Alcatel SHINE LITEをレビュー!低価格・良デザインとともに自然に楽しめるセルフィーが魅力的

2014年より、日本のSIMフリー市場にスマートフォンを提供してきたTCLコミュニケーション。現在日本国内で主力商品として展開されているのは、フランス生まれ「Alcatel(アルカテル)」ブランドの製品たち。

2015年はONETOUCH IDOL3、2016年にはIDOL 4といったフラグシップモデルを投入してきましたが、これとはまた別のコンセプトをもった機種として2016年末に発売されたのが「SHINE LITE」です。

SHINE LITEの魅力は「低価格なのにスタイリッシュなエントリーモデル」であること。価格は21,800円(税抜)と確かに手頃。その一方で、ガラスと金属を組み合わせた高級感をうたう仕上げになっています。

今回はこのSHINE LITEについて、外観デザイン、ソフトウェアや特徴となる機能、カメラなどを紹介。実際に使用してみて「扱いやすさは人によって大きく分かれそう」と感じたので、そう感じるに至ったポイントを漏らさずチェックしてみてください。

デザインのよさと手に残る質感が印象的な外装

TCLコミュニケーションが掲げるSHINE LITEの大きな魅力といえば、低価格なのにスタイリッシュとするデザイン。本体カラーはサテンゴールド、プライムブラック、ピュアホワイトの3色展開です。

約2万円で購入できる同機種ですが、外装には金属、そしてフロントパネル・リアパネル両面には旭硝子製の強化ガラス「Dragontrailガラス」が使われています。

SHINE LITE(本体カラー:ピュアホワイト)
SHINE LITE(本体カラー:ピュアホワイト)
ナビゲーションキーはタッチ式のものをディスプレイ枠外に搭載
ナビゲーションキーはタッチ式のものをディスプレイ枠外に搭載
側面(上):3.5mmイヤホンジャックとサブマイクを配置
側面(上):3.5mmイヤホンジャックとサブマイクを配置
側面(右):上から電源キー、音量キーが並ぶ
側面(右):上から電源キー、音量キーが並ぶ
側面(下):左から順にマイク、Micro USB端子、スピーカー
側面(下):左から順にマイク、Micro USB端子、スピーカー
側面(左):SIMカード・SDカードスロットはこちらに
側面(左):SIMカード・SDカードスロットはこちらに
2つある片側のスロットはSIMカードとSDカード兼用の設計
2つある片側のスロットはSIMカードとSDカード兼用の設計
2枚のSIMカードを同時にさせるが4G+3Gの同時待ち受けには非対応
2枚のSIMカードを同時にさせるが4G+3Gの同時待ち受けには非対応
ROM容量が16GBと大きくないので、SDカードを使うのが現実的かも
ROM容量が16GBと大きくないので、SDカードを使うのが現実的かも
背面も白色を基調としたデザイン
背面も白色を基調としたデザイン
撥油(指紋付着防止)コーティングが施されたガラスはツヤ感が強め
撥油(指紋付着防止)コーティングが施されたガラスはツヤ感が強め
正面と側面、側面と背面のつなぎはダイヤモンドカット加工が施されている
正面と側面、側面と背面のつなぎはダイヤモンドカット加工が施されている

ディスプレイサイズは5.0インチと、現行のスマートフォンの中では手頃。ただし手に持ってみると質感は予想以上にしっかりとしています。少なくとも、軽さゆえのチープ感はありませんね。

持ちやすさが感じられる適度なサイズ感
持ちやすさが感じられる適度なサイズ感
サイズ以上にしっかりとした質感(重さ)がある
サイズ以上にしっかりとした質感(重さ)がある

またデザインで嬉しいポイントのひとつとして、背面左上に設けられたメインカメラは出っ張りがありません

カメラ箇所も平らなつくり
カメラ箇所も平らなつくり

しっかりとした素材が用いられているという点も含め、見た目と手に取ったときの印象はなかなかのもの。サイズからの先入観により、想定以上に重さを感じてしまう可能性はありますが、約2万円という価格も踏まえればデザイン面はかなり魅力が感じられるはずです。

スペック情報をおさらい

続いてソフトウェアなどをチェックする前に、改めてSHINE LITEのスペック情報を整理・確認しておきましょう。

サイズ 高さ:141.5mm
幅: 71.2mm
奥行き:7.45mm
重さ 156g
OS Android 6.0 Marshmallow
CPU MediaTek MT6737 クアッドコア(1.3GHz x 4)
メモリ 2GB
ストレージ 16GB
SDカード 対応(最大128GBまで)
バッテリー 2,460mAh
ディスプレイ 5.0インチ HD(1280×720)
メインカメラ 1,300万画素
サブカメラ 500万画素
通信方式 4G:B1/3/7/19/26
3G:B1/5/6/8/19
Wi-Fi IEEE802.11 b/g/n
Bluetooth Version 4.2
SIMカード Nano SIM x 2

※より詳しい内容はアルカテル公式サイトの製品ページにてご確認いただけます。

CPUは駆動周波数1.3GHのクアッドコア。ここに2GBのRAM16GBのROMという構成で、分類としてはエントリーモデルからミドルレンジモデルにあたります。

はじめにチェックした外装デザインのほか、ポイントといえそうなのは5.0インチディスプレイ搭載というコンパクトさでしょうか。一方でこのサイズながらも、重さは156gとかなりしっかりした数値になっています。

スペックで何か抜きん出たところがある、というよりは、デザインや機能面などをウリにしたスマホといえます。

ゲームをするにはやや物足りない?な処理能力とソフトウェア

OSにはAndroid 6.0 Marshmallowを出荷時より搭載しており、UIデザインについては、メーカー独自の個性といったものはとくに見られません。

アプリドロワー(アプリ一覧)にて確認できる、プリインストールアプリの数は42個。

SHINE LITE プリインストールアプリSHINE LITE プリインストールアプリ
SHINE LITE プリインストールアプリ
Androidの標準アプリ、Google標準アプリ意外にSNSアプリもいくつか初期搭載

ウイルス対策アプリや各種SNSアプリといったように、サードパーティー製のアプリもいくつか見つけることができます。ちなみにこれらは不要であれば、アンインストールすることは可能です。

メモリ(RAM)と内部ストレージ(ROM)については、メモリが初期状態で約1.1GB、内部ストレージが約10GBの空きスペースを有しています。

メモリ(RAM)は全体2GBに対して、空きが1.1GB
メモリ(RAM)は全体2GBに対して、空きが1.1GB
内部ストレージ(ROM)は全体16GBに対して、空きが10GBほど
内部ストレージ(ROM)は全体16GBに対して、空きが10GBほど

ストレージ容量はSDカードを使うことで別途拡張可能なので、使っているうちに容量不足を心配するケースが生じるのはメモリのほうでしょう。

ちなみにベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」を用いてスコアを測定したところ、こちらの点数は30,000前後と言う結果になりました。

ベンチマークアプリのスコアベンチマークアプリのスコア
点数はあくまでエントリーモデル~ミドルレンジモデル並み

ベンチマーク測定中のグラフィック処理を観察していると、ところどころフレーム落ちもあり、動作はガクガクとした印象。

またジャイロセンサー非搭載となるため、Pokemon GOではAR機能を使うことができません。

ポケモンGOのAR機能には非対応
ポケモンGOのAR機能には非対応

ARをオフにすればプレイこそできたものの、ステータス画面を表示した際のポケモンの動きもどこかカクつきが感じられる印象。

この画面でわずかに見れるポケモンの動きもどこかぎこちない
この画面でわずかに見れるポケモンの動きもどこかぎこちない

10分ほどプレイしてみると本体背面を中心に発熱も。ゲームをたくさん遊ぶのであれば別の機種を検討したほうがよさそうです。

ロック解除だけじゃないユニークな指紋認証センサー

価格帯を問わず、最近のスマートフォンの多くに搭載されているトレンド的な機能といえば指紋認証でしょう。SHINE LITEでも、背面上部に360度、どの向きからでも認証が行えるセンサーが搭載されています。

背面に搭載された指紋認証センサー
背面に搭載された指紋認証センサー

指紋の登録はシンプルで、数回指を押し当てるだけでOK。登録できる指の数は最大5つまでです。

指紋の登録方法はいたってシンプルかつ簡単
指紋の登録方法はいたってシンプルかつ簡単

実際に使ってみると、ハイエンドモデルに比べれば【センサーにタッチ→認証→ロック解除】という流れは気持ち程度ゆっくりな印象。ただ認証時の周囲の明るさ、指を伸ばす向きなどは問わないため、環境を問わずしっかりと使える設計にはなっています。

またSHINE LITEでは、ロック解除時、特定の指でタッチした場合のみ、あらかじめ指定しておいたアプリをロック解除後すぐに起動できる「クイックアプリケーションアクセス」機能も搭載。

「クイックアプリケーションアクセス」機能
指紋認証の管理画面から設定する「クイックアプリケーションアクセス」機能
各指ごとに呼び出す機能・アプリを割り当てられる各指ごとに呼び出す機能・アプリを割り当てられる
各指ごとに呼び出す機能・アプリを割り当てられる

カメラなど、咄嗟のタイミングですばやく起動したい機能があれば、設定してみるとよいでしょう。

ただこの指紋認証センサーについては、使う人によって使いやすさがとくに大きくわかれる点であるとも感じました

まずひとつめに、本来であれば自然に人差し指が伸ばせるはずな背面配置について。

一般的には自然と指が伸ばしやすい配置ではあるのですが、SHINE LITEの場合は本体サイズが小さいため、手が大きい筆者だと「指を伸ばす」というより「指を曲げてあてる」という感覚が強く残りました。

手が大きいことで、逆に使いづらさを感じることも
手が大きいことで、逆に使いづらさを感じることも

本体サイズが小さい分、センサー位置が近くなったことが原因といえます。個人差が大きく反映される点なので、このあたりは購入前にできるかぎり、実物に触れて、自分の手のサイズでどう感じるか確認してみてほしいところ

またふたつめですが、先に触れたクイックアプリケーションアクセス機能で割り当てられるアプリの数は、実質1つといってもよいかもしれません。

そもそもセンサーの配置として、自然に指が伸ばせるのは両手の人差し指。あわせて2本。その他の指を自然にセンサーにあてるためには、かなり慣れが必要だと思います。

加えて、センサーに機能を割り当ててしまうと、ロック解除とあわせて必ずその機能が起動されてしまうという点がミソ。つまり、ロック解除だけという「機能の割当ナシ」の指をひとつ残すことを考えれば、自然に使えることも踏まえて機能を割り当てられる指は1つとなるわけです。

「クイックアプリケーションアクセス」という機能単体は、便利さがイメージできるものであるものの、実際に使用してみると使いづらさが目立ってしまう。そういった意味では、惜しいですが、指紋認証センサーはロック解除のみを目的として使うほうが無難といえるかもしれません。

セルフィーを自然に楽しみたい人に推すカメラ

SHINE LITEでは1,300万画素のメインカメラ、そして500万画素のサブカメラ(セルフィーカメラ)を搭載。サブカメラ側にもLEDフラッシュライトを搭載することで、暗い場所でもよりカメラが楽しめる設計になっています。

カメラのUIデザインは非常にシンプルで、搭載されている撮影モードも標準モード、パノラマ、スプリットキャプチャー、および動画とあっさり。

シンプルデザインなカメラUI
シンプルデザインなカメラUI

ここからは実際の撮影例を見ていきましょう。それぞれ、とくに説明がない限り、撮影は標準モードで行なっています。また加工はリサイズのみです。

夕方前の仙台駅前をHDRオフで撮影
夕方前の仙台駅前をHDRオフで撮影
同じ状態でHDRをオンに
同じ状態でHDRをオンに。白飛びが減り、全体的にまとまった印象に
日中に逆光の状態からHDRオフでビルを撮影
日中に逆光の状態からHDRオフでビルを撮影
HDRをオンにするとしっかり機能していることがわかる
HDRをオンにするとしっかり機能していることがわかる
仙台駅前の街路樹
仙台駅前の街路樹
赤枠の箇所をリサイズせずに切り出してみる
赤枠の箇所をリサイズせずに切り出してみる
さすがに細部まできれいに、とはいかなかった
さすがに細部まできれいに、とはいかなかった
夜の時間にHDRオフで撮影
夜の時間にHDRオフで撮影。これはこれで雰囲気はあるものの暗い
HDRをオンにして再度撮影
HDRをオンにして再度撮影。建物のディテールがはっきりした一方でノイズが目立つ
露出のマニュアル調整は不可ピントを合わせる場所で明るさを整える
露出のマニュアル調整は不可なので、ピントを合わせる場所で明るさを整える
食べ物を撮影しても寒暖色のクセはなく、無難にとれる印象だった
食べ物を撮影しても寒暖色のクセはなく、無難にとれる印象だった

約2万円前後のスマホに搭載されているカメラとしてみると、性能は十分に及第点といえる感じを受けます

撮影モードが少ないことで、扱い方は必然的にシンプルに。加えてHDRなど、わずかに用意された撮影モードはここがしっかりと効果を発揮してくれます。変な偏りなど、独特なクセが無い点も魅力といえるでしょう。

使っていて気になった点といえば、撮影画面にグリッド線を表示できないことと、両手で構えた際にカメラレンズに指がかぶってしまいがちであることくらい。

撮影時、画面端に自然と指で影ができてしまうことが多かった
撮影時、画面端に自然と指で影ができてしまうことが多かった

この2点については、使い込んで慣れていけば、あまり気にはならなくなってくるポイントかと思います。

またメーカー側で特徴とうたうカメラ機能のひとつがスプリットキャプチャー。画面を分割し、それぞれの枠に別の写真をあてこんだコラージュ写真をつくることができる撮影モードです。

分割デザインは複数から選べ、枠に振られた番号順に写真を撮影していく
分割デザインは複数から選べ、枠に振られた番号順に写真を撮影していく
撮影後の加工などもギャラリーアプリから行える
撮影後の加工などもギャラリーアプリから行える

機能自体はサードパーティー製のアプリを追加インストールすることで補える内容ですが、標準カメラアプリからシンプルに加工を楽しみたい、といった場合に効果を発揮してくれることでしょう。

そして最後はサブカメラ。有効画素数は500万画素と決して高くありませんが、SHINE LITEのカメラにおいてより魅力的なのは正直このサブカメラだと思います

セルフィーに用いるサブカメラは、LEDフラッシュを搭載するとともに顔認証機能付き。自動できちんとピントを合わせてくれます。

顔認証付きでピント位置がわかりやすい
顔認証付きでピント位置がわかりやすい

またこちらには、いわゆる“美顔”に撮れる調整機能も搭載。以下は実際に調整なし(レベルゼロ)およびレベルMAXで撮影してみたもの。

調整なし。これはこれで無難に撮れている
調整なし。これはこれで無難に撮れている
マックスビューティー!肌のキメがしっかり整えられるものの、やり過ぎ感がない
マックスビューティー!肌のキメがしっかり整えられるものの、やり過ぎ感がない

2枚を比べてみると、髭の剃り跡や細かいシワが消えていることがまずわかりますね。その上で印象的だったのは、調整レベルを最大にしてみてもやり過ぎ感がない自然な写真が撮れるということ。

こういった美顔に撮れるモードを搭載する機種は最近よく見かけるものの、そのほとんどは加工として「肌のキメの調整する」「輪郭をスリムにする」「目を大きくする」の3つが組み合わされています。

一方でSHINE LITEの場合、3つのうち「目の大きさ」だけはそれほど変化を感じません。あくまで男性目線ですが、写真としてより違和感なく、自然に仕上がるカメラだと感じました。

ちなみにピースサインばかりしている筆者ですが、これにも実は意味があります。フロントカメラについては「ジェスチャーショット」なる機能も搭載されており、カメラに向かってピースをすることで簡単にシャッターを切ることが可能です

何より簡単にセルフィーが撮れる点は便利
何より簡単にセルフィーが撮れる点は便利

顔認証のわかりやすさ、適度な加工にジェスチャーショットでらくらく撮影。フロントカメラの使いやすさはかなり良い線をいっていると思います。

メインカメラ、サブカメラを含めたカメラ機能全体で見れば、この価格帯においてはかなり上位。扱いやすく、この機能押しで推めることもできるポイントといえるでしょうね。

評価まとめ

サイズ感、デザイン、処理能力、指紋認証、カメラと、それぞれに良い点・惜しい点がハッキリ感じられるSHINE LITE。機能面に求めることは最低限のライトな内容、でもただ安価でデザイン性の低いスマホでは満足できない。そんな人に検討してみてほしい1台です

個人的には合う合わないが、とくにわかれやすい機種だと思いますので、購入前に実物に触れて試す機会はぜひ確保してみてくださいね。

この記事の編集者

モバレコ編集者:シーモ

モバレコ編集者:シーモ

格安SIM・スマホジャンルを3年以上担当。
モバレコ編集部に着任後、ドコモ→ahamo→mineoに乗り換えるなどフットワークが自慢。
実際に選ぶ・乗り換える経験で得た目線を大事にしています。
良い所はもちろん悪い面もわかる、読んでいて納得感のある記事作りを心がけています。
推しはmineoとIIJmio。

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

まきはら とよかず

まきはら とよかず

スマホをはじめとする「ガジェット」に関心があるフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品。個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。

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