これなら親子や家族で使いたい!便利で面白い機能が満載のTONE m15をレビュー

「初心者・家族・親子での使用を特にオススメするスマホ」として、MVNOのトーンモバイルが2015年11月に発売した機種「TONE m15」。最近国内でも増えてきているSIMフリースマホの中でもTONEならではの独自機能を搭載するおもしろい機種として話題です。
今回は、その独自機能に注目しながら「TONE m15」をレビューしていくことにします。
目次:
目次:
TONE m15の外観・基本設計・仕様をさっくり紹介
TONE m15は2016年1月10日現在、日本国内18か所のTONEストア、TSUTAYAおよび蔦屋書店、蔦屋家電、そしてオンラインストアや電話での購入が可能となっています。

SIMフリー端末であるものの購入は回線契約とのセットになっており、本体価格は29,800円(税別)。
TONE m15の外観をチェック
ディスプレイは5.5インチ(解像度はHD)の液晶ディスプレイとなっており、価格を考えると割安感アリ、といったところ。


物理キーは電源キーと音量キー、その他外部端子としてイヤフォンジャックとMicroUSBコネクタとなっており、このあたりは一般的なスマホと大きく異なる特徴といったものはありません。

リアパネルは取り外し可能ですが、バッテリーの着脱は不可。こちらは主にSDカードやSIMカードを挿しこむために開ける前提となっています。またここでひとつ面白いのはバッテリー着脱不可のデメリット(動作がおかしい時にバッテリーを取り外しての強制電源オフができない)をカバーするため、電源オフボタンが設けられていること。先の細いもので穴の中にあるボタンを押してあげると、即座に電源が切れる仕様となっています。


基本設計・仕様をチェック
低価格帯のSIMフリー端末では非搭載となっていることが多いNFC機能にも対応。リアパネル裏にはNFCのアンテナが配置されています。

デフォルトでのホーム画面デザインはあまり凝った作りこみがされておらず、過去にAndroidを使ったことがある人も違和感なく使える印象。一方 TONE m15 を初めてのスマホとして選び、そこからステップアップを考えている人にとっても今後機種を変えた際に大きな違和感は感じにくいといえるでしょう。



また基礎スペックもプロセッサが1.3GHzのクアッドコア(4コア)、RAM容量2GB、ROM容量16GB(SDカードで32GBまで拡張可能)となっており、比較的ライトな使い方であれば十分といった内容です。


TONE m15のカメラ性能
次にスマホのよく使う機能として、TONE m15のカメラで撮影した写真を2枚ほど紹介しておきます。


リアカメラの有効画素数は1,300万画素で、価格も含めると日常使いでは必要十分といったところ。HDR(ハイダイナミックレンジ合成)なども使えるので、シーンに合わせて撮り方を変える、といったことも可能です。少し気になったのはカメラ撮影時のプレビュー画像がやや粗いといったことくらいでしょうか。

ベンチマークスコアを測定。スコアは31000ほど
性能の参考までに、ベンチマークスコアの測定結果もご紹介。AnTuTu Benchmark v6.0.1 で測定した結果はおおよそ31000ほど。現行の他社製ハイエンドモデルと比較すると半分以下の点数ですが、ライトに使う分には問題ない結果といえるでしょう。

回線も提供するトーンモバイル。回線速度も測定してみた
せっかくなのでTONEの回線速度も測定してみることに。TONEが用意している回線プランは1つのみで、下りでの通信速度は最高500Kbpsを謳っています。
実際に測定してみると下り速度は公表値をやや上回るとともに、上りは10Mbps超えとかなり速い結果を記録しました。

ちょっとした調べ物やメール、SNSはもちろん、最近人気の音楽ストリーミングサービス(LINE MUSICやAWAなど)を利用するのにも十分な下り速度といえます。
なお短時間で大容量のファイルをダウンロードするなどした場合は速度制限が課される場合があります。筆者も試しに初期設定時にアプリを数十個モバイル回線でインストールしてみたところ、速度制限を課せられてしまいました。

アプリをインストールする、大きなファイルをダウンロードする、といった際にはWi−Fiなどを上手に活用することが快適さを維持するポイントといえそうですね。
TONE m15の詳細スペック
その他、TONE m15の詳細なスペックは以下のとおりです。
寸法 | 高さ 147.9 x 幅 74.5 x 厚さ 8.6 mm |
---|---|
重さ | 165 g |
ディスプレイ | 5.5インチ HD(1280×720)IPS液晶 |
カメラ | リアカメラ:1,300万画素/フロントカメラ:500万画素 |
OS | Android 5.1 Lollipop |
CPU | MediaTek MT6735 64bit 1.3GHz Quad-Core |
内蔵メモリ | RAM2GB/ROM16GB |
外部メモリ | microSDカード(最大32GB) |
バッテリー | 3,000mAh リチウムイオンバッテリー |
SIMカード | Nano SIM |
通信方式 | FDD-LTE:Band 1/3/19/21 TD-LTE:- 3G(W-CDMA):800/1700/2100 MHz 2G(GSM):850/900/1800/1900 MHz Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n Bluetooth:Bluetooth 4.1 |
より詳しく確認したい人は トーンモバイルの製品ページを参照ください。
筆者注目の面白い独自機能をピックアップ
他のMVNOが提供するスマホと比較した場合、TONE m15の特徴といえるのが「ユニークな機能がたくさん用意されている」こと。中でも筆者が実際に使ってみて便利、あるいは面白いと感じたものを4つ、ピックアップして紹介していきます。
【ホーム画面】を簡単アレンジ。追加したい機能のおねだりも
最初に取り上げるのはホーム画面のアレンジ機能。TONE m15にはホームアプリとして「ランチャー」「TONEホーム」と呼ばれる2種類のものがプリインストールされています。前者が先ほど写真でも紹介した一般的なAndroidのもので、後者がTONE独自のものとなります。
今回はTONE独自のホームアプリ「TONEホーム」をご紹介していきます。

「スタイル」「シンプル」「Teen」と前述の「ランチャー」を含めた4つのテーマから、使う人にあったデザインを選択することができます。



「スタイル」はスマホを使う際に主によく使われるであろう機能を1画面に集約したデザイン。左下のリストマークをタップすることで、アプリドロワーも呼び出し可能です。その上にある白い枠3つには任意のアプリを自分でセットすることも可能。




「Teen」はその名の通り子供向けのデザイン。このデザインではホーム画面上に配置あるいは起動できるアプリを制限することが可能なため、子供に持たせるスマホとしても便利です。
子供が新しいアプリをインストールしたい場合は、「リクエスト」という項目であらかじめペア設定をしている家族のスマホにリクエスト申請をする、なんてユニークな機能も。


連絡方法としてスマートフォンを子供に持たせたいけれど、持たせたことによってスマホでゲームばっかり…なんて姿を想像して頭を悩ませる人もいるかと思います。TONE m15ならスマホの利用時間を時間帯と曜日で制限(指定した期間はスマホを触るのにPIN入力が必要)することもできます。
家族で使うことでメリットがより感じられるモデルとなっています。
日々スマホを持ち歩くだけで【ライフログ】を記録
最近ではスマートフォンと接続して日々の歩数や消費カロリーといったライフログを記録できるアクセサリー類も多く販売されていますが、TONE m15ならスマホだけでOK。「歩数」「消費カロリー」「活動量(時間)」そして「心拍数」を記録できる機能が搭載されています。

歩数に関しては筆者が試してみたところ、端末を振るだけでカウントアップされたことから厳密なカウントではありませんが、外出時なども基本的に持ち歩いているであろうスマートフォンだけでこういったデータが(ざっくりとでも)記録できる、というのは便利といえます。
また歩数やカロリーの計算程度であれば他機種あるいはサードパーティー製のアプリでも記録可能なものを多く見かけますが、TONE m15ではリアカメラとそのフラッシュ(LEDライト)を利用して心拍数も測定・記録することが可能です。



ライフログ好きの筆者も数日間、定期的に試してみましたが、普段から使っているアクティブトラッカーと比較してもほぼ変わらない数値を記録していました。きちんとした血圧計との比較ではありませんが、同様のアクセサリー類と十分変わらない精度で使える機能といえるでしょう。
「あれ、なんで?」を即解消!【置くだけサポート】は初心者の強い味方
スマートフォンを使っていて、何かの拍子にボタンを触ってしまい、それに気が付かず動作がおかしくなってしまった……。大手キャリアで購入したスマホならショップへ足を運べばサポートしてもらえますが、MVNOだと現状なかなかそうはいかないものです。
こういったことは特に初心者がMVNOを契約する際に気にすべき点であり、ストレス無く使い続ける上でも大きなポイントになってきます。
そういった点をサポートする仕組みとして TONE m15 に搭載されているのが「置くだけサポート」。冒頭の外観チェックでも触れましたが、TONE m15の特徴のひとつ「NFCアンテナの搭載」を活用した「設定内容の簡易修復機能」です。
使い方はとてもシンプルで、TONE m15のNFC機能をオンにして、購入時に端末本体が入っていた箱に置くだけ。箱を確認すると中央部にはこの機能を起動するためのNFCタグが内蔵されており、それを読み取って自動で設定内容の修復が行われる仕組みとなってます。



気になったので、どの程度の設定であれば修復できるのか試してみることに。
まずは「不意にモバイルデータ通信をオフにしてしまい、いつの間にか通信ができなくなっていた」という想定でデータ通信の設定を復元してもらえるかチェック。


最初の検証ではうまく動作している様子だったので、続いては「APN情報を触ってしまって通信ができなくなった」というやや意地悪な設定で再度検証。


こちらはやや複雑だったのかNGが出てしまい、当然ながらAPN情報も元に戻らず。この後、APN情報を書き換えた状態でWi-Fiをオン(Wi-Fiでなら通信可能)として三度試して見ると3つ目の項目(アカウント設定)のみNGという結果になり、こちらもAPN情報は修復されず。
「置くだけサポート」の”自己修復”機能に関しては、本当に簡易な問題を解消するものと考えておくのがよさそう、という結果になりました。ただしNGが出た場合も画面下には問い合わせ先情報などに関する案内が表示されます。現在の問題を解消するにはどうしたらよいのかが明確にわかる、という意味ではとりあえずの対処方法として初心者をサポートしてくれる便利機能といえるでしょう。
とにかく、端末が入っていた箱は捨てないようにご注意を!
文字入力不要のコミュニケーション【エアノック】は使い方の幅広さが魅力
最近は通話やメールよりもより簡単にコミュニケーションがとれるツールとしてメッセージアプリがとても人気です。しかし、TONE m15には「エアノック」と呼ばれる”文字入力を必要としない”コニュニケーション機能が搭載されています。こちらは使用する様子を動画に撮影してみましたので、まずはそちらをご覧ください。
使い方はこちらもかなりシンプル。エアノックアプリを起動して、コミュニケーションを取る相手を選択。あとは画面に表示される扉をタップすることで、そのタップが扉のノックするアクションとして相手に通知されます。
メッセージアプリのスタンプ機能などでもコニュニケーションはもちろん可能ですが、それをさらにシンプルにしたアプリといえます。ノックの回数は任意となるため、家族間で回数別に意味を決めておく、なんて使い方が有力でしょうか。
機能がシンプルなだけに、幅広い用途が考えられる面白い機能といえるでしょう。
初心者だけでなく、家族や親子で便利に使えるスマホ
外観や基本設計、そして特徴的な機能を筆者が気になったものに絞って紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
初心者が単体で使う場合にもエントリーモデルとしては十分な性能である一方、家族や親子で使う場合もかゆいところに手が届く設計。それでいて約30,000円という価格は非常に手頃で、コストパフォーマンスの高さも感じられます。
筆者個人としてもぜひオススメしたいのは家族や親子での使用。特に子供がまだ小さいけれど、安全のためにスマホを持たせたい…なんて考えている人にはぜひ検討してもらいたい機種といえます。
使用するユーザー像を明確に設定して、面白い独自機能を盛り込んだ「TONE m15」。今後取り扱う実店舗数がさらに増え、興味も持った人が実機を手に取って確認できる場がより増えていくことをぜひ期待したいところです。