注目機種「iPhone X」を徹底レビュー!10周年を節目に史上最大の変化を遂げたプレミアムモデル
更新情報
2024年12月編集部更新
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※iPhone XについてApple公式サイトでは販売が終了しています。
2017年11月3日に発売された「iPhone X」をレビューします。初代iPhoneから10周年を記念して、Xはテンと読みます。あえてローマ数字にしているのがなんともAppleらしいですね。
iPhone 7 / 7 Plusの後継機はiPhone 8 / 8 Plusで、iPhone Xはプレミアムモデルという位置付けです。iPhoneの基礎を築き上げたと言っても過言ではないホームボタンが削ぎ落とされ、外観と操作方法が大きく変わっています。
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目次:
全く新しいデザインをチェック



限界まで表示領域を広げて画面占有率を高めたオールスクリーンは、大画面をコンパクトに収めています。狭額縁やベゼルレスとも言われていて、スマートフォン業界では主流になりつつあるデザインです。

背面の素材はガラスで、メタルボディでは実現できなかったワイヤレス充電(Qi)に対応しています。細かいことですが、今までiPhoneロゴの下に入っていた細かい文字やマークがなくなりました。






フレーム部分はiPodを彷彿とさせる鏡面仕上げです。高級感はありますが、指紋や傷が目立つので、注意して扱いたいところ。
驚異的で圧倒的なスペックを確認
サイズ | 高さ 約143.6 × 幅 約70.9 × 厚さ 約7.7mm |
---|---|
重量 | 約174g |
OS | iOS 11 |
チップ | A11 Bionic + M11モーションコプロセッサ |
RAM | 3GB |
ROM | 64GB / 256GB |
ディスプレイ | 対角5.8インチ HDRディスプレイ |
解像度 | 2,436×1,125 |
カメラ | アウトカメラ:約1,200万画素(広角カメラおよび望遠カメラ) インカメラ:約700万画素 |
カラー | スペースグレイ / シルバー |
備考 | 防沫・耐水・防塵 / Face ID/ Apple Pay / ワイヤレス充電 / 高速充電 |


ベンチマークアプリを走らせてみたところ、とてつもない高スコアを叩き出しました。iPhone 7 / 7 PlusのA10 Fusionと比較してCPUが最大70%、GPUは25%高速化されています。これだけの性能があれば何をしても快適です。
A11 Bionicチップは性能が向上しただけでなく、機械学習の専用ハードウェアとしてニューラルエンジンを搭載しています。後述するFace IDやアニ文字など、新機能のバックボーンとして重要な役割を担っています。
iPhone 8 / 8 Plusと比較


iPhone 8 | iPhone 8 Plus | iPhone X | |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 4.7インチ LCD | 5.5インチ LCD | 5.8インチ OLED |
解像度 | 1,334×750 | 1,920×1,080 | 2,436×1,125 |
コントラスト比 | 1,400:1 | 1,000,000:1 | |
サイズ | 138.4 × 67.3 × 7.3mm | 158.4 × 78.1 × 7.5mm | 143.6 × 70.9 × 7.7mm |
重量 | 148g | 202g | 174g |
チップ | A11 Bionic + M11モーションコプロセッサ | ||
カメラ | 12MP ƒ/1.8の開口部 |
12MP(広角・望遠) 広角:ƒ/1.8の開口部 望遠:ƒ/2.8の開口部 |
12MP(広角・望遠) 広角:ƒ/1.8の開口部 望遠:ƒ/2.4の開口部 |
手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 (広角のみ) |
デュアル光学式手ぶれ補正 |
本体サイズと画面サイズに注目してみると、iPhone 8より少し大きいだけでiPhone 8 Plus以上の大画面を搭載しています。ディスプレイについては後述しますが、iPhone Xがズバ抜けて美しいです。
望遠カメラのF値はiPhone 8 Plusより小さく、より多くの光を多く取り込めるため、明るく低ノイズで撮影できます。さらに、iPhone Xは望遠カメラにも光学式手ぶれ補正が搭載されているのがポイントです。
新機能と特徴をまとめてチェック
オールスクリーン

本体の形状に合わせてディスプレイがカーブしており、前面はほぼ画面です。大画面ながらコンパクト。まるで画面を持っているようで、今までのiPhoneでは感じたことがない新鮮な感覚です。


iPhone Xに非対応のアプリは上下に黒帯が表示され、オールスクリーンの恩恵を受けることができません。発売直後なので仕方ないのですが、近いうちに大半のアプリが対応すると思うので、あまり気にしなくてもいいでしょう。
OLEDパネル

iPhone XはOLED(有機EL)を採用しており、従来のLCD(液晶)より格段に綺麗です。OLEDはそれぞれの画素が自発光するという特徴があり、特に純黒は発光させないため、沈み込んだような深い黒を表現できます。写真ではわかりにくいので、ぜひ実機を見てください。
ジェスチャーとサイドボタンの操作

ホームボタンがあったところにホームインジケータが表示されています。ここをスワイプしたり、サイドボタンを使うことで同等の操作ができます。最初は戸惑いましたが、慣れてしまえば意識しなくても自然に使えます。操作方法を表にまとめました。
ホームボタン | ジェスチャーとサイドボタン | |
---|---|---|
ホームに戻る | 1回押す | 下部から上にスワイプ |
マルチタスク | 2回押す | 下部から上にスワイプしてホールド |
Appの中で別のAppに切り替え | 該当操作なし | 下部にそって右にスワイプ |
簡易アクセス | 2回タップ | 下部から下にスワイプ |
Siriを起動 | 長押し | サイドボタンを長押し |
ロック画面でApple Payを使う | 2回押す | サイドボタンを2回押す |
スクリーンショット | サイドボタンと同時押し | サイドボタンとボリュームアップボタンの同時押し |
使ってみて意外と便利だったのは、Appの中で別のAppに切り替えです。要するに、マルチタスクで別のAppに切り替えるのと同じですが、スワイプだけでポンポン切り替えられるのは便利です。
一方で不便になった操作もあります。画面を下げる簡易アクセスの操作は、そもそも下部を下にスワイプというジェスチャー自体が難しく、ケースを装着すると更に難易度が上がって使いづらいです。
ワイヤレス充電

ワイヤレス充電にはいくつか規格があって、その中でもポピュラーなQiに対応しています。Qiの充電パットは製品数が多いのも嬉しいポイント。充電速度は有線より遅いものの、やはり無線で充電できるのは便利です。
Face ID

ホームボタンと共にTouch ID(指紋認証)は無くなってしまいましたが、Face ID(顔認証)が使えます。3万以上のドットを顔に投射して深度マップを作成することで、正確に認識します。
赤外線カメラを搭載しており、暗所でも使用可能です。また、機械学習で外見の変化を識別できるので、帽子を被ったりメガネをかける程度であれば問題なく認識してくれますが、マスクなど顔の大半を覆っていると認識できません。


今までロック画面の通知内容は丸見えでしたが、iPhone XはFace IDで認証後に表示されるためセキュアです。Touch IDはホームボタンで復帰して認証すると通知を見る間もなくホーム画面に遷移してしまい、通知を確認するためにはわざわざサイドボタンを押す必要があったので、地味ですが便利だと感じた部分です。
アニ文字



メッセージでしかアニ文字を作成できませんが、カメラロールに動画として保存できます。表情と声を伝えることができるので、TwitterやFacebookなどのSNSで使っても面白いと思います。
賛否両論の切り欠き

切り欠き部分(センサーハウジング)にはスピーカーとフロントカメラ、TrueDepthカメラのセンサー群が並んでいます。ディスプレイはこのセンサーハウジングを避けているため、凹んだ形状になっています。
この切り欠きについては発売前から賛否両論あります。実際手にしてもイケてないなと感じているのが正直なところですが、慣れると案外気にならないものです。しかし、せっかく有機ELなのだから切り欠き周辺を黒くしてベゼルと同化してほしいと思っているのは筆者だけではないはず。

見た目の好みは個人の主観なので置いておいて、重要なのはステータスバーの領域です。左右の隅だけになったので、今までよりも表示できる領域が狭くなります。よって、バッテリー残量(%)やBluetoothアイコンなどは表示されません。

入りきらない情報やアイコンは、右上隅から下にスワイプしてコントロールセンターを開くと確認できます。イケてない切り欠きによって一手間増えましたが、頻繁に確認するわけではないので割り切るしかありません。
カメラ性能を検証

広角カメラに加え、2倍で撮影できる望遠カメラが縦に配置されています。同じくデュアルカメラを搭載しているiPhone 7 Plus / 8 Plusよりも、平面に置いた時は不安定でガタガタします。気になったらケースでフラットにするのがおすすめです。
それでは本題のカメラ性能を見ていきましょう。広角カメラと望遠カメラ、ポートレートの作例を用意しました。写真をクリックまたはタップすると大きなサイズで表示されます。


全て広角カメラで撮影した作例です。iPhoneのカメラは以前から高く評価されているだけあって、適当に撮ってもいい感じになるのがすごいところ。広角カメラの性能は従来モデルから据え置きですが、食べ物や風景、夜景も綺麗に撮影できました。

iPhone 7 Plusの望遠カメラは、広角カメラと比較して明らかに画質が悪かったのですが、iPhone Xでは少し改善されています。F値が小さくなり光の取り込み量が増えたことと、光学式手ブレ補正を搭載した効果を実感できました。
ポートレート

ポートレートモードはデュアルカメラのiPhone 7 Plusから追加された機能で、被写体の背景をぼかします。iPhone XとiPhone 8 Plusでは、新たにポートレートライティングが利用できます。撮影時は望遠カメラに切り替わるので、距離を取るのがコツです。

ポートレートモードで撮影した写真は、後でライティングを変更できます。5種類あるので、被写体の魅力を引き出すものを選ぶといいでしょう。
成功すると凄くいい写真になりますが、ソフトウェアでボケを処理しているため、失敗してしまうことも。特に細い部分がある被写体は苦手で、変なところがボケてしまいます。
評価まとめ
iPhone Xはホームボタンの廃止やOLEDパネルのオールスクリーンを搭載するなど、今までほとんど手付かずだった部分が大胆に変更されました。無くなったものについては代替機能が用意されているため、操作に慣れてしまえば快適に使えました。
新たに搭載されたFace IDの認証速度は、思っていたよりも高速で実用的。筆者はTouch IDの代替としてすんなり受け入れることができましたが、マスクをよく着用する人や持った瞬間にロック解除したい人にはネックになるかもしれません。
新しい要素が多く、久しぶりにiPhoneを使っていてワクワクしました。10周年を記念したモデルであると同時に、次の10年を見据えていると感じました。今後もiPhone Xのようなチャレンジングな製品を期待したいですね。
使い勝手は概ね良好ですが、まだ荒削りな部分もあるというのが正直な感想です。今まで通りの安定した使い勝手を求めるならiPhone 8 / 8 Plusの方が無難だと思います。気になる方はぜひ実機を触っていただいて、操作感を把握してから検討してみてください。
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