「mineo(マイネオ)」と「IIJmio」の徹底比較!似て非なる2つの格安SIMを比べてみた

「mineo(マイネオ)」と「IIJmio」の徹底比較!似て非なる2つの格安SIMを比べてみた

数多くあるMVNO事業者の中でも特に満足度の高い会社といえば「mineo(マイネオ)」と「IIJmio」が有名です。

両社ともドコモとauのマルチキャリアに対応した格安SIM。データ繰り越しや速度の切り替え、データ容量のシェアなど提供しているサービスに共通点 が多いので、どちらにしようか迷っている方もいるのではないでしょうか?

今回はユーザーの満足度も高いmineoとIIJmioの料金やプラン内容、実際の通信速度などについて徹底的に比較してみました。

小川正人

監修者情報
小川正人(Ogawa Masato)

新聞社が推薦する通信サービスに精通したコンサルタント。QUANTA代表。スマホや格安SIM・ポケット型WiFi・光回線などの通信、モバイルサービスの専門家。大手家電量販店で販売員を行っていたが光回線やモバイルサービスの種類や料金体系の複雑さを痛感。「お客様が最適なプランを選べるようにしたい」との思いからlivedoorの通信サービスメディアサイト「livedoor Choice」に携わる。一時期は通信の実態を経験するために、光回線を3社、スマホキャリア、格安SIMを12社同時に契約していた。2019年には2019年度バリューコマースMVPを受賞。
監修者について(マイベストプロ)

mineoはどんなサービス?

mineo
mineo

mineoは国内初のドコモとauのマルチキャリアに対応した格安SIM。家族や友達とデータ通信量をシェアすることができる「パケットシェア」「パケットギフト」、mineoユーザー同士で交流ができる「マイネ王」など他社にはない独自のサービスで勝負する会社です。TVCMにはNHKの連続テレビ小説「わろてんか」に主演した、女優の葵わかなさんが出演するなど、自社の宣伝にも積極的。ユーザー数を一気に伸ばし、2018年4月に契約回線数が100万回線を突破しました。

IIJmioはどんなサービス?

IIJmio
IIJmio

IIJmioは格安SIMが流行る前からMVNO事業を進めた最大手。長期に渡り安定した通信品質を保ち、通信障害や大きなトラブルもないためユーザーからの信頼も厚く、最新スマホやOSバージョンアップにもいち早く対応するなど会社の姿勢も評価されています。2016年10月1日からはmineoと同じくドコモとauのマルチキャリアに対応しました。契約回線数は200万回線を超えています

mineoとIIJmioの比較:料金

まずは気になる料金から比較していきましょう。

●データ通信専用

mineo IIJmio
500MB 700円
1GB 800円
3GB 900円 900円
6GB 1,580円 1,520円
10GB 2,520円
12GB 2,560円
20GB 3,980円 基本料金+3,100円
30GB 5,900円 基本料金+5,000円

●音声通話付きSIM

mineo IIJmio
タイプD / タイプA 共通
500MB Dプラン1,400円 Aプラン1,310円
1GB Dプラン1,500円 Aプラン1,410円
3GB Dプラン1,600円 Aプラン1,510円 1,600円
6GB Dプラン2,280円 Aプラン2,190円 2,220円
10GB Dプラン3,220円 Aプラン3,130円
12GB 3,260円
20GB Dプラン4,680円 Aプラン4,590円 基本料金+3,100円
30GB Dプラン6,600円 Aプラン6,510円 基本料金+5,000円

※大容量オプション適用時

mineoでは500MB~30GBのデータ容量から選べるため、ライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの利用者をカバーしています。

IIJmioは3GBのミニマムスタートプラン、6GBのライトスタートプラン、12GBのファミリーシェアプラン(2018年4月1日より2GB増量)の3種類のみ。

IIJmioで、もっと大容量のプランを使いたいときは、基本容量に追加して使える「大容量オプション」がオススメです。基本料金に20GBは3,100円、30GBは5,000円を追加購入できます。

mineoとIIJmioの比較:通信速度

格安SIM選びで重要なのが通信速度
格安SIM選びで重要なのが通信速度

格安SIM選びでは料金が安いだけではなく通信速度も重要です。安かろう悪かろうではなくちゃんと使える回線を選びたいですよね。

実際に速度を比較してみた

実際にmineoとIIJmioの通信速度を計測してみて速度を比較してみました。

●測定条件

測定場所 沖縄県那覇市周辺
測定時間帯 朝8時~9時、昼12時~13時、夜18時~19時
測定回線・端末 mineo Dプラン:HUAWEI P10 lite
mineo Aプラン:isai Beat LGV34
IIJmio タイプD:HUAWEI P10 lite
IIJmio タイプA:HTC 10 HTV32
測定アプリ・方法 Speedtest.netを使い3回ずつ計測。平均値を値とする。

測定結果はこちらです。

●下り速度

mineo IIJmio
Dプラン Aプラン タイプD タイプA
朝:1回目 13.3Mbps 39.4Mbps 24.8Mbps 34.9Mbps
朝:2回目 11.3Mbps 34.4Mbps 22.8Mbps 21.2Mbps
朝:3回目 16.5Mbps 37.6Mbps 11.85Mbps 27.3Mbps
朝:平均 13.7Mbps 37.1Mbps 19.8Mbps 27.8Mbps
昼:1回目 0.49Mbps 0.74Mbps 0.35Mbps 1.14Mbps
昼:2回目 1.24Mbps 0.59Mbps 0.27Mbps 2.16Mbps
昼:3回目 0.59Mbps 0.72Mbps 0.39Mbps 1.10Mbps
昼:平均 0.77Mbps 0.68Mbps 0.33Mbps 1.46Mbps
夜:1回目 1.81Mbps 7.15Mbps 3.8Mbps 6.4Mbps
夜:2回目 1.75Mbps 5.65Mbps 2.7Mbps 2.8Mbps
夜:3回目 1.80Mbps 5.24Mbps 5.2Mbps 4.16Mbps
夜:平均 1.78Mbps 6.01Mbps 3.9Mbps 4.45Mbps

●上り速度

mineo IIJmio
Dプラン Aプラン タイプD タイプA
朝:1回目 10.08Mbps 8.45Mbps 8.4Mbps 5.92Mbps
朝:2回目 10.04Mbps 8.81Mbps 7.7Mbps 5.20Mbps
朝:3回目 8.2Mbps 7.73Mbps 11.3Mbps 5.71Mbps
朝:平均 9.8Mbps 8.33Mbps 9.13Mbps 5.61Mbps
昼:1回目 9.54Mbps 4.89Mbps 4.8Mbps 2.90Mbps
昼:2回目 9.23Mbps 4.44Mbps 3.13Mbps 4.56Mbps
昼:3回目 9.15Mbps 3.48Mbps 7.69Mbps 5.18Mbps
昼:平均 9.3Mbps 4.27Mbps 5.2Mbps 4.21Mbps
夜:1回目 16.0Mbps 5.56Mbps 12.9Mbps 5.14Mbps
夜:2回目 10.4Mbps 5.96Mbps 10.5Mbps 4.52Mbps
夜:3回目 13.7Mbps 5.02Mbps 10.06Mbps 6.63Mbps
夜:平均 13.3Mbps 5.51Mbps 11.15Mbsp 5.43Mbps

朝の通勤ラッシュの時間帯では下り10Mbpsを超えています。しかし、格安SIMの鬼門とも言える昼のランチタイムでは速度が大幅に落ちてしまいます。夜になると速度が多少回復し始めました。

※モバレコでは下記の記事で格安SIM各社の通信速度を毎週測定しています。

速度制限の条件について

多くの格安SIMでは直近3日間当たりの通信量が一定量を超えると速度制限に掛かりますが、mineoのDプランでは直近3日間当たりの速度制限がありません。

IIJmioのタイプDでは速度制限時に3日間で366MBを超えた場合、4日目にさらに厳しい速度制限が掛かります。高速通信時は直近3日間当たりの速度制限はありません。

mineoのAプランとIIJmioのタイプAでは、回線の大元であるau側の制限で当日を含まない直近3日間当たりの通信量が6GBを超えると速度制限に掛かります。安定して速度が出るようにネットワーク混雑を避けるために制限が設けられています。

速度制限に掛かると上下最大200Kbpsまで制限されてしまうため、月末で一気にデータ残量を消化するときは要注意です。

mineoとIIJmioの比較:データ繰り越し・速度の切り替え

mineoとIIJmioでは、どちらもデータ残量の繰り越し高速・低速通信の手動切り換えに対応しています。繰り越したデータ残量は翌月末まで有効で、翌々月には消滅してしまいます。

mineoとIIJmioの比較:データ繰り越し・速度の切り替えmineoとIIJmioの比較:データ繰り越し・速度の切り替え
高速データ通信をオフにするとデータ容量を節約できる

通信速度の手動切り換えは「mineoスイッチ」「IIJmioクーポンスイッチ(みおぽん)」で速度切替ボタンをタップするだけで簡単に切り換えできます。手動で高速通信をオフにすることにより、データ残量の消費ゼロで通信できます。

mineoとIIJmioの比較:データ容量のシェア

mineoとIIJmioは、余ったデータ通信量は家族(同一名義)間でシェアして使えます。ドコモ回線・au回線を問わずキャリアを跨いだシェアも可能です。

繰越分を家族でシェアする「mineoのシェアグループ」
繰越分を家族でシェアする「mineoのシェアグループ」

mineoではプラン・タイプ問わず最大5回線までシェアグループを組めます。

パケットシェアメンバーを登録すると、翌月に繰り越した分のデータ容量を分け合えます。
当月分のデータ容量については各回線で使い切らなくてはいけません。

その他にもmineo独自の「パケットギフト」「フリータンク」を使うと友達や他のmineoユーザーともシェアが可能です。mineoでは余ったデータ通信量を無駄なく使い切るサービスが多く用意されています。

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最大10枚のSIMでシェアできる「IIJmioのファミリーシェアプラン」
最大10枚のSIMでシェアできる「IIJmioのファミリーシェアプラン」

IIJmioでは、契約するプランによってシェア出来る枚数が異なり、3GB(ミニマムスタートプラン)と6GB(ライトスタートプラン)は最大2枚、12GB(ファミリーシェアプラン)のみ最大10枚でシェアできます。

SIMを1枚追加するにあたり、手数料として1枚当たり400円が掛かります。例外として12GB(ファミリーシェアプラン)のみ3枚分までの手数料が含まれているため、4枚目以降を追加するときに掛かります。

mineoとIIJmioの比較:かけ放題サービス

mineoには「10分かけ放題」、IIJmioには「通話定額オプション」という名称でかけ放題サービスがあります。

オプションに加入して専用アプリを使って発信するだけで適用されます。オプションに加入しなくてもアプリからの発信は通話料が半額になるのでお得です。

mineoは「10分掛け放題」が利用できる
mineoは「10分掛け放題」が利用できる

mineoの10分かけ放題では、基本料金に月額850円追加すると10分以内の国内通話が何度でもかけ放題になります。10分超過後は30秒につき10円の料金が発生します。

IIJmioでは通話時間によってオプションが選べる
IIJmioでは通話時間によってオプションが選べる

IIJmioでは、1回の通話が長い人向けと短い人向けの2プランが用意されており、発信先によって1回あたりの通話時間と超過時の通話料が変わります。

1回の通話が長い人向け 1回の通話が短い人向け
月額料金 830円 600円
国内通話 10分以内の通話無料
超過時は10円/30秒
3分以内の通話無料
超過時は10円/30秒
同一契約間通話(mioID) 30分以内の通話無料
超過時は8円/30秒
10分以内の通話無料
超過時は8円/30秒

1回の通話が長い人向けの場合、オプション代金は月額830円で10分以内の国内通話がかけ放題になります。同一契約間(mioID)の通話に限り、1回あたりの通話時間が30分まで延長され、超過時の料金も2円安くなっています。

1回の通話が短い人向けの場合、オプション代金は月額600円で3分以内の国内通話がかけ放題。同一契約間(mioID)は10分まで延長されます。

家族同士の長電話が多い方や、1回あたりの通話時間が短い方であればIIJmioの方がお得に通話を楽しめます。

mineoとIIJmioの比較:解約条件

回線を契約する前にぜひ知っておきたいのがSIMカードの解約条件。格安SIMに乗り換えても「結局自分には合わなかった」という人もいるため、事前に確認しておきましょう。

mineoでは最低利用期間が設定されておらず、いつ解約しても解約金が掛かりません。シングルタイプ(データ通信専用)だけではなく、デュアルタイプ(音声通話対応)でも無料な会社は格安SIMの中でも珍しく、ユーザー目線に立ったmineoならではの緩い条件です。

ただし、契約後1年以内にMNPで他社に乗り換える場合、MNP転出手数料として12,420円(税込)が発生するため要注意です。契約から13ヶ月以上経過していればMNP転出手数料が2,160円(税込)に値下げされます。

IIJmioではデータ通信専用SIMが利用開始日の翌月末日まで、音声通話対応SIM(みおふぉん)では、契約月数に応じた音声通話機能解除調定金が発生します。

解除料の算出方法は「(12ヶ月-利用開始月を0ヵ月とした利用月数)×1,000円」となり、毎月1,000円ずつ減っていき、13ヶ月目で解除料が0円になります。

mineoとIIJmioそれぞれのメリット

最後にmineoとIIJmioのメリットを紹介します。

mineoのメリット

mineoにはどんなメリットが?
mineoにはどんなメリットが?

mineoには下記のメリットがあります。

●mineoのメリット

・データ容量が細かく選べる
・バースト転送機能で低速時でも多少読み込みが速い
マルチキャリア対応でドコモとau回線が選べる
・家族以外の友人やmineoユーザー同士でパケットをシェアできる
・家族割引で基本料金が1回線につき50円安くなる
最低利用期間と解約金がない
・他社にはない独自のサービスが充実している
・困ったら「マイネ王」で相談や質問ができる

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※お試し200MBコース、マイそくスーパーライトは対象外

IIJmioのメリット

IIJmioにはどんなメリットが?
IIJmioにはどんなメリットが?

IIJmioには下記のメリットがあります。

●IIJmioのメリット

安定した通信品質で通信障害が極めて少ない
マルチキャリア対応でドコモとau回線が選べる
・バースト転送機能で低速時でも多少読み込みが速い
通話定額オプションが2種類から選べる
・家族間通話だと通話料の割引通話時間が延長される
データシェアが当月分から適用可能

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まとめ:自分の使い方に合ったプランを選ぼう

mineoとIIJmioはマルチキャリア対応の格安SIMとしてよく比較対象に挙げられますが、プランやオプション内容はそれぞれ方向性が異なります。

mineoはデータ残量のシェアが柔軟に出来たり、格安SIM初心者にも優しいコミュニティで相談できるのがメリット。複数回線を契約すると家族割で1回線につき50円の割引が付いてくるので、家族みんなで一緒に乗り換えたほうがお得です

IIJmioでは通話定額オプションが充実しており、通話時間に応じて2タイプから選べることや家族間通話の割引が自分の使い方にマッチしたら他社よりも大幅に節約できます

双方のメリット・デメリットを把握した上で、自分にはどちらが向いているのか検討して見て下さい。

この記事の編集者

モバレコ編集者:シーモ

モバレコ編集者:シーモ

格安SIM・スマホジャンルを3年以上担当。
モバレコ編集部に着任後、ドコモ→ahamo→mineoに乗り換えるなどフットワークが自慢。
実際に選ぶ・乗り換える経験で得た目線を大事にしています。
良い所はもちろん悪い面もわかる、読んでいて納得感のある記事作りを心がけています。
推しはmineoとIIJmio。

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

とくめい

とくめい

(自称)格安SIMアドバイザー・LCCトラベラー

プロフィール

沖縄在住の(自称)かわいい鹿。スマホやタブレットなどのモバイルガジェットをはじめ、格安SIMの料金や速度比較、初心者向けのハウツー記事などを執筆しています。格安SIMを20枚以上契約しており、様々な利用用途から最適な料金プランを提案します。

LCCや高速バスを使って安く・お得に全国各地へ旅をするのが趣味。個人ブログ「Creator Clip」や、モバレコ以外の外部メディアには旅行やお出かけ情報に関する記事も書いています。

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