SIMの周波数に合う端末を選ぼう!SIMフリー端末を買う前に知っておきたい「周波数」のこと

最近話題のSIMフリー端末は、通信事業社にとらわれず自由にSIMカードとスマートフォンなどの通信端末を組み合わせて利用できるのが大きな魅力ですが、実は通信回線にはいくつかの種類があり、必ずしも全ての通信端末で同じ通信回線を利用できるわけではありません。
そこで、このページではSIMフリー端末やSIMカードを選ぶ上で重要となる、通信回線で利用している「周波数」ついてご説明します。
目次:
そもそも「周波数」とは?
3GやLTEなどの通信回線には回線ごとに、利用できる電波の範囲や種類が異なり「周波数」で分類されています。
周波数を簡単に例えてみると、線路のようなイメージです。線路(周波数)の種類ごとによって線路幅が異なるため、その線路幅に対応した電車(通信端末)しか走行できないということです。

線路(周波数)と電車(通信端末)がマッチすることで、はじめて走行(通信)することができます。

そして、3GやLTE回線も線路に例えると、3G回線は特急列車の線路、LTE回線は新幹線の線路という感じです。
周波数は国際規格となっており、海外で販売されているSIMフリー端末の多くも日本国内の周波数に対応しています。使用するSIMカードの周波数と端末の周波数が合えば、その周波数が使えるエリアで端末を利用することができます。
全ての通信端末が全ての周波数に対応しているわけではありませんので、利用する際には事前の確認が重要となります。
国内通信事業社の利用している周波数

それでは、国内で利用されている周波数を見てみます。
周波数はメガヘルツ(MHz)で分類されており、それぞれ「Band x(数字)」といった名称が用いられています。
日本国内の通信事業社が提供しているLTE回線で利用している周波数は下記の通りです。
Band | 周波数 | 備考 |
---|---|---|
Band 1 | 2100MHz | |
Band 3 | 1800MHz | |
Band 19 | 800MHz | プラチナバンド |
Band 21 | 1500MHz | |
Band 28 | 700MHz | 2015年1月から提供予定 |
Band | 周波数 | 備考 |
---|---|---|
Band 1 | 2100MHz | |
Band 11 | 1500MHz | |
Band 18 | 800MHz | プラチナバンド |
Band 28 | 700MHz | 2015年1月から提供予定 |
Band 41 | 2500MHz | UQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」を使用 |
Band | 周波数 | 備考 |
---|---|---|
Band 1 | 2100MHz | SoftBankのLTEを使用 |
Band 3 | 1800MHz | |
Band 8 | 900MHz | プラチナバンド |
Band 41 | 2500MHz | Wireless City PlanningのAXGPを使用 |
Band | 周波数 | 備考 |
---|---|---|
Band 1 | 2100MHz | SoftBankのLTEを使用 |
Band 3 | 1800MHz | |
Band 28 | 700MHz | 2015年12月から提供予定 |
Band 41 | 2500MHz | Wireless City PlanningのAXGPを使用 |
3G回線についても各社とも上記の対応周波数を用いて提供されています。
現在、多く提供されているMVNOのSIMカードの対応周波数は、もともとの回線事業者の対応周波数と同じです。例えばドコモの回線を利用しているMVNOのSIMカードであれば、ドコモと同じ周波数の3G/LTE回線で利用できます。
例えばb-mobileのスマホ電話SIMはドコモの回線を使用しているので、周波数は LTE:2100MHz/1500MHz/800MHz、3G(W-CDMA/HSDPA/HSUPA):2100MHz/800MHz となっています。SIMフリーで販売されているiPhone 6(モデルA1524)の対応周波数を見てみますと、FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、13、17、18、19、20、25、26、28、29) と書いてあり、上の表にあるようにバンド1は2100MHz、バンド3は1800MHz、バンド19は800MHz といったようにそれぞれ対応していますので、iPhone 6 でスマホ電話SIMを使用することができます。
他の端末の例として、ASUSのZenfone5とのHUAWEIのAscend P7の場合で見てみましょう

ドコモ回線SIMの周波数(LTE) | 対応周波数(LTE) | 対応 |
---|---|---|
2100MHz | 2100MHz | 使える |
1800MHz | 1800MHz | 使える |
– | 2600MHz | 使えない |
– | 900MHz | 使えない |
800MHz | 800MHz | 使える |
Zenfone 5の場合、こちらの表のようにドコモネットワークの周波数帯に端末が対応していますので、ドコモ回線のSIMカードを挿して使用することができます。

ドコモ回線SIMの周波数(LTE) | 対応周波数(LTE) | 対応 |
---|---|---|
2100MHz | 2100MHz | 使える |
1800MHz | 1800MHz | 使える |
– | 900MHz | 使えない |
800MHz | – | 使えない |
Ascend P7の場合は、2100MHzと1800MHzの周波数は端末が対応していますが、800MHzは対応していないので800MHzのエリアではLTEの通信ができません。
このように、端末の周波数と使用するSIMカードのネットワーク(周波数)を購入前には確認する必要があります。
気になる端末の周波数の対応状況はモバレコ内で調べてみてください。
「SIMフリー端末一覧から探す/端末名で検索」から好きな端末を選択し、「スペック」からどうぞ

2種類ある3G回線の国際規格
現在、ドコモが提供している「VoLTE」を除く音声通話には3G回線が利用されています。
日本国内ではドコモやソフトバンクなどが提供している「W-CDMA」と、auのみが採用している「CDMA2000」という2種類の規格が存在しており、双方に互換性はありません。
また、SIMフリー端末のスマートフォンの多くも「W-CDMA」にのみ対応しており、auが採用している「CDMA2000」には対応していませんので、SIMフリー端末をau(auのMVNOを含む)のSIMカードで利用する場合には、注意が必要です。
ただし、LTEに関しては各社とも同じ国際規格を採用していますので周波数が対応していれば、auのSIMカードでもLTEによるデータ通信は可能です。
SIMフリー端末を選ぶときの注意点
国内の通信事業社が販売しているスマートフォンと、海外で販売されている「グローバルモデル」と呼ばれるスマートフォンは、基本的に同じ国際規格の3G/LTE回線に対応しています。ただし、端末によって対応している周波数が異なりますので注意が必要です。
なお、国内モデルとグローバルモデルでは、端末サポートの対応や、通信事業社によるプリインストールアプリなどの違いがあります。
そして、おサイフケータイやワンゼグ・フルセグなどの日本独自のサービスはグローバルモデルでは対応していません。
まとめ
LTEやSIMフリー端末と一口に言っても、実は利用できる回線の種類に多くの差があります。SIMフリー端末でMVNOを含む国内通信事業社のSIMカードを利用する場合には、必ずそれぞれが対応している周波数についての確認をお忘れなく。