Galaxy S24/S24 Ultraを実機レビュー!カメラやスペックはどれくらい進化している?
Samsungの最新スマートフォンである「Galaxy S24」と「Galaxy S24 Ultra」が2024年4月に発売されました。
今年のテーマは、ChatGPTによって火がついたAIブームをスマホに本格的に導入して、AIとの距離をさらに身近にすることにあります。
最新機種に初めて搭載された「Galaxy AI」は、他のメーカーがすでに実現している写真の編集機能だけでなく、言語の壁を越えられるコミュニケーション機能や1日に何度も行う検索がAIによってさらに便利になる機能を備えます。
もちろんカメラやディスプレイ、電池持ち、サクサクな操作感に関わる性能といったスマホの基本的な要素も進化しています。
この記事では、Galaxy S24シリーズがどのように進化したのかを紹介し、どちらを購入しようか迷っている人のために両機種を比較しながらレビューします。
目次:
Galaxy S24シリーズの外観
シンプルな背面。エッジがわずかにカーブしたことで手にフィットします
One-massデザインを採用したGalaxy S24。
Galaxy S23と比較すると、ベゼルの幅が狭くなり、フレームが丸みのある形状から直線的なフラット形状に変更されたことで、よりスタイリッシュな印象になりました。
フレームの仕上げは光沢からマットに変更されて落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
背面は指がかかるエッジがわずかにカーブすることで手に触れる感触は柔らかく、握りやすい形状。
重量は168g、幅70.6mmで片手操作でも画面の7〜8割に指が届くため、快適に操作できます。
カラーはアンバーイエロー、コバルトバイオレット、マーブルグレー、オニキスブラックの4色です。
Galaxy S24 Ultraのデザイン
初めてチタニウムフレームを採用したGalaxy S24 Ultra。これまでの光沢アルミニウムフレームよりも上質で最上位機種にふさわしい高級感が追加されました。
ディスプレイはフルフラットになったことで画面の端から端までSペンで操作可能に。
画面を傷から守る保護ガラスには、最新のGorilla Armorを採用することで、傷や衝撃に対する耐性が前作から4倍に向上した史上最もキズが付きにくいゴリラガラスです。
また、一般的なガラスと比較して反射率を最大75%削減することで、画面の反射を最小限に抑えることで画面の見やすさも大幅に向上しています。
背面はディスプレイに合わせてフラットに変化しています。重さは233gでずっしり。
幅79mmで片手操作の場合は画面の5割程にしか指が届かないため、両手操作が基本になります。
カラーはチタニウム グレー、チタニウム ブラック、チタニウム バイオレット、チタニウムイエローの4色です。
今回レビューで撮影した機種はチタニウム バイオレットですが、背面のパープルは高級感を感じられつつ、他の機種にはない色合いで好印象でした。
Galaxy S24シリーズのスペック
Galaxy S24 | Galaxy S24 Ultra | |
---|---|---|
Android 14 One UI 6.1 |
OS | Android 14 One UI 6.1 |
Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy | プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
6.2インチ 2340 x 1080 (FHD+) Dynamic AMOLED 2X(有機EL) 約1,600万色 リフレッシュレート1-120 Hz ピーク輝度2600ニト |
ディスプレイ | 6.8インチ 3120 x 1440 (Quad HD+) Dynamic AMOLED 2X(有機EL) 約1,600万色 リフレッシュレート1-120 Hz ピーク輝度2600ニト |
8GB | メモリ | 12GB |
256GB | ストレージ | 256GB 512GB 1TB |
トリプルカメラ 50MP 広角カメラ 10MP 望遠カメラ 12MP 超広角カメラ 光学3倍ズーム 光学相当2倍ズーム デジタルズーム最大30倍 |
メインカメラ | クアッドカメラ 200MP 広角カメラ 10MP 望遠カメラ 50MP 望遠カメラ 12MP 超広角カメラ 光学3倍・5倍ズーム 光学相当2倍・10倍ズーム デジタルズーム最大100倍 |
12MP | フロントカメラ | 12MP |
4,000mAh | バッテリー | 5,000mAh |
147.0 x 70.6 x 7.6 mm | サイズ | 162.3 x 79.0 x 8.6 mm |
167g | 重さ | 232g |
非対応 | microSD | 非対応 |
デュアルeSIM | eSIM | デュアルeSIM |
非対応 | UWB | 対応 |
非対応 | Sペン | 対応 |
ディスプレイは画面の明るさ(ピーク輝度)が約1.5倍も向上したことで、屋外でも画面が見やすくなりました。
また、Galaxy S24ではリフレッシュレートが48-120Hzから1-120Hzに改善されたことで、なめらかな画面表示のまま消費電力が改善。バッテリー容量も3,900mAhから4,000mAhに向上しています。
チップセットは最新の「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」を搭載。前世代に比べてCPU性能は20%、GPU性能は30%、NPU性能は40%も向上しました。
画面分割で複数のアプリを同時に操作したり、アプリ間を行き来するようなマルチタスキングの快適性と、AIの処理能力に関わるメモリの容量はGalaxy S24が「8GB」、Galaxy S24 Ultraが「12GB」を搭載しています。
また、今作からeSIMを2枚刺すことができるデュアルeSIMに対応しています。
ゲームやアプリ利用時の動作
性能を数値化するベンチマークスコアをGeekbench 6で計測したところシングルコアは平均2193、マルチコアは平均6771を記録。
Galaxy S23シリーズに搭載されていた「Snapdragon 8 Gen 2」と比べると、シングルコアは12%アップ、マルチコアは35%アップが確認できました。
シングルコア | マルチコア | |
---|---|---|
1回目 | 2167 | 6757 |
2回目 | 2209 | 6772 |
3回目 | 2204 | 6784 |
平均 | 2193 | 6771 |
次にゲーミング体験に大きく関わるGPUの性能を3D Markで計測したところ、瞬発的な性能では「Snapdragon 8 Gen 2」に比べて12%アップしています。
Solar Bay | Wild Life Extreme | |
---|---|---|
1回目 | 8727 | 4623 |
2回目 | 8478 | 4622 |
3回目 | 8565 | 3156 |
平均 | 8590 | 4133 |
長時間負荷をかけた時のGPU性能は平均58%までダウンします。前作から大きく変わっていませんが、性能低下時のロースコアは10%ほど向上し、温度上昇は12℃から7.6℃まで改善されています。
これはチップの最新化に加えて、熱を拡散させて性能低下を抑えるベイパーチャンバー冷却システムの大型化(Galaxy S24は約1.5倍、Galaxy S24 Ultraは約1.9倍)によるものと考えられます。
実際に「Dead by Daylight」をプレイしたところ、不快なほどの熱を感じることはなく、さらに熱を抑えるために性能を意図的に下げて処理がモタつく現象も確認できませんでした。
明らかな熱を感じたのは、YouTubeをバックグラウンドで再生してワイヤレスイヤホンで視聴し、屋外のベンチに本体を置いて休んでいる時ぐらい。
この時、熱がなかなか下がらず画面の輝度も大きく低下して画面が見づらい時間が続きましたが、Galaxy S24 Ultra以外でも確認される現象です。
※横にスクロールできます。
Wild Life Extreme Stress Test | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
ベスト | ロー | 安定性 | 電池減少 | 温度上昇 | FPS | |
1回目 | 4087 | 2911 | 71.2% | -10% | 36℃→43℃ +7℃ |
13→31fps |
2回目 | 4764 | 2513 | 52.8% | -9% | 34℃→44℃ +10℃ |
12→35fps |
3回目 | 4288 | 2187 | 51% | -8% | 39℃→45℃ +6℃ |
10→35fps |
平均 | 4379 | 2537 | 58.3% | -9% | +7.6℃ | 11.6→33.6fps |
電池持ちに関わるバッテリー容量はGalaxy S24が4,000mAh、Galaxy S24 Ultraが5,000mAhです。
電池持ちの参考までにGalaxy S24 Ultraのとある1日のバッテリーレポートをお伝えします。
リフレッシュレートは「最適化」、画面の明るさ自動調整をオンにした状態で、11時に充電器から取り外して電池残量100%で利用を開始しました。
電車で移動中にGoogleマップで乗換検索とスポット検索、Galaxy Notesアプリでレビューのメモ、2-3個のアプリダウンロード、YouTubeをバックグラウンドで起動しながらワイヤレスイヤホンで2時間程度の音楽視聴、RAW撮影を含む150枚程度の写真を撮影したところ14時30分には電池残量が60%を切りました。
その後もGoogleマップで乗換検索やXやChromeの利用、Lightroomで写真編集、50枚の写真を撮影すると17時30分には電池残量がおよそ30%まで低下しました。
電池が完全に切れたのは利用開始からおよそ9時間後の20時15分。合計で460枚の写真撮影、3時間40分のYouTubeバックグラウンド再生、2時間程度のChromeとSNS利用、画面オンは6時間でした。
旅行などで朝からかなりヘビーに使っても夕方までは持つ計算で電池持ちはかなり優秀です。Galaxy S23 Ultraは合計9時間、うち画面オンが5時間20分、写真の撮影枚数は530枚だったので電池持ちは同程度といったところでしょうか。
Galaxy S24/S24 Ultraの販売価格
ここではGalaxy S24とGalaxy S24 Ultraの販売価格をまとめます。
なお、今作からキャリアの発売日と同時にSamsung公式サイトでも購入できるようになりました。
Galaxy S24
Samsung | |||
8GB/256GB | 145,970円 | 144,800円 | 124,700円 |
8GB/512GB | 取扱なし | 157,800円 | 139,000円 |
Galaxy S24 Ultra
Samsung | |||
12GB/256GB | 218,460円 | 224,800円 | 189,700円 |
12GB/512GB | 232,804円 | 237,800円 | 204,100円 |
12GB/1TB | 261,580円 | 259,800円 | 233,000円 |
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Galaxy S24シリーズの注目機能「Galaxy AI」
Galaxy S24シリーズの注目機能は高度なAIを活用した「Galaxy AI」です。
音声通話で利用できる双方向のリアルタイム翻訳やSamsungキーボードに内蔵されたテキスト翻訳、入力した文章をビジネスやカジュアルに変換する機能、録音した音声の書き起こしと要約などの便利なAIアシスト機能が利用できます。
ほかにも写真に写った人やペットを別の位置に動かしたり、大きさを変えたり、邪魔な被写体を削除したり、通常モードで撮影した写真の背景をぼかしたり、飛行機の窓から撮影した写真でよく起きる窓の反射を消去できるなど強力な編集機能も備えています。
さらに、ありそうでなかった通常の動画をスローモーション再生する機能やタップ操作だけでおしゃれな待受をすぐに作れる待受画像のAI生成機能も収録。
対面での翻訳機能はレビュー期間で使用する機会はありませんでしたが、筆者が発表イベントで見たスペイン語と日本語の対面翻訳デモでは、途中でうまく動作しないことがあったものの、それなりに動作して海外旅行する際はぜひ使ってみたい機能だと思えました。
いち早くスマホAIを打ち出したGoogle Pixelの「編集マジック」に相当する写真編集機能においては、不要な被写体をタップ指定するときも被写体の認識が早く、精度も正確でした。
一方でボイスメモの書き起こし機能は、リアルタイム書き起こしではなく、英語では評判の良い精度も日本語では精度イマイチなどGoogle Pixelには敵わない部分もあります。
おそらく多くが使うことはない機能ですが、ここでは頻繁に利用機会があり、特に便利なかこって検索とフォトアシスト機能を少し深掘りして紹介します。
かこって検索
スマホを使っている「これ検索したいけど、どういうワードで検索すればいいのかわからない」ということがよくあります。
そこで役立つのが「かこって検索」で、スマホの画面上に表示されたものが何かをカンタンに調べることができます。
例えば、SNSで気になる商品を見つけたら丸で囲うだけで製品ページを検索できます。ほかにもわからない英単語をなぞって意味を調べることも可能。
SNSでトレンドになっているものを見つけたら丸で囲って「なぜ人気なの?」とテキストを追加すると、トレンドになっている理由を調べることもできます。
かこって検索はホームボタンまたはナビゲーションバーを長押し後にかこって検索が起動したら調べたいものを丸で囲むだけ利用できます。
かこって検索を実際に利用してみた様子。
ナビゲーションバーを長押しして、検索したい場所を丸で囲むかタップするだけ。動画に登場した気になる物も検索ワード不要で起動中のアプリから離れず検索ができます。
フォトアシスト
AIを活用した写真編集機能「フォトアシスト 」では、生成AI編集とAI編集サジェストの2つの機能が利用できます。
生成AI編集は写真に写り込んだ邪魔な被写体を消したり、目立つ位置に移動したり、大きさを拡大・縮小するなど、他のメーカーが実現している機能に加えて、ありそうでなかった角度補正機能も備えています。
ありそうでなかった角度補正は、写真の傾きを修正する際に存在しない画素をAIが生成するというもの。これまでの角度補正は、余白が少ない写真の場合、必要な部分までクロップされたり、クロップされることを敬遠して十分に角度補正できないこともありましたが、フォトアシストの角度補正ならその心配がありません。
- ギャラリーアプリで写真を開いてペンアイコンをタップ
- 左下のGalaxy AIアイコンをタップ
- スライダーを使った角度補正
- 生成ボタンをタップ→角度補正で失われた場所が生成AIで埋められる
- フェイク防止のためにGalaxy AIで補正すると写真の左下に透かしが追加される
- 被写体を消去する
- 被写体を移動する
- 被写体を拡大・縮小する
- 角度補正で失われた画素を生成AIで埋める
AI編集サジェスト
AI編集サジェストは、写真に合わせてAIが編集機能を提案してくれる機能です。
色合いを調整して写真をより良く見せる「補正」やポートレートで撮影していない写真も背景をぼかせる「背景ぼかし」、料理を撮影する際に入りがちな影を消去することもできます。
- ギャラリーアプリで写真を開いてペンアイコンをタップ
- 「i」のアイコンをタップ
- 写真の左下に表示される「影を消去」「補正」などのAI編集サジェストをタップ
- 影を消去を選択するとAIが影を分析して消去する
- 補正
- 背景ぼかし
- 24時間タイムラプス
- バックグランドエフェクト
- 長時間露光
- 影を消去
- 反射を消去
- モアレを削除
- カラー化
Galaxy S24シリーズのカメラ性能
Galaxy S24シリーズは利用機会の多い広角に加えて、1枚に多くの被写体を収めたり景色をダイナミックに撮影できる超広角、遠くの被写体を綺麗に撮影可能な望遠レンズで構成されるマルチカメラを搭載しています。
Galaxy S24とGalaxy S24 Ultraの違いは主に望遠レンズにあります。
両機種とも光学3倍に対応しますが、Galaxy S24 Ultraは光学5倍の望遠レンズを搭載することで0.6倍/等倍/3倍/5倍/10倍にワンタップで切替可能。
さらに、Galaxy S24 Ultraでは月も撮影できる100倍のスペースズームも利用できます。
また、補正範囲が2倍になった光学手ブレ補正によってズーム撮影時に発生しやすい手ぶれも抑えられます。
以下は実際に撮影した作例です。
作例:風景
少し前のGalaxyカメラは空を認識すると彩度を強烈に補正していましたが、今はナチュラルな仕上がりで撮影できます。
以下は3倍ズームで撮影した写真。場所や被写体によっては3倍でも望遠圧縮が楽しめます。
作例:料理
机の上に置かれた料理を撮影する時に便利なのが2倍ズームです。
光学ではないもののGalaxy S24シリーズは高画素センサーを活用したクロップズームによってディテールが保たれた高画質で撮影が可能。
2機種で撮影した写真を比べてみると、2億画素の大型イメージセンサーを搭載したGalaxy S24 Ultraの方が明るくディテールが保たれています。色合いもGalaxy S24は緑寄り、Galaxy S24 Ultraは赤寄りでより美味しそうに見えます。
作例:夜景
イルミネーションを撮影するような夜間撮影においては大きな差はありません。どちらも明るく、光が強いネオンも白飛びを抑えて撮影できます。
作例:ズーム
ズーム撮影はGalaxy S24 Ultraの圧勝です。Galaxy S24で5倍ズームで撮影するとディテールが失われ、ソフトウェア補正の影響か看板の文字が細くなり、色合いも脱色したような仕上がりになります。
対して光学5倍ズームを撮影したGalaxy S24 Ultraはディテールも色合いも失われず高画質で撮影が可能。
夕方でもノイズが発生するものの、10倍ズームでは望遠圧縮効果によるスマホ離れした撮影も可能です。
Galaxy S24 Ultraは10倍ズームをしても画質の劣化がない
なお、Galaxy S24 Ultraのズーム撮影に特化した望遠レンズは光学10倍ズームからクロップズームに変更されていますが、同時にイメージセンサーの大型化・高画素化によって10倍ズーム撮影の画質は変わらないと案内されています。
作例:ポートレート
背景をぼかして印象的な写真が撮影できるポートレート撮影も楽しめます。背景だけでなく手前をぼかすことも可能。
ただし、ボケの仕上がりが不自然に感じることもあるので、「Galaxy AI」も絡めた精度の向上に期待したいところです。
Galaxy S24をおすすめできる人
Galaxy S24の良いところ
- 超軽量
- 片手操作しやすい大きさ
- 屋外でも見やすい明るい画面
Galaxy S24のイマイチなところ
- 大きなマイナスポイントはなし
Galaxy S24は優秀な電池持ち、「Snapdargon 8 Gen 3 for Galax」yの素晴らしいパフォーマンス、いくつかの便利なGalaxy AI機能、光学3倍と2倍のクロップズーム対応で使い勝手の良いカメラを168gの軽量かつ幅71mmのコンパクトボディに詰め込んだスマートフォンです。
目立つような弱点がなくバランスの取れた機種で、最大7年間のソフトウェアアップデートも保証されているため、長期利用も安心。
特定の人におすすめするというよりもAndroidユーザーで機種変更を考えている人で予算が合っているならば、買い替え候補の上位に入れるべき機種と評価できます。
良くないところとして価格を入れようとも考えましたが、今年はキャリア版の発売と同時にSamsung公式サイトで取り扱いがスタート。
機種代金はキャリア版に比べて数万円安い10万円前半で購入できることから価格面に不満もありません。
Galaxy S24 Ultraをおすすめできる人
Galaxy S24 Ultraの良いところ
- 明るく反射しにくいディスプレイ
- 優秀な電池持ち
- スマホ離れした写真を撮影できるズーム機能
Galaxy S24 Ultraのイマイチなところ
- 超重量
- Qi2非対応
- 高額
反射しにくい巨大なディスプレイやスマホ離れした写真が撮影できる望遠レンズ、手書きでメモが取れるSペン機能など、Galaxy S24 Ultraには魅力的な機能がたくさん詰まっていて、普通のスマホでは物足りない人におすすめできます。
一方で性能面や機能面でGalaxy S24よりもさらに充実している分、本体は232gと非常に重く、昨今の円安の状況なども背景に約19万円からという手を出しにくい価格設定なところが気になります。
Galaxy S24シリーズと比較
iPhone 15 シリーズ
4機種ラインナップのiPhone 15シリーズにおいて、Galaxy S24シリーズと競合するのは「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」になるでしょう。
そこで「Galaxy S24/S24 Ultra」と「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」をそれぞれ比較してみたので、iPhoneからAndroidスマホへの乗り換えを検討している方もぜひ参考にしてみてください。
■ Galaxy S24 vs iPhone 15 Pro
スペックベースで比較すると、本体の大きさと画面の大きさはほぼ同じですが、Galaxy S24は20gも軽量です。
軽さの理由はGalaxy S24が軽量のアルミフレームを採用するのに対して、iPhone 15 Proはチタニウムフレームを採用していることにあります。
フレームの質感はチタニウムの方が好みですが、多くの人は軽量さに魅力を感じるはずです。
画面の明るさはGalaxy S24が明らかに優れています。
ピーク輝度2600ニトのディスプレイはとても素晴らしく、日差しの強い屋外でマップを確認しながら移動したり、カメラを構える時でもくっきり画面を視認できるため、ストレスなく利用できます。
カメラはどちらも光学3倍ズームの望遠レンズを搭載したトリプル構成。広角レンズのイメージセンサーはiPhone 15 Proの方が大きいため、明るくノイズの少ない撮影が期待できます。
画面ロックをスムーズに解除できる生体認証はiPhone 15 Proは指紋認証に非対応ですが、Galaxy S24は顔認証と指紋認証の両方に対応しているため、花粉症でマスクをしていても、指が濡れていても快適です。
■ Galaxy S24 Ultra vs iPhone 15 Pro Max
本体の大きさと画面の大きさはほぼ同じ。どちらもチタニウムフレームを採用していますが、Galaxy S24 Ultraの方が10gほど重いです。
カメラはほぼ同じサイズのイメージセンサーを広角カメラに搭載。画素数は2億画素を誇ります。画素数だけで画質は決まらないものの、近年はピクセルビニングやクロップズームなど、高画素センサーを活用して高画質化する技術がトレンドになっています。
画質にどれぐらいの差があるのか比較したいところですが、残念ながらiPhone 15 Pro Maxが手元にありませんでした。
望遠レンズによるズーム撮影には違いがあります。
どちらも光学5倍ズームを利用できますが、Galaxy S24 Ultraは使い勝手の良い光学3倍ズームにも対応。イメージセンサーも大型です。
ディスプレイ画面の明るさに加えて、反射しにくいコーティングによって見やすさはGalaxy S24 Ultraに軍配が上がります。またiPhoneでは利用できないSペン操作にも対応しているので、普段使いの利便性の面でもGalaxy S24 Ultraの方が勝っていると言えます。
Galaxy S23シリーズ
スマホが高額化していることからGalaxy S24シリーズではなく、Galaxy S23シリーズの購入を検討している人もいるはず。
ここではGalaxy S24の進化ポイントをまとめます。
▼ Galaxy S23シリーズからS24シリーズの進化ポイント
- ディスプレイ:ピーク輝度が1750ニト→2600ニトに向上。明るさが改善
- ディスプレイ:Gorilla Glass Victus 2→Gorilla Armorで高耐久かつ反射しにくい仕様に ※Galaxy S24 Ultraのみ
- 消費電力:リフレッシュレート48-120Hz→1-120Hz ※Galaxy S24のみ
- 基本性能:CPU20%、GPU30%、NPU41%向上
- 放熱性:ベイパーチャンバーがGalaxy S24は1.5倍、Galaxy S24 Ultraは1.9倍に大型化
- バッテリー増量:3,900mAh→4,000mAh ※Galaxy S24のみ
- カメラ:ウルトラHDR対応による対応OS・アプリでの画質向上
- カメラ:望遠レンズが10MP・光学10倍ズーム→50MP・光学5倍ズームに変更 ※Galaxy S24 Ultraのみ
- 初のチタニウムフレーム:高質感・高耐久のフレーム ※Galaxy S24 Ultraのみ
Galaxy S24シリーズは大型アップデートではないため、多くの人はGalaxy S23シリーズでも満足できるはず。
S24シリーズの目玉機能でも「Galaxy AI」についても、すべてではありませんが、一部を除く機能がGalaxy S23シリーズにも提供されています。
Galaxy S22シリーズからの買い替えはおすすめできます。
上記でまとめたアップデートに加えて、より洗練されたフラットなデザイン。発熱で大きな問題を抱えたSnapdragon 8 Gen 1から発熱問題を解消する大型の冷却システムと史上最速のチップへの変更、eSIM対応といったアップグレードを受けられます。
評価まとめ:買い替え候補から外せないモデル
スマホに生成AIを本格導入する動きは始まったばかりですが、SamsungはAI機能を豊富に揃えました。
角度補正やかこって検索のような便利な機能もあれば、最初の感動だけで2〜3回体験したら使わなくなりそうな機能もあり、アップデートで改善されなければ、消えていきそうなものもあります。
特にボイスメモの書き起こし機能は改善が必要だと感じました。筆者が愛用しているGoogle Pixelの書き起こし機能はリアルタイムのため、聞き逃した言葉もすぐに振り返ることができますが、Galaxy AIではそれができません。もちろん書き起こしの精度向上も必要です。
Galaxy AIは2025年末まで無料で提供されると案内されており、その時期を1つの目標としているはずです。Galaxy AIは、まだ購入の決め手となるようなものではないと感じます。
それでもボディ、ディスプレイ、カメラなどのハードウェアはAndroidでトップクラスで、Google Pixelのような品質問題もありません。Google Pixelはソフトウェアも不安定です。
Galaxy S24シリーズ、なかでもGalaxy S24はAndroidの定番で、買い替えの候補から外すことはできないモデルと評価します。
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