BlackBerryが再び市場を席巻する!BlackBerryを日本で復活させたいFOX辻本雅祟社長の狙い

書いた人: 栃尾江美

カテゴリ: インタビュー, レポート ,

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BlackBerryが再び市場を席巻する!BlackBerryを日本で復活させたいFOX辻本雅祟社長の狙い

パソコンのようなQWERTY配列のキーボードを搭載する「BlackBerry」(ブラックベリー)というスマホをご存じでしょうか? 入力のしやすさと個性的な外観で根強いファンが多く、セキュリティの信頼性から外資系の企業などに多く導入されています。日本でもドコモから法人向けに発売されていたものの、個人が購入するには面倒な手続きを踏まなくてはならならず、なかなか普及に至りませんでした。

ところが、スマホケースブランド「caseplay」(ケースプレイ)などを運営する株式会社FOXが、BlackBerryの正規代理店として個人向けにSIMフリー端末の発売をスタート。
昨今、iPhoneをはじめとして、すべてが似たような形に見える端末が並ぶ中、BlackBerryの再登場で新たな風が吹き込まれるのでしょうか。FOXの代表取締役、辻本雅祟さんにインタビューしてきました!

FOXの代表取締役、辻本雅祟さん

スマホのケース販売を中心に、マーケティングやブランディングも

BlackBerryの正規代理店として日本で販売を開始したFOX。本社のある銀座のオフィスで代表取締役の辻本雅祟さんをお待ちしていると、ピンストライプのスーツに身を包み、茶髪のさわやかな男性が登場! たいへん気さくな面持ちです。

―早速ですが、FOXという会社について教えてください。

辻本 「FOXは、ライフスタイルに驚きと刺激を与えたいと考えています。スマホケースの代理店を中心として、営業力やブランディング力を強みとしています。caseplayというスマホケースのブランドとショップを国内、国外向けに運営しており、世界中から個性的なスマホケースを発掘し、販売しています」

―caseplayは直営店とオンラインショップを中心に販売しています。ブランドの良さはどんなところでしょうか?

辻本 「海外メーカーと独占契約をしているということでしょうか。もともと、日本にはあまり個性的なケースがないと思っていたのですが、海外にはアルミの削り出しや、防水・防塵のタフなものなど種類が豊富。グローバルで人気があるものの、日本のお客さんに届いていないブランドがたくさんあったのです。アメリカをはじめとして、ドイツ、イタリアのメーカーと独占契約を結び、販売をスタートさせました。デザイナーは魂を込めて作っているので、弊社でしっかりとブランディングして販売することで、メーカーにもお客様にも喜ばれています」

―確かに、オフィスの入り口に飾られているスマホケースやスマホグッズは、デザインの凝ったものが多いようです。

取材後に撮影させていただいた、オフィス内に飾られたスマホグッズ。
取材後に撮影させていただいた、オフィス内に飾られたスマホグッズ。

辻本 「世界で何万個売れている、というデータはわかりやすいですが、数字を出しづらいものもあり、魅力を感じていただくのはなかなか難しいんです。ですから、プラスアルファで価値を付加していきます。例えば、防水・防塵対応の『LIFEPROOF』の場合、ケースを装着したスマホを落としたり水没して不具合が出た場合、修理費用を保証します」

保証してくれるサービスがあれば、ユーザーは安心してケースを使用できますね。(※保証内容には条件等があるので詳細は確認してください)

BlackBerry

BlackBerryを日本で販売しようと思ったワケは?

―スマホケースを中心に販売していた会社が、なぜ端末、しかもBlackBerryの販売に踏み切ったのでしょうか?

辻本 「日本ではiPhoneのシェアが高いわけですが、iPhoneに飽きている人が多いのでは…という思いからです。BlackBerryは、デザインも機能も非常に魅力的な端末です。アメリカのオバマ大統領が使っていたり、映画などで見たことがある人が多いのに、これまではなかなか店頭で触ることができませんでした。コンシューマー向けに販売し、タッチアンドトライができるようにすれば、多くの人が質感やキーの打ちやすさなどに魅力を感じるはずだと思ったのです」

BlackBerry

店頭で、他のスマートフォンとBlackBerryが横並びになっていたら、珍しい形のほうを触ってみたいと思うでしょう。ただし、日本ではまだ使いにくい機能もあるのだとか。

辻本 「音声入力や標準の地図アプリが日本に対応していないという問題はあります。ただし、地図はサードパーティ製のアプリを使うことで解決できます。また、課題を上回る魅力があります。物理キーボードによるショートカットや、強固なセキュリティなどはそのひとつ。ロックの解除も、画面を見られても他人に知られないロジックが使われているんです」

―セキュリティに定評のあるBlackBerryならではの強みですね。ユーザーには、もともとBlackBerryが好きだった人や、セキュリティを気にするような知識のある人がターゲットでしょうか。

辻本 「もともと、購入される方はコアなユーザーを想定したのですが、蓋を開けてみると意外にも、女性などにも評判がいいです。やはり『人に見せたい』という気持ちが強いのではないでしょうか。会社のスタッフも、BlackBerryを持ち始めると周りの目を気にするようになるみたいです」

iPhoneが登場したばかりの頃は、『新しいものを持っている』という喜びや、人に指摘されたときの優越感のようなものを感じる人が多かったはず。ところが、ほとんどの人がスマートフォンを持つようになり、新機種が出てもデザインや機能は代わり映えせず“ハクが付かなく”なりました。辻本さんは、そこにビジネスチャンスがあると踏んだのでしょう。

契約はいつも正面突破。何度も門前払いされた

―BlackBerryのメーカーであるブラックベリー社は、通信事業でいえば老舗会社。創業4年のFOXが、どのように契約を結んだのでしょうか。

辻本 「最初の数ヶ月間は、メールや電話で一方的に連絡をして待っている状態で、まったく相手にされませんでした。ただ、何度か連絡をするうちにようやく担当の方とコンタクトをとることができ、プレゼンの機会を得たのです。その際、caseplayのことをご存じだったのが幸いしました。そこから信頼に繋がり、正規代理店として契約にこぎ着けることができたと思います。契約後には、『こんな小さな会社と契約したのは初めてだ』と言われました(笑)」

BlackBerry

コネがあったわけではなく、正面突破。これまでのケースブランドも、常に正面からの交渉だったそうです。ようやく契約できたものの、その後もたくさんのチャレンジが待っていました。

辻本 「まずはカスタマーサービスの整備です。ブラックベリー社の規定に従って研修が実施されるのですが、問い合わせの内容や回答の内容、言い回しなど、日本用にローカライズする必要がありました。想定よりも日数がかかりましたね。ただし、そこで日本のお客様に支えられたところがあります。以前からBlackBerryのファンでいらっしゃる詳しいお客様から『以前あったこういう機能は使えるのか』というお問い合わせをいただくなど、逆に教えてもらうことが多いのです

また、これまでスマホケースの輸入代理店として活動してきたリソースを活かして、英語、韓国語、中国語にも対応しています。旅行や出張で日本を訪れた外国人客を想定しているとのこと。FOXから購入した端末のみが対象となるので、ユーザーにとって大きな安心材料になります。

辻本 「メンテナンスや故障などもFOXで対応します。専用のプロテクションプランを用意して、交換の際にもお客様の負担が少ないようにしています」

ここでも、付加価値を付けることを忘れていません。

代表の辻本さんは、やっぱり「目立つ端末」が気になる!

―BlackBerryの契約をもぎ取った辻本さんご自身は、どのようなスマホが好きなのでしょうか。

辻本 「今はiPhoneとBlackBerryを使っています。大手キャリア様とお取引があるので、日本で出回っているほとんどの端末を一通りは使っているのではないでしょうか。スマホも洗練されてきて、通常の使い方ならあまり差がないというのが正直なところです。だから人と違う、目立てる端末を持ちたいですね。弊社で販売しているBlackBerryでいえば、個人的にはPassportの方が好きですね」

FOXの代表取締役、辻本雅祟さん

―さまざまな端末を使っているからこそ、BlackBerryならではの機能も存分にわかるのですね。そんな辻本さんにお聞きしたいのは将来のこと。10年後にはどんな業態になっていると思いますか?

辻本 「iPhoneやスマホが存在するかどうかもわかりませんが、通信事業は何らかの形で残るでしょう。常にアンテナを張り続けて、走り続けます。FOXはブランディングやマーケティングが得意なので、商品が変わっても対応し続けられると考えています。これまでも、これからも、ミッションを掲げて、クリアするために日々邁進する日々です。ちなみに、直近ではBlackBerry Privの発売も待っています。Androidを搭載しながらBlackBeryの機能や強固なセキュリティはそのまま。お客様にはぜひ楽しみにしていただきたいです」

まとめ

スマートフォンの話になると饒舌になる辻本さん。本当に商品に愛情を持っているのがわかります。FOXは、スマホケースをスタートに、個性的な商品を国内外で次々と販売。独占契約を結んでブランドを守りながら、独自のスタイルを貫いています。さらには、ひとめでブランドがわかる端末「BlackBerry」の販売代理店となることで、日本のスマホ業界に一石を投じることになりました。

輸入するだけでなく、付加価値を付けて販売する――顧客のニーズをしっかりと捉えた戦略が強みになっています。これからも、自分らしく、個性的なスマホケースや端末を求めるユーザーに、刺激を与え続けてくれるに違いありません。

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この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

コンピュータ会社でのITコンサルタント経験を経て、2005年に編集プロダクション・アバンギャルドへ入社。同社常務取締役。2009年10月に愛する長男、2013年12月に愛しの次男が誕生し、子ども心とデジタルをワンストップで語れるママライターに。