【レビュー】Nexus 6P、シリーズ最高のスペックと高級感を実現

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【レビュー】Nexus 6P、シリーズ最高のスペックと高級感を実現

日本では格安スマホ市場で活躍するファーウェイとグーグルが共同開発し、最新のAndroid 6.0 Marshmallowを搭載したフラグシップモデル「Nexus 6P」が発売された。

最新のAndroid 6.0を搭載する「Nexus 6P」
最新のAndroid 6.0を搭載する「Nexus 6P」

グーグルは直営のオンラインストアで販売、日本ではソフトバンクのみが国内キャリアとして独占販売を手がける。なお、ソフトバンクが「独占販売」と大々的にアピールしたモデルはこれまでにiPhoneのみ。

2015-2016年冬春モデル発表会では「And One More…」として発表されるなど、ソフトバンクの力の入れ方がiPhoneからAndroidへ変わっていることを象徴するモデルだ。

発表会では「And One More...」として発表された
発表会では「And One More…」として発表された

今回は、フラグシップモデルにふさわしい「Nexus 6P」のハンズオンレビューをお届けする。ディスプレイ、カメラ、CPU(プロセッサ)、指紋認証、急速充電、OS、ボディ、価格と様々な視点で「Nexus 6P」をチェックしてみた。

目次:

5.7インチの巨大な有機ELスクリーン

「Nexus 6P」は5.7インチの巨大なスクリーンを搭載。iPhone 6s Plusよりも0.2インチ大きいスクリーンは、スマートフォンというカテゴリではなく、タブレットの中間に位置する「ファブレット」だろう。

5.7インチの巨大なスクリーン
5.7インチの巨大なスクリーン

スクリーンはただデカいだけではなく、WQHD(2560×1440ピクセル)の高い解像度と有機ELによる発色の良さも持ち合わせる。

多数のスマートフォンが搭載する液晶と比べて有機ELは屋外での視認性が悪い。画面の輝度を上げることで対応できるが、バッテリーが代償になる。

ただ、「Nexus 6P」は3,450mAhといった巨大な容量のバッテリーを備える。約5日間の使用期間中はヘビーな使い方をしたが、1日持たない日は一日もなかった。

iPhone 6s Plusよりも明るい写真が撮影できるカメラ

カメラはiPhone 6s Plusよりも大型となる1.55μmピクセルのセンサーを搭載する。大型のセンサーが実現するのは、より明るい写真の撮影だ。大型のセンサーはiPhone 6sやXperia、arrowsなどが採用している信頼性の高いソニー製となっている(iPhone 6sとのカメラ比較は後述)。

大型のカメラセンサーで実現する明るい写真
大型のカメラセンサーで実現する明るい写真

カメラの機能も充実しており、暗所でもフォーカスしやすい「レーザーオートフォーカス」と自然な映りを再現する「デュアルフラッシュ」といったトレンドの機能にも対応する。

エンタメ機能としてスローモーションの動画撮影や連射機能の「バーストモード」にも対応する。バーストモードで撮影した写真はiPhoneの「LivePhotos」のようにアニメーションすることもできる。

発熱しない最新バージョンのプロセッサ

プロセッサには「Snapdragon 810」を搭載する。

性能を数値化するベンチマークスコアでは、AnTuTuで49000点を超え、GeekBenchではシングルコア時が800点、マルチコア時は3500点を超えた。

各種ベンチマークスコア各種ベンチマークスコア
各種ベンチマークスコア

端末比では、今夏発売された性能怪獣(パフォーマンス・モンスター)の「Zenfone 2」を超えた結果となった。

2.0GHz+4、1.5GHz+4のオクタコアを備え、モンスターを超える性能を実現するものの、同プロセッサは発熱で大問題となった型番。

「Nexus 6P」にも発熱の疑惑がつきまとうが、グーグルストアでは「最新バージョン」「v2.1」と併記されており、何らかの改善が加わったことが推察される

発熱が改善された「v2.1」のプロセッサ
発熱が改善された「v2.1」のプロセッサキャプション

これまでに触れてきた「Snapdragon 810」を搭載したモデルはどれも間違いなく熱かった。そして、発熱時にはカメラが強制終了したり、クロック数や動作するコアの数を減らすといった対策のおかげでストレスフルなモデルばかりだった。

ただ、「Nexus 6P」はゲームのプレイ時や大量のアプリをインストールするセットアップ時もほんのり熱を感じる程度。季節のせいもあるかもしれないが、危険を感じるほどの発熱や発熱時のもたつきなどとは皆無で、ストレスフリーなモデルに仕上がっている

これぞホンモノのTouch ID、指紋認証センサー「Nexus Imprint」

かなり前からメーカーが独自で搭載していた指紋認証がようやくOSレベルで対応されることになった。

「Nexus 6P」には「Nexus Imprint」として背面に搭載されている。実際に試したところ、指紋認証の精度、スピードともに申し分なく、“爆速”と称したiPhone 6s / 6s Plusにもまったく引けを取らない

シリーズ初の指紋認証センサー「Nexus Imprint」
シリーズ初の指紋認証センサー「Nexus Imprint」

「Nexus Imprint」は、電源キーも併用しているため、センサーにタッチするだけでディスプレイの点灯から画面ロックの解除まで1タッチで済ますことができる。iPhoneのようなクリック操作が不要であるため、ホンモノの「Touch ID」とも言える。

また、ボタンではないため、頻繁に利用してもホームボタンのように壊れないのが嬉しい。

Nexus 6P 指紋認証センサ レビュー(0:16)

指紋認証は画面ロックの解除以外にもGoogle Playストアで有料のアプリや映画、音楽購入時のパスワード入力の代替として利用することができる。サードパーティ製のアプリが対応すれば、アプリの起動時に指紋認証を求めることもできる。

指紋認証は画面ロックの解除だけでなく、アプリの決済認証にも利用できる
指紋認証は画面ロックの解除だけでなく、アプリの決済認証にも利用できる

不満に感じたのは指紋認証センサーが背面に搭載されていることだ。巨大なスクリーンということもあって机に置いたまま操作したいことが多々あるが、指紋認証を利用するには端末を持ち上げる必要がある。

指紋認証とパスコードを併用することもできるが、指紋認証に慣れてしまうとパスコードを打つのはめんどくさくてしょうがない。

ただ、グーグルはAndroid 5.0 Lollipopで「スマートロック」を追加しており、自宅や職場にいる時、スマートウォッチをはめている時など、端末の所有者が利用しているであろう場面ではロック画面をスキップすることもできるため、指紋認証と併用することでこの不満を解消することができる。

裏表を気にせず使えるUSB-Cを搭載。急速充電にも対応

指紋認証と共にAndroidのハードウェアに変革をもたらすのが「USB-C」だ。

こちらもシリーズ初搭載の「USB-C」
こちらもシリーズ初搭載の「USB-C」

「USB-C」は、裏も表もないため挿し間違えのないスムーズな充電が可能。

「Nexus 6P」では、10分の充電で最長7時間の使用が可能な急速充電にも対応しており、3,450mAhの巨大な容量のバッテリーを1時間30分程度でフル充電にすることができる。

なお、USBのバージョンは2.0となっているため、10Gbpsの高速データ転送には対応していない。

バッテリーの持ち時間が向上、安全に使えるAndroid 6.0 Marshmallow

「Nexus 6P」では、最新のAndroid 6.0 Marshmallowが使えることも大きなアドバンテージとなる。Android 5.0 Lollipopで行われたデザインの刷新のような派手なアップデートではないものの、着実な進化を遂げている。

Androidの最大の問題点はオープンゆえにセキュリティが甘いところだ。年々、審査が厳しくなるものの、いまだにセキュリティを脅かすAndroidアプリは減らない。

危険なAndroidアプリから身を守るためにはアプリが要求する権限をインストール前に確認するしかない。しかし、アプリが要求する権限がホントに安全かを確認するのは非常に難しく、ほとんど役に立ってなかったのが実情だった。

そこで、Android 6.0 Marshmallowではアプリが要求する権限管理が大幅に刷新され、アプリが権限を必要とするタイミングで要求するダイアログが表示されるようになった

例えば、Instagramなら写真を撮影する前にカメラの権限を、動画を撮影する前にはマイクの権限を要求するダイアログが表示される。

アプリの権限管理が刷新されてより安全に
アプリの権限管理が刷新されてより安全に

悪さをする危険なアプリは必要のないタイミングで電話帳や位置情報、写真の権限を要求してくるはずだ。その場合はアプリをそっと閉じてアンインストールすればいい。

また、Twitterの公式アプリは安全だが、連絡帳へのアクセスを求める。このように安全なアプリとわかっているが、要求する権限へのアクセスを細かく拒否することもできる。

許可している権限は設定から確認でき、許可・不許可できる
許可している権限は設定から確認でき、許可・不許可できる

そして、Androidスマートフォンの不満点として常に上位に位置するのがバッテリーの持ち時間だ。

Android 5.0 Lollipopではバッテリーの低省電力化を実現する様々な機能が追加されたが、ほとんどが端末が動いている状態のものだ。

例えば、「ジョブスケジューラー」はアプリが対応していれば、バッテリーの状態に応じて処理を動かすことができる。アプリが大容量のデータをダウンロードするときは消費量が多くなるが、残量が少ない時にはデータをダウンロードしない、といった動作が可能になる。

また、「バッテリーセーバー」は、残量が少なくなると自動的にオンになり、ディスプレイの明るさやプロセッサの性能を落とし、一部の同期機能を無効にする。

一方、Android 6.0 Marshmallowでは、新機能「Doze」により、ディスプレイがオフ時の同期回数を必要最低限にすることでバッテリーを長持ちさせる。

ジョブスケジューラーは対応アプリに制限され、バッテリーセーバーは起動タイミングを設定する必要があるが、「Doze」は常時オンになっているため、効果はバツグンだ。

なお、「Doze」はアプリごとに無効化することもできる。

この他にも、ようやくアプリだけでなく、データごと保存が可能になったバックアップ機能や、日本語に対応したばかりの「Now On Tap」も利用することができる。

「Now On Tap」は、煩わしい検索キーワードを不要にする新機能は大きな注目を集めている。機能の説明や使い方は以下の記事に詳しくまとめている。

関連記事:

Android 6.0の新機能「Now On Tap」とは?使い方を徹底解説(動画あり)

今のところAndroid 6.0 Marshmallowを利用できる端末は、ごく一部に限られている。

これまでの傾向からすれば、日本で発売される端末にAndroid 6.0 Marshmallowが搭載されるのは2016年夏ごろになる。

ちなみに、ドコモは2015−2016年冬春モデルの一部モデルには早期アップデートを提供する、と発表会で案内したが続報は出ていない。

シリーズ初のフルメタルボディ

巨大なスクリーンを搭載するボディは、シリーズ初のフルメタル仕様になった。アルマイト処理が施されたメタルボディは高級感があり、手触りも非常に良い。

アルマイト処理されたメタルボディが好印象
アルマイト処理されたメタルボディが好印象

これまでのNexusシリーズにはリファレンスモデルらしい安っぽさが存在したが、「Nexus 6P」には存在しない。以前レビューした同じファーウェイ製の「HUAWEI Ascend G620S」とは比べ物にならないぐらいの高級感がある。

カメラレンズやフラッシュが搭載されるブラックのベルト部分は、ひと目見た時はレジのバーコードリーダーと感じたが、グラファイトカラーはボディ自体が黒いため、実際に手に取ってみるとそこまでの違和感はない。

バーコードリーダーのようなベルト部分
バーコードリーダーのようなベルト部分

ディスプレイの上下位に配置されたフロントステレオスピーカーは、5.7インチの巨大なスクリーンとも相性が良い。動画はもちろん、トレンドのGoogle Play MusicやLINE MUSICといった音楽聞き放題のサービスも快適に楽しむことができる。

迫力あるサウンドを実現するフロントステレオスピーカー(上部)
迫力あるサウンドを実現するフロントステレオスピーカー(上部)
フロントステレオスピーカー(下部)
フロントステレオスピーカー(下部)

3Dで外観を見る

NEXUS 6Pの外観を確認できるよう、3Dデータを用意しました。ぜひ試してみてください。

NEXUS 6P

【カメラ対決】Nexus 6P vs iPhone 6s

iPhone 6sよりも明るく撮れると豪語されたNexus 6Pのカメラ。早速、iPhone 6sと撮り比べてみた。左がNexus 6P、右がiPhone 6sだ

作例を見るかぎり大差はない。どちらもキレイに撮影できる(以下、クリック/タップで拡大)。

逆光での撮影:Nexus 6P逆光での撮影:iPhone 6s
逆光での撮影(左:Nexus 6P、右:iPhone 6s)
若干暗めの場所で撮影:Nexus 6P若干暗めの場所で撮影:iPhone 6s
若干暗めの場所で撮影(左:Nexus 6P、右:iPhone 6s)
通常の明るさで撮影:Nexus 6P通常の明るさで撮影:iPhone 6s
通常の明るさで撮影(左:Nexus 6P、右:iPhone 6s)

ただ、「Nexus 6P」は画質以外で気になるところが多い。

例えば、シャッターを押しても撮影できなかったり、カメラアプリが処理待ちで動作を受け付けなくなることが何回もあった

料理や風景などシャッターチャンスが長い場合は問題ないが、動物など動く被写体の場合はシャッターチャンスを逃してしまうため、ストレスがたまる。

また、カメラを構えた時は問題ないものの、タッチフォーカスを利用すると、被写体が白く飛んでしまうことが非常に多いのも気になるところ。

さらに、シャッター音が非常に大きく、スピーカーを指で塞いでも音量を落とせないため、料理を撮影する時や動物を撮影する時には非常に気を使う。

画質では引き分け、画質以外の操作周りではiPhone 6sの勝利と判定したい

8万円前後の価格設定にも納得の世界観を実現

指紋認証の配置やカメラの操作まわり、防水に対応していないなど、細かいところが気になるが、フルメタルボディを採用したことでシリーズNo.1の高級感を実現、オクタコアという発熱モンスターを手なづけて、性能モンスターに変えたことは高く評価できる。

5.7インチの巨大なスクリーンを片手で使いこなすのは不可能と言っていい。両手操作と割りきって使う必要がある。

それでも、圧倒的なスペックとAndroid 6.0 Marshmallowが実現する「Nexus 6P」の世界観はシンプルだが非常に魅力的だ。

「Nexus 5X」の購入を検討したものの、日本での販売価格の高さに納得いかず、購入を見送った筆者も使い比べた結果、「Nexus 6P」が欲しくなった

Nexus 6Pの販売価格情報

グーグル直営のオンラインストアでは32GBモデルが74,800円、64GBが80,800円。

ソフトバンクは32GBモデルが78,720円、64GBモデルが85,920円と高額だが、実質支払額はMNPが0円、新規・機種変更の場合、32GBモデルが33,120円、64GBモデルが40,320円となっている(ソフトバンクHPより)。

Nexus 6Pの価格(11月中旬時点)
32GBモデル 64GBモデル
グーグル直営の
オンラインストア
74,800円 80,800円
ソフトバンク(機種代金) 78,820円 85,920円
ソフトバンク(実質負担額) MNP:0円
新規/機種変更:33,120円
MNP:0円
新規/機種変更:40,320円

両者から販売されるモデルの違いはSIMロックの有無のみ。ホームスクリーンにキャリアのアプリがズラッと並ぶこともない。

次回は「Nexus 5X」と「Nexus 6P」の比較記事をお届けする。お楽しみに!

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この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

スマートフォンやウェアラブルなどを専門的に取り扱う「携帯総合研究所」を運営しているブロガーです。前職はシステムエンジニアでプログラムの経験を活かしてアプリの開発もはじめました!