「スマホ肘・改善ストレッチ」とは? 長時間スマホが原因の肘の痛みに効く!
カテゴリ: #スマートフォン
こんにちは、モバレコ編集部です!
「最近、肘のあたりがなんだか痛むな~」
なんていう、原因のよくわからない肘の痛みに悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
もしかするとその痛み、通称“スマホ肘”と呼ばれる症状かもしれませんよ!
「今は肘も痛くないし関係なーい!」なんて思っている、そこのアナタ!
用がなくてもついついスマホを手に持ってしまうなら、電車の移動中はほとんどスマホを見ているというなら、残念ながら立派な“スマホ肘”予備軍に認定です!
(はい、モバレコ編集部員も確実に予備軍入りです・・・)
ということで今回は、鍼灸、スポーツマッサージ、整体を組み合せた治療で、多くのプロアスリートにも絶賛されている土井治療院の土井亮介先生にスマホ肘の正体から簡単にできる改善ストレッチなど、たっぷりとお話しをうかがってきました。
<プロフィール>
土井亮介(どい・りょうすけ)
昭和56年生まれ。野球部に所属していた高校時代に度重なる怪我で苦しんだ経験から、「痛みで苦しんでいる人を早期に治す治療家になりたい」と決心。
18歳で鍼灸専門学校に入学し、在学中から現在に至るまで、鍼灸、スポーツマッサージ、整体、それぞれの達人に師事。その後、鍼灸×スポーツマッサージ×整体を組み合せた総合治療、土井治療院を横浜市に開業。施術人数は3万人を超え、プロのアスリートやオリンピック選手にも治療を施している。
<WEB>土井治療院
目次:
「スマホ肘」は、2種類の痛みがある!?
ここ2年くらいですが、ご自分が「スマホ肘」であることを自覚せずに来院されることが多いですね。肘が痛い、でも特に運動もしていない・・・。
そういうケースの場合、スマホでゲームを長時間し続けるなど、1日30分以上スマホと向き合っている方がほとんどです。
スマホ肘と一口に言っても、実は2種類の症状があります。
ひとつは、正式名称が「上腕骨外側上顆炎」というもの。
手のひらを上にして腕を伸ばしたとき、親指側(つまり外側)の筋肉が突っ張って肘を痛めているパターンです。
スマホを持って親指で長時間操作をしていると、骨に付着する外側上顆(親指側の筋肉)を引っ張って引き起こされる炎症です。
もうひとつは、「上腕骨内側上顆炎」というもの。
手のひらを上にして腕を伸ばしたとき、小指側(つまり内側)の筋肉が突っ張って肘を痛めてしまうパターンです。
最近のスマホは画面が大きいので、手に持つ時に知らず知らずのうちに小指の筋肉に無駄に力が入っていることがあります。その普段使わない小指側の筋肉に力が入り続けると、骨に付着する内側上顆(小指側の筋肉)を引っ張って引き起こされる炎症です。
“スマホ肘”のセルフチェック法
では続いて、自分がスマホ肘かどうか、また「外側上顆炎」か「内側上顆炎」かをチェックする方法をご紹介します!
・普段使っているバッグを手の甲を外側にして持って痛い場合は、「外側上顆炎」。
・手の甲を内側にして持って痛い場合は、「内側上顆炎」。
荷物を持っても特に痛くないのに肘が痛むという場合
痛みが頚椎、つまり首から来ている場合、スマホ首になっている可能性が高いです。
スマホ肘の場合は、細かい筋肉の使いすぎから起こるものなので、その筋肉を使うと痛みが誘発されますが、筋肉を使っても痛みがない場合は、首からくる神経痛の可能性が高いです。
上を向くと肘が痛むという場合は、ほぼ確実に首からくる痛み。
これは、スマホ肘とは別のものです!
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実は、スマホ肘の構造自体は、「テニス肘」「ゴルフ肘」と呼ばれるものと同様。
しかし、テニス肘やゴルフ肘は、スポーツをする決まった時間の中で大きな負担がかかって引き起こされるのに対し、スマホ肘は、小さな負担が長い時間ずっと続くことによって起こります。
そして、毎日の積み重ねで発症してしまいます。まさに、“塵ツモ”なんです!
気持ちよく、こまめに伸ばす!「スマホ肘改善ストレッチ」
それでは、ストレッチの方法をご説明します。座ったままでもできる簡単なものです。
親指側の筋肉(外側上顆)が痛い場合
これは、指を伸ばす力に影響する外側の伸筋群を伸ばすストレッチです。
①手の甲が上になるようにして腕を伸ばします。
②手の甲を、反対の手のひらで包み込むようにして、
手首をゆっくりぐーっと下に曲げて伸ばします。
③30秒から1分程、伸ばして上げましょう。親指側(外側)の腕の筋肉が伸びている感じがしたらOKです。
小指側の筋肉(内側上顆)が痛い場合
これは、握る力に影響する内側の屈筋群を伸ばすストレッチです。
①手のひらが上になるようにして腕を伸ばします。
②手のひらを、反対の手のひらで包み込むようにして、
手首をゆっくりぐーっと下に曲げて伸ばします。
③30秒から1分程、伸ばして上げましょう。
小指側(内側)の腕の筋肉が伸びている感じがしたらOKです。
このストレッチのポイントは、肘を曲げないで腕をしっかり伸ばしてあげること。
そして、②の時に全部の指を包み込むようにすることです。小指だけが漏れてしまわないように意識してみてください。
また、痛い方の腕だけをストレッチするのではなく、左右両方やりましょう。その方が血流がよくなっていいですよ。
実は、パソコン仕事の方にも、このストレッチは有効です。
“痛み”は「その動きやめてください!」という身体のSOSなんです。
せっかく、今の生活習慣がよくないことを身体が痛みとして教えてくれているのに、それを無視して同じ動きや同じ習慣を続けると、症状が悪化するのは当然のこと。
これはスポーツでの疾患にも言えることですが、湿布を貼ったりサポーターをして、その場の痛みを感じにくくすることも本当はよくありません。
ライター体験談「痛みのシグナルが出る前に・・・」
スマホを何気なく手にとって見てしまうのは、もはや“癖”。一日何度となくスマホを手にとり、見てしまいます。重いものを持っている感覚も、しんどい姿勢を取っている自覚もないのに、実は、筋肉に対して小さな負荷を大量にかけ続けていたなんて……!
(ごめんね、マイ腕! マイ肘! マイ筋肉!)
教えていただいたストレッチをやってみると、想像以上に気持ちがいいんです。きっくーーーー!! って感じがしますし、自分の筋肉の場所や動きを意識できるいい時間でもあります。ぜひやってみてください。これからも、大切なものを持ったり、大好きなものを手にしたり、スマホライフも快適に楽しみたい! だから、“痛み”というシグナルが出る前に、こまめにケアしてあげたいですね!
(取材・文/内海織加)
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