ドコモの衛星通信が海外でも使えるように 米国・フィリピン・カナダで無料、ただし対応はGalaxy Zの3機種のみ
NTTドコモは2026年9月1日、衛星とスマートフォンが直接つながる「docomo Starlink Direct」の国際ローミング接続を開始した。対象は米国・フィリピン・カナダの3か国で、申し込み不要・無料で使える。ただし対応するのは「Samsung Galaxy Zシリーズ」の3機種だけで、9月中に対応機種を追加するとしている。
- 対象は米国(本土・ハワイ・アラスカの一部・プエルトリコを含む)、フィリピン(全土)、カナダ(北緯58度以南)
- 月額利用料は無料。国内SMS・国際SMSの送受信も無料で、データ通信は加入中のプランのデータ容量の消費対象外
- 対応機種はGalaxy Z Flip8(SC-55G)・Galaxy Z Fold8 Ultra(SC-56G)・Galaxy Z Fold8(SC-57G)の3機種のみで、ドコモモデルが対象
- 「ahamo」を含む全ての料金プランが対象。ただしLTE上空利用プランは対象外
- 遮蔽物のない屋外でデータ通信のみ。音声通話と緊急速報「エリアメール」は使えない
目次
対象は米国・フィリピン・カナダ、料金は無料
ドコモは「日本からの渡航者が多い米国・フィリピン・カナダの国立公園や山岳地帯、海岸などの通信確保が難しいエリアにおいて、天気や地図、位置情報などの確認が可能になります」と説明している。被災時に家族との通信手段を確保できることも挙げている。
利用できるのは、米国はT-Mobile USA、フィリピンはGlobe Telecom、カナダはRogers Communications Canadaが、それぞれSpace Exploration Technologies(スペースX)との連携で提供するStarlink衛星のサービスエリア内だ。カナダは北緯58度以南に限られる。

料金は月額利用料・SMS利用料ともに無料で、申し込みも要らない。データ通信は加入中の料金プランのデータ容量を消費しない。なお、このサービスでSMSを使うと、料金明細内訳書の通信種類の欄に「衛星SX」と記載される。
対応するのはGalaxy Zの3機種だけ
いちばん確認が要るのが対応機種だ。ドコモは「「Samsung Galaxy Zシリーズ」3機種から対応を開始し、9月中に対応機種を追加する」としている。サービスページに載っている3機種は次のとおりで、米国・フィリピン・カナダの3か国とも同じだ。

注意したいのは、対象機種欄に「ドコモモデルが対象(他キャリア・メーカーモデル除く)」と書かれている点だ。同じ Galaxy Z Fold8 でも、他社で購入したモデルやメーカー版は対象に入らない。
国内での対応機種と比べると差は大きい。国内向けの「docomo Starlink Direct」は、iPhone だけでもiPhone 13から iPhone 17e まで21機種が対応しており、ほかに Pixel・Galaxy・Xperia・AQUOS・arrows がメーカー別に並んでいる。国内で使えているからといって、海外でも使えるとは限らない。
屋外でデータ通信だけ、事前の設定も要る
使い方にも条件がある。ドコモは、渡航先の通信エリア内やWi-Fi接続の状況下を除き、遮蔽物がない屋外で利用できるとしている。通信できるのは対応機種・対応アプリでのデータ通信だけで、音声通話はできない。緊急速報「エリアメール」は国内向けのサービスのため、海外利用時は使えない。
渡航前の準備も要る。最新ソフトウェアへのアップデート、「docomo Starlink Direct」の利用設定、そしてデータローミング設定を有効にする、の3つだ。設定を済ませておけば、渡航先の提供エリアで通信環境の確保が難しいときに自動でStarlink衛星に接続される。接続中はネットワーク名が、米国は「T-Mobile SpaceX」、フィリピンは「G Starlink」、カナダは「ROGERS SATELLITE」と表示される。
対象プランは「ahamo」を含む全ての料金プランだが、上空利用ができないためLTE上空利用プランは対象外だ。また利用には5GまたはXiの契約が必要で、「WORLD WING」契約がある場合はWORLD WINGの提供エリア内では利用できない。あくまで圏外になったときの備えという位置づけになる。
解説・コメント
「無料」「申し込み不要」「全プラン対象」と条件が軽い一方で、いま実際に使えるのは Galaxy Z の3機種を持っている人だけだ。しかもドコモモデル限定なので、同じ機種でも他社で買ったものは対象外になる。国内では iPhone 13以降の21機種を含め多くの機種が対応しているぶん、「自分のスマホでも当然使えるはず」と思い込みやすいところが、この発表のいちばんの落とし穴といえる。
裏を返せば、対象の3機種を持っていて米国・フィリピン・カナダへ行く予定があるなら、出発前に設定を済ませておく価値は十分ある。国立公園や山間部で圏外になっても地図や天気が見られるかどうかは、旅程の安心感がまるで違う。それ以外の人は、ドコモが予告している9月中の対応機種追加を待つことになる。渡航前に、サービスページで自分の機種が対象かを確かめておきたい。





