【通信快適さ研究プロジェクト】Web閲覧通信の快適さを評価する仕組みについて

書いた人: モバレコ編集部

カテゴリ: レポート, 格安SIM

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【通信快適さ研究プロジェクト】Web閲覧通信の快適さを評価する仕組みについて

昨年からモバレコは、格安SIMの実利用に近いテスト方法で通信品質を評価する「通信の快適さ研究プロジェクト」を行っています。この研究プロジェクトの調査結果は、主要MVNO10社を対象とした「通信快適さランキング」で快適さのランキングを毎週月曜日に公開しています。

MVNO10社を比較したランキングページはこちら

このランキングを作るために各MVNOの通信品質を評価する項目は下記の7つです。

  1. DNS応答速度
  2. HTTP応答速度
  3. HTTPダウンロード実効速度(Web閲覧)
  4. HTTPアップロード実効速度(Web閲覧)
  5. HTTPダウンロード実効速度(メディアファイル転送)
  6. HTTPアップロード実効速度(メディアファイル転送)
  7. 動画再生
  8. 上記7項目の安定性

前回の記事では、動画再生通信のテスト方法と評価基準について解説しましたが、今回の記事では「実効速度」のテストと評価方法について解説していきます。

実効速度を評価するために実際のスマホ利用の通信を模した専用システムを開発

一般的なスピードテストは、専用のサーバーとスマホの間でファイルを転送させて、その時間を計測することで通信速度を計算しています。

モバレコは、一般的なスピードテストの仕組みで表される通信速度で通信会社の優劣をつけるのではなく、スマホを利用するときにおける通信の快適さを計測して優劣をつけたいという思いがあります。そこで、実際にスマホを利用しているときの通信を定期的に計測する専用システムを開発して、通信の実効速度を評価する仕組みを用意しました。

計測するMVNO分のスマホを用意して自動的にテストを行うシステムを用意
計測するMVNO分のスマホを用意して自動的にテストを行うシステムを用意

※ 評価するにあたり、いろいろな要因が影響してテスト結果にブレが生じる可能性があるのでブレを抑えるためにいくつか工夫を行っています。

テスト結果のブレを抑えるための取り組みについてはこちら

実効速度は「Web閲覧」「メディアファイル転送」の2種類に分けて評価しています。それぞれについて詳しく解説していきます。

「Web閲覧の実効速度」のはかり方

Web閲覧の実効速度はその名の通り、Google Chrome や Safari などのブラウザを利用して Web サイトを閲覧するときの通信を模したテストをもちいて計測しています。

Web閲覧の実効速度計測

具体的には、訪問者数の多い国内の Web サイトをピックアップして、トップページの読み込みにかかる時間を計測しています。
HTML(テキスト)ファイルだけでなく、内部で利用されている画像ファイル等も読み込み対象としているので、ファイルサイズが小さい複数のフォーマットのファイルが多く転送するテストとなっています。

Web閲覧の実効速度計測

なお、対象となる Web サイトとテスト対象ファイルは、毎日自動的に更新されるようにシステム化しています。実サイトということもあり、対象のサイトに対しては一般の Web ページ閲覧における通信を逸脱して過負荷を生じさせるようなアクセスが発生しないように最大限配慮を行っています。

上記のような方法でテストを行うことで、「Web サイトを閲覧するときの通信が快適に行われるかどうか」をMVNOごとに評価しています。

「メディアファイル転送の実効速度」のはかり方

「Web閲覧の実効速度」はその名の通りWebサイト閲覧における通信速度の評価をするものですが、「メディアファイル転送の実効速度」は画像や音声ファイルなど、比較的サイズの大きなファイルを転送するときの通信速度を評価しています。

メディアファイル転送の実効速度計測
画像や音声ファイルなどのメディアファイル転送に絞った評価も行っている

メディアファイル転送の実効速度における計測方法は、専用のサーバーとスマホの間で容量の大きいファイルを転送させて、その時間を計測するという一般的なスピードテストと同じ手法をベースとしました。

しかしこの手法をもちいる場合、評価される通信は「専用サーバーとスマホの間だけの通信」になってしまいます。しかしモバレコではもう一歩踏み込んで、実サイトとスマホ間の通信品質を評価したいと考えました。そこで、先に紹介した「Web閲覧実効速度」の計測結果のうち、メディアファイルをもちいたテストを抽出し、この転送速度も評価に加えることとしました。

メディアファイル転送の実効速度計測

モバレコでは、「通信の快適さ」という実体験を評価することを目標としているので、Web閲覧とメディアファイル転送の両方を組み合わせて MVNO の回線品質を測りたいと考えています。

実サイトのメディアファイルを対象としたテスト結果と、専用サーバーのメディアファイルを対象としたテスト結果を組み合わせることで、少しでも実体験に近い計測になるよう工夫しています。

実効速度の評価方法について

前記のような実効速度を計測するテストを週に160回以上行っています。
テスト結果をグラフ化したものが下図になります。

モバレコ快適さ計測 テスト結果のグラフ化

横軸が速度で、縦軸が速度に該当するテスト結果数です。
例えば上のグラフで説明すると、約8Mbpsのテスト結果が65件程度計測できたことが表れています。

グラフをよく見ると下図の赤線で囲っている部分のように「山」ができているのがわかると思います。

モバレコ快適さ計測 テスト結果のグラフ化

この山が意味するのは「このMVNOでよく計測される速度」ということになります。ですので、高い山がグラフの右の方にあれば、多くのタイミングで速く通信できるMVNOということになります。

逆に、下図のように山がバラけているグラフのMVNOはあまり通信が安定しておらず、利用するタイミング・時間によっては速かったり遅かったりするということになります。

モバレコ快適さ計測 テスト結果のグラフ化

このとき、平均値で点数付けを行ってしまうと、極端に速いテスト結果が出た場合に、評価がブレてしまうことになりますので、モバレコでは最頻値(もっとも多く出たテスト結果)をベースに点数付けを行っています。

最頻値や平均値をもちいた評価方法についての説明は本記事では割愛しますが、興味のある方はこちらの記事をご覧になってみてください。

中心的な傾向を捉える(平均値、中央値、最頻度)

まとめ

通信の快適さを評価するときに、専用サーバーをもちいたテストを数回するだけでは実利用における評価とズレが生じると考えています。
そのため、モバレコでは通信の仕組みに基づいて、可能な限り実体験に近しいテスト方法を取り入れて多くのテストを行い、信憑性の高いランキングを公開するよう取り組んでいます。

以前から総務省が大手3キャリアに実効速度(利用者が実際に利用できる通信速度)の開示を求める動きを行っていましたが、2017年にはMVNO事業者にもその動きを行うという発表がありました。

格安スマホ 競争透明に 総務省要請、通信速度開示へ 大手と比べやすく :日本経済新聞

モバレコは「通信キャリアではない第3者の立場」として、通信の快適さ研究プロジェクトを通じて、各キャリアの通信品質の研究とランキングによる情報開示を行っていきます。

モバレコでは、スマホと格安SIMがお得になる・役に立つ記事を平日12:00に配信中です。

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ごきげんよう!モバレコ編集部です。みなさん鍋の準備はいいですか? ついにiPhone Xが発売されましたね。Androidの方も冬春モデルとしての発表数がまだ少ないので、この後追加で色々と発表されるのではと予想しております! モバレコ編集部にも新人が追加されるんですよ。スマホも編集部員も新しいメンバー追加ってワクワクしますね! そんなこんなで11月もよろしくモバァ!