話題の新メーカーUPQ! 言いたいことは言っちゃう中澤優子社長のプライベートな結婚感までググっと寄って聞いてみた!

書いた人: 栃尾江美

カテゴリ: インタビュー, レポート ,

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話題の新メーカーUPQ! 言いたいことは言っちゃう中澤優子社長のプライベートな結婚感までググっと寄って聞いてみた!

2カ月という驚異的なスピードで、スマホを含む17種24製品の家電・家具を発表したハイセンスなブランド「UPQ」(アップ・キュー)。そのコンセプトだけでなく、若干30歳の女性(しかも今風のキュートなビジュアル)がたった2カ月で立ち上げたことで一躍話題になっている。本記事では、代表の中澤優子さんに大注目! 「体育会系」「言いたいことは遠慮せず言っちゃう」という意外な内面に加え、結婚観なども教えてもらった。

目次:

カシオを辞め、カフェでパンケーキの商品企画に精を出す

取材当日、カフェでの仕事を終えてから取材場所に来てくれた中澤さん。Tシャツというラフな格好で、発表会で見せた女性らしい印象とはずいぶん違う。

腕には、今回UPQで発表した商品に使われているカラー“blue x green”と同系色の時計。以前勤めていたカシオの商品だという。

カシオの時計

「ケータイ以外は作りたくない」で退社を決める

前職では、カシオで携帯電話・スマートフォンの商品企画を全面的に担当していたという中澤さん。もともとは機械音痴だったものの、高校生の時に登場したケータイに魅せられ、使いこなしている”ユーザー”から、”作る人”になりたいと思った。

カシオに入社した2007年当時、メーカーの業績は右肩下がり。「V字回復だ」と言われ続けたが、2012年にケータイ事業から撤退することになった。他の部署に異動する道もあったが、「コミュニケーションするデバイスしか作りたくない!」と希望退職を申し出る。

開業したカフェでパンケーキの企画が大成功

退職金を元手に秋葉原にカフェを出店。パンケーキをメインにしたメニュー構成で、カシオで培った商品企画の手腕を存分に発揮する。

中澤 「パンケーキ自体は『そろそろブームも終わりじゃない?』と言われていた頃でしたが、季節限定、時間帯限定の商品を企画したり、1年に25種類のパンケーキを考えたり。全種類を食べに来てくれるお客さんもいて、喜んでもらえたみたいです」

UPQ:中澤優子社長

みんなに好かれる学級委員タイプではない

軌道に乗ったカフェを続けながらも、ふと参加したハッカソンで再び「電気の通ったものづくり」に目覚める。

中澤 「ハッカソンはチームでものを作ります。私はいわゆる八方美人ではなく、正しいと思ったことを口に出してとことん詰めて議論していくタイプ。みんなの意見は聞きますが、その間を取るのではなくて、結果的に一番いい結論を導きたいんです。学級委員というよりは、体育委員のように『ほら行くぞ!』ってハッパをかけるほうですね」

ハッカソンでできた商品をコンテストに出そうという話が持ち上がり、経産省のフロンティアメイカーズの育成事業に応募して通過。今年の3月末までは海外のプロジェクトに身を置いていた。その時のメンターがDMM.makeの小笠原治さんと、Cerevoの岩佐琢磨さんだった。

今年の6月までは想像もしなかったUPQがスタート

3月末に海外のプロジェクトから帰国し、4月5月は休みも取れないほどの忙しさ。理由はなんと、カフェが繁盛していたため。

6月になりようやく遅いゴールデンウィークを取り、メンターだった岩佐さんに会う機会があった。その時に「何かやってみれば?」と促される。

中澤 「カシオ時代から、SIMロックフリーの時代がきたら、メーカーのオリジナリティを発揮するチャンスが増えると思って楽しみにしていたのです。だから今なら、スマホを作りたい、って。たぶんその日のうちに『中国で工場を探そう』まで決まってました」

UPQ:中澤優子社長

話は即座に決まり、岩佐さんと中国へ、5泊7日の工場探しに行くことになる。

工場を巡りながら決まっていった商品ラインナップ

UPQの製品は、現在17種24製品。ああだこうだと話しながら企画を出していったのかと思いきや「全然違います」と中澤さん。

中澤 「スマホを基準に考えて、まずみなさんにお披露目できる日程をひきました。それが2ヵ月後、だったんです。そのタイミングで、スマホの他にもどうせなら面白いものをつくれないかな、と欲張りにも考えました。視察した工場の特性をみて、こんなのつくれるかな、といった感じで」

結局、怒濤の工場視察で数十もの商品企画を考えた。むしろ、当時企画していた数はもっと多く、後から絞っていったというから驚きだ。

「スマホがなくちゃ死んじゃう」という時代

カシオ時代に「コミュニケーションデバイス以外は作りたくない」と退社したにもかかわらず、現在のUPQのラインナップには、キーボードやスピーカーなどのほか、家電ですらないチェアもある。

中澤 「今って、スマホがなきゃ死んじゃうと言っても過言ではない、くらいケータイやスマホって生活の中心になってますよね。私たちにとってすごく存在価値が高いもの。それを中心にいろいろな面白いものを作っていきたいんです。UPQの製品には小さなこだわりをさまざまなところに取り入れていて、このスピーカーなんて、塗装を何度やり直したかわかりません」

そう言って、目の前にあったBluetoothスピーカー「Q-music BS01R」を触る。マットと艶あり2種類のラインナップのうち、マットの「Q-music BS01R」を実際に触ってみると、しっとりとしていて、気持ちのいい触感だった。

軽トラに在庫を乗せて営業しようと思っていた

触ってこそ価値がわかる商品なのに、どうしてインターネット通販限定なのか。

中澤 「それは、ツテがないから。量販店に行っても、無名のメーカーだし、相手にされないと思っていました。その前から名刺はありましたが、見せて説明しても『は?』ってリアクションですから」

ツテがないから、メンターとして知り合った小笠原さんのプロデュースしたDMM.makeの運営するWeb Storeで売ることにした。細かな戦略があると思いきや、いたってシンプルだ。

中澤 「カシオ時代に、電卓を大量に背負って営業に行った先輩の話を聞いてましたから、私も軽トラに在庫を乗せて営業に行こうかなと思っていたんです。2トントラックくらいなら自分で運転できるなって……。本当はやりたかったんですけどね」

UPQ:中澤優子社長

今回大きく話題になったのは、運が良かったわけじゃない。例えスタート時に話題にならなくても、いつか自力で売り場を手に入れていただろう。

毎日全力で走っているアスリートに近い生活

カフェのオーナーとして、さらに話題の家電メーカーの代表として、毎日目が回るほどの忙しさではないだろうか。

中澤 「UPQを仕事だとは思っていないんです。自分でゴールを決めて、やりたくてやっているので。今回は、製品を決めたら、2カ月で発表会まで持って行けると算段しました。そこを決めたらあとはフル回転で頑張るしかない。高めに目標を置いて120パーセント出し切るしかないんです。まるでアスリートだなって思います」

“お飾り”のように思われるのは心外

魅力的な容貌が幸か不幸か、裏で誰かが舵を取っているんじゃないかと噂する声も耳にする。

中澤 「“お飾り感”がすごいんですけど、自分で舵を取って自分で手足を動かしています。私が運転してメンバーを乗せ、石川県の倉庫に行って3時間かけてパッキングして、東京へ帰ってきたその足で香港の8工場へ行き、増産の依頼をしてきました。取引先に並んでもらって順に打ち合わせです。今朝7時に羽田に戻ってきて、その後カフェで働いて」

その後、この取材だ。想像を絶するスケジュール。30歳の年頃の女性なのだから、色っぽい話はないのだろうか。

中澤 「なくもないですよ」

すっぱりと答える潔さ。「手を抜かずにやりきる」を続けてきた中澤さんなら、恋愛も忙しいことを言い訳にしないだろう。

UPQ:中澤優子社長

中澤 「3カ月前には、今の状態を想像もしていなかったので、1カ月、2カ月先もわからないんです。計画を立てても、明日死んじゃうかもしれない。だったら、今ベストな選択をするだけ、って思ってます。恋愛や結婚も同じで、決めるときには決められるんじゃないかな」

つい数日前、メンバーと「マルチタスクをこなす子だくさんな母」が似合いそうだという話をしたばかり。電話でメンバーに指示をしながら、子どもをおんぶしてフライパンを振る姿をジェスチャーしてみてせてくれた。

UPQ:中澤優子社長

頑張っても、手を抜いても、使う人には伝わる

大きなメーカーにいると、細かいところばかりに目が行って、スペック重視になってしまうのだという。今までのメーカーができなかったことも、UPQならできる、と思っている。

中澤 「ゼロから自由にできて、何もないところから画を描いて作っていけます。今までのメーカーができなかったことを実現するためのスキームを作ったんです。だけど、メーカーに石を投げたつもりもなくて、『ものづくりって楽しくない?』っていうだけ。頑張って作ると、思いが伝わるんです。手を抜いて作っても伝わっちゃうのが不思議なところ。こだわって作れば、こだわっただけいいことがあります」

これまではなかなか、使っている人の声は届かなかったが、Twitterなどで「中の人だ~」と商品の感想や改善点を教えてくれる人がいて、実感できたのだ。

UPQの商品は“売り切れ御免”でもいいかな

寝る間を惜しんで走り続け、手を抜かずこだわった思いが通じたのか、幸いにも多くの商品が当初の在庫を売り切ってしまった。

中澤 「最初の在庫を売り切ったら終わりっていう“売り切れ御免”でもいいかなと思っていました。ところが、早々に在庫切れになってしまい、さすがに増産の手配をしたのですが、今度はその増産した分を売っていく戦略を考えなくてはいけません」

人気が出たから大成功、ではない。次々と新しいチャレンジが訪れるのだ。ユーザーの立場からすると、継続して必要となるサポートやメンテナンスも気になる点。そこはCerevoとも協力して、スタッフを増やすなどの計画を立てているのだとか。

あえてローエンドから攻めたスマートフォン

中澤さんが、絶対に作りたかったスマートフォン。ものづくりに対するこだわりは反映されているのだろうか。

中澤 「2カ月後の発表会で見せられるものを考えたときに、ローエンドから行こうと思いました。大きなメーカーでありがちなのは、ハイエンドから作ってしまうことで、それではエンドユーザーの手に届きません。今回は、仕様の割に性能の高いチップセットを使っていて、今後に展開していくことを考えています」

UPQ:中澤優子社長

今後を見越して戦略的にローエンドのスマートフォンを選んだ。「これからいくらでも入れていける」と話す中澤さんからは、無限とも思える可能性を感じる。

現在はDMM.make Storeのネット販売のみだが、販売店からのオファーが相次ぎ、戦略を練っているところ。9月中旬には発表できる見込みで、近いうちに店頭でUPQの製品を触って感じられるようになるはずだ。

まとめ

格安スマホを筆頭に、多数のラインナップを揃えた家電ブランドUPQ。中澤さんの小さな体のどこに入っているのかと思える判断力とスピード感、情熱をもってして、「触ってもらえば良さがわかる」という自信たっぷりの製品群に仕立て上げた。「どこを切っても全力」のような中澤さんは、今後も驚くようなニュースを届けてくれるに違いない。

2016年2月には2nd seasonが発表され、翌月にはTV TOKYO 日経スペシャル「ガイアの夜明け」で取り上げられるなど、ますます注目度が高まっているUPQ。モバレコでは再度インタビューを敢行しており、近日公開予定。

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この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

コンピュータ会社でのITコンサルタント経験を経て、2005年に編集プロダクション・アバンギャルドへ入社。同社常務取締役。2009年10月に愛する長男、2013年12月に愛しの次男が誕生し、子ども心とデジタルをワンストップで語れるママライターに。