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HUAWEI Mate 9をレビュー!ライカカメラだけじゃない。デザイン・機能・価格のバランスに優れるフラグシップモデル
2016年後半以降、ハイエンドモデルも続々と登場し始めた国内SIMフリースマホ市場。
その中でも、年末の発売とともに注文が殺到し、現在あちこちで欠品続出となっている機種があります。それがファーウェイ・ジャパン(以下、ファーウェイ)が販売するフラグシップスマホ「Mate 9」です。
フラグシップの名に恥じぬ仕様の高さに、同社プレミアムシリーズのフラグシップモデル「P9」で話題をよんだLeica(ライカ)協業のデュアルレンズカメラを搭載。そしてこの内容でありつつも、日本での販売価格は海外と比べてかなり割安感の強い60,800円(税抜)と、注目を集める理由もわかります。
今回はこのHUAWEI Mate 9をレビューしていきます。数値や話題、価格といった魅力は実際に使ってみて変わりなし。印象的な同機種の魅力を漏らさずチェックしてみてください。
目次:
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金属らしからぬ優しい印象の外観デザイン
Mate 9は2色のカラーが販売中。これらは色だけでなく、外装の質感も一部異なる仕上げになっています。ちなみに今回チェックしていくのはマット調の落ち着いた仕上げが施されたムーンライトシルバーです。

本体の主な材質は金属。側面から背面にかけてはつや消しが施され、サラサラとした指ざわりに。また今の季節、指先には金属特有のひんやりとした冷たさが伝わってきます。




メタルボディということで材質的に「硬さ」「角々しさ」が思い浮かびそうなものですが、Mate 9にそういった印象はありません。主な理由としていえるのは、背面を中心としてゆるやかに丸みを帯びた形状にあります。

外観に見て取れるエッジといえば、正面と側面、そして側面と背面の境目に施されたダイヤモンドカットくらい。ただしここも尖った感じではなく、どちらかといえば“デザイン面でのアクセント”といえます。

背面中央上部には2機のカメラが縦に並び、両脇にはフォーカス用の各種センサー類とLEDフラッシュライト。そしてカメラの下には全方位からのタッチに対応する指紋認証センサーが配置されています。


ディスプレイサイズは5.9インチと、スマホとしてはかなり大きめ。手に持つと、すべての操作を片手でするには工夫が必要、ということがハッキリとわかります。


ただし5.9インチという数値の割にはかなり持ちやすさを感じるのもまた事実。先に触れた側面から背面にかけての自然な丸み、ディスプレイ左右を狭額縁設計にしたことでスリムに仕上がった本体幅。このあたりがポイントとなっています。
日常使いプラスアルファもバッチリなスペック性能
ファーウェイが、現在日本で発売しているスマホの中では最上位のスペックをほこるMate 9。続いてスペックのおさらいをしていきます。
サイズ | 高さ:約 156.9mm 幅:約 78.9mm 奥行き:約 7.9mm |
---|---|
重さ | 約 190g |
OS | Android 7.0 Nougat/EMUI 5.0 |
CPU | HUAWEI Kirin 960 オクタコア(2.4GHz x 4 + 1.8GHz x 4) |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
SDカード | 対応(最大256GBまで) |
バッテリー | 4,000mAh |
ディスプレイ | 5.9インチ FHD(1920×1080)IPS液晶ディスプレイ |
メインカメラ | 1,200万画素(カラーセンサー) 2,000万画素(モノクロセンサー) |
サブカメラ | 800万画素 |
通信方式 | FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/25/26/28/29 TD-LTE:B38/39/40/41 UMTS:B1/2/4/5/6/8/19 TD-SCDMA:B34/39 CDMA2000:BC0 GSM:850/900/1800/1900MHz |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Version 4.2 |
SIMカード | Nano SIM x 2 |
※より詳しい内容はファーウェイ・ジャパン公式サイトの製品ページにてご確認いただけます。
OSは2017年1月時点でほぼ最新となるAndroid 7.0(開発コード名:Nougat)を出荷時点より搭載。ここに自社製オクタコアプロセッサ Kirin 960、4GBの大容量RAMと64GBの大容量ROMという構成です。
別途SDカードにてストレージ容量は拡張もできますが、このスロットは2つあるSIMカードスロットの片方と兼用になっています。
ソフトウェアやベンチマークスコアをチェック
初期状態でのホーム画面デザインは、ホーム画面にアプリアイコンがずらりと並ぶ従来どおりのもの、そしてAndroidで一般的なホーム場面+アプリドロワー(アプリ一覧)で構成されるもの、2種類が用意されています。




画面の上端よりスワイプ操作で表示できる通知領域・クイック設定パネル、そして設定画面もEMUIが反映されたファーウェイ独自デザインです。




RAM(メモリ)とROM(内蔵ストレージ)は搭載容量も大きいだけでなく、初期設定後の空き容量にも余裕アリ。とくにRAMについては、よほど無茶な使い方をしても、そうそう不足することはないでしょう。


処理能力を見るための参考値として、AnTuTu Benchmarkにてベンチマークスコアを測定。現行のフラグシップおよびハイエンドモデルとして大きく文句のない、十分な点数を叩き出しました。


他のベンチマークアプリもいくつか試したり、ポケモン GOをはじめとしたゲームを遊んでみたりすると、同世代の他社製フラグシップと比較してグラフィック処理(GPUでの処理)はそこまで得意ではない印象も。
とはいえ、この点はあくまでも“比較すれば”の話。実際にゲームをしていてストレスを感じる場面はほとんどなく、もちろん基本的な操作面では快適に動作してくれます。



しっかりとした処理能力があり、また動作に目立つ変なクセもなし。長い目で見ても、しっかりと使える内容の機種であることは間違いないでしょう。
これひとつでアレコレ物足りる万能感
Mate 9の特徴として魅力的なのは性能だけではありません。
端末を買うだけで、きちんと使いこなせる周辺機器もひととおり同梱されていることがまず大きなポイントです。


パッケージには他にも、専用の急速充電器、USB Type-Cケーブル、USB Type-C変換コネクタなど、Mate 9の機能を十二分に楽しむために揃えたいものがひととおりセットされています。
最近では「急速充電対応(※充電器は別売り)」といった製品も多い中、スマホ本体を購入すればひととおり付いてくるという点は純粋にうれしいところ。
そして機能面においても、最近のスマホに欠かせないものとなりつつある指紋認証に対応。背面にあるセンサーはどの角度からでも高精度・高速に認証してくれます。

このセンサーは指紋認証以外の機能もサポート。センサー部を上下にスワイプして通知領域・クイック設定パネルを操作したり、左右にスワイプすることで閲覧する写真を切り替えるといった操作も可能です。

動作に関しては文句はナシ。唯一気になるとすれば、センサーの配置に好みが分かれるかもということくらい。背面にある=端末を置いた状態では操作できないということになるので、人によっては使いにくさを感じてしまうケースもあるかもしれませんね。
また、最近のSIMフリースマホのトレンドともいえる2枚のSIMカードでの同時待ち受け(DSDS)にも対応。


公用・私用のSIMカードを1台にまとめてしまうのはもちろん、特徴の異なるMVNOのSIMカードを2枚用意して使ってみるといった工夫、楽しみ方も可能。最新機能が試せる、ということ自体にも魅力がありますね。
そのほか、画面の表示を変え、ブルーライトによる刺激を低減する視力保護機能なども搭載。


寝る直前までついつい触ってしまうスマートフォンですが、そういった際にもより気軽に使うことができます。
手軽で簡単、キレイに撮れる第2世代ライカカメラの性能
Mate 9最大の注目機能といえば、やはり老舗カメラメーカーLeicaとの協業で開発されたデュアルレンズカメラではないでしょうか。
モノクロセンサーで被写体の輪郭やコントラスト情報を、カラーセンサーで色彩情報を記録して合成。これにより、従来のスマホカメラとは一味異なる、手軽・簡単・キレイに撮れるカメラが実現されています。
ここからは実際にMate 9による作例とともに、実際に使ってみての感想を紹介していきます。なおそれぞれの写真は、リサイズ加工のみを施したものとなっています。














全体を通じての印象をはじめに書いておくと、設定を自分で細かくいじらずとも、スマホのカメラとしてはまず文句のない写真が簡単に撮影できます。
中でも、とくに印象的だったのはビビッドな色味の被写体を撮影するケース。オート設定でも鮮やかな色味がきちんと記録でき、カメラの出来のよさが改めて感じられました。
一方で、もともと2つのカメラで撮影した情報を合成する設計となっているためなのか、HDR撮影では効果をほぼ実感できず。
またナイスフードモードはものにより、加工にやり過ぎ感を抱いてしまうことも。基本的にはオート設定が万能であり、これをベースに使うのがよいように思いました。
またファーウェイのデュアルレンズカメラにおける特徴的機能といえば、ワイドアパーチャ撮影です。2つのカメラを用いることで、擬似的に最大f/0.95の絞り開放を再現。一般的的なスマホカメラ以上のボケ味が楽しめます。




あくまで擬似的に再現する絞りであり、場合によっては背景がやや不自然にボケてしまうケースもあります。ただし、現在スマホカメラでここまでボケ味を出せる機種はかなり珍しいだけに、Mate 9ならではの機能のひとつとして、しっかり楽しめる魅力といえそう。
なおワイドアパーチャ撮影で記録した写真は、後からギャラリーアプリ上でピントを合わせる位置を変更することもできますよ。
最後はLeica協業ならでは、といえるモノクロ撮影モード。



いろいろな撮影モードもありつつ、やはり手軽・簡単・キレイに撮影できることで、何よりカメラが楽しくなります。気がつけば無意識に被写体を探してウロウロ、なんてことも。
大きな画面で撮影後にすぐプレビューもできることも含め、カメラとしてとにかく楽しいの一言。この機能のためだけにMate 9を購入するのも十分ありな、初心者から上級者まで広く魅力が感じられるものとなっています。
悩ましくもある大型画面と上手に付き合うには
デザイン、処理能力、機能、カメラといずれにおいても出来のよさを感じるMate 9。価格を考えても割安感は十分で、多くの人にオススメできる1台であることは間違いないでしょう。
そんな中で、唯一悩ましさを抱くかも、と感じたのは5.9インチという大きさでしょうか。持ちやすさはあるけれど、それでもやはり大きいと感じるのは事実。
ただこの点について少し捕捉しておくと、Mate 9をはじめとするファーウェイ製品には、従来より片手での操作を助けてくれる機能が多く搭載されています。これらはいずれも設定画面からカスタマイズが可能。







これらを駆使すれば誰しもが片手で操作可能!とまではさすがにいえませんが、活用してみると、画面の大きさによるデメリットは大きく解消できる可能性も。
また大画面にはもちろんメリットもあります。ふたつのアプリを分割表示するといった使い方がその一例ですね。


本体サイズが大きいため、物理的な携帯性だけは改善できませんが、それ以外のポイントは意外とどうにかなるのかも。そう思わせてくれる機能や設定もしっかり用意されていることも含め、魅力のあるスマホといえますよ。
HUAWEI Mate 9の価格・購入できる場所
Mate 9の価格は60,800円(税抜)となっています。2017年1月時点では品薄が続いているものの、主にオンラインストア・家電量販店などで注文は受付中です。
また格安SIMとセットで購入したい場合は、楽天モバイル、エキサイトモバイル、DMMモバイルといったMVNOが取り扱いをしています。
価格 : 定価60,800円(税抜)
カラー : シャンパンゴールド、ムーンライトシルバー
本体サイズ : 高さ:156.9mm × 幅: 78.9mm × 厚さ:7.9mm
重さ : 約190g
OS : Android™ 7.0 Nougat
RAM : 4GB
ROM : 64GB
電池容量 : 4,000mAh
ディスプレイ : 5.9インチ FHD(1280×720)
メインカメラ : ( ダブルレンズ)1200万画素カラーセンサー + 2000万画素モノクロセンサー
インカメラ : 800万画素
評価まとめ
トータルで見てみると、改めてデザインの良さ、処理能力の高さ、便利な機能・設計、扱いやすいカメラと魅力は盛りだくさん。高いレベルでバランスが撮れている印象です。
この内容にしては価格もかなり手頃になっており、人気の理由を身をもって再確認できました。
量販店ではまだまだ品薄。展示機の設置も珍しい状況が続いているものの、触るために展示されている場所を探してみる価値も十分にあるといえます。間違いなく今イチオシな1台です。