SIMフリースマホを買う前に要チェック!「技適マーク」の調べ方と知っておきたい基礎知識
カテゴリ: #スマートフォン
※公開日:2015年10月15日
更新日:2016年10月6日(内容を一部更新しました)
ハイスペックで低価格な端末をキャリアの枠に縛られず利用できるというメリットから、SIMフリーのスマートフォンやタブレットを購入する方が増えてきました。
でも、ちょっと待ってください!
SIMフリーの端末を購入する際に気をつけておきたい「技適マーク」の存在をご存知でしょうか?
技適マークがついていないスマホなどの無線機器を使用すると電波法違反となる場合があり、一年以下の懲役又は100万円以下の罰金、また重要無線通信妨害と判断されると五年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。
国内大手キャリアやMVNOはしっかりと技適マークがついているものを販売していますが、海外市場には技適マークがあるのかないのか不明な一方で、日本国内では発売されていない魅力ある端末がたくさんあります。
この記事では安全にSIMフリースマホ選ぶために知っておきたい「技適について」や「技適が通ってるかどうかを調べる方法」などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次:
技適マークは法的に問題なく日本で使える端末の証
まず技適とは何かを説明しますね。
ポイントは2つ、「技術基準適合証明」と「技術基準適合認定」です。
通信回線に接続する機器が電気通信事業法とそれに関連する総務省令によって定めらた技術基準に適合していると認定するものを技術基準適合証明といいます。
一方、技術基準適合認定は無線機器を対象とする審査のことです。
両者の認定には総務省の登録を受けた代表的な機関、主には財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)の審査が必要で、端末メーカーの多くはこのJATEから技術基準適合証明と技術基準適合認定を受けています。
スマホなどの無線機器はこの両方を取得する必要があり、認定を受けていることを証明するのが技適マークというわけです。
技適マークがない(認証を受けていない)端末では通話、3G・LTE、Wi-Fi、Bluetoothなどあらゆる通信が違法となりますので、SIMフリー端末を買う前には必ず技適マークがあるかないかを確認しましょう。
実機を触れる環境ならば技適マークを確認する方法は比較的簡単で、端末のパッケージや本体のバッテリー取り付け部分、または設定メニューからディスプレイ上に表示して確認できるものもあります。
※「iPhone 6 Plus」の例:設定→一般→情報→法律に基づく情報→認証
※「Zenfone 5」の例:設定→端末情報→認証
技適がないとどうして違法なのかというと、理由は簡単です。電波は現代社会にとって重要なものであり、限りがあるものですから、きちんと効率的に使わなくてはなりません。海がいくらつながっているからといって世界中で魚を乱獲したら、いずれはお寿司が食べられなくなってしまいます。
技適マークのない通信機器は電波法で定めている技術基準を満たしていないことから、使用すると知らないうちに他人の通信を妨害したり、最悪の場合には社会を混乱させることにもつながりかねません。電波はルールに則って使用する必要があるのです。
技適の認定を受けているSIMフリー端末の例
これらのSIMフリー端末は技適認証を受けているため日本国内で使用しても問題ありません。他にもいくつか例として下記の端末が挙げられます。
- iPhone 7 / 7 Plus
- Xperia Z5 E6653
- Xperia Z5 Compact E5823
- Xperia Z5 Premium E6853
- arrows M03
- HUAWEI P9 lite
- HUAWEI P9
- ZenFone 3
- ZenFone Go
- ZenFone 2 Laser
- ZenFone Max
- honor8
- Blade V7Max
- FREETEL REI
- Moto G4 Plus
- Nexus 6P
- Nexus 5X
- etc…
下記のリンクではモバレコ編集部おすすめのSIMフリースマホや格安スマホをピックアップしています。もちろんすべて技適の通った機種なので、国内利用に問題ありません。お得なキャンペーン情報も記載しているのでぜひチェックしてみてください。
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技適の認定を受けていないSIMフリー端末の例
逆に下記の端末は認証を受けていないため国内での使用は認められていません。
- ZenFone 3 Ultra(ZU680KL)
- Xperia XA Dual F3116
- Xperia Z3(D6633、D6653など)
- NOKIA Lumia 520 Windows Phone 8
- HTC Butterfly S 901s
- BlackBerry Classic SQC100-1 など
日本でおなじみの端末でも海外モデルには技適がない場合も
上にも挙げましたが、Xperia Z3のような機種は型番の異なるものが世界で販売されており、一部のXperia Z3(D6633、D6653など)には技適マークがありません。
日本でおなじみのシリーズだからといって、海外版を容易に購入するのは危険です。技適マークがあるのを確認できてから購入するようにしましょう。
技適認証済みSIMフリー端末でも注意したいのが「対応周波数」
気をつけたいのは技適認証されたSIMフリーの端末であっても、それは国内通信キャリアすべてのSIMカードを使えることを保証したものではないということ。購入前に端末と使いたいキャリアの対応周波数を調べておくことが必要です。
しかしながら、たとえ端末の周波数がキャリアの周波数と同じだったとしても、キャリアに接続できる可能性があるだけと捉えるべきです。
各キャリアから販売されている端末のように確実にそのキャリアのネットワークに接続できる端末は、相互接続性試験(IOT:Inter-Operability Testing)の仕組みを利用し、そのキャリアで利用できる端末であることが認証されています。これによりきちんと「Xi対応」などと表記できることから、消費者は安心して購入できるのです。
SIMフリーのスマホを購入し、格安SIMで使いたいという人も多いでしょう。SIMフリーの端末は技適を通っていながらもIOT認証を取得していない端末がほとんどで、ネットワークに接続できる可能性はあるけど電波の受信状況が良くなかったり、接続が切れやすい、などといった不都合が生じる場合があることを念頭に入れておきましょう。
買おうと思ってるスマホが技適認証受けてるかどうかはこうやって調べましょう!
技適認証を受けているかどうかを調べるには総務省のWebサイトにある検索機能を使いましょう。
総務省 電波利用ホームページ | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索
1. 「技術基準適合証明番号」で調べる
ページ内にある「番号」に技術基準適合証明番号を入力し、ページ下部にある送信ボタンを押すことで技適認証の有無を調べられます。
技術基準適合証明番号は技適マークの横に記されており、例えば、NTTドコモから販売されている国内版Xperia Z3 Compact(SO-02G)の技術基準適合証明番号は「003-140192」です。
2. 型式、モデル番号で調べる
製品の型式、モデル番号で調べることも可能です。
例えばNexus 6のグローバルモデル製品番号XT1100を「型式又は名称」に入力し、ページ下部にある送信ボタンを押すと技適等の種類や機器の名称、特定無線設備の種別や型式などがわかります。
これからSIMフリー端末を購入しようとしている人には「型式、モデル番号」で調べるほうが現実的かと思います。しかし製品番号は公式サイトなどでも見つけるのが難しい場合が多いので、Wikipediaなども活用して探すことをおすすめします。
中古スマホ(白ロム)はキャリアから販売されたものは大丈夫だけど型番違いには要注意
キャリアで購入されたスマホがその後、中古ショップに売られることも多いです。中古ショップは買い取り後、白ロム(中古品もしくは未使用品)としてで販売するのですが、一度キャリアにて販売されていたものなのでもちろん技適は認証済み。
しかしながら、同じスマホでも型番の違いには十分注意したいです。先に少し触れましたように、同じ名称の機種でも日本モデルと海外モデルでは技適の有無だけでなく、対応周波数の違いやワンセグ・フルセグ、おサイフケータイの対応・非対応など、本体をパッと見ただけではわかりづらいからです。
購入前には型番、スペック表をよく読んでから選ぶようにしましょう。
総務省が技適未認証端末の使用を合法化へ?
2014年6月に開催された「Engadget Fes」において、2020年に開催の東京オリンピックに訪日する外国人向けに技適のない端末の利用を認めるかどうか議論中であることを総務省が明らかにしました。また、2015年1月の「IIJmio meeting 6」に登壇した総務省の担当者が「海外からの持ち込み端末を日本人が国内で使えるようにする方向にある」という旨の発言をしています。
訪日外国人に向けて技適マークのない通信機器でも利用を許可するのは利便性の点では素晴らしいと思います。しかし、技適ルールによって他の電波を発する機器の通信を妨害することを防いでいるのに、例外を作ることで問題はおこらないのか、といったところが気になります。
お詫び(2015/6/7 追記):
上記「海外からの持ち込み端末を日本人が国内で使えるようにする方向にある」については「訪日観光客などが日本国内に一時的に持ち込む端末」について言及したものだと訂正報が出ているとのご指摘をいただきました。
スマホの選び方・MVNO政策・通信品質再び (IIJmio meeting 6資料公開)
関係者の方々、ユーザーの方々にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
外国人旅行者が使用する端末って問題ないの?
(あれ?そういえば外国人旅行者っぽい人が使ってるスマホって自分の国から持ってきた端末だったりする?それって技適認証受けてないけど大丈夫なのかな?)
為替の円安や富士山の世界遺産の認定などを受けて、ここ最近は海外から日本を訪れる観光客が急増しています。訪日した観光客がスマホを日本国内で使用している場面はもはや日常の光景です。
問題となるのはそれが自国から持ちこんだ端末か、日本の技適認証を受けた端末か、日本のSIMカードを使っているか、自国のSIMカードを国際ローミングで使用しているのかです。技適がない端末であればもちろん違法。ただし、自国のSIMカードを使い日本国内で国際ローミングで通信する場合には違法にならないという解釈もあり、はっきりとはわからないのが現状です。
また、技適マークがない端末はWi-FiやBluetoothの利用も違法となるのは先に解説したとおりです。総務省が訪日外国人向けに技適の通っていない端末の使用許可を検討している最中にもかかわらず、全国では外国人旅行者向けに無料Wi-Fiの提供が拡大しつつあるように、違法ながらも国の法整備に先駆けて歓迎するムードが漂っています。
実は個人でも技適認証を受けることは可能ですが…
実は個人でも財団法人テレコムエンジニアリングセンターなどに審査してもらい、技適認証を受けることは可能です。
端末機器の技術基準適合認定及び設計認証|TELEC 一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター
ただし、細かい設計図など技術資料すべての提出や10万円程度(もしくはそれ以上)の費用がかかります。設計図を持ってるのはメーカーだけなので海外スマホの技適を個人で取得するのは事実上不可能に近いと言えるでしょう。
まとめ
これまで端末を購入する際にはキャリアショップで端末を選び、ショップのスタッフにSIMカードの設定をしてもらい、それを私たちは何も気にせず使っていましたが、このような電波法を背景とする認証規定や利用上の注意点がたくさんあるんですね。
SIMフリー端末やMVNOの台頭によって、SIMカードを挿し替えて利用する機会が増えています。フリーだからといって、どの端末でも国内で使って良いわけではないことが今回の特集で理解していただけたかと思います。
一歩間違うと電波法に違反してしまう海外端末。技適マークがあることを確認し、正しい端末選びを心がけるようにしましょう!