリーズ初の5G対応モデルの実力は?
Xperiaシリーズ初の5G対応スマートフォン「Xperia 1 II」がauから2020年5月、ドコモから2020年6月に発売されました。
特徴は5G対応だけではありません。ソニーのデジタル一眼カメラαシリーズの技術を継承したカメラを搭載。リアルタイム瞳AFや1秒ごとに最高20コマの高速連写に対応。デジカメのように使える新しいカメラアプリ「Photography Pro」も新たに追加されました。
デザインはソニーの独自機能と相性の良いフラットエッジを新たに採用。
外観も機能性もグッとアップした「Xperia 1 II」をレビューします。
目次:
外観・デザイン
ノッチやパンチホールがスマホのトレンドになっているなかで、Xperiaは一貫して上限にベゼルを残したデザインを採用しています。最新の「Xperia 1 II」でもそれは変わりません。
ノッチやパンチホールが流行っている理由の1つが画面占有率です。
高い画面占有率は迫力のある映像や高い没入感をもたらし、デザインに変化をつけてフレッシュさを演出できますが、画面の大きさの進化に限界が来て優位性を示すことが難しくなりつつあることで、画面占有率が代替になっている感もあります。
一方でノッチやパンチホールには見た目の悪さや表示領域の一部がカメラで抜けてしまうといったデメリットがあります。Xperiaが上下にベゼルを残しつづける理由にもなっているでしょう。

全体的なデザインは「Xperia 1」と同じですが、もちろん変わったデザインもあります。
大きく変わったのはサイドフレーム。エッジのアクセントを付けてフラット化されました。やはり1枚板のデザインと相性が良いのはフラットエッジです。再び電源ボタンと一体化された指紋認証も相まってよりスタリッシュなデザインになっています。

フラットフレームとディスプレイの境目にはエッジを付けることで、アプリをショートカット起動できる「サイドセンス」も起動しやすくなるなど、デザインだけでなく利便性もアップしています。

オーディオではフロント部分に左右均等に配置されたフロントステレオスピーカーを搭載。
トップには優れた音質で音楽や映画が楽しめて遅延なしでゲームがプレイできるイヤホン端子を搭載しています。

カラーはブラック、ホワイト、パープルの3色。
今回のレビューで使っているパープルをキツめの紫ではなくシルバーがほんのり紫がかったような色合いで、ソニーやキャリアの公式サイトで掲載されている色とは見え方が大きく異なります。

スペック詳細・パフォーマンス 性能
Xperia 1 II | |
---|---|
OS | Android 10 |
プロセッサ | Snapdragon 865 5G |
ディスプレイ | 約6.5インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ 4K HDR |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ | 16㎜(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2 70㎜(望遠):有効画素数約1220万画素/F値2.4 24㎜(標準):有効画素数約1220万画素/F値1.73D iToFセンサー |
フロントカメラ | 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
バッテリー | 4,000mAh |
サイズ | 約72mm×約166mm×約7.9mm |
重さ | 約181g |
microSD | 最大1TB |
SIM | nanoSIM |
プロセッサは他のハイエンドスマートフォンと同じSnapdragon 865 5Gを搭載。メモリは8GBを積んでいます。性能を数値化するベンチマークをAnTuTuで計測したところ「Galaxy S20 Ultra 5G」を超える約54万点を記録。
CoD Mobileやクリティカルオプス、アスファルト9といった3Dゲームをプレイしたところカクつくことなく快適にプレイできました。充電しながらプレイすると発熱しますが、非充電状態であれば気になりません。
バッテリーは4,000mAhの大容量。Wi-Fi接続状態で画面の明るさを最大に固定してYouTubeを視聴したところ7時間再生で電池使用量は60%でした。同じ方法でいくつものスマートフォンを計測してきましたが、かなり優秀です。
5GはSub6に対応。さらに高速なミリ波には対応していません。5G接続時の通信速度は受信時最大3.4Gbps、送信時最大182〜183Mbpsです。
なお、記事執筆時点でドコモ、auともに5Gエリアはかなり限定的なので、購入する際はキャリアのウェブサイトで対応エリアを確認してください。
Xperia 5との比較
Xperia 1 II | Xperia 5 | |
---|---|---|
OS | Android 10 | Android 10 |
プロセッサ | Snapdragon 865 5G | Snapdragon 855 |
ディスプレイ | 約6.5インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ 4K HDR |
約6.1インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ フルHD+(2,520×1,080ピクセル) |
メモリ | 8GB | 6GB |
ストレージ | 128GB | 64GB |
カメラ | 16㎜(超広角):約12.2MP/F値2.2 70㎜(望遠):約12.2MP/F値2.4 24㎜(標準):約12.2MP/F値1.7 3D iToFセンサー カールツァイスレンズ T*コーティング |
16mm(超広角):約12.2MP/F値2.4 52mm(望遠):約12.2MP/F値2.4 26mm(標準):約12.2MP/F値1.6 |
フロントカメラ | 約8MP/F値2.0 | 約8MP/F値2.0 |
バッテリー | 4,000mAh | 3000mAh |
サイズ | 約166 x 72 x 7.9mm | 約158 x 68 x 8.2mm |
重さ | 約181g | 約164g |
microSD | 最大1TB | 最大512GB |
以前レビューした2019年冬モデルの「Xperia 5」と比較してみます。
ディスプレイはいずれも映画とほぼ同じ縦横比(21:9)のシネマワイドディスプレイを搭載。画面サイズは6インチ以上の大画面ですが横幅が小さいため手に収まるサイズ感を実現しています。
「Xperia 1 II」にはディスプレイに「残像低減技術」が用意されています。機能をオンにすることでリフレッシュレートを常時60Hzから90Hzに擬似的に高速化。映像の残像を低減して動画やゲームの映像をなめらかに表示できます。
ただ、確かな違いはあるもののそれほど大きな体感差があるわけではなく、劇的な違いを生むことはありません。
本体サイズは「Xperia 1 II」が一回り大きい程度。どちらも快適に片手操作できるサイズではないものの画面を縮小表示する片手モードを利用できます。重さには17gの違いがあるため、片手操作時に腕が疲れやすいと言えます。
最も大きな違いはカメラです。
どちらも広角・超広角・望遠レンズを搭載していますが「Xperia 1 II」は暗所でも被写体を立体的に検知できるほか、高速・高精度なオートフォーカスを実現する3D iToFレンズも搭載。
さらにはT*コーティングが施されたカールツァイスレンズによって被写体の微細な質感までを忠実に再現し、フレアやゴーストを最小限に抑えてクリアな描写を実現しています。
実際に撮影した写真の画質を比べてみるとスペック以上の違いがありました。
カメラ性能
「Xperia 1 II」のカメラは広角・超広角・望遠で構成されるトリプルレンズと3D iToFセンサーで構成されています。
ワンタップで3種類のレンズを瞬時に変えられるため、レンズ交換式のカメラよりも遥かにカンタンに1台のスマートフォンで3つの画角が楽しめます。

3D iToFセンサーは被写体までの距離を瞬時に測定することで、暗所でも高速かつ高精度なオートフォーカスを実現するセンサー。あとで写真を確認してみたらピントがボケていたという残念な体験を防いでくれます。
最大の特徴はカールツァイスと共同開発したレンズです。階調、色再現、透明感、ボケ味など、被写体の微細な質感を忠実に再現。Xperia 5で撮影した写真と比べてみると違い明らかでした。
冒頭で書いたようにカメラにはソニーのデジタル一眼カメラαシリーズの技術も継承されています。被写体の瞳を自動で検出して正確にピントを合わせる瞳AF、犬など動物の瞳を検出してさらに追従することでピントがボケないリアルタイム瞳AFに対応。
カメラアプリにも大きな変化がありました。通常のカメラに加えて新しいカメラアプリ「Photography Pro」が追加されています。
両アプリの違いはインターフェースと調整可能な撮影オプション。
「Photography Pro」はソニーのデジタル一眼カメラαシリーズのインターフェースを踏襲。シャッタースピードやISO感度、ホワイトバランス、露出(明るさ)をタップ操作で変更できます。

例えば、シャッタースピードを遅くすることで明るく夜景を撮影したり車などヘッドライトの軌跡を残した幻想的な写真を撮影したり、逆にシャッタースピードを速くすることで動いている水しぶきが止まっているように見える写真を撮影できるなど、公式サイトで説明されているとおり“プロレベルの撮影体験”が楽しめます。

マニュアル撮影を好まない自分には扱いが難しいように思いましたが、もう少し明るさを上げたい、ホワイトバランスが不自然だな、という時にも気軽に使えるモードです。
以下は「Xperia 1 II」で撮影した写真です。(※写真はクリック・タップで拡大することができます。)









Xperia 1 Ⅱの機能と使ってみて良かったポイント
「Xperia 1 II」を使ってみてよかったポイントを4つ紹介します。
・サイドセンス

Xperia 5のレビューで感度が悪く起動しづらいと評価したサイドセンス。どこをタップすれば起動するのかまったくわからない状態でしたが「Xperia 1 II」ではフレームのエッジ部分をタップすればほぼ間違いなく起動します。
片手操作は不可能に近い超縦長のシネマワイドディスプレイにとってアプリや片手モード、マルチウィンドウ、通知を片手でショートカット起動できるサイドセンスはとても重要。新デザインになった「Xperia 1 II」でようやく使いこなせるようになりました。
・21:9マルチウィンドウ
超縦長のシネマワイドディスプレイと相性の良いもう1つの機能が2つのアプリを上下に同時表示できる「21:9マルチウィンドウ」です。
Androidの標準機能としてかなり前から実装されていますが「Xperia 1 II」の21:9のディスプレイでは上に16:9の動画アプリを表示、下にTwitterなどのアプリを自然に表示できます。

通常はアプリ間を頻繁に行き来する必要がありますが、21:9マルチウィンドウによってスポーツ中継を見ながらSNSで実況するのに便利。メールで予定を確認しながらカレンダーアプリで予定を追加するといったことも可能です。
・CoD対応のシネマワイドディスプレイ

ついに「Call of Duty:Mobile」がシネマワイドディスプレイに対応しました。超横長の画面一杯にプレイ映像が表示されます。
大画面x超横長ディスプレイは誤操作が起きにくくFPSとの相性バツグン。残像低減技術やフロントステレオスピーカーもフル活用できます。
なお、CoDはQualcomm Snapdragon Elite Gamingとのコラボによる独自チューニングによって快適にプレイできます。
・HSパワーコントロール

ゲームプレイに集中できるゲームエンハンサーには新機能「HSパワーコントロール」が追加されています。これはバッテリーを充電せずに給電することで充電中の発熱とそれに伴うパフォーマンス低下や電池劣化を抑制するという便利な機能です。
ゲーム時に電池持ちと発熱が気になる場合は必ず利用しましょう。
評価まとめ

最後にまとめとして「Xperia 1 II」を性能・カメラ・バッテリー・デザイン・ディスプレイ」の5部門ごとに5段階で評価してみました。
性能 | ★★★★☆ |
---|---|
カメラ | ★★★★☆ |
バッテリー | ★★★★☆ |
デザイン | ★★★★☆ |
ディスプレイ | ★★★★☆ |
【性能】
最高のプロセッサを搭載することで最高クラスの性能を実現しています。3Dゲームはカクつくことなく快適にプレイ可能。充電時以外を除けば発熱も気になりません。充電しながらゲームプレイ時の発熱が気になる場合はHSパワーコントロールを利用しましょう。
【カメラ】
昨今のスマートフォンのカメラはAIを駆使して色合いを強調して映えやすい写真をカンタンに撮れるよう工夫するなかで「Xperia 1 II」のカメラはデジカメや一眼カメラ寄りの写真をスマホで撮影できます。
ナイトモードやポートレートモード、料理モードはなく自分で撮影オプションを調整してお気に入りの1枚を撮影するスタイルのため、スマホのカメラでは物足りない人におすすめ。一方でデジカメや一眼カメラに詳しくない人が使いこなすのは少し難しそうです。
【バッテリー】
「Xperia 1 II」の電池持ちについては賛否あるようです。使い方によっても変わると思いますが、ゲームや動画視聴をメインにした使い方では非常に優秀だと感じました。新しいカメラアプリ「Photography Pro」が追加されるなど、発売以降のアップデートによって様々な調整も行われているのかもしれません。
【デザイン】
サイドフレームをフラット化させてエッジを設けたのは大正解でした。Xperiaらしいスタイリッシュなデザインが戻ってくると共に、重要な役割を持っていたサイドセンスがようやく機能し始めました。
謳い文句どおり“研ぎ澄まされたデザイン。”が実現されています。
【ディスプレイ】
多くのスマートフォンがノッチまたはパンチホールを採用していますが、Xperiaスマートフォンは上下ベゼルを採用し続けています。見た目の斬新さはありませんが欠点も少ないのが特徴です。
6.5インチ・超縦長のシネマワイドディスプレイは迫力と没入感のある映像が楽しめるだけでなく21:9マルチウィンドウによって新しいスマホの使い方も発見できるはずです。
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