MMD研究所「MVNO3社に聞く、格安SIMの女性利用の拡大について」勉強会レポート 2016年3月2日

書いた人: モバレコ編集部

カテゴリ: レポート ,

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MMD研究所「MVNO3社に聞く、格安SIMの女性利用の拡大について」勉強会レポート 2016年3月2日

2016年3月2日、恵比寿EBiS303 イベントホール・カンファレンススペースにて、MMD研究所主催による勉強会が開かれた。「MVNO3社に聞く、格安SIMの女性利用の拡大について」というテーマで、NTTコミュニケーションズ、ビッグローブ、ケイ・オプティコムの3名と座談会形式で進められた。

最新の格安SIM調査データ

MMD研究所の吉本浩司氏
MMD研究所の吉本浩司氏

最初にMMD研究所(MMDLabo株式会社)の吉本浩司氏から「格安SIMの調査データの発表」が行われた。

格安SIMの認知率と利用率

まず、最初のデータは「格安SIMの認知率と利用率」。現在既に格安SIMを利用しているのは6.9%。15人に1人は利用していると考えると、多いようにも思える。
利用を検討した、詳しくはわからないが名前は知っているなど「格安SIM」という言葉の認知率で考えると76.5%とこれは非常に高く思われる。
各社がTVCMなどで認知を高める中、まだ内容は知らなくても「格安SIM」というものがあるという認識は高まっているようだ。

格安SIMの購入月

2016年2月6日時点で、格安SIMの購入者に、「いつ購入したか」を調査したところ、実に54.2%が「2015年」に購入している。2014年が25.5%というところからも、ここ数年に購入した人がほとんどで、とくに2015年に爆発的に伸びたと言える。

データ通信単体と音声通話付きの比率
データ通信単体と音声通話付きの比率

データSIMと音声通話付きSIMの比率は6:4となっているが、月別に見ると、2014年後半から、音声通話付きSIMの契約が増えている。リテラシーの高い層が2台目のスマホとして、データSIMでの運用が多かった2014年までと比べ、一般的な層が、メインのスマホの切り替えとして音声通話付きSIMを購入しているのではないかとの予測が付く。

データ通信単体と音声通話付きの比率

特に、男性に比べ女性は音声通話SIMを購入することが多く、2015年は女性層の音声通話SIMの購入が進んだことを表しており、MVNOとしては、この女性層の取り込みが今後の課題といえるのではないだろうか。

格安SIMの端末購入状況

格安SIMを単体で購入しているか、端末とセットで購入するかを調査すると、SIMを単体で購入、同時に新品のSIMフリースマホを購入して運用しているのが33.9%。ついで、SIMと端末のセットプランが27.0%となっている。
次いで、元々所有しているスマートフォン端末に新たなSIMを使用しているのが22.8%、中古端末へSIMを組み合わせているのが、13.4%となっており、MMD研究所の吉本氏は中古スマホの値が思いのほか大きいのに驚いたと語った。

格安SIMの端末購入状況

ここでも男女別に分けると、男性がSIMを単体で購入し、新品の端末や所有のスマホ、または中古スマホでの運用が多いのに対し、女性は端末とセットでの購入が目立つ。

格安SIMのサービス別シェア

格安SIMのシェアを見ると、1位「OCNモバイルONE」の18.8%、2位「楽天モバイル」14.6%、3位「IIJmio/みおふぉん」12.1%、4位「BIGLOBE SIM」7.6%、5位「mineo」7.1%と続く。

格安SIMのサービス別シェア:性別

これを性別で見ると、「OCN」は男性の利用者が圧倒的に多いのに対し、「楽天モバイル」「イオンモバイル」の女性の割合が非常に多いのが目立つ。先ほどのデータにあった、女性はSIM単体ではなく端末とセットの格安スマホでの運用が多いというのと、TVCMなど大きな広告展開を打った「楽天モバイル」、実店舗で知名度の高い「イオンモバイル」など、一般女性層への浸透力の差が出ていると言える。

格安SIMのサービス別シェア:プラン別

上のデータと比例して、女性の比率が多い格安SIMは音声通話付きSIMの比率が高い。やはり2015年大きく飛躍した一般女性層が、音声通話付きSIMで格安スマホを購入していることがよくわかる。

まとめ

MMD研究所「最新の格安SIM調査データ」のまとめとして、

  • 2016年は「他の消費者への影響の大きいアーリーアダプター層の獲得が鍵」である
  • 2015年格安SIMの購入が倍増と大きく伸びたことから2016年もさらなる格安SIMの拡散が見込まれる
  • 女性層は音声通話付きSIMと端末のセットでの購入が多く、サブスマホではなくメインスマホとしての購入が多い

などの点が挙げられた。

NTTコミュニケーションズ「OCNモバイルONE」の動向

この結果を経て、各社の最近の動向が報告された。まずは、NTTコミュニケーションズ「OCN モバイル ONE」の岡本健太郎氏。

NTTコミュニケーションズの岡本健太郎氏
NTTコミュニケーションズの岡本健太郎氏

まず「OCN モバイル ONE」の強みとして、ECチャネルでの販売が強く「データSIM」と「音声通話付SIM」の比率が大胆に言うと7:3くらいで、非常にデータSIMが強い。先ほどのデータにもありましたが、音声通話付きSIMの市場が伸びてきているので、そのような動きに対してどう対応していくのかを課題として、ここ半年間近くやってきている。
データSIMが強いという部分でも多く出ていますが、我々の利用層は「男性」が多い、なので、その部分をどう変えていくのか? それがOCN モバイル ONEの課題といえます。

それなので、最近の取り組みとしては、「サービス」「プロモーション」「販促」とありますが、「らくらくナンバーポータビリティ」としてMNPを簡易に受け付けていく仕組みを入れたり、10GBの中容量プランの導入などのサービスを展開しました。
また、プロモーションとしては12月にいくつかのキャンペーンを打ったのと、最近ではTVCMなどを展開しております。また「販促」としてGEO、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどと協力して対面販売に力を入れています。

音声SIMもデータSIMも非常に好調に販売が伸びており、その中でも女性層は年代問わず増加傾向にあります。
OCN モバイル ONEとしては、女性層の特徴として

【情報認知経路】

  • TVCMやTV番組で情報取得する人が圧倒的に多い
  • SNSなど、ネット上での積極的な情報取得者も多い

【消費価値観】

  • サイトで価格比較して、コスパのいいものを買いたい
  • 知人評判やネットの口コミからよさそうなものを見極めたい
  • 安心なので、知っている会社が提供するモノを買いたい

【格安SIMに関して】

  • 実店舗での購入者が多い
  • 利用における重視点は、価格面を除けば手続き・サポート
  • 不安要素は端末接続設定方法がトップ

と分析しています。
女性層については、不安感を取り除きながらコミュニケーションを取りつつ、サービスを提供し、かつ売り場でサポートしていく形をとっていくのが基本的なサービスのあり方かなを捕らえています。

ビッグローブ「BIGLOBE SIM」の動向

ビッグローブ株式会社の河口清華氏
ビッグローブ株式会社の河口清華氏

次にビッグローブ株式会社の河口清華氏。サポートの現場に居たこともあるという河口氏はサポートに寄せられる不安の声から、それに対してどう取り組んでいくかを考えるという。

女性の不安の大きな部分として、「格安SIMにして、今と同じように使えるのか?」という漠然とした不安・疑問があることで、なかなか一歩先に進んで踏み切ることが出来ないのだと思っています。

まず、通話品質が大丈夫なのか? 電話料金は高くなるのではないか? という不安が多く上がります。音声通話に関しては携帯キャリアとほぼ同品質のものであると伝えております。留守番電話や割り込み通話に関しても、必要に合わせて足すことができると案内しています。
通話料金についても、BIGLOBE電話なら10円/30秒なので、かなり安くなるという点と、また昨年度のMMDのデータにもありましたが、約9割の方が人が月間で通話をする時間は1時間以内であり、BIGLOBEでは「通話パック60」というサービスを用意して、1時間分2,400円相当が650円で使えるサービスを提供しています。

次の疑問点として、「通信容量が足りなくなるのではないか?」「動画は視聴できるのか?」という質問が多く寄せられます。
BIGLOBEとしては、3GB、6GB、12GBとプランを用意して、ライフプランに合わせた提供が出来るようにしています。ただそれでも、少しでも通信料を節約したいとのニーズがあるのもわかっているので、家庭でのWi-fi環境と同時に、MVNOでは最大級となり、全国8万箇所での、外出先で利用できるBIGLOBE Wi-fiのサービスを案内しています。
Wi-fiと言っても、女性にはなかなか設定するのが大変なところもありますが、BIGLOBEでは、オートコネクトという、Wi-fiのポイントに行くと自動で接続してくれるアプリを提供しています。これによって、場合によっては通信の8割くらいはWi-fiでカバーできるといったデータもあります。

次に、「今までのアプリやサービスは使えるの?」といった疑問がありますが、これについては、LINEやFacebookなど、基本的なものはほぼそのまま使用することが可能です。また、家族でのデータのシェアができることや、一部制限はありますが、iPhoneが使えるといったことも認知されていない部分もあり、その点も伝えていきたいと思います。

家族のシェアなどを使うと、年間で17万円程度の料金の節約が可能で、その点を話すと、お客様は「お!」と興味を持ってもらえますが、それでもやはりその後の手続きが大変なのではと思われてしまう部分もありますので、そこが課題といえます。

ケイ・オプティコム「mineo」の動向

ケイ・オプティコムの津田和佳氏
ケイ・オプティコムの津田和佳氏

次に、ケイ・オプティコム「mineo」の津田和佳氏。
2014年6月にmineoのサービスを開始しまして、おかげさまで格安SIMアワードなど色々な賞をいただきまして、ユーザーさんにもご好評いただいております。
2015年9月にはdocomoでのMVNOも開始。「必要なものを、必要なだけ」というコンセプトのもとにCMなどを展開しています。我々は認知がまだ足りないので、そのような認知活動を強化しているところです。

我々の特徴を4点ほど挙げさせていただくと、
・au回線とdocomo回線の両方を使えるマルチキャリアMVNOであるということ。料金については、他のMVNOさんと大差ありませんが、端末については当然ではありますが、auの端末やdocomo端末、両方接続可能となっておりますので、MVNO業界ではNo.1といえます。
・パケットを無駄なく使っていこうという点から、各社さんにもありますが、あまった分は翌月まで繰り越せる、また、パケットを家族間や友人間でわけあえるということ。
・また、昨年の12月から、新しいサービスとして「フリータンク」「チップ」というものを展開しております。「フリータンク」というのは、mineoユーザーみんなで、パケットを分け合える貯蔵庫のようなもので、あまったパケットを任意でそのフリータンクに入れることが出来ます。そして足りないときは、1GBまでではありますが、そこから引き出すことが出来るサービスです。また「チップ」というのは、mineoのコミュニティの中で、イイネだけではなく、本当に嬉しいときに10MBのチップを相手に贈れるサービスです。
・コミュニティサイトの充実。このコミュニティの中から色々な声を聞いてサービスに取り入れています。約1年ほどたちましたが、ある程度の規模に成長しました。基本ユーザーさんの希望をかなえていこうと思っており、情報もかなりオープンに公開しておりますので、その部分はユーザーから非常に高い評価を受けています。

mineoの加入者層の特徴としては、男性30代~50代で7割、ほとんどが携帯リテラシーの高い層、3GB以下の少ないデータ通信SIMが中心といった特徴があります。
ただ今後としては、マジョリティ層の比率が増えてくる傾向にあり、加入障壁である「2年縛り」「家族と一緒」「面倒」などの心理的要因、料金やサポート、品質面での不安を取り除いていくことが必要と思われます。

○店舗販売の拡大、新サービス競争、プロモーション
○MVNOの競争激化
○大手キャリアにはない、MVNOだから出来ること

ユーザーと一緒にmineoを創っていく。これに徹底していきたいと思います。

まとめ

データからわかるように、2015年格安SIMの利用者は格段に増えており、2016年もさらなる増加が見込まれる。格安SIMへの認知の拡大に伴って、ユーザーの興味とともに、MVNOへの疑問も多く寄せられ、それを解決することが各MVNOの課題といえる。
今までは携帯リテラシーの高い層の低容量データSIMの運用がほとんどだったが、今はそこから新たな一般ユーザー層、特に女性の格安SIMの購入が目立っており、その女性層は音声通話付きSIMをメインで活用することが多くなっている。
それらの状況に合わせて、様々なサービスやプロモーションを行っていくことが、激化するMVNO市場で生き残っていく課題のようだ。

日本人に顕著に見られる傾向のひとつに、周りと同じものが良いという意識があるが、格安SIM購入者が徐々に増え、実際に周りで使っている人を見るようになると、爆発的に市場が拡大する可能性を秘めており、この2016年格安SIM、MVNOは非常に注目の的となるだろう。

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