Xperia 5 II徹底レビュー!ゲーム好き、音楽好きも納得の一台!
カテゴリ: #スマートフォン
今回レビューする「Xperia 5 II」(エクスペリア・ファイブ・マークツー)は、auとソフトバンク(2020年10月17日発売)、さらにdocomo(2020年11月12日発売)の3社からリリースされた、5G対応のXperiaシリーズ最新フラグシップレンジモデルのスマートフォンです。
前機種にあたるXperia 5から大幅にスペックアップし、2020年5月に発売されたフラッグシップレンジモデルである Xperia 1 IIとほぼ同等スペックを誇りながら、さらにコンパクトなサイズ感を実現した最上位モデルとなっています。
特徴的な縦長的な縦長ボディは手になじみやすく、軽快な操作が可能です。
価格帯は、フラッグシップレンジモデルということもあり、各社「約9万円台」となっており、簡単に手が出せる価格設定ではありませんが、はたしてその性能は価格に見合ったものなのでしょうか。
本記事では、Xperia 5 IIの外観やデザイン、スペックやパフォーマンスに加えて、トリプルレンズを搭載した特徴的なカメラの性能に至るまで、気になる部分を実際に使ってレビューをします。
目次:
Xperia 5 IIの外観デザインをレビュー
それでは早速Xperia 5 IIの外観デザインを確認していきましょう。
まず最初に目に入るのは、なんといってもシリーズから継承している特徴的な縦長のディスプレイでしょう。
本機は約6.1インチ有機ELディスプレイ、解像度は2,520×1,080(FHD+)の大型ディスプレイを搭載していて、そのボディサイズは、約68(幅)×158(高さ)×8.0(厚さ)mmとなっています。
縦には長いのですが横幅は iPhone SE 2などよりも小さく、片手で持っても非常に手になじみ持ちやすいサイズ感となっています。
背面デザイン
背面は光沢のあるつるっとした手触りで、全体的に高級感があるデザインとなっています。その反面指紋はやや目立ちやすいので、気になる人はカバーなどを装着しましょう。
背面上部にNFCを搭載しており、キャッシュレス決済にも対応しています。その横にはトリプルレンズを搭載したカメラが存在感を醸し出しています。
カメラ部分は約0.2mmほどの出っ張りがありますので、テーブルなどに置いた際には少しガタつきが発生します。レンズに傷が付かないよう注意する必要があります。
なお、今回のレビューではブルーの端末を使用していますが、非常に落ち着いた色合いでビジネスシーンにもマッチしそうなカラーリングです。
側面デザイン
側面はさらっとした手触りで片手で持った時も手にしっかり馴染むデザインとなっています。
背面のつるっとしたデザインとは異なりますが、相性も良く、そこまで安っぽさは感じません。それでは側面の装備品について確認をしていきましょう。
サイズ感・重量
端末自体は縦長で、全体的に大きな印象があり一見持ちにくいように見えますが、横幅は約68mmと片手に収まる大きさで、非常に手になじみやすく持ちやすい形状となっています。
重さも163gとなっており、程よい重量感が片手操作の安定性を高めてくれているように感じました。 大画面のスマホを片手で操作したいと考えている人にはぴったりの端末ですね。
カラーバリエーション
カラーバリエーションは「パープル」、「ブルー」、「ブラック」、「グレー」「ピンク」の5色展開となっています。
なお、Xperiaの伝統カラーともいえる「パープル」はドコモのオンラインショップだけで購入が可能な特別カラーとなっています。Xperiaファンはつい欲しくなってしまうような魅力的な色合いですね。
Xperia 5 IIの「スペック」をレビュー
Xperia 5 II のスペック(製品ページ)
OS | Android™ 10 |
---|---|
サイズ | 約68mm×約158mm×約8.0mm |
重さ | 約163g |
ディスプレイ | 約6.1インチ/有機EL シネマワイド™ディスプレイ/Full HD+/HDR対応/120Hz駆動 |
プロセッサ | Qualcomm®Snapdragon™865 5G Mobile Platform |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
microSD | 最大1TB |
メインカメラ | 16mm(超広角):有効画素数約1,220万画素/F値2.2 70mm(望遠):有効画素数約1,220万画素/F値2.4 24mm(標準):有効画素数約1,220万画素/F値1.7 |
フロントカメラ | 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
バッテリー | 3,600mAh |
充電 | USB Type-C™ |
SIM | スロット数:1 スロット:nanoSIM |
Wi-Fh | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | ver.5.1 |
VoLTE | ○ |
防水、防じん | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
おサイフケータイ | ○ |
ワンセグ/フルセグ | × / × |
生体認証 | 指紋認証 |
カラー | ブラック、グレー、ブルー、ピンク パープル(ドコモオンラインショップ限定カラー) |
全体的に順当にスペックアップしているという印象ですが、本機からの大きな改善点はなんといってもディスプレイでは1秒間の画面の更新回数を示す「リフレッシュレート」が向上したことです。
前機種まではリフレッシュレートの最大値は「60Hz(秒間60回)」でしたが、今回は「120Hz(秒間120回)」に倍増しました。これにより画面のスクロール時の動きやゲームの描画などが滑らかに行えるようになりました。
デフォルト設定では60Hzに設定されているため、滑らかな動きが良い人は設定を変更しその滑らかさをぜひ試してみてください。筆者が初めて120Hzを体験したときはその滑らかさに感動すら覚えました。
次に実際にウェブページの閲覧をしながら動作について検証してみました。独特の縦長液晶は表示される範囲が非常に広く快適にネットサーフィンが出来ました。
縦長ディスプレイの特徴を生かした独自の2画面分割機能の「マルチウインドウモード」も非常に便利です。スペックも高いため操作がカクつくこともなく、ノンストレスで快適に使用できました。
また、漫画アプリを使用する方は縦読みをすることで、たくさんのコマが一度に多く画面表示できるので、快適に読書を楽しむことができる仕様だと感じました。漫画アプリを多用している人にもおすすめです。
なお、性能を数値化するベンチマークスコアをAnTuTuで測定したところ「543,175点」を記録しました。
さすがミッドシップレンジモデルである貫禄の高得点を叩き出しました。処理の重い3Dゲームなどをたくさん楽しみたいというヘビーユーザーの方にも満足頂けるスペックになっています。
また、バッテリー性能は非常に高いです。
朝フル充電にし、Web閲覧をしたり動画の視聴をしたりしながら1日使用しましたが、その日の夜のバッテリー残量は半分程度の50%となっていました。
リフレッシュレートを120Hzに設定すると消費電力が上がると注意書きがありましたが、そこまで電気消費を気になるレベルではありませんでした。
唯一デメリットとしてはワイヤレス充電ができない点があげられます。これまでワイヤレス充電を愛用していた人は注意が必要です。
Xperia 5 IIとXperia 5との比較
ここでは、前機種にあたる Xperia 5とスペック、サイズ感、ディスプレイ、カメラの違いについてそれぞれ比較を行っていきます。
スペックの違い
前機種であるXperia 5のCPUは1世代前のハイエンドSoCである「Snapdragon 855」を搭載していました。
対してXperia 5 IIは最新のハイエンドSoC「Snapdragon 865 5G」が搭載され、順当にスペックアップした形となりました。このことにより、CPUとGPUの性能は約25%の高速化されています。
また、メモリは6GBから8GBへ、ストレージは64GBから128GB / 256GBに強化され、近年話題の高速通信技術「5G」にも対応しました。
サイズ感、ディスプレイの違い
以下の表が、Xperia 5 IIとXperia 5のサイズ比較表になります。その差はほぼなく、同等のサイズ感であることがわかります。
Xperia 5 Ⅱ | Xperia 5 | 差 | |
---|---|---|---|
横幅 | 69mm | 69mm | ±0mm |
縦幅 | 157mm | 158mm | -1mm |
厚さ | 8.0mm | 8.2mm | -2mm |
重さ | 163g | 164g | -1g |
しかし、注目すべきは重さについてです。重さはどちらもほぼ同等の重量感となっていますが、バッテリー容量が3000mAhから4000mAhと20%も増量しているにも関わらず、重さを維持している点は注目ポイントです。
ディスプレイについてはどちらも「6.1インチ、フルHD+(2,520×1,080ドット)、比率21:9」となっており相違はありません。
ただ、冒頭でも記載している通りディスプレイが120Hz駆動のリフレッシュレートが使用できるようになったのは大きな改良点といえるでしょう。
カメラの違い
Xperia 5 IIとXperia 5はともに「標準」・「超広角」・「望遠」のトリプルカメラを搭載していますが、Xperia 5 IIでは、「標準」が少し広角になり、「望遠」の焦点距離が長くなったことで、光学ズームが「2倍」から「3倍」になっています。
合わせて連写性能も飛躍的に向上しています。Xperia 5では「約10コマ / 秒」だった連射機能「約20コマ / 秒」に向上しています。
実際の撮影画像については、次の項目でレビューをしていますので、次項でご確認ください。
Xperia 5 Ⅱの「カメラ性能」をレビュー
それでは、カメラ性能についてレビューをしていきます。様々なシーンで撮影をしてきましたので、その実力についてご確認ください。
日中の様子を撮影してみた
近所の川まで足を運び、通常モードのカメラ性能を試してみました。空の色や草木の緑は非常に綺麗に表現され、とても綺麗な写真が撮影できたという印象です。
続いて超広角・望遠レンズについても撮影をしてみました。
超広角レンズは撮影できる幅が広がりかなり明るさの補正も綺麗に行ってくれました。今回は野外での撮影でしたが狭い室内などでも活躍しそうな機能です。
続いて望遠レンズについて撮影をしました。全体的に綺麗に撮影はできていますが再度がやや淡くなっているように感じました。しかし望遠モードでここまで綺麗に撮影できるなら十分実用できるレベルだと感じました。
食べ物を接写で撮影してみた
続いては料理です。いくらとケーキを撮影してみましたが、被写体にカメラを向けるだけでどちらも自動的に料理モードに切り替え撮影をしてくれました。
まずいくらですが、つやが非常によく表現され立体感のある写真を撮影することができました。特別な加工をせずこれだけの写真が撮影できるのは素晴らしいですね。
今回は自宅で用意したご飯でしたが、旅先などで外食した際にも映える写真が撮影できそうです。
続いてケーキの撮影です。(筆者の息子が2歳の誕生日でした。)こちらも非常に色鮮やかでツヤのあるおいしそうなケーキが撮影することができました。お皿の色彩も綺麗に表現されており、料理モードの優秀さが際立っています。
接写撮影してみた
続いて植物を接写モードで撮影してみました。こちらも料理モードと同様に撮影する被写体にカメラを近づけることで自動的にマクロモードになりました。
かなり近くまで被写体によることができマクロ性能は非常に高く感じました。
夜景を撮影してみた
続いて夜景の撮影について検証してみました。ショッピングモールにてライトアップされている場所の撮影を行いました。
明るいLEDライトも白飛びもなく撮影でき、明るさのコントロールはされた非常に美しい写真を撮影することができました。
比較用に筆者が愛用している iPhone Xでも同じシーンを撮影してみましたが、比較するとXperia 5 II の方がメリハリがあり見応えのある写真が撮影できました。
夜景の撮影もかなり優秀な印象です。
Xperia 5 II特徴、使ってみて良かったポイント
ここでは改めて本機を使ってみてよかったポイントをまとめてみました。
フラッグシップの言葉に恥じない素晴らしい端末ですので、是非購入検討の参考になれば幸いです。
マルチウィンドウが便利
近年のXperiaシリーズの定番にもなっていますが、21:9の縦長のディスプレイを生かしたマルチウィンドウ機能がとても便利です。
この機能は上半分と下半分の画面でそれぞれ別のアプリを同時に起動できるという機能になります。
YouTube で動画を見ながら地図アプリを使ったり 、SNSを複数起動してたくさんの情報を同時に取り入れるといった使い方もできます。
スペックの低い機種ですとアプリを複数起動することで動作が重くなることがありますが、本機の場合スペックが非常に高いためそのような心配もいりません。
アプリの組み合わせによって様々なシーンで活躍が期待できる機能です。ぜひ使いこなしていきましょう。
イヤホンジャック対応・高音質
前機種のXperia 5では3.5mmイヤホンジャックの搭載はありませんでしたが、本機には3.5mmイヤホンジャックが搭載されています。
無線接続のイヤホンを使用すると音の劣化は避けられない問題ですので、音質にこだわる人は有線イヤホンを利用すべきでしょう。有線イヤホンを愛用する人にとってはうれしい仕様です。
また、 本機で有線接続のイヤホンまたはヘッドホンを使うと、最大192kHz/24bitまでのネイティブハイレゾサウンドを楽しむことができます。
さらに、ソニー独自のアップコンバート機能である「DSEE Ultimate」という機能も搭載されています。
この機能はCDからリッピングした音源や音楽ファイルを192kHz/24bit相当の高音質に変換して聴ける機能です。
AIがリアルタイムに解析をしながら、ボーカルや楽器の音の特性に最適化したアップスケーリング処理が行われるため、録音された音源から生の音に近い臨場感のある音が再現されます。
最大限にいい音で音楽を楽しみたい人にもおすすめの機能です。
ゲームエンハンサー、ワイヤレスコントローラー対応
本機にはゲームプレイに集中できる専用機能である「ゲームエンハンサー」が搭載されています。
お好みに合わせて、「パフォーマンス優先」「バランス」「省電力優先」「カスタム」の設定をすることができます。
なお、カスタム設定では画面リフレッシュレートを最大240Hzまで高めることができるほか、「タッチ反応速度」や「タッチ追従性」の感度など、自分好みに細かな調整をすることができます。
さらには、ゲームに集中できるよう、電話・メッセージなどの通知オフをしたり、ゲームプレイ画面の録画・シェアもすることができます。
ゲーム実況配信などをやりたい人にもぴったりな機能です。
また、PlayStation®4のワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK®4)スマホと接続することもでき、自宅だけではなく外出先でも快適にPS4のゲームを楽しむことができます。
防水・STAMINAモード
ここまではヘビーユーザー向けともいえる、こだわりの機能について解説してきましたが、こちらはライトユーザーにとっても嬉しい機能のご紹介です。
本機は防水に対応しているので、お風呂や台所などの水場での使用も問題なく行えます。
さらに元々電池持ちの良い端末ではありますが、STAMINAモードという機能を使用することでさらに電池持ちを良くすることができます。
このモードを適用すると、バックグラウンド通信や位置情報などが制限され、画面の明るさを少し暗めに抑えます。
こうした基本的な便利機能もしっかり備えているのも本機の嬉しいポイントですね。
評価まとめ:Xperia 5 IIはゲームや音楽に強いこだわりを持つ人におすすめの一台!
Xperia 5 IIについてレビューをしてきましたが、いかがだったでしょうか?
防水機能やおサイフケータイ、3.5mmイヤホンジャックなど、あると嬉しい機能もしっかり搭載し、さらに、ヘビーユーザーも大満足なスペックや、ゲームに特化した機能、音質の向上機能など、どれをとってもぬかりのない一台となっています。
冒頭で対費用効果についていかがなものかと疑問を定義しましたが、前フラッグシップモデルである Xperia 1と同等のスペックを誇りながら、ボディをコンパクトにまとめあげ、それでいて価格帯が9万円台なので、スマホヘビーユーザーの人も納得の価格設定といえるのではないでしょうか。
これらのことを踏まえ、本機は「スマホヘビーユーザーを含め全方位のユーザーにおすすめの一台」という印象を受けました。
「どうせ持つなら最新のスマホがいい!」という人、ゲームや音楽に強いこだわりを持っている人、最新の技術を肌で感じ、使い回しのしやすい端末を探しているという人、様々なニーズに応えられる無敵の一台だと思います。
10万円以下の高性能なスマホを探している方、ぜひ次の1台の候補として検討してみてはいかがでしょうか。