ドコモから格安SIMにMNPする前に確認しておきたい、端末と速度の関係

書いた人: モバレコ編集部

カテゴリ: 格安SIM

高速通信を使うために必要なこと

大手キャリアと同じ高速通信が使える契約でありながら、月額料金は数分の一という魅力を抱えたMVNOの格安SIMが最近人気です。
しかし、「SIMだけ買っても使い方がわからない」など不安を抱えた方も多いかと思います。

また、恐らくほとんどの人は、通信速度の説明の脇に書かれた「ベストエフォート」の意味をわかった上で契約しているとは思いますが、MVNOは大手に比べて通信速度が遅くなりやすいことはあまり知られていないと思います。

基本的に「通信速度」とは、提供されている回線の能力と、その回線を利用する人数、送受信されるデータ容量などから相対的に求めます。

今回はそのへんの説明も軽く行います。

※なお、当記事で扱う料金および通信料などは執筆時点のものです。

機種とSIMの仕様を確認しましょう

SIMカードについて

キャリアからMVNOに乗り換える時、最初にぶつかる壁となる可能性が高いのがこの部分だからです。たとえば同じブルーレイディスクでもPS4のゲームをPCで起動できないように、挿し込む端末が対応していない場合はたとえSIMフリー機だったとしても通話・通信できないことがあります。

SIMのみを購入する場合は最低限次の項目をチェックしてみてください。

  • SIMカードのサイズは合っていますか?
  • 通信回線の種類は変わりますか?
  • 使用する端末はSIMロックフリーですか?

SIMカードの大きさには種類があります

通常サイズとナノサイズではこんなに違う

2014年冬モデルにはiPhoneと同じnanoサイズのSIMカードを採用した端末が多く、それ以前のものであればmicroサイズ、更に過去のものは通常サイズと、大きく3種類の大きさで「SIMカード」は存在します。
通常サイズとナノサイズはこんなに大きさが違いますので、端末の差込口に合わない限り挿入はできません。

SIMアダプターの写真

小さいサイズのSIMを大きいサイズのスロットに合わせる「SIMアダプター」、大きいサイズのSIMを小さいサイズのスロットに合わせる「SIMカッター」なども市販されていますが、あまりおすすめはできません。
ほとんどの場合は問題なく使えると思いますが、これらは当然ながらどの通信キャリアも保証してくれませんので、万が一何か起こった時に自己負担で解決する必要があります。特にSIMカッターは一度裁断してしまうと取り返しがつきません。

SIMカードだけを購入するケースもあります

パッケージの中にはSIMカードが入っています

MVNOと契約した場合はSIMカードを自分で端末に挿入する場合があります。この時に裏表を間違えたまま強引に挿してしまうと、機器の内側の金属端子などを破損したり、あるいはSIMカードが抜けなくなったりします。こうなると自力で解決できる可能性はほぼゼロになりますので、くれぐれも注意してください。

速度は同じでも種類は異なるケースがあります

ひとくちにMVNOといっても様々

MVNOとは仮想移動体通信事業者を指す言葉です。一方で、ドコモ、au、ソフトバンクなどの大手はMNOと呼ばれ、これは移動体通信事業者を指す言葉です。
この2つの違いは明白で、「自社でインフラを持っているか」で決まります。持っていない場合は「仮想(Virtual)」がつきます。

そしてMVNOは、MNOからインフラ(通話・通信回線)を部分的に借り受けて、そこに独自の料金プランをくっつけて販売しています。
現在は多くのMVNO事業者がドコモからインフラを借りているため、基本的にドコモからMVNOにMNPしてもドコモのインフラを使うことになる場合が多いです。
とはいえ、mineo/UQ mobileなど、ドコモ以外のインフラを使ったMVNOもありますので、事業者を選ぶ時は回線の種類にご注意ください。たとえばドコモ系MVNOのSIMカードをauの端末に刺しても通信できない場合があります。

SIMロックフリー(SIMフリー)と白ロムは全くの別物です

いわゆる「SIMフリー」とは、通信方式(2G/3G/LTEなど)と周波数(バンドとも呼ばれます)が対応してさえいれば、世界のどの国・キャリアでも利用できる端末のこと。たとえばGoogle Playストアで販売されている「Nexus」や、Apple Storeで販売されている「iPhone」などがあります。また、キャリアから買った端末を「SIMロック解除」した場合(=SIMロックフリー)は「SIMフリー」とほぼ同じ状態になります。

対して「白ロム」とは、電話番号登録がされていない状態の端末を指す言葉です。しかし、スマートフォンなどは電話番号を本体ではなくSIMカードに書き込むため、厳密には「白ロムのスマホ」と定義できる端末は存在しません。

では市販されている「白ロム」とは何かというと、「誰とも契約していない状態」のような意味合いと考えられます。新品の場合はもとより、一度キャリアなどで購入した後で、別の機種に乗り換えたり解約した状態で端末だけが売りに出されたものなどが「白ロム」と呼ばれることがあります。

こうして考えてみると、「SIMフリー」と「白ロム」との間に大きな壁があることに気がつきましたでしょうか?

白ロムにはSIMロックされた端末も存在します。特に、公式なSIMロック解除を受け付けていないau端末の「白ロム」などはSIMロックがかかっているとみて良いのではないでしょうか。

格安SIMを使うために端末の購入も考えている方は、通信方式と周波数が対応しているかと合わせて「SIMロックがかかっていないか」も確認する必要があります。

MVNOは通信速度が遅い?

MVNOにしたら通信速度が遅くなったって話を聞いたことありませんか?それには様々な理由が含まれます。

通信速度の求め方

LTEは「下り最大150Mbps」

現状、大手を含めたほとんどの事業者が「下り最大150Mbps/上り最大50Mbps」という数値を通信速度の目安として公開しています。

そもそも「通信速度」とは車のスピードのようにイメージできます。たとえば市販の自動車なら180km/hまでメーターに刻まれていることがあるかと思います。
しかし現実に180km/hで車を走らせた経験をお持ちの方は、おそらくほとんどいないでしょう。

基本的に自動車が180km/hの速度を出すには次の条件が必要です。

  • 搭載されたエンジンが実際に車を180km/hで走らせる馬力を持つ
  • 制限速度が180km/h以上になっていて、自由に走れる道路がある
  • 180km/hのまま走り続けられる長さがあり、走行を阻害する要素がない

それぞれの単語をスマホに変換すると、「エンジン(または車)」が「本体(通信モデムやデータ処理用のCPUなど)」、「制限速度(180km/h)」が「通信速度の上限(下り最大150Mbpsなど)」、「道路」が「回線」、そして「阻害する要素」は「同じ回線を使用している他のユーザー(要するに混雑率、渋滞の様子)など」となります。

この前提のもとに、上記条件をデータ通信にあてはめると次のようになります。

  • 使用する端末がLTEの最高速度を出せるモデムを積んでいる
  • 下り最大150Mbps/上り最大50Mbpsに対応したLTE回線を掴むことができる
  • 回線が混み合っていない
CPU型番からモデムの性能を調べる

1番目は端末のスペックの話になります。SIMカードが高速のLTEに対応していたとしても、端末が3G電波しか掴めないようでは高速通信はできません。この部分の確認方法としては、モデムまたはモデムを内蔵したCPUのスペックに「LTE Cat.4」といった記述が見つかれば大丈夫です。カテゴリ4のLTEに対応している場合、下り最大150Mbps/上り最大50Mbpsでの通信をサポートしています。
スペック表に載っていない場合はCPUの型番をGoogle検索にかけることでメーカーHPやWikipediaなどがヒットするはずなので、そちらで調べることもできます。

というわけで、スマートフォン・タブレットなどの機器で通信を行う時は端末の性能に影響を受けます。そこに加えて、自分が使っているSIMカードに提供される電波の種類にも影響を受けます。

ここからは箇条書きした条件の3番目、「混雑状況」についての話です。これを考えるには、今までと違った視点から電波を見つめる必要があります。

混雑状況はユーザーが把握することは難しく、時間帯や付近のイベントなどから予測するしかないですが、よくパケ詰まりの解消方法として挙げられる「機内モードのON/OFF切替」などによって強制的に通信を切ることで「いったん道を下り」、再度接続することで「すいてる道を選ぶ」よう仕向けることもできます。

機内モードでパケ詰まり解消

少し昔、ドコモは遅い!と言われていた頃は、利用者があまりに多いため、提供されている全ての道(周波数)で大渋滞が発生していたことが理由として考えられます。更なる分散化をはかろうにも既に手持ちの道(帯域)は埋まっていたため、回避策として「公衆無線LAN」の普及が拡大していったわけです。

補足:キャリアとMVNOの回線の違い

今述べた条件は通信事業者であれば(種類は違えど)どこでも共通のはずです。では、なぜキャリアからMVNOに乗り換えると速度が下がるのか?そこを説明します。

通信回線のイメージは道路
photo by Carl Smith

これもイメージは道路です。たとえば高速道路を走っていて帰省ラッシュなどの渋滞につかまった時、こう考えたことはありませんか?

あともう1~2車線広かったらいいのに……。

つまり、道路の抱えるキャパシティ(一度に何台の車が走れるか)という考えが、そのまま通信回線のキャパシティ(一度にどれだけの情報を送れるか、または一度に何人まで・何台まで接続できるか等)に置き換えられます。

幅が広ければ大型車も通行できます。しかし、そこを通るのは自分1人ではありません。

この先はイメージで考えてください。現在大量のMVNOが存在しますが、ドコモの持っている通信回線を1とした場合、いったい何割をMVNOが借りていると思いますか?

長い年月をかけ、大量の設備投資でもって日本中に通信網を張り巡らせたのはドコモです。そして、この通話・通信回線は現役であり、設備を維持しているのもドコモです。

すなわち、MVNOが提供する回線は「細い」ということです。回線自体は一緒(ドコモのMVNOの場合はFOMA/Xi回線)になるため、その回線に定められている規格速度「下り最大150Mbps/上り最大50Mbps」を目安として表示できますが、その回線のうちMVNO事業者が使用できる部分のキャパシティを見た場合は大きく違っている可能性があります。具体的な帯域幅が不明のため決して断言はしませんが、イメージとしては一般道(ドコモの通信回線)の脇に引かれた自転車専用道路(MVNOの通信回線)くらい帯域幅が異なるところもあるのかもしれません。反対に、経営が順調なMVNOは追加の帯域幅をドコモから購入することで品質を高めていることもあります。
更にそこに混雑状況や電波の送受信感度、送受信しようとしているデータ容量などを加味して、はじめて「通信速度」が求められます。太い回線を持っているはずの大手でもあまり速度が出ないのは、何十万・何百万という人が同時に使っているからです。

というわけで、通信回線の速度限界を個人が出せる可能性は著しく低いものになります。このため、事業者を問わず全てのプランに「ベストエフォート」という言葉が補足されているのです。

ベストエフォートとは「最善を尽くす」というような意味合いとなる言葉です。つまり「理論上は最高でこの速度が出ますが、この速度が必ず出ることを保証するものではありません」という感じ。ですが今述べた条件を加味して考えた場合、ユーザーとしては特定のエリア内で複数の条件が揃った時に一瞬ならその速度は出るかもしれませんぐらいの意味として受け取ったほうが良いかと思われます。

そしてこれは「通信速度制限ナシ」「通信容量制限ナシ」という最近話題のMVNOも例外ではありません。道路でいうならアウトバーンみたいなものですが、その道路自体や使用する車(端末)に制限速度(LTEカテゴリ)が決まっており、使える幅が狭かった場合は渋滞しやすくなります。

まとめ:MVNOの選び方

というわけで、MVNOを選ぶ時は「提供している回線の能力」と「同じ帯域を利用しているユーザーの数」、そしてあわよくば「利用者が平均的に行う通信容量」などを比較すると良し悪しが見えてきます。

しかし、そうした数値は公開されていないものも多く(モノによってはすぐに変動しますし)、実際に使ってみるまでわからない部分もあるため見極めるのはなかなか困難です。

そこで必要なのが口コミ、つまり、MVNOを既に利用している人が実際に使ってみた時の感想です。
比較的自分と近い地域での体感やベンチマーク結果などが書かれている場合は大いに参考になることでしょう。最近では、格安SIMを使ってかなりの高速通信ができたといったことをスクリーンショットつきで紹介されているブログなどもあります。

また、通信品質以外にもサービスの種類で選ぶ場合もあると思います。公衆無線LANがついていたり、IP電話がついていたり、手厚いサポートが受けられたり。最近だと端末とセットで販売するところや、家電量販店などにカウンターを設け、担当者と対面で契約し、初期設定もやってくれるところもあります。

自分に必要なものを考え、どこを優先すべきかをしっかり組み立ててから選ぶようにすると、損をする危険性を下げることができます。

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

モバレコ編集部

モバレコ編集部

スマホ、ケータイ、docomo、au、ソフトバンク、格安SIMに関する総合情報メディア「Mobareco-モバレコ」の記事コンテンツの制作を監修。スマホのレビュー、サービス解説、ライフハックからトラブルシューティングガイドなどの幅広いジャンルのコンテンツディレクションを手掛ける。『スマホをもっとわかりやすく。もっと便利に。』ユーザー目線に沿ったコンテンツを発信中。Twitter:@mobareco_jp




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