「iPhone 8」徹底レビュー!10周年の集大成モデル、史上最高のiPhoneがここに

書いた人: Yusuke Sakakura

カテゴリ: iPhone, レビュー

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「iPhone 8」徹底レビュー!10周年の集大成モデル、史上最高のiPhoneがここに

“未来はここに”、これは11月に発売される「iPhone X」のキャッチコピーで次の10年にチャレンジするAppleの思いが込められています。

これからの10年を描き始めるiPhone Xに対して「iPhone 8」は多大なる功績を収めた10年の集大成となるモデル。通常ならば「7s」として発売されるモデルに「8」のナンバリングが与えられたのはそれだけ大きな進化を遂げたからでしょう。

次の未来に踏み出すため、これまでの10年を完結させるiPhone 8をレビューします

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目次:

10周年で完成した史上最高のデザイン

iPhone 8
iPhone 8

Appleは2012年〜2017年の6年にわたってiPhoneにアルミボディを採用しました。歴史の半分を埋めたアルミボディの存在感は小さくありませんが、iPhone史上最大のインパクトを残し、最高の評価を得たのはiPhone 4/iPhone 4sで採用されたスチールフレームとガラスパネルを組み合わせたモデルでしょう。

割れやすいというデメリットがある一方で評価は非常に高くトレンドになったアルミボディと差別化もできることから、Androidスマートフォンでは徐々にガラスパネルを採用するモデルが増加。

iPhoneでガラスパネルの復活を望む声も多いなか、ついにiPhone 8でガラスパネルが復活。過去のガラスパネルをそのまま採用するわけではなく、スマホ史上最高の耐久性を実現し、エッジ部を湾曲させることで手によくなじみます。

ガラスボディでは難しい耐水性能も備え、外観はもちろん手に取った時も確かな高級感が得られます

新設計されたカスタムガラスを採用
新設計されたカスタムガラスを採用

電波を通さないアルミからガラスに変わったことでワイヤレス充電を実現し、背面を横断していたアンテナが廃止。さらにiPhone 7シリーズで話題になった「総務省指定」の文字や各種認証のロゴ、“Designed by Apple in California~”といったおなじみのロゴもキレイに姿を消しています。

背面はAppleロゴとiPhoneの文字だけに
背面はAppleロゴとiPhoneの文字だけに

フレームはアルミニウムを継続採用。内部構造には強度の高いスチールを用いることで高い剛性を誇るボディに仕上げています。

航空宇宙産業で使用されるアルミと同じグレードの強化フレーム
航空宇宙産業で使用されるアルミと同じグレードの強化フレーム

新素材を採用することでサイズは微増、重さはiPhone 7に比べて10g増加しています。両モデルを比べると確かな違いを感じるものの、iPhone 8が特別重いというわけではなく、強度・デザインも考慮するとiPhone 8が適正な重さとも言えます。

iPhone 7 Plusとのサイズ比較
iPhone 7 Plusとのサイズ比較

カラーバリエーションは今回レビューするスペースグレイに加えてシルバー、ゴールドの全3色。iPhone 7シリーズの新色として、高い評価を得たブラックとジェットブラックはラインナップされていません。

スペースグレイとジェットブラックを比べてみると色の違いは歴然。特に日の当たる屋外ではスペースグレイはあくまでも灰色、黒ではありません。ガラスとブラックの相性は非常に良いだけに今回ブラックが存在しないのは残念です。

スペースグレイとジェットブラックの比較(右がスペースグレイ)
スペースグレイとジェットブラックの比較(右がスペースグレイ)

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iPhone 8のスペック・性能

iPhone 8のスペック
iPhone 8のスペック

スペックアップしたiPhone 8のスペックを、約2年前に発売されたiPhone 6sの性能と比較してみます。

iPhone 8 iPhone 6s
サイズ・重さ 138.4×67.3×7.3mm・148g 138.3×67.1×7.1mm・143g
ディスプレイ 4.7インチ
1,334 x 750ピクセル
326ppi
1,400:1コントラスト比
広色域ディスプレイ(P3)
最大輝度625cd/m2(標準)
True Toneディスプレイ
4.7インチ
1,334 x 750ピクセル
326ppi
1,400:1コントラスト比
フルsRGB規格
最大輝度500cd/m2(標準)
防沫/耐水/防じん IP67等級
チップ A11 Bionicチップ
ニューラルエンジン
M11
64ビット
A9チップ

M9
64ビット
カメラ 12MPカメラ
f/1.8
光学式手ブレ補正
最大5倍のデジタルズーム
広色域キャプチャ
クアッドLED True Toneフラッシュとスローシンクロ
12MPカメラ
f/2.2

最大5倍のデジタルズーム

TrueToneフラッシュ
ビデオ 4K(24fps/30fp/60fps)
1080p HD(30fps/60fps)
720p HD(30fps)
1080p(120fps/240fps)スローモーション
光学式手ブレ補正
4K(30fp)
1080p HD(30fps/60fps)
720p HD(30fps)
1080p(120fps)、720p/240fps)スローモーション
フロントカメラ FaceTime HDカメラ
7MPの写真
f/2.2
広色域キャプチャ
1080p HDビデオ撮影
FaceTime HDカメラ
5MPの写真
f/2.2

720p HDビデオ撮影
Apple Pay FeliCa FeliCaなし
バッテリー 連続通話時間*:最大14時間
インターネット利用:最大12時間
ビデオ再生*:最大13時間
オーディオ*:最大40時間
高速充電に対応:30分で最大50%充電
ワイヤレス充電:○
*ワイヤレス通信利用時
連続通話時間:最大14時間
インターネット利用:最大10時間
ビデオ再生:最大11時間
オーディオ:最大50時間
高速充電に対応:―
ワイヤレス充電:○
指紋認証 Touch ID(第2世代) Touch ID(第2世代)

iPhone史上最高のデザインとなったボディには新しい「A11 Bionic」チップを搭載することで処理性能は25%〜75%高速化、描画処理も最大30%アップするなどスペックも史上最高を実現。

性能を数値化するベンチマークスコアを「GeekBench 4」アプリで計測したところマルチコアでは約2倍のスコアを記録。描画処理も約1.2のスコアを記録しています。

マルチコアとMetalのベンチマークスコアが飛躍的向上
マルチコアとMetalのベンチマークスコアが飛躍的向上

圧倒的なパワーによって拡張現実「AR」をサポートするアプリもなめらかに動作し、ニューラルエンジンによって知性を兼ね備え、強化された省電力コアによってiPhone 7よりも少ない容量のバッテリーながら同等の電池持ちを実現しています。

電池持ちを検証するため、画面の明るさを最大にしてYouTubeを視聴したところ約5時間の連続再生に成功。これは3,000mAhの大容量バッテリーを備えるAndroidスマートフォンでようやく実現できる成績。iPhone 8のバッテリー容量が約1,800mAhであることを考えると驚異的な省電力であることがわかります。

iPhone 8の新機能・特徴をチェック

耐水・防沫・防じん、FeliCaを搭載したApple Pay、Taptic Engineによる心地よいフィードバックが得られる感圧式のホームボタンなどiPhone 7シリーズで追加された新機能はiPhone 8シリーズにも継承されています

さらに、ワイヤレス充電や全く新しいセンサーで画質が大幅向上したカメラ、True Toneテクノロジーによって視認性が向上したRetina HDディスプレイなど、新たな機能も多く吹き込まれています

置くだけの手軽さ「ワイヤレス充電」

最もインパクトのある新機能は「ワイヤレス充電」です。Androidではかなり前から採用され、最近は縮小気味ですがようやくiPhoneにも採用されました。

ワイヤレス充電に対応したiPhone 8
ワイヤレス充電に対応したiPhone 8

ワイヤレス充電のメリットはなんといっても充電の手軽さ。これまでは充電するためにLightningケーブルを探す必要がありましたが、これからはパッドの上にiPhoneを置くだけで良い。小さなメリットでは壊れやすいケーブルの損傷を気にしなくても良いこと充電中に電話がかかってきた時にケーブルを外さずそのまま通話できるといったものがあげられます。

一方、ワイヤレス充電のデメリットとして充電時間が長くなることがあげられます。検証してみたところLightningケーブルを使った充電の2時間に対してワイヤレス充電は2.5倍の5時間に。これだけの差があるとワイヤレス充電の導入に躊躇する人は少なくないでしょう。

年内のアップデートで7.5Wのワイヤレス高速充電(通常は5W)に対応する予定。充電時間がどこまで短縮されるのか楽しみです。

True Tone対応のRetina HDディスプレイ

Retina HD ディスプレイは画面の大きさ、解像度には変化はありませんが新機能として「True Tone」テクノロジーが追加されました。

Retina HDディスプレイ
Retina HDディスプレイ

通常ディスプレイは周囲の光によって見え方が変わります。例えば、暖色系の照明を使った店内では黄色っぽく、蛍光灯など寒色系の照明を使った自宅では青っぽく見えます。自宅や電車、職場、お店など様々な場所で使うスマートフォンのディスプレイは利用する場所によって見え方が違いますが、True Toneが追加されたiPhone 8/iPhone 8 Plusのディスプレイは周囲の光を検知してホワイトバランスを調整することでより自然な見え方を実現します

ただ、テレビやPCなどiPhone以外の家電製品はTrue Toneのような機能を持ち合わせていないため、デバイス間のギャップによってiPhoneの見え方が不自然に感じることも少なくありません。True Toneをオンにすると黄色が強く出ますが気になる場合は手動でオフにすることもできます

TrueToneのiPhone 8とiPhone 6sのディスプレイを比較
TrueToneのiPhone 8とiPhone 6sのディスプレイを比較

人工知能をサポートする「A11 Bionic」チップ

iPhone 8にはAppleいわくスマートフォン史上最強の「A11 Bionic」チップが搭載されています。

iPhone 7シリーズの「A10 Fusion」チップとの大きな違いは「ニューラルエンジン」を備えていること。ニューラルエンジンは顔認証「Face ID」やカメラで捉えた顔の表情と連動する3D絵文字「アニ文字」、さらに拡張現実「AR」では空間認識やシーン認識を担当することでハイクオリティのARを提供します。

ARも快適に利用できる
ARも快適に利用できる

よく利用するカメラにも画像認識が導入されています。優れた認識技術によって周囲の明るさを検知し、設定を自動で最適化することで意識することなくベストショットで撮影可能に。iPhone 8のカメラアプリからはHDRボタンが除去されてバックグラウンドで自動化されました。これもA11 Bionicの優れた認識技術によるものと予想されます。

A11 Bionicは25%高速化された2つの高性能コアと、70%高速化された4つの省電力コアを搭載するなど高速化と消費電力化も実現していますが、優れた認識技術にも焦点が当てられています。

低音が驚くほど強くなったステレオスピーカー

新たに設計されたステレオスピーカーを聴き比べてみると旧ステレオスピーカーでは無いに等しい低音が非常によく聞こえ、迫力と深みのある音を奏でます。

低音の迫力が増したステレオスピーカー
低音の迫力が増したステレオスピーカー

さらに、最大25%大きくなった音量によってワイヤレススピーカーなどを必要とせずミュージックはもちろん、スピーカーフォンでの音声通話やFaceTimeも快適に楽しめます。

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新センサーで劇的に進化したカメラ

新しいイメージセンサーを搭載したカメラ
新しいイメージセンサーを搭載したカメラ

iPhone 8のカメラは、より大きく高速化された新しいイメージセンサーを搭載することで画素数などスペック表には現れない部分で大幅な進化を遂げました

様々なシーンを「iPhone 8」と2年前に発売されて買い替えのタイミングを迎える「iPhone 6s」のカメラで撮影した写真を元に驚くべきカメラの進化をレビューしていきます。

風景

風景の撮影において特に大きな差が出たのは曇り空の少し暗いシーン。iPhone 8は非常に明るく、黒つぶれの少ない写真が撮影できます

画像をアップしてみると輪郭の精密な描写力やノイズ軽減の差は歴然。写真を明るくしたり、画像を拡大するなどインスタグラムに写真をアップする時によく使う加工をしても画質が大きく崩れることはありません。

以下作例は、画像左がiPhone 8、右がiPhone 6sとなっています。画像をタップ・クリックすると大きい画像を表示できます。

カメラ作例:iPhone 8/明るい風景を撮影カメラ作例:iPhone 6/明るい風景を撮影
明るい風景を撮影
カメラ作例:iPhone 8/暗めの風景を撮影カメラ作例:iPhone 6/暗めの風景を撮影
暗めの風景を撮影
カメラ作例:iPhone 8カメラ作例:iPhone 6
画像を拡大すると細部の描写力やノイズの違いがはっきりわかる

逆光(HDR)

逆光や明るい場所と暗い場所が同居するシーンで多用する「HDR」はより明るく、ノイズを大幅に抑えた写真が撮影できるようになりました。Appleが「より美しくなった」とアピールしたとおり高いクオリティに進化しています。

なお、iPhone 8/iPhone 8 PlusはHDRが自動化されたことでカメラアプリからHDRのボタンが消えています。ニューラルエンジンを搭載するA11 BionicチップによってHDRの自動化を高いクオリティで実現可能になったのかもしれません。

なお、設定から「カメラ」に進んで「」のスイッチをオンにすることで、これまでと同じ使い方でHDRが利用できます。

カメラ作例:iPhone 8カメラ作例:iPhone 6
HDRは明るくノイズを抑えてより美しくなった

夜景

秋に向かっていくこれからの季節、iPhoneのカメラでイルミネーションなど夜景を撮る機会が増えていきます。

「明るさ」「ノイズ低減」「ブレ低減」が重要なポイントですが、全ての要素においてiPhone 8は極めて高いクオリティの写真が撮影できます

ライトアップされた東京駅をiPhone 6sで撮影すると全体的に白っぽく輪郭はぼやっとしてノイズも目立ちます。一方、iPhone 8は光学式手ブレ補正によって手持ちの夜景撮影でもブレが少なく、ビルの輪郭などもしっかり捉えています

カメラ作例:iPhone 8カメラ作例:iPhone 6
適度な明るさで陰影がくっきりした夜景が撮れる
カメラ作例:iPhone 8カメラ作例:iPhone 6
言葉もいらないほど画質に差がある

スイーツ

弱光の店内でスイーツをマクロ撮影すると、照明が暖色系のためiPhone 6sは黄色っぽい仕上がりに。対するiPhone 8は黄色を感じさせず、食欲をそそらない青色が強調することもなくバランスの良い色合いでフルーツのフレッシュさを再現、陰影もくっきり出ています

カメラ作例:iPhone 8/フレッシュなイチジクのタルトカメラ作例:iPhone 6/フレッシュなイチジクのタルト
フレッシュなイチジクのタルト

なめらかになった「4K」ビデオ

iPhone 8は写真だけでなく動画も進化。4Kビデオではフレームレートのラインナップに24fpsと60fpsが追加されたことでよりなめらかな映像が記録可能に。スローモーションにおいても240fpsの画質がHDからフルHDに向上したことでなめらかな映像をそのままに高画質になっています。

以下は60fpsで撮影した4Kビデオ。非常になめらかでスポーツやダンス、鉄道など動きのある被写体を高いクオリティで記録できます。

60fps/4Kビデオ

評価まとめ

iPhone 8
iPhone 8

11月発売の「iPhone X」は刷新されたデザイン、顔認証、フルスクリーン、新しい操作性など未来が詰まったモデルのため敢えて「iPhone 8」を選ぶ理由を見いだせない人もいるかもしれません。

ただ落ち着いて考えてみると、iPhone 8にも史上最高のパワーと知性を兼ね備えた「A11 Bionicチップ」、新体験のワイヤレス充電、最も強靭なカスタムガラスによる新デザインなど共通する点は多く、決してエントリーモデルではないフラグシップモデルです

大きな一歩を踏み出す「iPhone X」にはホームボタンの廃止によって生まれる不安もあります。画面ロック解除など利用機会の多い顔認証がどこまで日常生活に馴染むのか、ホームボタンの廃止によって、提供される新しい操作性は快適に使えるのか今のところは誰もわかりません。

忘れてはならないのがiPhoneは「s」が付くモデルで完成するということ。リスクを取って未来をいち早く体験したいのであればiPhone Xは買いですが、成熟されたiPhoneで1年または2年を過ごしたいのであれば、今年はiPhone 8を選んで未来に備えるのがベストです

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この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

スマートフォンやウェアラブルなどを専門的に取り扱う「携帯総合研究所」を運営しているブロガーです。前職はシステムエンジニアでプログラムの経験を活かしてアプリの開発もはじめました!