5年でフォロワー43万人! Instagramがきっかけでフリーに転身したミニチュア写真家・田中達也氏の仕事場に迫る!
カテゴリ: スマートフォン
昨年「NEWS ZERO」で取り上げられ、さらに知名度をあげたインスタグラマー・田中達也さん。趣味で始めたミニチュア写真を毎日投稿しているうちに、話題を呼び5年間でフォロワーは43万人に!
「ミニチュア写真の収入が会社勤めの収入を超えたとき、独立を考え始めました」
Instagramで仕事? 収入が増える・・・?
多くの人がその話を詳しく聞きたいと思うでしょう。(正直に言えば、私がそうです!笑)
でも田中さんは、純粋に投稿を楽しむことを第一に考えているようです。
そんな彼がどうしてInstagramで仕事をするようになったのか?
そのクオリティの高いミニチュア写真はどんな風に制作されているのか?
この度、モバレコは彼の仕事について深く迫ることができました!
<プロフィール>
田中達也(たなか・たつや)
1981年熊本生まれ。鹿児島を拠点にミニチュア写真家、アートディレクターとして活動中。2011年4月より「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後ネット上で毎日欠かさず作品を発表し続けている。写真集「MINIATURE LIFE」発売中。
<WEB> MINIATURE CALENDAR
<Instagram> tanaka_tatsuya
目次:
2011年から毎日更新!去年10月にフリーランスに転身
――Instagramを始めて、会社を辞め独立されたようですが、そこに至るまでの経緯を教えていただけますでしょうか?
ミニチュア写真はただの趣味で始めたんです。もともとTwitterもやっていましたが、思ったことを文章にするのがあまり好きではなく、Instagramだったら写真がメインのSNSなので、楽しく続けられるかなという気持ちで開始しました。
なにを投稿しようかなと考えたとき、ジオラマ用の人形を集めていたので、「こんな人形たちを持っているよ」と自慢したい気持ちで始めたんですね。
それで投稿しているうちに、「毎日見たい」というコメントを頂いてそれからずっと投稿を続けています。
――ミニチュア・カレンダーは2011年4月から毎日更新しているということで、もう5年弱続けられていますね。長い期間一日も欠かさず続けられていて、本当にすごいです
5年弱というと長く感じられるかもしれませんが、振り返ってみるとついこの間のことのように思います。
――写真のクオリティがすごく高いですが、カメラはスマホではないですよね?
一眼レフのカメラで撮っています。
――もともとプロのカメラマンをされていたとか?
いえ、カメラマンではなく広告やウェブサイトのデザイナー・アートディレクターです。
仕事の中で写真を扱う機会は多かったのですが、撮影技術に関してはこのミニチュアカレンダーを始めてから勉強しました。
――では、現在はどのような仕事の形態をとられているのでしょうか?
2015年9月末まで会社勤めをしていました。今でもアートディレクターとして前職の仕事に関わらせていただくこともありますが、基本的に今はミニチュアカレンダーが本業という形態です。
――どんなきっかけで会社勤めを辞めようと?
ミニチュアカレンダーへの仕事依頼が多くなり、本業だった仕事との両立が難しくなったことがきっかけです。仕事の割合をミニチュア寄りに徐々にシフトしていき、独立に至りました。
仕事依頼が増えて、企業の広告や書籍の装画まで展開
――田中さんくらいフォロワーが多い方は、もしかしてInstagramに投稿しているだけで収入が入ってくるのですか?
いえいえ、そんな仕組みではありませんよ(笑)。ミニチュア写真のアカウントが実はもう一つあるんですよ。
NECのパソコン「LAVIE」のアカウントで投稿する写真の依頼を受けまして、週に2回のペースで更新しています。アカウント名は「@lavie_city」です。
「LAVIE City」というミニチュアたちの街で暮らす「LAVIE家」という家族のもとに何事にも冷めている留学生がやってきて・・・という設定で、毎回の投稿が物語として繋がっているのも見どころです。
他にも写真集を出版したり、イベントに呼ばれたり、書籍の装画を依頼されたりと多方面で活動しています。
テレビで紹介され15分で2万人フォロワー増!写真集もAmazonで1位に!
――毎日更新というペースですと、アイデア出しがとても大変そうに思うのですが、煮詰まったりすることはないのでしょうか?
頭の片隅で常にアイデアを考えています。何か思いついたらすぐにスマホにメモします。
アイデアが何も出ないということはないのですが、そのアイデアリストを眺めていてもどれもピンと来ないという時はあります。そういう時はちょっと苦労しますね。でも続けていくことに不安は感じていません。
――撮影で使用されているジオラマ人形は、おおよそどのくらいの数をお持ちなのでしょうか?
だいたい3000体くらいでしょうか。
――拝見させていただくと3000体以上ある気がします!(笑) それにしても尋常じゃないコレクションの数です・・・。すごい繊細なライティングが、写真世界を作るうえで重要になっていると思いますが、この知識はどちらで?
撮影技術に関しては、ほぼ独学で勉強しました。
当初はスマホで撮影していたし、撮影の基礎もなかったので、昔の写真を振り返ってみると下手だな~って(笑)。我ながら成長を感じています。
――毎日更新していくうちに、自分でも気づかない感じでどんどん上達されていかれたんですね。撮影の時は、ライトはいくつ使用されるんですか?
撮影用の白熱灯を3~4灯使います。
――気軽に撮って、投稿できるのがSNSの魅力でもありますが、多くの方を引き付けフォローしたくなる写真というのは、そこまでの本気さが必要なんですね!
現在(2016年1月)では、フォロワーが43万人いらっしゃる田中さんですが、これほど多くのフォロワー数になったきっかけはあるんですか?
やはりテレビや雑誌に紹介していただけると、フォロワー数がぐんと伸びますね。昨年末に「NEWS ZERO」で取り上げていただいたときは、放送された15分後には2万人増えていて驚きました。
――15分でフォロワーが2万人!? 耳を疑うお話です・・・
あと、影響力のある方がTwitterで「この写真、面白い!」とRTしていただいたりと、フォロワー数が増えるきっかけはいろいろです。
『マツコの知らない世界』で僕の写真集が取り上げられた直後には、Amazonの写真集部門でベストセラー1位にもなったり。他のメディアでの紹介や拡散というのは、すごく大きいですよ。
――ミニチュアカレンダーを始められたころは、現在のようになると思っていましたか?
まったく予想していなかったのでビックリしています。これが仕事になるとか、いずれ独立するとか。自分自身は「面白いって言う人がいるかな~」と思いながら淡々と投稿していただけなのですが・・・。
僕はジオラマ人形を集めるのがもともと好きなので、その口実で投稿を続けていたというのもあるんです(笑)。ただの趣味で集めるよりは、何かの役に立っています! みたいな。
――鉄道のジオラマを作っていたということはないんですか?
それはありませんでした。ただ、ガンダムのプラモデルをよく作っていて、それに添える人たちとしてジオラマ人形を集めていまして。スケール感がちょうどいいんですよ。
昔はガンダムとジオラマ人形を並べた写真もアップしていて、最近ではウルトラマンやスパイダーマンを使ったりとか。個人の趣味や遊びでやっているユルさを残しておくのも大切かなと。
――ところで写真集は、どういう経緯で出版されることになったのでしょうか?
クラウドファンディングで写真集の制作資金を募ったんです。少部数の自費出版だけのつもりでしたが、後で出版社から声がかかり2刷目以降は印税契約して発行し続けることができました。
――すごい・・・。2015年は写真集のみならず鹿児島で個展もおこないましたね。それはどなたからお誘いがあって開催されたのでしょうか?
鹿児島のギャラリーから声をかけていただき個展開催を決めました。写真としての作品は32点、それ以外にも実際に撮影で使っているモチーフを15点展示しました。展示期間は11月28日からの2週間で、推定ですが1000人以上は来場いただいたと思います。
――1000人!?
来場者の数にも驚きましたが、もっとビックリしたのは台湾から観に来てくださった方がいらっしゃったことです。僕は不在で直接お話しすることはできなかったのですが、「個展を見るために、鹿児島に来た」とおっしゃっていたそうで。感動しました・・・。
自分の写真を見てもらうためには、コンセプトと投稿頻度が重要!
――他にも日本にはインスタグラマーとして作家活動されている方がいらっしゃいますが、田中さんは交流している方はいらっしゃいますか?
有名な方だと、柴犬“まる”で人気のmarutaroさんや、ホウキの浮遊写真で人気のhalnoさんとはInstagram関連の展示会を通して交流があります。
――お二人とも、フォロワーが多くて投稿写真のコンセプトが明確ですね!
そうですね。コンセプトを決めることはフォロワーを増やすために大切なことです。アカウント自体をギャラリーと捉えると良いと思います。世界観が壊れないように、ミニチュアカレンダー以外の写真は投稿しないようにしています。それ以外の写真を投稿したい時は別アカウントを作っているので、そちらに投稿するといった感じです。
――SNSというメディアが登場したことによって才能が開花するチャンスが増えたのでしょうか?
創作活動できる敷居はぐんと下がったと思います。良いものや面白いものはすぐに拡散されるので、昨日まで趣味でやっていたことが、すぐに仕事につながるといったような。
――敷居は下がって誰でも始められるけど、誰もが仕事にして独立できる訳じゃないですよね?
もちろんです。スマホのカメラとアプリさえあればある程度のことは誰でも表現できる時代なので。その分個々のアイディアや発想の転換がこれまで以上に大切になってくるのかなと。
また、アカウントを維持する上で投稿頻度も大事だと思います。
どんなにいい作品でも1カ月に1枚ぐらいで、いつ更新されるかわからないようだったら、毎日そのアカウントのことを思い出してもらえるでしょうか。「タイムラインに流れてこない=存在がない」ということと同じだと思います。
――なるほど、コンセプトと投稿頻度・・・。根気のある人がインスタグラマーになれるんですね。海外にも有名なインスタグラマーさんがいらっしゃるようですが、田中さんが注目されている方ってどなたかいらっしゃいますか?
はい、韓国の方でアカウント名が「fseo」さんという方がいます。スターバックスのロゴをもじって創作をされている方で、初期の投稿からさかのぼって見ていくと爆笑しちゃいますよ!
――この方の作品も凝っていますね~(笑)。自分もフォローします! ところで今後、田中さんがチャレンジしてみたいことって何かありますか?
オリジナルでミニチュア人形を作ってみたいですね。思い通りの場面が作れて表現の幅が広がりそうです。あと、巨大なブロッコリーなどを作ってミニチュア人形ではなく実際の人間をモデルにして撮影するとか。ちょっと現実離れした夢ですが、そんなことを考えています!(笑)
――人並みはずれた壮大なイメージが湧く田中さんだからこそ、5年間も毎日投稿し続けられるんですね。簡単には仕事に繋がらないことがお話をさせていただいてよく分かりました。本日はお忙しいところ、お時間いただきましてありがとうございました
【プレゼント企画】フォロー&RTで写真集『MINIATURE LIFE 』のサイン本が抽選で当たる!
該当のツイートをRT(リツイート)してくださった方の中から、抽選で1名様に水曜社から刊行されている写真集『MINIATURE LIFE(ミニチュアライフ)』を田中達也さんのサインを添えてプレゼントします。
応募方法は、以下の手順でお願いします。
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★対象ツイートは、こちら
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応募期間は、1月28日(木)23時までとなっています。
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