「AQUOS zero」 レビュー! シリーズ初のSHARP製有機ELを搭載した世界最軽量モデル

2018-19年 冬春モデルとして発売されたスマートフォンのなかで、最も大きなインパクトを与えたモデルの1つが2018年12月21日にソフトバンクから発売されたSHARP製の「AQUOS zero」。

SHARP製のハイエンドモデルといえば、「Reality(リアリティのある映像)」「Response(高速なレスポンス)」「Reliability(2年間のアップデートを保証する信頼性)」「Robotics(エモパーなどの人工知能)」の4つのRを意味する「AQUOS R」シリーズがおなじみですが、「AQUOS zero」はAQUOS Rと異なるコンセプトを持つ新しいスマートフォンです。

その最大の特徴は圧倒的な軽さを誇るボディとAQUOSスマホとして初の有機ELディスプレイを搭載していること。放熱性にも優れ、ゲームや動画視聴も快適に楽しめる「AQUOS zero」を本記事では徹底レビューしていきます。

SHARP
AQUOS zero

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AQUOS zeroの外観・デザイン

  • AQUOS zeroの外観・デザイン
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「AQUOS zero」のボディは、ディスプレイとバックの両面にラウンド形状を採用。真上から見ると楕円形の形をした、持ちやすくて操作しやすいラウンドフォルムが特徴です。

AQUOSシリーズ初となる有機ELディスプレイは、画面占有率を高める“ノッチ”付き。ディスプレイを囲うベゼルは狭小サイズなので、没入感や迫力のある映像が楽しめます。ディスプレイは中央からエッジに向かうにつれてゆるやかにカーブする独自フォルムになっており、スクロール操作時の指の動きがフィットしてなめらかな操作を実現しています。

バックパネルには、熱伝導率が低くく軽量性に優れたアラミド繊維を採用。多くのスマホで使用されているガラスやアルミの代わりにアラミド繊維を用いることが、本機の146gという圧倒的な軽量の実現に大きく貢献しています。

また、サラサラとしたアラミド繊維のマットな質感とラウンドフォルムの相乗効果でホールド性も抜群。非光沢なので指紋は目立ちませんが、手の脂が若干目立つのは少々気になるところです。

背面の中央には、シングルレンズのカメラと指紋認証センサーを配置。背面に指紋認証があると机に置いたまま画面ロックを解除できないといった不便な点もありますが、AQUOS zeroは簡易的な顔認証を搭載することで利便性を補っています。

側面のフレームに採用されたマグネシウム合金も軽量ボディの秘密の1つ。抜群の軽さに加えて、高い強度と剛性をもたらしています。また、フレームの真ん中に凹みを設ける独自形状も大きなポイント。スマートフォンを机に置いているときは指がかかって持ちやすく、ゲーム・動画視聴時や片手操作時もしっかりとホールドすることができました。

ボトムにはスピーカーと急速充電規格のUSB PowerDeliveryに対応したUSB Type-C端子を搭載。トップにはSIMスロットを配置しています。

なお、カラーバリエーションはアドバンスドブラックのみの1色展開です。

AQUOS zeroのスペック性能・パフォーマンス

AQUOS zeroのスペック情報(参照:製品ページ
OS Android9 Pie
サイズ 高さ:約154mm
幅:約73mm
厚さ:約8.8mm
重さ 約146g
ディスプレイ 約6.2インチ
WQHD+(1,440×2,992ピクセル)
有機EL
プロセッサ Snapdragon 845
2.6GHz x 4 + 1.7GHz x 4
オクタコア
メモリ 6GB
ストレージ 128GB
microSD 非対応
メインカメラ 約2,260万画素
f/1.9
フロントカメラ 約800万画素
f/2.2
バッテリー 3,130mAh
充電 USB Type-C
SIM スロット数:1
スロット:nanoSIM
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.0
VoLTE
HD+対応
防水、防じん IP68
おサイフケータイ
ワンセグ/フルセグ × / ×
生体認証 指紋認証 / 顔認証
カラー アドバンスドブラック

多数のフラグシップモデルで採用されているハイエンド向けSoC「Snapdragon 845」を搭載することで、AQUOS Rと比較して処理性能・描画性能ともに30%向上。性能を数値化するベンチマークスコアをAnTuTuで測定したところ、約26万点を記録しました。

また、AQUOS史上最大容量となる6GBのメモリ(RAM)、128GBのストレージ(ROM)を搭載。ストレージにコンパクトなサイズと低消費電力ながら高速な読み書き速度を誇る「UFS」を採用することで、アプリの起動やアプリ切り替え時のストレスは皆無。アプリのダウンロードや写真の読み書きも非常に高速です。

バッテリーは大容量の3,130mAh。ディスプレイの明るさを最大にしてYouTubeを連続視聴したところ、約7時間で電源がオフになりました。他のスマートフォンでも同様の検証を行っていますが、7時間の連続動画視聴は優秀な部類です。

長時間の電池持ちで動画視聴も快適
長時間の電池持ちで動画視聴も快適

セキュリティ面では、指紋認証と顔認証の2つの生体認証に対応しています。指紋認証の精度やスピード、アクセスのしやすさや使い勝手は従来モデルと変わりません。顔認証は3D認識技術を利用したものではありませんが、睡眠中などの目を閉じている時や写真などでは画面ロックを解除することができないなど、それなりの誤認識対策はされている印象です。

端末を持って画面を見るだけですばやくロックが解除できる
端末を持って画面を見るだけですばやくロックが解除できる

OSは、最新のAndroid 9 Pieを搭載。AQUOS Rシリーズと同様に発売日から2年間、最大2回のOSバージョンアップに対応しています。OSが最新版になったことで操作方法がボタン操作からジェスチャー操作に変更されており、使い方は大きく様変わりしています。慣れればボタン操作よりも快適ですが、従来のボタン操作に戻せないのは少し気になるところです。

大画面のスマートフォンではジェスチャー操作が便利
大画面のスマートフォンではジェスチャー操作が便利

なお、アプリの使用時間を管理したり、使用時間に応じてアプリを制限したり、画面をモノクロ表示にして電池持ちを長引かせるAndroid 9の主要機能の1つである「Digital Wellbeing」やAIによる次に起動するアプリの候補表示には対応していないようです。

AQUOS zeroの3つの特徴

これまでのAQUOSシリーズとは一線を画す独自のコンセプトを持った「AQUOS zero」。その特徴を3つの項目に分けて解説していきます。

特徴① SHARP製の国産有機ELディスプレイを搭載!

自社開発の国産有機ELディスプレイ
自社開発の国産有機ELディスプレイ

「AQUOS zero」には、AQUOSシリーズ初の有機ELディスプレイが搭載されています。素子が自発光することでバックライトが不要なため、ボディを薄型化できることが有機ELの大きな特徴。省電力性にも優れ、バッテリーが長持ちします。

肝心の画質においては、高精細によるキメの細かい画像と高いコントラストによるメリハリのある映像が楽しめ、液晶テレビAQUOSから継承したリッチカラーテクノロジーモバイルによって実物に近い映像表現が可能になっています。

実際に使ってみた印象としては、液晶ディスプレイや他の有機ELに比べて色が濃いように感じました。設定画面で画質モードを「ナチュラル」または「標準」に固定すると、より違和感のない自然な映像が楽しめるでしょう。

有機ELが映し出す映像をさらに上の次元に押し上げてくれるのが、HDR映像技術による鮮明な色彩で美しい映像体験が楽しめる「Dolby Vision」と映画館のような立体音が楽しめる「Dolby Atmos」。いずれも対応コンテンツが必要ですが、HDRに関しては非対応のコンテンツをHDR相当の画質にコンバートする「バーチャルHDR」に対応しているため、手軽に高画質映像を楽しむことができます。

特徴② アラミド繊維背面パネルとマグネシウム合金で“最軽量”を実現

世界最軽量を誇るアラミド繊維xマグネシム合金のボディ
世界最軽量を誇るアラミド繊維xマグネシム合金のボディ

圧倒的な軽さを誇るボディも「AQUOS zero」の大きな特徴の1つ。ボディにガラスを採用して高級感をもたせることが近年のスマホのトレンドになっていますが、「AQUOS zero」はアラミド繊維とマグネシウム合金を採用。“世界最軽量モンスター”のキャッチコピーにふさわしい、軽さと強度を実現しています。

実際にSHARP公式の発表によると、6インチ以上の画面・3,000mAh以上のバッテリー・防水対応のスマートフォンにおいて、「AQUOS zero」の約146gの軽量ボディは発売時点で世界最軽量を誇っています。

最近のスマートフォンは大画面化とガラスパネルの採用により、180〜200gほどの重さがあるのがスタンダード。そのため長時間使用すると腕が疲れるシーンもありましたが、「AQUOS zero」を最初に手に持った時の軽さは感動すら覚えるほど。ゲームや動画視聴時など、長時間に渡って手に持っていても腕が疲れることはありません

特徴③ 長時間のゲームも安心の放熱設計とパラレル充電

充電しながらゲームをしても快適
充電しながらゲームをしても快適

近年、スマートフォンの性能が高まるにつれ、高い処理能力を要求するゲームの需要も高まっています。通常のアプリよりも起動時間が長くなるゲームアプリにおいて発熱を抑えて高いパフォーマンスを長時間キープすることは非常に重要。これまでもSHARPのAQUOS Rシリーズでは、プロセッサ周辺など熱が集中しやすいエリアから端末全体に熱を逃がすことで高いパフォーマンスを維持するような工夫が施されてきました。

「AQUOS zero」では新たに充電しながらゲームをプレイしても発熱を抑えることができる「パラレル充電」を採用。従来のモデルでは1つだった充電ICを2つに分けて搭載することで熱を分散して発熱を抑えています。

実際に「PUBG MOBILE」や「NBA 2K」「シャドウバース」といった高負荷のゲームアプリをプレイしてみましたが、発熱によるパフォーマンス低下は皆無。指に触れないようにデザインされたマグネシウム合金のフレームや熱が伝わりにくいアラミド繊維のバックパネルの効果で熱が手に伝わるストレスもなく、あらゆる面でストレスなくゲームを楽しむことができました

youtube

また、高速なタップ操作が求められるゲームをプレイする際にうれしい「タッチチューニング」もスマホゲームを快適にしてくれる要素の1つ。自然な指の動きに合わせた独自のラウンドフォルムディスプレイと独自のタッチチューニング技術により、タッチ操作の認識ミスを起こりにくくなるように工夫されています。

実際にタッチチューニングの効果を検証したり、機能の有無による差を体感するのは難しいのですが、チューニングされていることによる安心感は感じられました。

AQUOS zeroのカメラ性能をチェック!!

AQUOS zeroのカメラはシングルレンズ仕様
AQUOS zeroのカメラはシングルレンズ仕様

デュアルレンズを搭載する「AQUOS R2」に対し、「AQUOS zero」のカメラはシングルレンズ仕様になっています。

AQUOS R2のデュアルカメラでは動画専用カメラと高画質標準カメラを搭載することによって、GoProのような超広角の映像が撮影できたり、動画を撮影しながらAIが自動でオススメの写真を記録・撮影することができました。一方で、「AQUOS zero」のシングルカメラは、非常にシンプルで扱いやすいスマートフォンらしいカメラになっています。

カメラ機能としては、AIが9つの被写体とシーンを自動で識別して設定を最適化する「AIオート」、薄暗い室内でも手ブレを抑えて撮影できる「光学式手ブレ補正」、被写体に近寄ってもピントが合う「マクロ撮影」などに対応。フロントカメラは美肌・小顔・色合い・明るさ・目の大きさの調整をファインダーで確認しながら自撮りできる「AQUOS beaty」に対応しています。

以下に、「AQUOS zero」のメインカメラで実際に撮影した写真を紹介します。作例のほとんどはAIオートで撮影したものです(画像はクリック or タップで大きなサイズで見られます)。

晴天時に撮影。空の青と雷門の赤が鮮やかに再現されている
晴天時に撮影。空の青と雷門の赤が鮮やかに再現されている
日差しが降り注ぐ高架下で撮影。白飛びがやや気になる
日差しが降り注ぐ高架下で撮影。白飛びがやや気になる
黒つぶれが起きやすい場所でHDR撮影
黒つぶれが起きやすい場所でHDR撮影
カレーを背景がぼかせるポートレートで撮影。人物以外の精度はいまひとつ?
カレーを背景がぼかせるポートレートで撮影。人物以外の精度はいまひとつ?
暗い屋内でポートレート撮影
暗い屋内でポートレート撮影
素早く動く金魚を撮影。HDRの合成加工のせいか被写体がボケている箇所も
素早く動く金魚を撮影。HDRの合成加工のせいか被写体がボケている箇所も
暗い水族館でも明るく撮影できる
暗い水族館でも明るく撮影できる
素早く動く水槽の魚も高速オートフォーカスで撮影可能に
素早く動く水槽の魚も高速オートフォーカスで撮影可能に
左上から標準、拡大率小、拡大率大で撮影したもの。デジタルズームのため、画質の劣化が起きてしまう左上から標準、拡大率小、拡大率大で撮影したもの。デジタルズームのため、画質の劣化が起きてしまう
左上から標準、拡大率小、拡大率大で撮影したもの。デジタルズームのため、画質の劣化が起きてしまう
左上から標準、拡大率小、拡大率大で撮影したもの。デジタルズームのため、画質の劣化が起きてしまう

「AQUOS zero」のカメラを実際に試してみたところ、明るい屋外はもちろん、水族館のような薄暗い場所でも明るくノイズや手ブレの少ない写真が撮影できました。SNSに投稿するなどの日常的な写真撮影であれば、これぐらいのカメラ性能でも十分でしょう。

ただし、食べ物などの人物以外の被写体でポートレート撮影を利用する場合は注意が必要です。輪郭と背景が混ざってしまったり、ズーム撮影時は画質が劣化しまうなど少々残念なところもありました。少し凝った撮影をしたい場合は、複数のレンズを搭載したスマートフォンを選んだ方が懸命かもしれません。

評価まとめ:AQUOS zeroの魅力は圧倒的な軽さ

唯一無二の「AQUOS zero」の軽さに魅力を感じる人は多いはず
唯一無二の「AQUOS zero」の軽さに魅力を感じる人は多いはず

「AQUOS zero」の最大の特徴は感動すら覚えるほどの軽さでしょう。最近のスマートフォンは重すぎて使いづらいと感じている人も多いはず。そんな人には必ず刺さる魅力的な1台です。

“世界最軽量モンスター”のキャッチコピーが示すように、単に軽いだけにとどまらずに性能の高さや優れた放熱性、長時間の電池持ちも大きな魅力になっています。長時間ゲームをプレイする人、長時間動画を視聴する人には間違いなくオススメできるスマートフォンです。

同じSHARP製のフラッグシップモデルということで「AQUOS R2」と比較したい人も多いと思いますので、最後に両者の特徴もおさらいしておきます。

持ちやすさと操作性に優れる独自のラウンドフォルムデザインや長時間の連続使用も快適な軽量さを優先するのであれば「AQUOS zero」を、超広角撮影が可能なデュアルカメラや音ゲーには欠かせないイヤホン端子、吸い付くような操作感が快適なIGZO液晶に魅力を感じるのであれば「AQUOS R2」を選ぶと良いでしょう。

お風呂でも利用できる防水・防じん性能やおサイフケータイ、最大2年間・2回のOSアップデートは両機種とも同じです。

★AQUOS zeroはこんな人にオススメ

・世界最軽量を誇る軽さに魅力を感じる人
・発熱・放熱性を重視する人
・カメラ性能よりもスマートフォンとしての使い勝手を重視する人
・迅速かつ長期的なOSアップデートが欠かせない人

SHARP
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SHARPのもう1つのフラッグシップ「AQUOS R2」のレビューはこちら

シャープ「AQUOS R2」を レビュー!AQUOS史上最高のデュアルカメラ性能に注目

この記事の編集者

モバレコ編集者:シーモ

モバレコ編集者:シーモ

格安SIM・スマホジャンルを3年以上担当。
モバレコ編集部に着任後、ドコモ→ahamo→mineoに乗り換えるなどフットワークが自慢。
実際に選ぶ・乗り換える経験で得た目線を大事にしています。
良い所はもちろん悪い面もわかる、読んでいて納得感のある記事作りを心がけています。
推しはmineoとIIJmio。

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

プロフィール

モバレコでは、2015年からレビュー記事を中心に寄稿しています。

また、スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うモバイル専門のメディア「携帯総合研究所」を個人で運営。発表会の取材はもちろん、前職はシステムエンジニアでプログラミングの経験をいかして3キャリアの料金を比較できる料金シミュレーターなども開発しています。

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