総務省の審議会が消費者保護ルールの一次答申、スマホ解約時にオプションの継続意向を確認する方向へ
総務省は2026年9月4日、情報通信審議会から「消費者保護ルールの更なる適正化とDX時代への対応の在り方」の一次答申を受けた。携帯電話の契約と一緒に付くオプションの説明、解約時の対応、高齢者との契約手続きなどについて、事業者に求める取り組みの方向性をまとめたものだ。制度がすぐ変わるわけではなく、法令にするかガイドラインにするかも含めて、2027年夏頃を目途とする最終答申に向けて検討が続く。
- 大手キャリアへの苦情のうち「心当たりのない料金の請求等」が25.7%、「解約の条件・方法」が22.0%
- 通信契約の解約時にオプションの継続意向を確認する仕組みを検討
- 説明義務の範囲に、通信契約と一緒に契約するオプションを含める方向
- 80歳以上との契約は家族への意向確認のあり方を見直し。格安SIMや光回線にも高齢者対応の統一基準を
- 制度はまだ変わっていない。最終答申は2027年夏頃の見込み
目次
苦情の4分の1が「心当たりのない請求」、解約関連が22%
答申の土台になった数字がある。電気通信分野の苦情相談は2015年度の9万668件から2024年度の6万9448件へと10年で2割以上減ったが、なお年間7万件程度ある。

概要資料は、大手キャリア(MNO)の苦情相談のうち「心当たりのない料金の請求等が25.7%、解約の条件・方法が22.0%と高い水準」にあり、「オプションに係る契約や解約がその要因となっている可能性がある」と指摘する。利用者が認識のないオプションを契約して不必要な支払いをしているケースや、解約の条件・方法が伝わらず解約漏れが起きているケースが「多く存在している」という現状認識だ。
解約時にオプションの継続意向を確認、端末の頭金の説明も見直し
方向性として最初に挙がるのが説明義務の範囲だ。現在の説明義務は通信契約が中心だが、答申は「通信契約に合わせて利用されるオプション」を説明義務のスコープに含めることを検討するとした。販売代理店が独自に扱うオプションを含めるかは「要検討」としている。
解約についても、契約後や解約時に利用者の求めに応じて解約の方法・条件を説明するとともに、「通信契約の解約時におけるオプションの継続意向の確認の実施」を検討するとした。通信を解約したのにオプションだけ残って請求が続く、という典型的な解約漏れを入り口で止める考え方だ。
端末については、利用者の誤認が生じやすい部分として「端末販売価格に含まれる頭金の位置づけ」を例に挙げ、説明の在り方を見直す。答申本文は脚注で、携帯電話業界の「頭金」は「端末販売価格の一部を最初に支払うものではあるものの、実態としては、あらかじめ定められた『割賦払い額』の上乗せの額」だと説明している。さらに、説明を充実させても改善しない場合は「サービス及び料金プランの内容が過度に複雑になっている」可能性があるとし、事業者が分かりやすい簡潔なプランを提供する努力も「今後の課題」と書き込んだ。
80歳以上との契約は家族への意向確認を見直し、格安SIMにも統一基準
高齢者対応では、80歳以上の契約で家族などへの意向確認ができない場合や、意向確認の相手も高齢者になる場合に「特別な配慮が行われていない」と指摘。今後は意向確認の相手を可能な限り高齢者としないこと、契約内容を理解して判断する時間を確保することを検討する。これは大手キャリアだけでなく「MVNOも含めモバイルサービスを扱う業界全体で検討する」とし、格安SIMや光回線の事業者にも高齢者対応の統一的な基準を設ける方向を示した。
あわせて、契約者の入院・死亡・認知症の発症時に親族が行う解約手続きの方法・条件を、書面やホームページで広く周知するよう事業者に促す。個人事業主の契約には法人契約のルールを原則として適用しないことの徹底や、光回線の電話勧誘で苦情が横ばいのままである点、契約書面の電子交付を原則にする際の課題も、検討項目に入っている。
解説・コメント
今回は「一次答申」で、書かれているのは「検討する」「促す」までだ。解約時のオプション確認が義務になったわけでも、いつから始まるかが決まったわけでもない。総務省は「所要の措置を講じていく」としており、法令かガイドラインかを含めて2027年夏頃の最終答申に向けて詰めていく。
ただ、答申が示した数字は、いまの契約者にも使える。苦情の4分の1が「心当たりのない請求」なら、まず自分の請求明細でオプションの欄を見直すのが早い。乗り換えや解約を予定している人は、通信契約を解約してもオプションが残る仕組みになっていないか、手続きの前に確認したい。制度が追いつくのを待つより、答申が問題だと名指しした場所を自分で先に潰しておくほうが確実だ。親のスマホを管理している人は、入院・死亡・認知症のときの手続きが各社のサイトに書かれるようになる方向も覚えておくとよい。





