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Xperia 10 III レビュー!超高速通信の5Gに対応する初めてのXperiaミッドレンジモデル
2021年夏モデルの新型スマートフォンとしてソニーから「Xperia 10 III」が発売されました。日本国内ではドコモ、au、ワイモバイルが取り扱っています。
機種代金が10万円後半のハイエンドモデル「Xperia 1 III」に対してミッドレンジモデルの「Xperia 10 III」は約5万円。超高速通信の5Gに対応する初めてのXperiaミッドレンジモデルとして手ごろな値段設定になっています。
6月のドコモオンラインショップ月間売れ筋ランキングで1位を獲得するなど今夏の売れ線スマートフォン「Xperia 10 III」をレビューします。
目次:
Xperia 10 III の外観・デザイン

Xperia 10 IIIは手になじむラウンドフォルムのフレームをフラットパネルで挟んだXperiaおなじみのスタイリッシュなデザインを採用しています。横幅68mmのハンドフィットサイズで片手でもしっかり持てます。

指紋の目立ちにくいマットなメタル素材のフレームには右側面に指紋認証センサーを搭載。側面の指紋認証センサーは右手の親指でスムーズに画面ロックを解除できるほか、背面等にセンサー用の穴を作らないデザイン上のメリットがあります。
その一方で、自分のように左手でスマホを操作する場合は人指し指または中指でセンサーに正確に触れることが難しいというデメリットも。


左側面にはSIMカードスロット、ボトムには最大18W出力の急速充電に対応したUSB Type-Cを搭載。遅延を気にせず映画やドラマ、ゲーム、音楽が楽しめるイヤホン端子もトップに備えます。

マットで高級感のあるフロストガラスを採用するXperia 1 IIIに対して、Xperia 10 IIIは光沢仕上げのガラスパネルを使用。
カラーは落ち着いたトーンのブラック、清潔感のあるホワイト、透明感のある涼し気なブルー、遊び心あふれる色鮮やかなピンクの4色で、ドコモオンラインショップ限定カラーとしてイエローもラインナップされています。
Xperia 10 III のスペック・パフォーマンスをチェック
Xperia 10 IIIのスペック(詳細ページ) | |
---|---|
OS | Android 11 |
プロセッサ | Snapdragon 690 5G |
ディスプレイ | 約6.0インチ 有機EL トリルミナスディスプレイ for mobile(HDR対応) FHD+ |
メモリ | 6GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ | トリプルカメラ 16mm(超広角):有効画素数約800万画素/F値2.2 27mm(広角):有効画素数約1200万画素/F値1.8 54mm(望遠):有効画素数約800万画素/F値2.4 |
フロントカメラ | 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
バッテリー | 4500mAh |
サイズ | 約68mm×約154mm×約8.3mm |
重さ | 約169g |
microSD | 最大1TB |
5G | 受信時最大2.1Gbps(ドコモ、au) 送信時最大218Mbps(ドコモ) 送信時最大183Mbps(au) |
生体認証 | 指紋認証 |
チップセットはローエンド寄りのミッドレンジに位置する「Snapdragon 690 5G」を搭載しています。高い性能よりも低コストがウリです。
性能を数値化するベンチマークスコアを計測したところGeekbench 5ではシングルコアが584点、マルチコアが1475点を記録。Pixel 4a 5Gなど1年前に発売されたミドルレンジモデルをわずかに下回る処理性能です。
ゲームなどグラフィック処理を担当するGPUのスコアを3D Markで計測したところ瞬間的な描画性能を計測するWild Life Extremeは252点、1.50fpsを記録。長時間の描画性能を計測するWild Life Extreme Stress Testはベストが253点、ローが250点。テスト中に32℃から34℃まで温度が上昇し、それに伴い98.8%までパフォーマンスが低下する結果になりました。
発熱と発熱に伴うパフォーマンスの低下は優秀ですが描画性能は非常に厳しいと評価されるスコアです。高グラフィックのゲームを快適にプレイするのは難しいでしょう。実際にCoD Mobileをプレイしたところ描画が怪しく、回避しているはずの銃弾が被弾するケースが散見されました。ゲームをよくプレイする人であれば上位モデルのXperia 1 IIIを選んだ方が良いでしょう。
バッテリーはXperia史上最大容量の4,500mAhです。CoD Mobileを約1時間プレイしたところ1時間で約20%バッテリー残量が減少。これは6,000mAhのバッテリーを搭載するROG Phone 5と同じ結果です。電池持ちは満足。USB PDによって35分間で+50%、75分間で+85%も充電ができるなど急速充電も優秀です。
Xperia 10 IIとXperia 10 IIIの比較
昨年発売されたXperia 10 IIに比べてXperia 10 IIIがどういったところで進化したのか見ていきましょう。
大きさ、重さ
Xperia 10 IIIのボディサイズは前モデルのXperia 10 IIに比べてわずかに小型化されています。ただ持って比べてもほとんど違いがわからないレベルのものです。
重さに関しては12%増量されていますが169gでも決して重くはありません。
Xperia 10 III | Xperia 10 II | |
---|---|---|
縦幅 | 154 mm | 157 mm |
横幅 | 68 mm | 69 mm |
高さ | 8.3 mm | 8.2 mm |
重さ | 169g | 151g |
バッテリー容量が25%増量
Xperia 10 IIIのボディ重くなった理由はバッテリーの大幅増量にあります。Xperia 10 IIの3,600mAhから+25%増の4,500mAhはXperia史上最大容量。動画再生時間は16時間から20時間にアップしました。
バッテリー関連では負荷を軽減する「いたわり充電」とXperia独自の「充電最適化技術」によって3年使っても劣化しにくいバッテリーを実現。Xperia 10 IIは2年使っても劣化しにくいと案内されていたのでさらに1年長く使えるようになりました。
Xperia 10 III | Xperia 10 II | |
---|---|---|
バッテリー容量 | 4,500mAh | 3,600mAh |
いたわり充電 | ○ | ○ |
充電最適化技術 | ○ | ○ |
劣化しにくさ | 3年使っても劣化しにくい | 2年使っても劣化しにくい |
ストレージとメモリが増量
写真や動画、アプリをより多く保存するためのストレージは容量が2倍に。さらに、メモリが6GBに増えたことで複数のアプリを同時に操作する時のモタつきや画面がクリアされるといったストレスにつながる事象が軽減されています。
Xperia 10 III | Xperia 10 II | |
---|---|---|
ストレージ(ROM) | 128GB | 64GB |
メモリ(RAM) | 6GB | 4GB |
microSDカード | 最大1TB | 最大1TB |
スリムになったディスプレイ

画面のサイズは同じ6.0インチですがミッドレンジのXperiaとして初めてHDRに対応することで、イルミネーションの明るい部分や影となる暗い部分まで白飛びや黒つぶれがなく表現可能に。
上下のベゼルが小さくなったことで見た目がスタイリッシュに改善。縦幅も3mm小さくなっています。
Xperia 10 III | Xperia 10 II | |
---|---|---|
画面サイズ | 6.0インチ | 6.0インチ |
駆動方式 | 有機EL | 有機EL |
HDR | ○ | X |
カメラ
カメラは広角レンズのF値が2.0から1.8に改善されてより明るく撮影可能に。シーン認識では新たにペットに対応。犬や猫を認識するとシャッタースピードとISO感度を調整してブレずに写真を撮影できます。
Xperia 10 III | Xperia 10 II | |
---|---|---|
メインカメラ | 16mm(超広角) :有効画素数約800万画素/F値2.2 27mm(広角) :有効画素数約1200万画素/F値1.8 54mm(望遠) :有効画素数約800万画素/F値2.4 |
16㎜(超広角) :有効画素数約800万画素/F値2.2 26㎜(標準) :有効画素数約1200万画素/F値2.0 52㎜(望遠) :有効画素数約800万画素/F値2.4 |
シーン認識 | 料理、夜景&人物、逆光、低照度、夜景、ソフトスナップ、赤ちゃん、ドキュメント、風景、スポットライト、逆光&人物、マクロ、オート、ペット | 料理、夜景&人物、逆光、低照度、夜景、ソフトスナップ、赤ちゃん、ドキュメント、風景、スポットライト、逆光&人物、マクロ、オート |
Xperia 10 III のカメラ性能・作例をチェック

カメラは万能な12MPの広角レンズ、広い画角でダイナミックに風景を撮影できる8MPの超広角レンズ、光学2倍ズームで遠くのものを画質の大幅な劣化なしに撮影できる8MPの望遠レンズで構成されるトリプル仕様。
カメラアプリは料理や夜景・人物、逆光・人物、赤ちゃん、新しく追加されたペットなど14種類のシーンに加えて、三脚固定や動いてるときなど4つのコンディションも認識してくれるプレミアムおまかせオートにも対応しています。
Xperia 1 IIIとの大きな違いとしてカールツァイスと共同で開発したZEISSレンズやRAW撮影/シャッタースピード/ISO感度/ホワイトバランスなどをきめ細かく設定できるカメラアプリ「Photography Pro」の非搭載があげられます(マニュアル撮影は可能)
以下はXperia 10 IIIで撮影した写真です。すべてオートで撮影しています。












残念だったのはシーンの自動認識で、料理を撮影しようとするとマクロと料理をいったりきたりして定まらず料理と認識しても青っぽく写り、夜景モードは流行りの長時間露光ではないため黒つぶれが起きて白飛びも解消されません。
チップセットの性能が影響して撮影がもたつくこともあり、撮影枚数が増えたり長時間に及ぶとエラーが発生することもありました。ミッドレンジモデルのカメラとしては良く撮れると思いますがカメラにこだわるのであればやはり上位モデルのXperia 1 IIIを選ぶ方が良いでしょう。
Xperia 10 III のオススメのポイント

5Gスマートフォンへの買い換えを検討している人にとって手ごろな価格設定のXperia 10 IIIは選択肢の1つになると思います。
今回レビューしたドコモ版は受信時最大2.1Gbps、送信時最大218MbpsのSub6に対応。実際に5Gのスピードを計測したところ受信時380.3Mbps、送信時81.2Mbpsを記録し、スピードテストアプリも一瞬でダウンロードできるなど、ただの数字だけでなく超高速通信によってスマホ体験もこれから大きく変わっていきます。
1年前は都内でも極狭だったエリアが徐々に拡大していて5Gのアイコンを見る回数も増えています。各社の対応エリアを確認して生活圏内で利用できるのであれば買い替えを検討してもいいでしょう。

Xperiaならではの機能として「サイドセンス」の使い勝手も大きく向上しました。お気に入りのアプリや次に使いたいであろうアプリを素早く起動したり、2つのアプリを同時起動できるマルチウィンドウに素早くアクセスできるなど便利な一方でとにかく起動することが難しかったサイドセンス。


少し前のXperiaでは画面外側のフチをタップする必要がありましたが、Xperia 10 IIIでは画面上のレバーを2回タップするだけで起動が可能に。レバーを上下にスライドして1つ前の画面に戻るなど機能性も向上しています。
▼Xperia 10 IIIのおすすめポイント
・超高速通信の5G対応
・使いやすくなったサイドセンス
・ながら操作が便利なマルチウィンドウ
・大容量かつ長寿命のバッテリー
・片手で持ちやすいハンドフィッチサイズ
Xperia 10 III のイマイチなポイント

イマイチなところも紹介しておきましょう。
Xperia 10 IIIはディスプレイ側の上下に2つのスピーカーを搭載していますが、上側のスピーカーは通話専用で動画を見たり音楽を聴いたりゲームをプレイする時は下側のスピーカーからしか音が出ないモノラル仕様です。ステレオスピーカーに慣れていると片方からのみ音が出力されるモノラルスピーカーは物足りないどころか違和感を覚えます。なるべくイヤホンを使う方が良いでしょう。
指紋認証センサーの下にはGoogleアシスタントボタンが搭載されていますが、好きなアプリを起動したりカメラのシャッターボタンとして利用する、といった割り当ての変更はできません。誤作動しないようにボタンを凹ませるという気遣いをするのであれば、Xperia Proで実現している割り当ての変更を可能にして欲しいところ。
▼Xperia 10 III のイマイチなポイント
・モノラルスピーカー
・割り当てを変更できないGoogleアシスタントボタン
・操作がもたつくカメラ
Xperia 10 IIIの評価まとめ

チップセットはローエンド寄りのミドルレンジであることやカメラは夜景や料理に弱いなど弱点はありつつも超高速通信の5GやIP68の防水、おサイフケータイ、有線イヤホンに対応。
サイドセンスやマルチウィンドウ、ポップアップウィンドウといったXperiaならではの搭載しながら機種代金は5万円前半、さらに割引が適用される手ごろな価格設定なのでスマホデビューや5Gデビュー機種としておすすめできるスマートフォンです。
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