MOTOROLA Moto Zのレビュー
- カラー
- 発売日
- 2016年10月
背面にマグネットで固定できる拡張モジュール「Moto Mods」を使って、さまざまな機能を追加できる高機能なフラッグシップモデルです。
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画面サイズ
5.5インチ- 画面サイズ
- スマホの画面(ディスプレイ)のサイズです。 画面サイズが小さいと持ちやすく、 画面サイズが大きいと、大きな画面でお楽しみいただけます。
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メインカメラ画素数
1300万画素- メインカメラ画素数
- 端末背面にある、画面を見ながら撮影できるカメラです。
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バッテリー容量
2600mAh- バッテリー容量
- 数値が多ければ多いほどバッテリーの容量が大きくなり、長時間の利用が可能になります。
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端末サイズ
155mm× 75.3mm× 5.19mm- 端末サイズ
- 機種全体の大きさになります。
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防滴・防水・防塵
非対応- 防滴・防水・防塵
- 防水対応は、水の中に一定の深さと時間沈めても安心して利用できます。 防滴対応は、水がかかる程度なら利用ですが、基準は機種ごとにより異なります。
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電子決済
非対応- 電子決済
- 携帯電話に埋め込まれたICチップにより電子決済ができる機能です。
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端末のみの最安料金
Moto Z【日本正規代理店品】 64GB SIMフリー / 分割1回
端末価格 32,659 円(税込)

2016年10月中旬から発売された、Lenovo傘下Motorola Mobility(以下、Motorola)の最新ハイエンドモデルのSIMフリースマホ「Moto Z」。機種自体のスペックの高さはもちろん、シリーズ専用アクセサリーとして開発されたMoto Mods(モト・モッズ)の存在も大きな話題になりました。
Moto Zの厚さ5.19mmの薄型ボディ設計が特徴。そこに専用アクセサリー「Moto Mods」を装着することでさまざまな機能拡張を楽しむことができます。
フロントパネルはほぼブラック1色となっており、スピーカーや指紋認証センサーの縁にアクセントとしてシルバーが用いられています。ディスプレイの下にはタッチ式の指紋認証センサーを搭載。
本体側面(フレーム)素材は金属。DSDS対応のSIMカード/SDカードスロットが配置されていますが、片側のスロットはmicroSDカードとの排他設計です。アンテナラインなどもシンプルに処理されており、音量ボタンと電源ボタンは表面の形状を変えることで触った感触だけで認識することができます。
3.5mmイヤホンジャックを廃止したことで実現した“薄さ”が特徴的。個性のあるデザインに仕上がっていることは大きな魅力といえるでしょう。
リアパネルは、ひょっこりと飛び出したメインカメラがかなり目立つ印象。ここにはレーザーAF対応カメラとフラッシュ用のLEDライトが組み込まれています。下部にはMoto Mods装着時に機能する接続端子が配置されています。
また、Moto Zにはパッケージ同梱物の中に木製素材を用いたMoto Mods「Moto Style Shell」が含まれます。Moto Modsの装着はマグネット式で、Moto Mods側の4箇所に内蔵されたマグネットがMoto Z本体に張り付く仕様です。
Moto Style Shellを装着してみたところ、冷たい金属感が和らぎ、手にも優しくなじむ印象を受けました。また、装着することでメインカメラの突起も感じなくなります。
スリムボディに詰め込まれたスペックと特徴をおさらい
OS | Android 6.0.1 Marshmallow(Android™ 8.0 Oreoにアップデート可能) |
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プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 820 クアッドコア |
メモリ(RAM) | 4GB |
ストレージ(ROM) | 32GB/64GB |
外部ストレージ | microSDカード対応(最大2TB) |
寸法 | 高さ:153.3 mm 幅:75.3 mm 厚さ:5.19 mm |
重量 | 136 g |
ディスプレイ | 5.5インチ Quad HD(2560x1440 AMOLEDディスプレイ |
バッテリー | 2,600 mAh |
ネットワーク | 4G LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20/25/28/38/40/41 UMTS/HSPA+:850/900/1700/1900/2100 MHz GSM/GPRS/EDGE:850/900/1800/1900 MHz |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz + 5GHz)、MIMO |
Bluetooth | Version 4.1 LE |
SIMカード | Nano SIM x 2 |
カメラ | メイン:1,300万画素 サブ:500万画素 |
その他 | ナノコーティングによる撥水仕様 |
プロセッサにはQualcomm社のハイエンド向けモデル「Snapdragon 820」を採用。Quad HD(2K)解像度の有機ELディスプレイを搭載しています。
最大の特徴であるシリーズ専用アクセサリー「Moto Mods」による機能拡張をよりスマートに実現するため、厚さ5.19mmのボディ設計に。本体に設けられた外部入出力端子はUSB Type-C端子のみで、イヤホンジャックは排除されています。
シンプル高性能なソフトウェアはDSDSもサポート
Motorola製スマートフォンのソフトウェア面での魅力といえば、ピュアAndroid搭載のシンプル設計。ソフトウェアアップデートもかなり早いタイミングで適用されるようになっています。


またソフトウェアがシンプルということで、初期状態でのメモリ(RAM)や内蔵ストレージ(ROM)の空き容量が大きいこともポイントです。


処理性能の目安として、ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」でスコアを測定してみました。ベンチマーク測定中に再生される映像を確認すると、3Dグラフィックの処理はかなり滑らかな印象でした。


Moto Zの指紋認証は、最大5つの指(指紋)を登録可能。指紋認証センサーは全方位からのアクセスに対応しており、認証速度もスピーディー。また、センサーは「タッチでスリープ解除(指紋認証)」、「ロングタッチでディスプレイ消灯」といった機能もサポート。ホームキーや戻るキーなどのナビゲーションキーはオンスクリーンキーになっています。
その他気になったポイントを2つ。ひとつめは指紋認証センサーの認証精度。

Moto ZではG+3Gの同時待ち受けDSDS/デュアルシム・デュアルスタンバイ)に対応。実際にドコモのSIMで通信、着信はソフトバンクで受けるといった形で試してみました。

カメラは及第点ながら気になる部分も


Motorola純正のカメラアプリがインストールされています。左の写真で説明すると、卵の黄身部分に重なっているサークルを動かしてピントを合わせ、縁の明かりマークを動かすと露出(照度)も調整できます。
カメラの設定内には【シャッター音】の項目を見つけることができたものの、こちらはスイッチをオフにしても撮影音が鳴ってしまいました。
ここからは作例をいくつか紹介していきます。写真はクリック or タップで大きなサイズで見られます。
ここからは撮影例をいくつか紹介していきます。
景色を撮影してみたところ、HDRオフとオンではっきり違いが現れており、撮影時の待ち時間(固定時間)もさほど感じませんでした。料理の写真では汁のツヤ感が記録できており、色味も美味しそうです。
しかし、使ってみて少し気になったのがフォーカス(ピント合わせ)精度。フォーカス速度とは別に、昼間の屋外での撮影においてもフォーカスがなかなか合わないケースが何度かありました。
Quick Capture機能(本体を手に持ち2回捻るアクションでカメラを起動できる機能)を利用すればスピーディーにカメラを起動できますが、フォーカス→撮影といったその後の流れを考えると、とっさのシャッターチャンスまで確実にものにできるかは少し不安を感じました。
シリーズ最大の特徴「Moto Mods」を試す

専用アクセサリー「Moto Mods」による機能拡張のうち、「ハッセルブラッド トゥルーズーム」と「JBLサウンドブースト・スピーカー」の2つを試してみました。

1つ目は、スウェーデンのカメラメーカー・ハッセルブラッド社とのコラボで開発された「トゥルーズーム」。Moto Zシリーズに装着すれば、光学10倍ズームに対応できることが最大の魅力です。



実際に装着してみたところ、ややサイズは大きいものの、見た目はまさにコンパクトデジタルカメラへと変貌しました。装着面(裏面)を確認してみると、Moto Zのメインカメラはカバーで塞がれています。
端子で接続が確認されると、スマホ側からカメラアプリを起動した場合を含め、トゥルーズーム側のカメラが立ち上がる仕組みです。



トゥルーズームは光学10倍ズームに対応していますが、デジタルズームも利用可能。光学ズームのみに比べれば画質は落ちますが、それでも組み合わせることで最大40倍のズームに対応します。

まずはズームの性能がどの程度のものかを確認するため、ズーム(1倍)とズーム(最大)をトゥルーカメラとMoto Z内蔵メインカメラで撮り比べてみました。
画角やズームの倍率は異なりますが、ズーム使用時の写真を見比べてみれば差は歴然。カメラを外付けしているとはいえ、スマートフォンでここまで精細にズームできる点は大きな魅力に感じてもらえると思います。
メインカメラでは気になったフォーカス精度も良好なので、筆者としては近距離撮影やHDRが必要な場面でなければトゥルーズームの使用がオススメです。
以下に、作例もご紹介します。
スマートフォンのカメラで10倍ズームをキレイに撮れる点は、まさに新境地。倍率変更時の動作も違和感がなく、コンパクトデジタルカメラと同じような感覚で使用できました。
一方で、料理の撮影など被写体に接近しての撮影が好ましい状況においては、素直にトゥルーズームではなく内蔵カメラ(メインカメラ)を使用したほうが賢明でしょう。
マグネット式なので、着脱も簡単。場面に応じて「取り外す」「装着する」といった使い分けがオススメです。


トゥルーズーム側にはバッテリーが内蔵されていないので、トゥルーズームの電源をオフにしてから取り外さないと、レンズが飛び出たままになってしまうので要注意です。
また、カメラグリップで片手持ちをしたい際、親指に指紋認証センサーが当たってしまい誤動作するケースが何度かありました。さらに、グリップ自体もがっしりと持てるものではなく、手のサイズが大きい筆者でも片手持ちは怖いなと感じてしまいました。

2つ目は、アメリカ・ハーマンカードン社の音響ブランドJBLとコラボした「サウンドブースト・スピーカー」。
最近はBluetoothでワイヤレス接続するタイプが多くなっていますが、こちらはMoto Zシリーズの背面端子で接続することにより、ペアリング不要で高音質の音楽を楽しむことが可能です。。デザインはスピーカー内蔵ということもあり、かなり厚め。





サウンドブースト・スピーカーは個別にバッテリーを搭載しており、装着面(裏面)側の端子から充電が可能。



試しにYoutubeなどでいくつか動画を再生してみると、未装着時と装着時の音質の差は歴然。単に音が大きく鳴るだけでなく、臨場感や迫力といった点でも違いを感じ取ることができます。


大型かつ高精細(5.5インチ/2K解像度)なディスプレイを搭載していることもあり、動画視聴はかなり快適。動画視聴時にスピーカーが反対方向を向いてしまう点のみ気になったものの、相性はとても良かったです。音楽を聴くだけであれば、スピーカー面を手前側に向けるといいでしょう。
また、装着時に厚みがでることも加えると、個別に相性の良さを感じたのが「ゲーム」。処理性能が高いので動作的なストレスもなく、音の迫力が加わることでさらにゲームを楽しめる環境ができあがります。

重量の増加はあるものの、本体の厚さがぐっと増えることで、両手での持ちやすさが大きく向上します。外出先での利用は難しいかもしれませんが、自宅でスマホゲームを楽しむ人にとってはオススメな使い方です。
まとめ:デザインと性能を兼ね備えたハイエンド。今後の展開にも期待
高級感のある素材選択とデザインに文句のない処理性能を兼ね備えたMoto Zは、単体としても非常に完成度は高い印象を受けました。機能面ではややシンプルすぎる面もありますが、そこはむしろMoto Modsによる機能拡張のための伸びシロと捉えるべきでしょう。
ストレスなく動作するという前提を確保したうえで、使う人の要望に併せて機能が選択できる「楽しさ」は、これまでのスマホとは異なった魅力を抱かせてくれます。
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