話題の大容量バッテリー搭載スマホ「ASUS ZenFone MaxとFREETEL Priori 3S LTE」を3つの視点で比べてみた

書いた人: まきはら とよかず

カテゴリ: 比較

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話題の大容量バッテリー搭載スマホ「ASUS ZenFone MaxとFREETEL Priori 3S LTE」を3つの視点で比べてみた

スマートフォンを使う上で、多くの人にとって主なストレス要因のひとつとなっている「バッテリー」問題。従来のフィーチャーフォン、あるいはガラケーと呼ばれる携帯電話では、1度の充電で数日間は充電せずとも使えるのがほぼ当たり前。

しかし「処理速度の向上」「使用方法の多様化」「大画面化」といった高性能・高機能を有するスマホへと進化するにあたり、使用時間に対してバッテリーの消費量は大きく増えました。筆者のまわりにおいても、バッテリー持ちの悪さを主な理由として、スマホへの移行を躊躇するユーザーを見かけます。

そんな中、今年2月にプラスワン・マーケティングのモバイル関連ブランドFREETEL(フリーテル)からPriori 3S LTE、そして3月にはASUS Japan(エイスース・ジャパン)からZenFone Maxがそれぞれリリースされました。

いずれのモデルも容量こそ異なるものの、大型バッテリーを搭載することにより問題点を解消。また実売価格の相場が現在20,000円~30,000円(税込)前後と安価になっていることも、注目をあびる理由であり、大きな魅力といえます。

今回はスタミナに特長を持つ2機種を「外観サイズ」「基礎性能(バッテリー含む)」「カメラ」の3つのポイントで比較していきます

目次:

【サイズ比較】機能に工夫が見られるZenFone Max。無難なサイズのPriori 3S LTE

ZenFone Maxは5,000mAh、Priori 3S LTEは4,000mAhと現行の主流機種に比べると約2倍以上のバッテリー容量を誇ります。が、そうなると(基本的に)併せて巨大化するのが本体サイズ。まずはじめに両機種のサイズをチェックしていきます

下の写真は左がZenFone Max、右がPriori 3S LTEです。2機種を並べてみると、ZenFone Maxのほうが1~2まわりほど大きいサイズです。

ZenFone Max(左)とPriori 3S LTE(右)
ZenFone Max(写真左)とPriori 3S LTE(写真右)
ZenFone Max と Priori 3S LTE 比較:重ねてみるとZenFone Maxのほうが大きい
重ねてみると1~2まわりZenFone Maxのほうが大きい

高さ、幅ともにZenFone Maxのほうが大きいのですが、特に差が顕著なのは高さ。ZenFone Maxはディスプレイ下にナビゲーションキーを物理キーで搭載。一方でPriori 3S LTEはディスプレイ上に表示するオンスクリーンボタン。もちろんディスプレイサイズの差も影響していますが、加えてZenFone Maxは物理キー分さらに大きいサイズとなっています。

ZenFone Max と Priori 3S LTE 比較:ZenFone Maxのほうが1まわり大きい
一方をぴったり合わせて横幅を比較。ZenFone Maxのほうが1まわり大きい
ZenFone Max と Priori 3S LTE 比較:同じく高さを比較
同じく高さを比較してみると、こちらはサイズ差がより大きい

ディスプレイサイズはZenFone Maxが5.5インチ、Priori 3S LTEは5インチ。画面解像度はともにHD(1280×720)とディスプレイの縦横比率は同じですが、手に持ってみると、サイズの差はかなり大きく感じられます。

ZenFone Maxを手に持った様子
ZenFone Maxを手に持った様子
Priori 3S LTEを手に持った様子
Priori 3S LTEを手に持った様子

ディスプレイサイズが5インチを超えてくると、片手での操作はかなり厳しくなりますね。

ZenFone Max:片手操作はつらい
5.5インチディスプレイのZenFone Maxはそのままだと片手操作はつらい

ただZenFone Maxには「片手モード」と呼ばれる画面の縮小表示機能が搭載されています。ホームキーをダブルタップすることで簡単に切り替えできるこのモードを使うと、4インチ台後半のスマホを操作するかのごとく、画面端へも指は届きやすくなります。

ZenFone Max:片手モード。ナビゲーションキーも含めて縮小表示でき便利
片手モードを起動したZenFone Max。ナビゲーションキーも含めて縮小表示でき便利

一方Priori 3S LTEはどうかというと、5インチサイズのディスプレイかつナビゲーションキーもディスプレイ上に表示。これでもまだ画面端をタッチするには持ち方の工夫が必要ですが、まだ比較的片手でも扱えるサイズといえます。

Priori 3S LTE:ギリギリ片手でも扱えるか、といったサイズ
Priori 3S LTEはギリギリ片手でも扱えるか、といったサイズ

なお画面解像度が同じであるため、例えばブラウザを起動してサイトなどを見る際、画面上に表示される表示領域は同じで、表示の大きさだけ画面サイズに合わせて拡大・縮小されるといえます。が、前述のとおりPriori 3S LTEはナビゲーションキーが画面上に配置。このため、より画面を広く使えるのはZenFone Maxとなっています。

ZenFone Max と Priori 3S LTE 比較:ZenFone Maxのほうが表示領域が広い
解像度は同じだが、ナビゲーションキーの分だけZenFone Maxのほうが表示領域が広い

アプリによっては「アプリ使用中は画面上に表示されたナビゲーションキーが隠れる」といった仕様のものもありますが、画面の大きさをより存分に使うことができるのはZenFone Maxといえるでしょう。

【スペック比較】性能のトータルバランスがよかったのはZenFone Max。ただしPriori 3S LTEも奮闘

続いてはスマホとして使うにあたりもっとも重要なポイントとなる処理性能、そしてこの2機種共通しての強みとなるバッテリー性能の2点を、ベンチマークスコアを例にチェックしていきましょう。

処理性能のベンチマークスコアはトータルでZenFone Maxが優勢

まず処理性能ですが、今回測定に用いたベンチマーク測定アプリは「AnTuTu Benchmark 6.0.1」「3DMark Ice Storm Unlimited」 「Geekbench 3」の3つ。それぞれでトータルでの性能、3Dグラフィック処理の性能、CPUの性能を見ていきます。

1つめは「AnTuTu Benchmark 6.0.1」によるトータルでの性能測定。ここでの結果は両機ともそこまで大きくは変わらず、スコアは23,000~25,000前後という結果に。点数がより高かったのはZenFone Maxのほうになります。

ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア

ともにクアッドコアプロセッサ、2GBのRAMを搭載したモデルですが、現行のハイエンドモデルと比べるとやはり見劣りはするスコアになります。

またトータルスコアではそれほど大きく差がでなかった両機ですが、細かく見てみると特徴が見られたのが3D処理の項目。Priori 3S LTEでは1,764という結果でしたが、ZenFone Maxではこれを大きく下回る252。逆にいえばそれ以外の項目で大きく挽回したからこそ、トータルのスコアはZenFone Maxのほうが高い結果となっているわけですが、比較をすれば、ZenFone Maxのほうがグラフィック処理はより得意でない模様。

特にこのAnTuTu Benchmarkを用いてスコアを測定している最中、表示されるグラフィックはZenFone Maxのほうが目に見えて明らかなレベルで遅延・カクツキが見られました。Priori 3S LTEも決してなめらかといった印象はありませんでしたが、搭載するプロセッサとディスプレイサイズの違いなどによって生じた差と思われます。

次に「3DMark Ice Storm Unlimited」でグラフィック処理にスポットをあててチェック。先ほどの結果からするとPriori 3S LTEのほうがより高い点数を叩き出しそうな印象でしたが、意外にもこちらは逆の結果となりました。

ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア

より高い点数を出したのはZenFone Max。点差はおおよそ1,300ほどとやや大きめ。こちらのアプリでもベンチマーク測定時にはグラフィックが表示されますが、ここでは両機を見ている限り、画面上の動きにそこまで大きな差は感じませんでした。もちろんいずれもハイエンドモデルと比べればゆったりとした動作でしたが、片方が圧倒的に遅い、といった印象は少なくともありません。

3つめは「Geekbench 3」でCPUの性能をチェック。ZenFone Maxが1.2GHzのクアッドコア、Priori 3S LTEが1.0GHzのクアッドコアを搭載しますが、ここでの結果はその差のとおり順当な内容になりました。

ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
ZenFone Maxで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア
Priori 3S LTEで測定したベンチマークスコア

個々のコアの動作周波数が高いZenFone Maxのほうが、シングルコアでの点数、マルチコアでの点数ともに若干ずつ高いという結果に。CPUもそこまで大きな性能差はないものの、より高性能といえる結果になったのはZenFone Maxでした。

グラフィック処理で大きくもたつく様子が確認できたことから、全てにおいてとはいえないものの、トータルでのバランスを考えるとより高性能といえるのはZenFone Max。
ただし差自体は決して大きくないため、用途としてゲームを楽しむ時間が長い・頻度が多いといった人にはPriori 3S LTEを個人的にはオススメしたいところです。

バッテリー容量は必ずしも電池持ちの良さに比例しない。奮闘するPriori 3S LTE

ちなみにCPUの性能をチェックするのに用いた「Geekbench 3」にはもうひとつ「バッテリーのベンチマーク測定」機能が搭載されています。ZenFone MaxとPriori 3S LTEともに大容量バッテリーを最大のウリとする機種ですので、今回はバッテリーのベンチマーク測定による比較も行なってみました

両機種ともバッテリーを100%まで充電したのち、ベンチマーク測定を開始。アプリ側では端末に一定の負荷(※通常仕様よりは高い負荷) をかけ続け、バッテリーが無くなるまでに要した時間をスコアとして用いる仕組みとなっています。

まずはバッテリー容量5,000mAhのZenFone Maxから。

バッテリーのベンチマークを測定中のZenFone Max
バッテリーのベンチマークを測定中のZenFone Max

通常であれば数時間で終わるこのベンチマーク測定。しかし流石に大容量バッテリーを搭載する機種だけにかなり時間がかかります。ということで今回はバッテリー残量が0%にならずとも、14時間をひとつの区切りとすることに。ZenFone Maxで14時間経過した時点でのバッテリー残量は次の画像の通り。

ZenFone Max:14時間経過時点でバッテリー残量が20%
ZenFone Maxでは14時間経過時点でバッテリー残量が20%

続いてはバッテリー容量4,000mAhのPriori 3S LTEにて。単純にバッテリー容量を数値で比較すると、有利と思われるのはZenFone Maxのほうですが……。

バッテリーのベンチマークを測定中のPriori 3S LTE
バッテリーのベンチマークを測定中のPriori 3S LTE
Priori 3S LTE:14時間経過時点でのバッテリー残量は39%
Priori 3S LTEでは14時間経過時点でのバッテリー残量は39%

なんとまさかの、バッテリー容量の少ないPriori 3S LTEのほうが、14時間経過時点でのバッテリー残量は20%も多いという結果になりました。

ZenFone MaxとPriori 3S LTEの比較で考えれば、画面サイズがより小さい(すなわち消費電力が少ない)Priori 3S LTEのほうが、電力効率はより優れているといえるでしょう。単純にサイズが大きいほど長時間使えるのか、と聞かれれば、必ずしもそうではないということが確認できました。

ちなみに試しにと思い、同じテストをAppleのiPhone 6sで行なってみました。こちらは4時間30分ほどでバッテリー残量は20%まで減るという結果に。

iPhone 6sでのバッテリー残量チェック
iPhone 6sで同じテストを試みた結果

iPhone 6sのバッテリー容量はおおよそ1,700mAhほどといわれており、これはPriori 3S LTEと比べると2分の1以下、ZenFone Maxと比べた場合では約3分の1とかなり小さい容量になります。

バッテリー容量が小さい分、残量が減るのが早いということは当然です。しかし単純に数値で比較してみても、ZenFone Maxが14時間かけて20%まで到達したことを考えれば、ZenFone Maxは3倍以上長く使うことができる(Priori 3S LTEはさらにそれ以上)ということができます。

【カメラ比較】バランスの良いZenFone Max。マクロは両者とも◯

最後はスマホにおいてよく使う機能のひとつであるカメラの性能を比較してみました。

まずは昼間の街の風景を撮り比べ。撮影はいずれもオートモードに設定して行なっています。

ZenFone Maxで撮影した昼の街の風景(HDRオフ)
ZenFone Maxで撮影した昼の街の風景(HDRオフ)
Priori 3S LTEで撮影した昼の街の風景(HDRオフ)
Priori 3S LTEで撮影した昼の街の風景(HDRオフ)

ZenFone Maxのほうは全体的にやや暗めの写りになっているものの、バランスはそれなりにとれている印象。一方Priori 3S LTEのほうは写りは明るいものの、全体的に少しぼんやりとした印象の仕上がりとなりました。

スマホで撮影した写真を後からどれくらいの大きさに引き伸ばして確認するのか、といった点も大きなポイントです。ただこの2機種を比べる限りでは、後の写真加工なども楽しむのであれば明らかにオススメしたいのはZenFone Maxのほう。それくらい、何度撮影しなおしても、Priori 3S LTEのカメラは仕上がりがぼんやりとした印象になってしまいました。

続いては先ほどと同じ景色をHDR(ハイダイナミックレンジ合成)オンで撮影してみました。

ZenFone Maxで撮影した昼の街の風景(HDRオン)
ZenFone Maxで撮影した昼の街の風景(HDRオン)
Priori 3S LTEで撮影した昼の街の風景(HDRオン)
Priori 3S LTEで撮影した昼の街の風景(HDRオン)

照度の異なる複数枚の写真を合成するHDR撮影機能をオンにしてみると、さきほど全体的に暗い雰囲気のあったZenFone Maxはより明るくなりました。またPriori 3S LTEはまだぼんやりとはしているものの、コントラストがよりはっきりとしており、輪郭が少し浮き出てきた印象を受けます。

ただやはり、こういった景色の撮影に関してでこの2機種で比べるのであれば、通常撮影においてもよりしっかりと記録することのできるZenFone Maxのほうがオススメ度は高いといえます。

次は料理の写真を例にチェックしてみます。

ZenFone Maxで撮影したカルボナーラスパゲッティ
ZenFone Maxで撮影したカルボナーラスパゲッティ
priori 3S LTEで撮影したカルボナーラスパゲッティ
priori 3S LTEで撮影したカルボナーラスパゲッティ

店内の照明が少し薄暗く、また撮影した席が窓際だったこともあり、いずれも色味はやや青みがかってしまいました。ここでもZenFone Maxのほうがやや暗めに仕上がる印象で、料理に関していえば、Priori 3S LTEのカメラのほうがおいしそうな印象を受けますね。

ちなみにこの料理を用いて両機種でどこまで接近できるか、いわゆるマクロ撮影に関してもチェックしてみました。

ZenFone Maxで撮影したカルボナーラスパゲッティ(マクロ撮影)
ZenFone Maxで撮影したカルボナーラスパゲッティ(マクロ撮影)
Priori 3S LTEで撮影したカルボナーラスパゲッティ(マクロ撮影)
Priori 3S LTEで撮影したカルボナーラスパゲッティ(マクロ撮影)

マクロ撮影に関してはZenFone Max、Priori 3S LTEともにかなり近距離まで接近することができ、ともによく出来ていると感じました。Priori 3S LTEに関しては、さきほど景色を撮影した際に感じたぼんやり感も出ず、近い距離ならきれいに撮影できるといった印象も。

カメラに関しては景色(HDRオフ/オン)と料理(+マクロ撮影)をテストしてみましたが、比較をしてみると両機ともに良し悪しがあり、優劣をつけるのは難しいところ。ただし色味はマニュアルモード撮影などで調節できる一方、ピントの精度はなかなか難しい、と考えると、バランスの良さからオススメしやすいのはZenFone Maxといえるでしょう。

まとめ:バランス型のZenFone Max。シンプル用途にオススメのPriori 3S LTE

今回は非常に近いタイミングでリリースされた2つの大容量バッテリー搭載機「ZenFone Max」と「Priori 3S LTE」を比較してみました。

それぞれ良し悪しがあり、一概に「人や用途を問わずこちらがおすすめ」とはいえない結果になりました。

そんな中で筆者が感じた選び分けのポイントとしては、基本性能からネット、SNS、読書、カメラまでバランスよく押さえたいならZenFone Max。カメラはあまり使わない、よりシンプルな用途であればPriori 3S LTE、といったところ。

当記事を執筆している2016年4月上旬時点においてはZenFone Maxが30,000円前後、Priori 3S LTEが20,000円前後(ともに税込)で販売されています。価格差1万円でどこまでの機能を求めるか。少なくとも両機ともに特長と謳うバッテリーの持ちはかなりよいだけに、 この2機種で選択に迷っている人は、自分がスマホで使う想定の機能と価格を天秤にかけて選ぶのがよいかと思います

今回紹介した内容もぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

スマホをはじめとする「ガジェット」に関心があるフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品。個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。