「Xperia 1 III」レビュー!実際に使用して分かったフラッグシップモデルの実力は?
ソニーの最新技術を凝縮したフラグシップスマートフォン「Xperia 1 III」が、ドコモ・au・ソフトバンクから7月9日に一斉発売されました。
昨年発売のXperia 1 IIは、シリーズ初の5Gに対応しましたが、今年はさらに高速通信が可能なミリ波に対応。
高く評価されたカメラは、世界初の可変式望遠レンズを搭載しAI超解像ズームに対応することで、スマホカメラの弱点であるズーム性能を大幅強化。ディスプレイは新たにリフレッシュレート120Hzをサポート。4K解像度のディスプレイとしては世界初です。
デザイン・性能・機能がさらに磨かれた今夏注目のフラグシップスマートフォン「Xperia 1 III」をレビューします。
端末名 | Xperia 1 III |
---|---|
発売日 | 2021年7月9日 |
販売キャリア | ・ドコモ ・au ・ソフトバンク |
機種代金 | ・ドコモ:154,440円 ・au:178,000円 ・ソフトバンク:188,640円 |
予約開始日 | ・ドコモ:2021年4月16日 ・au:2021年4月15日 ・ソフトバンク:2021年7月1日 |
目次:
「Xperia 1 III」の外観・デザイン
今作で3世代目になったXperia 1シリーズ。フラットなデザインを継承しながら、ブラッシュアップを重ねたことで、さらに美しいデザインに仕上がっています。

大きく変わったのはボディの仕上げ。
前モデルは、特別な仕上げのない光沢のあるガラスを採用していたので、背面に付着する指紋が目立っていました。Xperia 1 IIIは、新たにフロスト処理を施すことで、指紋の目立たないマット仕上げに。ケースを使用しない人にとって嬉しいアップデートです。

カラーはフロストブラック、フロストパープル、フロストグレーの3色。今回レビューするのは記事執筆時点でドコモオンラインショップにて要予約になっている人気のカラーです。

側面にもフロスト処理が施されていて、右側にボリュームキーと電源キー/指紋認証センサー、Googleアシスタントキー、シャッターボタンを配置。左側にはSIMカード/microSDスロットが配置されています。


Googleアシスタントキーはまったく使わず。残念ながら好きなアプリを起動するなど、割り当てを変更することはできません。
左手でスマートフォンを操作する筆者にとって、右側面に配置された指紋認証センサーは相性が最悪。指紋が正しく認識されず「所定の回数を超えました。30秒後に再度お試しください。」のメッセージが何度もロック画面に表示されました。
デザイン性を考えれば、側面配置が正解だと思いますが、左手で操作する人を無視したものなの。「センサー左に移動して欲しい」「左にもセンサーを付けて欲しい」とは言わないけど、ディスプレイ指紋認証に移行して欲しいと感じます。

ボトムにはUSB PDによる急速充電に対応したUSB Type-C端子を搭載。トップにあるイヤホン端子を利用することで、遅延なしで音ゲーをプレイしたり、ライブ動画を視聴できます。


スペック・パフォーマンスをチェック
端末名 | Xperia 1 II |
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OS | Android 11 |
プロセッサ | Snapdragon 888 5G |
ディスプレイ | 約6.5インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ 4K HDR リフレッシュレート120Hz |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 256GB |
カメラ | 16㎜(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2 70㎜・105mm(望遠):有効画素数約1220万画素/F値2.3・2.8 24㎜(標準):有効画素数約1220万画素/F値1.7 3D iToFセンサー |
フロントカメラ | 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
バッテリー | 4,500mAh |
サイズ | 約71mm×約165mm×約8.2mm |
重さ | 約188g |
microSD | 最大1TB |
SIM | nanoSIM |
5G | ドコモ:受信時最大4.2Gbps、送信時最大480Mbps au:受信最大4.1Gbps/送信最大481Mbps ソフトバンク:受信最大3.0Gbps/送信最大298Mbps ※エリアによって通信速度が異なります |
プロセッサは今夏発売のハイエンドスマートフォンが多く採用するSnapdragon 888 5Gを搭載。メモリは12GBを積んでいます。
性能を数値化するベンチマークをGeekBench 5で計測したところ、シングルコアは1120点、マルチコアは3570点を記録。AnTuTuでは平均646,767点を記録。いずれも3回平均によるもの。Xperia 1 IIと比べるとGeekBench 5のシングルコアは約1.4倍、マルチコアは約1.3倍に向上しています。


ゲームに大きく関わる描画性能については3D Markで計測しました。瞬発的な描画性能を計測できるWild Life Extremeは1506点を記録。Xperia 1 IIと比べて約37%アップです。




申し分ない性能です。高い処理能力が要求される「CoD Mobile」や「ウマ娘プリティダービー」も快適にプレイできました。
ただ、発熱が気になります。非常に発熱しやすく、ゲームをプレイ中に端末が熱くなるのは当たり前。充電しながらプレイすると持てなくなることも。
長時間の描画性能を計測できるWild Life Extreme Stress Testでは、ベスト1525点、ロー835点を記録。発熱によって54.8%スコアが落ちました。元々の性能が高いため、発熱による性能低下によって、プレイがモタついたり、画面がカクついたりすることはないものの、手に伝わる熱が不快。
屋外でカメラなどを利用していると、温度上昇によって一部の機能が使えなくなることもあります。

バッテリーはXperia史上最大の4,500mAhを搭載。電池持ちを検証するために、リフレッシュレートを120Hzに設定した状態で、CoD Mobileを1時間プレイしたところ、約20%バッテリーの残量が減少。YouTubeの動画を1時間再生すると約10%減少しました。
また、Twitterやブラウザ、マップの利用といった日常で行う操作に加えて、ゲームや動画ストリーミング、ベンチマークスコアの計測、5G接続によるアプリとプレイリストのダウンロードといった電池消費量の高い使い方を含めた全5時間の使用(そのうち画面使用3時間)で、バッテリーの残量は約40%でした。
電池持ちが悪いといった評価も聞こえてきますが、それほど悪いものではないと思います。以下は検証時の詳細な使用状況です。


5Gは高速なミリ波に対応。5G接続時の通信速度は受信時最大3.0Gbps〜4.2Gbps、送信時最大298Mbps〜481Mbpsです。昨年4月にサービスを開始してから対応エリアが急速に拡大していて、5Gのアンテナ表示を見ることも少なくありません。
ドコモの5G回線に接続して通信速度を計測したところ、受信時600Mbps超/送信時95Mbps超を記録。Apple Musicのプレイリストや大容量のゲームアプリをダウンロードすると一瞬で完了。4Gでは不可能な“爆速”を体感できました。

ミリ波はドコモショップや人が集まるスポットを中心にエリアが整備されていて、Sub6も住宅街で利用できるまでは、まだ時間がかかりそうです。ただ、ドコモの5Gは昨年末から今年春にかけて急拡大していることもあって、このタイミングで5Gスマートフォンに買い換えるのも悪くはないと思います。購入前に5Gの対応エリアを確認しておくことをおすすめします。
前モデル「Xperia 1 II」との比較
昨年発売された2020年夏モデルの「Xperia 1 II」と最新モデルの「Xperia 1 III」を比較してどれほどの進化を遂げたのか確認しておきましょう。
端末名 | Xperia 1 III | Xperia 1 II |
---|---|---|
OS | Android 11 | Android 10 |
プロセッサ | Snapdragon 888 5G | Snapdragon 865 5G |
ディスプレイ | 約6.5インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ 4K HDR リフレッシュレート120Hz タッチサンプリングレート240Hz 残像低減技術(240Hz) |
約6.5インチ 有機EL シネマワイドディスプレイ 4K HDR リフレッシュレート60Hz ー 残像低減技術(120Hz) |
メモリ | 12GB | 8GB |
ストレージ | 256GB | 128GB |
カメラ | 16㎜(超広角):約12.2MP/F値2.2 70㎜・105mm(望遠):約12.2MP/F値2.3・2.8 24㎜(標準):約12.2MP/F値1.7 3D iToFセンサー カールツァイスレンズ T*コーティング |
16㎜(超広角):約12.2MP/F値2.2 70㎜(望遠):約12.2MP/F2.4 24㎜(標準):約12.2MP/F値1.7 3D iToFセンサー カールツァイスレンズ T*コーティング |
フロントカメラ | 約8MP/F値2.0 | 約8MP/F値2.0 |
スピーカー | フルステージステレオスピーカー | フロントステレオスピーカー |
バッテリー | 4,500mAh | 4,000mAh |
サイズ | 約165 x 71 x 8.2mm | 約166 x 72 x 7.9mm |
重さ | 約188g | 約181g |
5G | ミリ波:○ Sub6:○ |
ミリ波:X Sub6:○ |
ディスプレイは、どちらも映画とほぼ同じ縦横比(21:9)の6.5インチ、シネマワイドディスプレイを搭載しています。大きく変わったのは120Hzのリフレッシュレートに対応したことです。
Xperia 1 IIは、リフレッシュレートを擬似的に60Hzから90Hzに高速化させる「残像低減技術」に対応していましたが、Xperia 1 IIIは120Hzのリフレッシュレートに対応したことで、画面のスクロール操作はもちろん、特にゲーム体験がまったく違うものになっています。
アプリやコンテンツ側もフレームレート120fpsに対応する必要がありますが、対応するCoD Mobileでは、ゲーム設定からフレームレートを「ウルトラ」に設定してプレイすると、映像が非常になめらかに映し出されて、ヌルサクでプレイできました。
カメラは、世界初の可変式望遠レンズを採用したことで、光学ズームの倍率を2.9倍だけでなく4.4倍も選べるように。Xperia 1 IIに比べて、よりも遠くの被写体をキレイに撮影できるため、圧縮効果も活用できます。
もちろん処理性能もパワーアップしています。
Xperia 1 IIIに搭載された最新プロセッサ「Snadpragon 888 5G」は、Xperia 1 IIに搭載されたSnapdragon 865 5Gと比較してCPUの処理性能が25%向上。GPUは描画性能が最大35%向上し、電力効率も20%改善されています。
さらに、カメラの画質向上等に関わるAIエンジンの処理能力は、15TOPSから約1.7倍超の26TOPS(1秒間に26兆回の命令を処理できる能力)にアップ。ワットあたりのパフォーマンスも3倍となり、消費電力も大幅に改善されました。
メモリは8GBから12GBに増加。ストレージは2倍になったことで、より多くのアプリや写真・動画をスマホ本体に保存できます。今年5月をもってGoogleフォトの無料・容量無制限バックアップが終了したのでストレージの増加は嬉しいところ。
バッテリー容量は、500mAh増加したことでシリーズ最大容量になっています。大容量バッテリーを活かした新機能「おすそわけ充電」に対応したことで、人気のワイヤレスイヤホンWF1000-XM4などQi対応デバイスを「Xperia 1 III」の背面に乗せるだけで、ワイヤレスでバッテリーをおすそわけできます。
スピーカーは、動画視聴時やゲームをプレイしている時に手を塞がないフロント配置を継続。さらに音場感を高めて立体感と臨場感のあるサウンドを奏でられるフルステージステレオスピーカーに進化しています。
ディスプレイ性能

ディスプレイは、前モデルと同じ6.5インチの4K HDR有機ELです。縦横比21:9のシネマワイド仕様も変わりませんが、待望のリフレッシュレート120Hzに対応。4K解像度のディスプレイとしては世界初です。
リフレッシュレートは、1秒間に画面を書き換える回数を表すもので、値が高くなるほど映像がなめらかに表示されます。一般的なスマートフォンは60Hzのため、Xperia 1 IIIは画面の書き換え回数が2倍。これにより、残像感のない、とてもなめらかな映像や画面スクロールが楽しめます。
リフレッシュレートは可変式ではなく、固定式のため設定をオンにすると、電池持ちに影響があります。
また、アップデートではありませんが、一般ユーザー向けのXperiaスマートフォンとしては初めてディスプレイの色ズレを個体ごとに補正するディスプレイキャリブレーションが実施された状態で出荷されています。
ゲーミング機能
スマートフォンで利用機会が増えているサービスとして動画配信サービスと並んで上位にあがるゲーム。
これまでのXperiaでも、ゲーム映像の表示領域が広がる21:9のシネマワイドディスプレイや発熱を抑えながらスマホに給電して電池を気にせずプレイできるH.S.パワーコントロール、高速タッチ検出など充実したゲーム機能を提供していますが、Xperia 1 IIIでは、さらにゲーミング機能が進化しています。

新たに追加された「ゲーム用画質モード」と「オーディオイコライザー」は、プロe-sportsチームSCARZと共同開発した機能で、薄暗いマップを自分好みに調整することで、視認性の高い画質に調整したり、低〜中〜高音域の音量を調整することで、忍び寄る敵の足音や銃声の位置を強調できます。画質や音質はプレイしながら設定できるのも嬉しい。


ほかにも録画ボタンを押す30秒前から画面録画できることで“撮っておけばよかった”をなくすRTレコードに対応しました。ゲームをプレイするときだけでなく、ゲーム画面をシェアするときも120fpsのなめらかな映像を記録して共有できます。

Xperia 1 IIIは、ゲーミングスマホではないものの、“ゲームに勝つための機能”や“ゲームをもっと楽しむための機能”を数多く搭載しています。
▼Xperia 1 IIIで利用できるゲーミング機能・性能
名前 | 概要 |
---|---|
21:9シネマワイドディスプレイ | ゲームの表示領域を横方向に広げるディスプレイ |
リフレッシュレート120Hz | 対応するゲームの映像をなめらかに表示 |
タッチサンプリングレート240Hz | タップ操作を逃さない高速タッチ検出 |
ゲームエンハンサー | ゲームに集中するために通知・着信通知の非表示が可能。誤操作を防止するためのナビゲーションバーのロックやカメラキー、再度センスの無効化などを収録 |
RTレコード | 録画ボタンを押した30秒前から画面録画できる機能。「撮っておけばよかった」「撮ってなかった」を防止 |
H.S.パワーコントロール | バッテリーを充電するのではなく本体に直接給電。電池持ちを気にせずゲームをプレイ可能 |
ハイフレームレート録画 | プレイ時のリフレッシュレートだけでなく画面録画時のフレームレートを設定可能に。なめらからな映像でプレイ、なめらかな映像で録画も |
オーディオイコライザー | 低〜中〜高音域の音量を調整して敵の足音や銃声の位置を強調してゲームを有利に進められる機能。最大4つまで画質モードを保存して素早く呼び出し可能 |
マルチタスク(ポップアップウィンドウ for Game) | ゲーム画面から離脱せずにネットで情報を検索したり、YouTubeで攻略動画を見たり、Twitterなどアプリを起動してゲーム画面に重ねて表示できる機能 |
ゲーム用画質モード | ゲーム映像を調整できる機能。「ローガンマ・レイザー」やホワイトバランスを調整して影や暗い部分を見やすく調整。最大4つまで画質モードを保存して素早く呼び出し可能 |
VCマイクの最適化 | マイクの種類に合わせて、ボイスチャット利用時に相手の音声が聞き取りやすくなる機能 |
カメラ性能
Xperia 1 IIIのカメラは、前モデル同様にトリプルレンズカメラと3D iToFセンサーを搭載。今回は望遠レンズが大幅に強化されています。
まったく新しくなった望遠レンズは、スマホカメラのトレンドになってるペリスコープ構造を採用する世界初の「可変式望遠レンズ」で、構造内に並べたレンズをスライド移動させて焦点距離を変える仕組みによって、1つのレンズで2.9倍と4.4倍の光学ズームを利用できます。
レンズ数の増加はカメラユニットの大型化に繋がるため、デザイン性が損なわれますが、可変式望遠レンズでは、デザインを維持したまま、カメラの高性能化が可能です。

トリプルレンズながら選べる画角は、超広角・広角・2.9倍望遠・4.4倍望遠の4つ。ソニー独自のAIを活用して、デジタルズーム時の劣化を補正する「AI超解像ズーム」にも新たに対応するなど、スマートカメラの弱点であるズーム性能が大きく改善されています。

強力なオートフォーカスもさらにパワーアップ。画面上で被写体をタッチすると、AIによって色・模様・距離などから被写体を認識して、自動追尾し続ける「リアルタイムトラッキング」に対応しました。

通常のスマートフォンでは、自分や被写体が動くたびに何かしらのアクションでフォーカスを合わせる必要がありますが、リアルタイムトラッキングを使えば、一度フォーカスを合わせたら自動で追尾してくれるので、あとは好き放題にシャッターを切るだけです。
リアルタイムトラッキングは、人間や動物の瞳を即検出して正確にフォーカスを合わせる「リアルタイム瞳AF」とも連動するため、動き回る子供やペットの写真もミス少なく撮影できます。
暗所でノイズが発生しやすいAF/AE追従の20コマ連写機能には、ノイズリダクションが追加されたことで、どんな場所で連写してもノイズの少ないクリアな写真が撮影可能に。
トリプルレンズすべてのイメージセンサーがソニー製のExmor RS for mobileに統一されています。望遠レンズもDual PDに対応したことで、すべてのレンズで高速・高精度のオートフォーカスを利用できます。

▼Xperia 1 IIIのカメラ性能
レンズ | 広角 | 超広角 | 可変式望遠 |
---|---|---|---|
画素数 | 12MP | 12MP | 12MP |
イメージセンサー | Exmor RS for mobile | Exmor RS for mobile | Exmor RS for mobile |
センサーサイズ | 1/1.7 | 1/2.6 | 1/2.9 |
F値 | f/1.7 | f/2.2 | 70mm: f/2.3 105mm: /2.8 |
焦点距離 | 24mm | 16mm | 70mm, 105mm |
Dual PD | ○ | ○ | ○ |
高額手ブレ補正 | ○ | – | ○ |
「Xperia 1 III」のカメラ性能をチェック

ズーム撮影とオートフォーカスが大幅に改善したXperia 1 IIIのカメラ。実際に写真を撮って見たのでいくつか紹介します。










Xperia 1 IIIのおすすめポイント
Xperia 1 IIIを使ってみてよかったポイントを紹介します。
①デザイン
Xperia 1 IIIは、フラットなディスプレイとエッジを継続するなど、デザインは前モデルから大きく変わっていませんが、上下ベゼルの厚さがシンメトリーに変更されるなど細かなアップデートがあります。
特に気にいったのは背面と側面に導入されたフロスト処理。高級モデルらしい落ち着いた雰囲気に変化し、マットな表面処理によって質感が良く、指紋が目立ちにくいのでケースなしでもキレイなまま使えるのが好印象。
さらに、画面サイズはそのままに、縦と横の長さを1mmずつ小さくするなど、デザインの完成度がさらに上がっています。
②快適なゲーミング
快適なゲーム体験にも注力しているXperia 1 IIIは、最新のプロセッサを搭載することで、3D処理を多様したゲームでもモタつくことなく快適にプレイできました。
なかでもリフレッシュレート120Hzによる効果は大きくスマートフォンでもなめらかな映像でゲームをプレイできるのは新鮮です。
ゲームに勝つための機能として追加された見えにくいものを見やすくできるゲーム用画質モードや聞こえにくい音を聞こえやすくできるオーディオイコライザーはガチ勢には嬉しい機能です。
細かい配慮ですが、いずれもプレビュー機能に対応していて、ゲームをプレイしながら画質や調節できるのが嬉しいポイントです。
③カメラ機能
Xperia 1 IIでは、ソニーの一眼レフαシリーズのようなインターフェースでこだわった撮影が楽しめる「Photography Pro」と、スマートフォンの使いやすいデザインで手軽に撮影できる「カメラ」の2つが収録されていましたが、Xperia 1 IIIでは、カメラアプリがベーシックモードとしてPhotography Proに統合される形になりました。
撮影中に「これはPhotography Proで撮りたいな」と思った時も、カメラアプリを切り替えるのではなく、同じアプリ内で撮影モードを切り替えるだけなので、タイミングを逃さずシャッターを切れます。さらに、ベーシックモードでもリアルタイムトラッキングなどの便利なカメラ機能を利用できるので、わかりやすさと使いやすさを改善しながら、高機能化も実現されました。
Xperia 1 IIIのいまいちなポイント
①激しい発熱
高い性能と引き換えですが、とにかく発熱がすごい。ゲームプレイ時はもちろん、カメラの利用やスピードテストでも急激に本体温度が上がります。
発熱によって急激に性能が落ちて、耐えられないほど性能が落ちることはないものの、温度上昇によって一部のアプリやサービスが使えなくなるのが残念です。
②アルバムアプリの廃止
アルバムアプリの廃止も残念でした。Xperia 1 IIIで撮影した写真や動画は、Googleフォトやサードパーティのアプリで管理することになります。
Googleフォトは優れたバックアップサービスですが、優れたアルバムアプリではありません。ホーム画面には、Googleフォトと連携したすべてのデバイスで、バックアップした写真や動画が表示されます。Xperia 1 IIIのカメラで撮影したものを確認するには、ライブラリタブからデバイス内の写真を選ぶ必要があるなど、確認したい時にすぐに確認できません。
アルバムアプリの削除によってまた1つXperiaの独自機能が1つ減りました。これがOSの早期アップデートに繋がるのであれば納得できますが、多分そうはならないでしょう。
③高い価格設定
正直、機種代金は高いです。コストパフォーマンスどうこうではなく、単純に機種代金15万〜18万円のスマートフォンに買い換えるのはカンタンではありません。価格によって購入を諦めなければいけない人も多いはず。Xperia 1 IIIがどれだけ魅力的でも躊躇する価格設定です。
ちなみに、Xperia 1 IIは12万円〜13万円だったので3〜6万円の値上げ。ミッドレンジのスマートフォンが1台買える分です。
④小さなコンパクトモデルも欲しい
個人的に6.5インチのスマートフォンは良くも悪くも大きすぎると感じました。大画面で迫力のある映像でゲームをプレイしたり、動画を視聴するのは確かに魅力的。でも、もう少し扱いやすいコンパクトモデルも選びたい。
日本では販売されていない「Xperia 5 III」は、約20gも軽量で、縦が8mm、横が3mm小さいコンパクトモデルです。キャリアからの追加販売とSIMフリー版の発売に期待です。
まとめ:Xperia 1 IIIのおすすめユーザーは?
最後にまとめとして「Xperia 1 II|」を性能・カメラ・バッテリー・デザイン・ディスプレイ」の5部門ごとに5段階で評価します。
性能・発熱 | ★★★★☆ |
---|---|
カメラ | ★★★★☆ |
バッテリー | ★★★★☆ |
デザイン | ★★★★★ |
ディスプレイ | ★★★★☆ |
【性能】
最新のプロセッサ「Snapdragon 888 5G」を搭載することで、最高クラスの性能を実現。高い処理能力を要求する3Dゲームでもストレスなく快適にプレイできます。発熱が激しくベンチマークスコア上では、性能が低下するものの実際の使用に影響はありません。
充電しながらゲームをするなどの利用は極力避けて、どうしても電池残量が不足している状態でプレイする場合はHSパワーコントロールを活用することで、電池の残量や電池へのダメージを気にすることなくプレイできます。
【カメラ】
Xperia 1 IIIのカメラは、インスタグラムなどで映えるような彩度の高い非現実的な写真ではなく、実際の見た目に近いリアルな写真、その場の空間を切り取ったような写真が撮影できます。
世界初の可変式望遠レンズを搭載し、AI超解像ズームに対応することで、遠くの被写体を撮影する時の画質が大幅に向上しました。
画面上で選択した被写体にフォーカスを合わせ続けるリアルタイムトラッキングや連動したリアルタイム瞳AFなど、追尾オートフォーカスも大幅に進化しているので、野球やバスケットなどのスポーツ観戦、砂埃の影響で一眼レフを使いづらい子どもの運動会でも活躍しそうなカメラです。
【バッテリー】
シリーズ最大容量の4,500mAhバッテリーを搭載したXperia 1 IIIですが、電池持ちに対する評価は国内外で様々です。検証方法や使い方が異なることもあって一貫した評価はありません。
一日のほとんどをWi-Fi環境で過ごして、ゲームと動画を1時間ずつ楽しみ、あとはTwitterとブラウザの利用が大半な人という人は、朝起きてから寝るまでに充電は必要ないはず。
一方、カメラで写真と動画を撮影し、移動中に動画やゲームを楽しんで、マップで経路を検索したりナビを使用するなど、ヘビーな使い方になる場合、例えば旅行では1日が終わるまでに最低でも1回は充電が必要になります。ただ、そういった使い方をして1日電池が持つスマートフォンはほとんどありません。
少なくとも自分の使い方において、Xperia 1 IIIの電池持ちが悪いと感じることはなかったです。
【デザイン】
デザインに大きな変更はありませんが、上下のベゼルがシンメトリーに改善。指紋が目立ちにくいフロスト処理によって、高級感モデルにふさわしい落ち着いた雰囲気に変化するなど、細かなアップデートの積み重ねによって、デザインの完成度もグッと上がっています。
最近発売されたスマートフォンのなかで最もデザイン性の高いスマートフォンだと思います。
【ディスプレイ】
画面占有率の高いパンチホールがトレンドのなかで、Xperiaは左右対称のシンメトリーデザインを採用しています。今回は上下のノッチを同じ幅に合わせたことでデザイン性がアップ。
4Kディスプレイとして世界初のリフレッシュレート120Hzに対応。L-γレイザーの調整機能や240Hzの残像低減技術、タップ抜けを防ぐタッチサンプリングレート240Hzなど、ゲーミングに最適なディスプレイに仕上がっています。
▼Xperia 1 IIIはこんな人におすすめ!
・スマートフォンでもガチでゲームを楽しみたい人
・盛れるカメラではなく、リアルな空間を切り取るカメラを求めている人
・予算があるすべての人
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