iPhone SEはおすすめ!歴代iPhoneシリーズと7つの項目を比較してわかったこと
書いた人: Yusuke Sakakura
カテゴリ: iPhone

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アップルは3月31日、2年半ぶりに4インチのディスプレイを搭載した「iPhone SE」を発売しました。
発売日のApple Store前の行列は例年よりも短くなり、海外では販売台数が例年よりも伸び悩んでいるとの見方もありますが、日本ではドコモ・au・ソフトバンクのオンラインショップで、「在庫なし・予約待ち」の状況がほとんど。
Apple Online Storeで販売されているSIMフリー版も、出荷予定日は注文から10日以上後になるなど、需要が追いついてない状況になっています。いかに4インチの新型iPhoneを待ち望んでいたユーザーが多かったかを表しています。
今回はそんなiPhone SEは買いなのか?という点にフォーカスしてレビューをお届け。iPhone 6sを常用している筆者が、「iPhone SE」を購入して2週間ほど経過した現在の感想、そして「iPhone SE」に買い換える価値があるのかを、iPhone 5sや6sと比較しながら、7つのポイントに分けて解説します。
目次:
スペック表でiPhone SE/6s/5sの性能を比較
※8/2 編集部追記
iPhone SE/6s/5sのどの端末が優れているのかを確かめるために、まずは各モデルのスペックをまとめてみました。
良い点・・・・・赤色
良くない点・・・青色
※「iPhone 5s」に限り、公式ではなくスマホ専門フリマサイト「ムスビー」の表示価格となります。
iPhone SE | iPhone 6s | iPhone 5s | |
---|---|---|---|
価格 ※2016年4月6日時点 |
16GBモデル/52,800円 (税別) 64GBモデル/64,800 円(税別) |
16GBモデル/86,800円 (税別) 64GBモデル/98,800円 (税別) 128GBモデル/110,800 円(税別) |
32GBモデル/59,800円~(送料・税込) ※SIMフリーモデル、新品同様品 |
CPU | Apple A9 | Apple A9 | Apple A7 |
メモリ(RAM) | 2GB | 2GB | 1GB |
ストレージ(ROM) | 16/64GB | 16/64/128GB | 16/32GB |
ディスプレイ | 4インチ、Retina (1136 x 640px、326ppi) |
4.7インチ、Retina HD (1334 x 750px、326ppi) |
4インチ、Retina (1136 x 640px、326ppi) |
3D Touch搭載 | × | ○ | × |
背面カメラ | 1,200万画素、4K動画対応 | 1,200万画素、4K動画対応 | 800万画素 |
前面カメラ | 120万画素、FaceTimeカメラ | 500万画素、FaceTimeカメラ | 120万画素、FaceTimeカメラ |
サイズ | 123.8 x 58.6 x 7.6 mm | 138.3 x 67.1 x 7.1mm | 123.8 x 58.6 x 7.6 mm |
質量 | 113g | 143g | 112g |
連続通話時間 (バッテリー) |
3Gで最大14時間 | 3Gで最大14時間 | 3Gで最大10時間 |
カラーバリエーション | スペースグレイ / ゴールド / シルバー / ローズゴールド | スペースグレイ / ゴールド / シルバー / ローズゴールド | スペースグレイ / ゴールド / シルバー |
VoLTE | ○ | ○ | × |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac |
スペックで比べてみると、本体サイズは「iPhone SE」と「iPhone 5s」がほぼ同等であり、性能面で見ると「iPhone 6s」がほぼ同等であることがわかります。
ここからはもう少し細かく、7つのポイントに分けてiPhone 5sや6sと比較していきます。
1. ディスプレイ
iPhone SEに搭載されているディスプレイはコンパクトな4インチサイズ。
4.7インチのiPhone 6sは対角線上に配置されたボタンに指が届かないため、ホームボタンを2回タップすると画面が下にスライドする「簡易アクセス」が用意されています。しかし、キーボード入力中にマウスに手を伸ばさなければいけない感覚に近いものがあります。アップルらしくない苦肉の策と言えます。
一方、4インチサイズのディスプレイは、成人男性であれば対角線上にも楽々指が届きます。右上・左上には重要なボタンが配置されていることがほとんどなので、対角線上に指が届くだけでも操作感は段違いに良くなると感じています。

iPhone SEのディスプレイ性能は、iPhone 5 / 5s / 5cに搭載されたものと同じRetinaディスプレイ。iPhone 6s / 6s Plusに搭載されたRetina HDディスプレイとの違いは、サイズ・解像度・コントラスト・広視野角・正確な色の表現にあります。
特に違いを感じるのは解像度の違いです。iPhone SEの表示領域は6sよりも38%小さく、6s Plusよりも88%も小さくなっています。そのため、一つの画面に表示できる情報量がかなり少なく、Safari・Twitter・Facebookではスクロール回数が増えることになります。
なお、Androidも含めて5インチ前後がトレンドになっていて、アプリやウェブサイトはiPhone SEよりも大きい画面を想定して開発されています。そのため、解像度の低いiPhone SEでは窮屈に感じることが多々あります。
下の2枚の画像はiPhone SE、iPhone 6sで同じWebページを開いたもの。解像度の低いiPhone SEでは本文まで表示されていません。
●iPhone SE(左)とiPhone 6s(右)で同じWebページを開いたもの


機能面では、iPhone 6s / 6s Plusに搭載された「3D Touch」が、iPhone SEには搭載されていません。
「3D Touch」とは、ディスプレイを少し深めにプレスすることで、アプリの特定画面・機能をショートカットで表示したり、画像やリンク、メッセ―ジをプレビュー表示することができる新機能です。
あると便利な機能ですが、なくても困ることはないでしょう。
iPhone SEのディスプレイのポイント
- コンパクトな4インチサイズ
- 対角線上に指が届くサイズ
- Retinaディスプレイ
- 解像度は低め
- 3D Touchは非搭載
2. カメラ
スマホの主要機能と言ってもいいカメラ。iPhone 6sと同じ機能・性能を備えたiSightカメラを搭載することで、画素数はiPhone 5sの800万画素から1,200万画素にアップしています。
実際にiPhone 5sと撮り比べてみました。左がiPhone SE、右がiPhone 5sです。写真をタップ・クリックすると、大きなサイズの写真を表示することができます。
●桜を撮影
●庭川を撮影
●竹壁を撮影
両機種で撮影した写真を見比べても画素数の違いはわかりません。写真を拡大したり、画面の大きいiPhone 6s Plusで拡大表示しても違いはわからないほどです。

画素数の大幅アップよりも、新機能「Live Photos」に対応、オートフォーカスの強化、なめらかなスローモーション動画、4K動画対応、動画手ブレ補正対応、ノイズ除去の強化といった機能面の大幅なパワーアップが嬉しいポイントです。
なお、自撮りに使うFaceTimeカメラはiPhone 5sと同じ120万画素。iPhone 6sの500万画素と比べると物足りない解像度になっています。
iPhone SEのカメラのポイント
- インカメラは120万画素、アウトカメラは1,200万画素
- Live Photos対応
- オートフォーカスの強化
- なめらかなスローモーション動画
- 4K動画対応
- 動画手ぶれ補正対応
- ノイズ除去の強化
3. プロセッサ
2年半振りに登場した新型の4インチモデルは、現行モデルよりも処理性能が劣るモデルではありません。
iPhone 5sに搭載されたA7プロセッサに比べて処理性能が25%、グラフィック処理性能が50%向上したA8プロセッサからさらに性能がアップ。処理性能が70%、グラフィック処理性能が90%向上した、デスクトップPCレベルの性能を誇る最新の「A9」プロセッサがiPhone SEに搭載されています。
処理性能がiPhone 5sの2倍、グラフィック処理性能がiPhone 5sの3倍上回るパフォーマンスだとアップルは表現しています。

デバイスの性能を数値化するベンチマークスコアをGeekbench 3と3D Markを使って計測したところ、上記のような結果になりました。
アップルの公称どおり処理性能は2倍、グラフィック処理性能は3倍のスコアが出ています。
グラフィック処理性能を計測時にアニメーションが表示されますが、iPhone SEとiPhone 5sの差は歴然でiPhone 5sはガクガクで再生されますが、iPhone SEは終始なめらかにアニメーションが再生されました。
最近のゲームアプリは高負荷なグラフィック処理を要求するものが多くなっていますが、iPhone SEならば快適にプレイできるはずです。
カンタンに処理性能の違いを比較するために複数のアプリを同時に起動という検証を行ってみました。iPhone 5sとiPhone SEで検証したところ、全てのアプリでiPhone SEが早く起動しました。
また、メモリ(RAM)が1GBから2GBに倍増されたことで、複数のアプリを切り替えながら利用しても状態が保持された状態で再開することができます。
例えば、Safariでショッピング中、届け先や決済情報を入力している途中にメールが届いたためメールアプリに切り替えて返信、その後再度Safariに戻る、といったシーン。
この場合iPhone 5sではメモリ不足が発生し、ページのリフレッシュが発生することで入力した情報が全てクリアされてしまうことが多々ありますが、メモリが倍増されたiPhone SEではそういった事象が起きづらくなっています。
iPhone SEのプロセッサのポイント
- デスクトップPC並の処理性能「A9」プロセッサを搭載
- 処理性能は2倍、グラフィック処理性能は3倍以上(iPhone 5sと比較した場合)
- メモリは2GBへ倍増
4. バッテリー
プロセッサが高性能化されたことで気になるのは電池持ちです。
バッテリーの容量はiPhone 5sの1,560mAhから約4%アップの1,624mAhに留まっていますが、「A9」プロセッサは、iPhone 5sが搭載する「A7」に比べてエネルギー効率が50%以上改善。アップルが公称するiPhone SEの電池持ちは、iPhone 5sだけでなく、iPhone 6sをも上回っています。
2週間使った体感としては、iPhone 5sはもちろん、iPhone 6sよりもかなり持つという印象です。仕事上毎年買い換えているため、進化の度合いには鈍感になっていますが、iPhone SEはこの2年間でアップルがどれだけ性能を向上させてきたかを実感させてくれるデバイスと言えます。
iPhone SEのバッテリーのポイント
- バッテリー容量は1,624mAh
- A9プロセッサによりエネルギー効率が50%以上改善
- iPhone 6sを上回る電池持ち
5. デザイン
iPhone SEのデザインは、iPhone 5sがベースというよりも使い回しであるため、真新しさはありません。
iPhone 6以降は薄型にこだわったデザインになっていますが、iPhone 5sおよびSEはそれなりに厚みがあるため、片手操作でも安定感があります。

異なるポイントとしては、背面に「SE」の文字がプリントされていること、背面のアップルロゴがメタル素材の埋込み型パーツに変更されたこと、サイドを囲うエッジ部分が光沢からツヤのないマットになっていることの3点です。


iPhone SEのデザインのポイント
- iPhone 5sと同等のデザイン
- 背面にSEの文字がプリントされている
- 背面のアップルロゴがメタル素材の埋込み型パーツに変更
- サイドを囲うエッジ部分が光沢からツヤのないマットへ
6. Touch ID
iPhone 5sで初めて搭載された指紋認証センサーのTouch IDは、2倍高速化された最新の第2世代ではなく第1世代を搭載しています。
Touch IDをiPhone SEとiPhone 6sで使い比べてみたところ、iPhone 6sの方が若干速いと感じることもありますが、大差はありませんでした。

iPhone SEのTouch IDのポイント
- 第1世代のTouch IDを搭載
- iPhone 6sの方が若干速いと感じるものの大差はない
7. 通信速度(4G/LTE、Wi-Fi)
4G/LTE接続時の通信速度はiPhone 5sに比べて最大50%高速、Wi-Fi接続時の通信速度は最大3倍高速ですが、キャリアアグリゲーション非対応のため、iPhone 6s / 6s Plusに比べると通信速度と安定性が劣ります。

iPhone SEの通信速度のポイント
- iPhone 5sに比べ最大50%高速に(4G/LTE接続時)
- Wi-Fi接続時では最大3倍高速に
- ただしキャリアアグリゲーション非対応のためiPhone 6sには劣る
まとめ:4インチ愛用者は間違いなく買い

2週間ほどiPhone 6sとiPhone SEを併用しながら過ごしましたが、高性能なスペックによる快適な動作をそのままにコンパクトボディによる快適な片手での文字入力、6sよりも確かに長持ちするバッテリーに満足しました。
片手で使えるコンパクトボディのiPhone 5/5s/5cに愛着をもって使い続けてきたユーザーならば、文句なしに買い替えをオススメできます。
3D Touchに非対応、指紋認証センサのTouch IDは第1世代、通信速度は6sの半分と残念なポイントもそれなりにありますが、なくてはならないものではありません。
一方で、高性能化されたプロセッサ、高画質化されたカメラ、電池持ちが大幅に向上したバッテリーに必ず満足するはずです。
逆にiPhone 6s / 6s Plusを利用している人が、5万円以上払ってスペックの落ちるiPhone SEに買い替えするのはあまりオススメできません。どうしても大型のiPhoneに慣れず、片手で操作できるiPhoneが良いという人のみ買い替えを検討してもいいかもしれません。
なお、大型化されたiPhoneは86,800円からとなっていましたが、iPhone SEは高額なSIMフリー版でも52,800円の低価格(執筆時点)。キャリア版は実質数百円でかなり手の届きやすい価格になっています。