「AQUOS R7」をレビュー!進化した1インチセンサースマホのカメラ性能も検証!
絶えず進化を続けるスマートフォンのカメラ。ここ数年はレンズの数を増やすことがトレンドでした。
複数のレンズをワンタッチで切り替えることにより、景色をダイナミックに撮れる超広角、遠くの被写体まで画質を落とすことなく撮れる望遠、被写体に数センチまで近づいて撮れるマクロといった多くの画角に対応し、被写体や背景までの距離を測定して、一眼レフのような自然な背景ボケを再現するなど多機能化しています。
トレンドとは逆にレンズの数を絞っているのがシャープです。搭載するレンズはたった1つだけ。
Leicaと共同開発したデジカメ用の巨大な1インチセンサーとズミクロンレンズを組み合わせた1レンズ仕様のカメラシステムを搭載した前作のAQUOS R6は日本だけでなく海外でも大きく取り上げられました。
巨大センサーを搭載することにより、暗い場所でもノイズが少なく、自然なボケ感と自然な色味にメリットがある一方で、遅いオートフォーカスが指摘されていましたが、AQUOS R7では約2倍高速化するなど多数の弱点が解消されています。
はたして20万円の価値はあるのでしょうか。
端末名 | AQUOS R7 |
---|---|
販売キャリア | ・ドコモ ・ソフトバンク |
機種代金 | ・ドコモ:198,000円 ・ソフトバンク:189,360円 |
実質負担金 | ・ドコモ:114,840円 ・ソフトバンク:94,680円 |
発売日 | ・ドコモ:2022年7月15日 ・ソフトバンク:2022年7月8日 |
※この記事はすべて税込表記です。
端末提供:SHARP
目次:
「AQUOS R7」の外観・デザイン
AQUOS R7は背面中央に巨大な1インチセンサーのズミクロンレンズを搭載。すぐ隣には背景をボカすために必要な測距用センサーを備えています。
エッチング処理された背面はマットでザラザラした質感。カラーはシルバーとブラックの2色。今回レビューで使用するブラックは高級感があるものの、あくまでも見た目の話。
ノックするように背面を叩くとコンコンと軽い空洞音が鳴り、スピーカーの音量を上げると背面に振動が伝わるなど、使用するうちに安っぽさも感じるように。


机に置いたまま画面の両端をタップ操作すると大きくガタつく
強化ガラスのGorilla Glass Victusにサンドイッチされたアルミフレームはヘアライン加工されたサラサラな手触り。
右側面に音量ボタンと電源ボタンを備えます。左側面には何もありません。
カメラにこだわったモデルであれば、専用のシャッターボタンは欲しいところ。


トップにはイヤホン端子とSIMカードスロットを搭載。SIMカードスロットをオープンすると、microSDカードスロットにアクセスできます。
ボトムには急速充電にも対応したUSB Type-C端子を備えます。


重さは208gでずっしり。幅は片手でしっかり握れる70mmを大きく超える77mmのため、片手で持て余す大きさ。基本的には両手操作が必要です。
画面が下にスライドするAndroid標準の片手モードも利用できますが、3ボタン操作時はホームボタンを2回タップして片手モードをショートカット起動できません。
ディスプレイのベゼルは左右のみ同じ幅。
上はわずかに太く、下はさらに厚め。ほとんどのAndroidスマートフォンはベゼルが不揃いですが、20万円近いスマートフォンでも3辺不揃いなのかというのが正直な感想です。

スペック・パフォーマンスをチェック
▼AQUOS R7のスペック
機種名 | AQUOS R7 |
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OS | Android 12 |
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.6インチ Pro IGZO OLED WUXGA+(1,260 × 2,730) リフレッシュレート120Hz 240Hz網膜残像低減 |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 256GB |
メインカメラ | 47.2MP ライカカメラ社監修1インチセンサー 測距用センサー ƒ/1.9 |
フロントカメラ | 12.6MP ƒ/2.3 |
バッテリー | 5,000mAh |
サイズ | 161 x 77 x 9.3 mm |
重さ | 約208g |
microSD | 最大1TB |
eSIM | ◯ |
チップセットは2022年夏発売のハイエンドスマートフォンが多く採用する「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。メモリは12GBです。
CPUの性能を数値化するベンチマークをGeekbench 5で、快適なゲーム体験に関わる描画性能を3D Markで計測しようとしましたが、貸与端末ではいずれもアプリも起動できませんでした。何らかの制御がかけられているようです。
「Snapdragon 8 Gen 1」は発熱問題を抱えているチップセットでいずれのメーカーも対応に苦戦しています。熱をほぼ無視してハイパフォーマンスを提供するメーカーもあれば、パフォーマンスを犠牲に発熱を解消するなどさまざま。
筆者はどちらも両立させた機種にまだ出会っていません。AQUOS R7も例外に漏れず発熱問題が存在していました。
バッテリーは大容量の5,000mAh。電力を自動で最適化する「Pro IGZO OLED」とのコンビはシャープいわく「フラッグシップでは最高クラスの電池持ち」とのこと。
ディスプレイの明るさを最大に設定し、リフレッシュレートを最大に引き上げてApexモバイルを1時間プレイしたところ30%減少し、YouTubeを30分連続再生すると9%減少しました。
80%充電の状態で昼前に外出。電車での移動中、目的地まで乗り換え検索し、Twitterやインスタなどのソーシャルメディア、ニュースアプリをチェックして100枚以上の写真を撮影して帰宅しても翌日まで充電は残っていました。
他のフラグシップモデルに比べて突出しているわけではないものの、トップクラスでかなり優秀です。電池持ちは心配しなくて良いでしょう。
前モデル「AQUOS R6」との比較
昨年発売されたAQUOS R6と最新モデルのAQUOS R7を比較して、どれくらい進化したのか確認します。
AQUOS R7 | AQUOS R6 | |
---|---|---|
サイズ | 約161mm×約77mm×約9.3mm | 約162mm×約74mm×約9.5mm |
重さ | 約208g | 約207g |
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 888 |
ストレージ | 256GB | 128GB |
メインカメラ | 47.2MP 新1インチイメージセンサー 全画素 Octa PD AF ナノオーダー低反射処理 RAW HDR 8K 1.9MP測距センサー |
20.2MP1インチイメージセンサーToFセンサー |
ディスプレイ | フラットディスプレイ | カーブエッジディスプレイ |
5G | Sub6 ミリ波 |
Sub6 |
eSIM | ◯ | X |
ワイヤレス充電 | ◯ | X |
最大の特徴であるカメラは、1.8倍明るくなった新しい1インチイメージセンサーを搭載。47MPまで高精細化されたことで、ピクセルビニングによる高画質化(ノイズ低減と広いダイナミックレンジ)とズーム撮影時の画質が改善されました。
レンズには反射を60%抑える低反射処理に加えて、フレアやゴーストといった現象を抑制してクリアな撮影が可能に。
また、R6の課題だったAFや被写体認識の遅さは、全画素 Octa PD AF対応によってオートフォーカスの速度が2倍に向上。被写体を認識するAIは1.5倍高速になり、リアルタイムに全身、顔、瞳を検出できるように進化しました。
さらに、新たな高感度の測距用センサーによって、夜間でも背景がボケるナイトポートレートに対応。
複数枚の画像を記録して合成することから高い負荷のかかるHDR撮影はバックグラウンドで処理することで撮影が快適に。ほかにも顔のパーツごとに美的処理を施すFace BeautyやRAWデータを合成するRAW HDR撮影に対応しています。動画は8K撮影にも対応しています。
ディスプレイは誤操作が起きる要因だったカーブエッジを廃止し、フラットになりました。
また、高リフレッシュレートと網膜残像低減によってなめらかな映像を表示しながら、電池を節約するアイドリングストップ機能は、より頻繁に駆動速度を下げることで省エネ化を実現。
5Gはミリ波にも対応したことでAQUOS史上最速の下り4.9Gbps、上り1.1Gbps(いずれも理論値)に進化。新たにeSIMにも対応しています。
チップセットはAQUOS史上最もパワフルな性能を実現する「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。CPU性能は+11%、GPU性能は+44%、AI性能は+50%も向上。
今作からは、便利なワイヤレス充電にも対応しています。
「AQUOS R7」の作例チェック
新しい1インチイメージセンサーを搭載したAQUOS R7のカメラ。実際にいくつか写真を撮影したので紹介します。すべてオート撮影です。








AQUOS R7のカメラを一言で評価すると「不安定」に尽きます。
まずは発熱。猛暑日の屋外で10枚いかないぐらい撮影すると「本体の温度が上昇したため、カメラを終了します。しばらくしてからお使いください。」とメッセージが表示されてカメラが強制終了します。
熱が冷めるまで使えないと思いきや、即カメラを起動すると普通に使えるので、何のために存在しているのかわかりません。ただの撮影を妨害する機能です。
発熱が関係しているのか、シャッターボタンを押しても認識されず、撮れていないことも多々ありました。ボタンを押した時のフィードバックも小さいため、撮れていないことも気づけません。やはり専用のシャッターボタンが欲しい。
もう1つはボケすぎること。自然なボケ感が大きな特徴ですが、被写界深度が浅いため、ボカしたくないのにボケてしまう。
例えば、人物を撮影したところ目や鼻にはピントが合っていて、すぐ横の耳や髪の毛がボケてしまう。ボケ感そのものは自然でも写真としては不自然な仕上がりです。絞り値の調整機能があれば解消される問題なので可能であれば追加して欲しい。
最後は手ブレ。大型センサーということもあって手ブレ補正は電子式。前作で課題だったオートフォーカスが改善されたことで、ポケットからサッと取り出してもピントは合うものの、その流れでサッと撮って後で写真を確認するとブレてることが何回かありました。
AQUOS R7のおすすめのポイント
AQUOS R7を使ってよかったポイントを紹介します。
1.高速なディスプレイ指紋認証

AQUOS R7は、背面センサーと違って机に置いたまま認証が可能。側面センサーと違って利き手によらず認証しやすいディスプレイ指紋認証を採用しています。
精度の悪い光学式ではなく、高速で濡れた指でも認証可能な超音波式。
認証範囲が広いため、わざわざロック画面を目視しなくても正しい位置に指を乗せやすく、他の機種よりもスムーズに画面ロックを解除できます。
2.屋外でも見やすい明るいディスプレイ
Pro IGZO OLEDは、高画質・なめらか表示・省エネのIGZO技術を有機ELに応用したディスプレイ。日差しの強い屋外でも明るく見やすい業界最高のピーク輝度は2000nit
環境に合わせて画質を最適化する「スマートカラーマッチング」と、屋外での表示を見やすくする「アウトドアビュー」にも対応しています。
3.電池持ち
5,000mAhの大容量バッテリーを搭載したAQUOS R7の電池持ちはフラグシップスマートフォンの中でもトップクラスです。
電池持ちをより良くするするために、画面の明るさを落としたり、なめらかハイスピード表示をオフにする必要はありません。便利な機能を積極的に使えます。
4.インテリジェントチャージ
スマホの使用年数が経過すると、バッテリー劣化して電池持ちが悪くなりますが、AQUOS R7では、端末温度や周囲の温度にあわせて自動的に充電方法を変更して電池寿命を伸ばす「インテリジェントチャージ」によって電池の寿命を伸ばすことができます。
- 最大充電量を変更:最大充電量を90%に制限して、充電器から直接電力を供給するダイレクト給電にすることで、電池への負担を減らして寿命を伸ばす
- 画面消灯中のみ充電:画面消灯中のみ充電し、画面表示中はダイレクト給電に切り替える。端末使用中の発熱と電池への負荷を軽減
AQUOS R7の気になったポイント
AQUOS R7を利用して気になったポイントも紹介します。
1.発熱
他のSnapdragon 8 Gen 1を搭載する機種と同じように発熱が酷い爆熱仕様です。
屋外でカメラを構えると10枚も撮らないうちに警告が表示されてカメラが強制終了し、シャッターボタンを押しても認識しないことがあります。
2.ロック画面の巨大な時計

AQUOS R7のロック画面に表示される時計は2行でかなり大きく表示されます。
時計の巨大化はAndloid 12の仕様によるものですが、Pixelスマートフォンであれば設定画面から1行の小さい表示に変更できます。AQUOS R7も含めてAndroid 12にアップデートしたAQUOSスマートフォンでは、このオプションを利用できません。
ロック画面の2行表示をキャンセルするオプションは、Android 12の初期リリース後に追加されたことから、もしかするとシャープは追加前のバージョンをもとに開発したと考えられます。
多くのAQUOSユーザーからはオプションを提供して欲しいとの声が多くあるので早期提供を期待したいところです。
まとめ:AQUOS R7のおすすめユーザーは?
AQUOS R7の評価は「19万円を出す価値があるのか」によって決まります。
Leicaと共同開発した新しい1インチセンサーとズミクロンレンズによるカメラシステムは他のスマホとは違う雰囲気の写真を楽しめますが、使う人を選ぶものです。
ズミクロンレンズによってここまで高額になっているのであれば、ソニーのようにカメラに特化したPROシリーズで1インチセンサーを搭載して欲しかったというAQUOSファンも多いかもしれません。
個人的には発熱問題によって、じっくり腰を据えてカメラを構えられないのは19万円のスマートフォンではあってはいけないことだと思います。
同じ19万円のXperia 1 IVと同じように端末購入サポートプログラムを使うことを前提に購入する機種になるかと思います。同プログラムの特典を利用して、実質負担金10万円前後を前提とした2年間レンタルで手にするのが良いでしょう。
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