ASUS ZenFone 4は”買い”なのか? 使ってみて分かったメリット・デメリットをまとめてみた

ASUS ZenFone 4は"買い"なのか? 使ってみて分かったメリット・デメリットをまとめてみた

SIMフリースマホで人気のメーカー、ASUSの「ZenFone 4」は日本では2017年9月23日に発売されました。

ZenFone 4シリーズの中心的位置付けのこの機種には、前モデルの「ZenFone 3」から更に磨きをかけたデザイン、進化したスペック、そして新たに搭載されたデュアルカメラなどの特徴があります。

今回は、ZenFone 4を実際に使ってみて感じたメリットとデメリットをお伝えします。

ZenFone 4の6つのメリット

まずは、ZenFone 4の優れている点を6つピックアップしてご紹介します。

高級感のあるデザイン

ZenFone 4の筐体は、両面にガラスを使っていることやASUS製品のデザインの特徴とも言える「スピンデザイン」を施していることなど、全体としては前モデルであるZenFone 3のイメージを引き継ぎつつ、より洗練されたデザインとなり高級感が増しています

背面は「スピンデザイン」仕様
背面は「スピンデザイン」仕様

スピンデザインが施された背面ガラスは、角度によって表情を変えながら放射状に光るのが特徴。カメラ部分の出っ張りなどもないシンプルな一枚板に、このデザインがよく映えます。

高級感のある落ち着いたデザインが特徴
高級感のある落ち着いたデザインが特徴

ZenFone 4のデザインは上位機種の「ZenFone 4 Pro」と少し方向性が違っていて、光沢の強い仕上げでゴージャス感を出したProに対し、ZenFone 4は側面やエッジの光沢を抑え落ち着いた仕上がりとなっています。

好みは分かれるかもしれませんが、シーンや持つ人を選ばないデザインであるという点はZenFone 4の美点でしょう。

ディスプレイ・大きさ・指紋認証、全体的な使い勝手は良好◎

大きめのディスプレイでも持ちやすい
大きめのディスプレイでも持ちやすい

5.5インチと大きめのディスプレイを搭載する機種ながら、本体の持ちやすさは上々
ディスプレイの明るさや視野角の広さは適切で、明るい屋外など画面が見にくくなりやすい場面でも大きな不満は感じませんでした。ディスプレイ表面のコーティングも指滑りの良い物で、フリック入力やスクロールといった画面上で大きく指を動かす操作も快適です。

スペックと違って手に取ってみるまで感じにくい部分ですが、持ちやすさ・ディスプレイの見やすさ・操作のしやすさといった基本的な部分がしっかりしているので、全体的な使い勝手は良好だと感じました

指紋センサーは前面へ
指紋センサーは前面へ

使い勝手という点で言えば、前機種では背面に搭載されていた指紋センサーが前面の画面下に移動したことも大きな変更点です。

それぞれに利点がありますが、前面に指紋センサーを搭載している機種では手に持った状態はもちろん、机などに置いたままでも指紋認証しやすいところが便利。他のことをしながらメッセージを確認したり音楽をかけるといった、ちょっとした操作をする程度なら本体を持ち上げる必要がないというメリットがあります。

前モデルから進化を遂げたスペック

カラー ミッドナイトブラック / ムーンライトホワイト
サイズ 約155.4 × 75.2 × 7.5mm
重量 約165g
ディスプレイ 5.5インチ FHD(1,920 × 1,080)
OS Android 7.1.1
SoC Snapdragon 660 2.2GHz オクタコア
RAM 6GB
ROM 64GB
外部メモリ microSDXC(最大2TB)
背面カメラ 約1,200万画素(標準)+ 約800万画素(広角)
前面カメラ 約800万画素
Wi-Fi IEEE 802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth Bluetooth 5.0
SIMカード nano SIM ×2
ネットワーク LTE:Band 1/2/3/5/7/8/18/19/28/38/39/40/41
W-CDMA:Band 1/2/3/5/6/8/19
GSM:850/900/1800/1900MHz
バッテリー 3,300mAh

ZenFone 4は、前機種のZenFone 3から大幅にスペックアップしています

ZenFone 3に搭載されていたSnapdragon 625よりもワンランク上かつ新しいSnapdragon 660を搭載したことで、特にCPU性能が大きく向上し動作が更にスムーズになっただけでなく、6GBの大容量RAMでアプリの同時起動も軽々こなします。

内部ストレージも64GB、さらに2TBまでのmicroSDXCカードに対応しているので、写真をたくさん撮りたい方や音楽を入れて持ち歩きたい方も安心です

ネットワークの面では、ドコモ・au・ソフトバンクをカバー
ネットワークの面では、ドコモ・au・ソフトバンクをカバー

ネットワークの面では、ドコモ・au・ソフトバンクのいずれの回線を利用するSIMでも使いやすい対応バンドとなっており、利用する・使っているSIMを問わず利用できる機種であることも魅力。

発売当初から対応しているau VoLTEに加えて、2017年12月のアップデートでY!mobileのVoLTEもサポートされたので、au回線の格安SIMやY!mobileとの組み合わせであれば通話品質を重視される方にもおすすめです。

急速充電対応の大容量バッテリーが嬉しい

大容量バッテリーに加えてバッテリーの設定も細かくできる
大容量バッテリーに加えてバッテリーの設定も細かくできる

3,300mAhと余裕のあるバッテリー容量で、特に電池消費を抑えるための工夫をせずとも1日しっかり使える電池持ちです。

さらにバッテリーモードの設定機能を使えば、出先でバッテリーが切れそうな時には待受時間を伸ばせる「省電力」モード、高い性能を必要とするゲームアプリなどを遊ぶ際は電池消費を気にせず性能をフルに引き出せる「パフォーマンス」モードといったように、簡単に利用シーンに合わせて性能と電池持ちのバランスを最適化できます。

ZenFone 4は急速充電にも対応
ZenFone 4は急速充電にも対応

大容量バッテリーを搭載していながらも、急速充電に対応した充電器を利用すれば短時間で充電を済ませることができます。

公式サイトによれば36分間の充電で0%から50%までの充電が可能で、万が一充電を忘れてしまった時でもお出かけ前に少し時間があれば最低限の電池残量は得られることも安心ですね。

DSDS対応も押さえてある

トレンドのDSDSにも対応
トレンドのDSDSにも対応

ZenFone 4は4G+3GのDSDSに対応しており、2枚のSIMカードを入れた場合にどちらか片方に切り替えて使うのではなく、2つの回線で同時に待ち受けできるようになっています。

このため、プライベート用と仕事用、あるいは通話用とデータ通信用など2つのSIMを使い分けたい方にも適した機種と言えます。使い方次第では、従来なら2台のスマートフォンを持つ必要があった方も1台にまとめられる場合があるので必見です

デュアルカメラの性能は◎

SNSの普及などによって、スマートフォン選びにおいてカメラの性能を重視される方も多いのではないでしょうか。

ZenFone 4シリーズは全機種で前面または背面のどちらかにデュアルカメラを搭載するなど、カメラに力を入れたシリーズです。ZenFone 4の場合は背面に約1,200万画素の標準カメラと約800万画素の広角カメラ、前面に約800万画素のインカメラを搭載しています。

ZenFone 4 カメラ作例:標準カメラ
ZenFone 4の標準カメラで撮影
ZenFone 4 カメラ作例:広角カメラ
ZenFone 4の広角カメラで撮影

明るいレンズと高精細なセンサーを組み合わせた高画質な標準カメラと、120°の広い範囲を写せる広角カメラを使い分けることで、従来機種よりも幅広い表現のできる写真撮影が楽しめます

上の2枚の写真は同じ場所に立って2つのカメラを切り替えながら撮影したものです。標準カメラでは見切れてしまっていた大きな建物も、広角カメラなら全体をしっかり収めることができました。

もちろん、通常の撮影でもカメラ性能は優秀。以下の作例はすべて標準カメラ・オートで撮影したものです。

ZenFone 4 カメラ作例:日中の屋外
日中の屋外で撮影
ZenFone 4 カメラ作例:逆光
逆光で撮影
ZenFone 4 カメラ作例:夜景ZenFone 4 カメラ作例:夜景
夜景を撮影
ZenFone 4 カメラ作例:料理ZenFone 4 カメラ作例:料理
料理を撮影

シーンを変えていくつかの作例を用意してみました。晴れた屋外での風景を撮っているとやや暗めに感じることもありましたが、カメラ性能の高さを特に感じたのは夜景。ノイズも少なくイルミネーションの1つ1つまでくっきりと写ります。

また、HDR機能の出来が良く2枚目の作例のような完全な逆光の場面でもある程度撮れるので、記念撮影などで逆光で撮るしかない場面でも頼りになるでしょう。

メシ撮りは接写をしても適度に自然なボケも出ますし良い雰囲気です。作例はいずれもオートでの撮影としましたが、照明の暗いお店などでは美味しそうに見える色味が出にくいこともあったので、そんな時にはProモードに切り替えてやや暖色気味に調整してみるのも手です。

カメラについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

ZenFone 4の3つのデメリット

ここまではZenFone 4のメリットについて書いてきましたが、デメリットもチェックしておきましょう。

DSDS中はmicroSDカードが使えない

2枚SIMを活用するとmicroSDカードは使えない
2枚SIMを活用するとmicroSDカードは使えない

ZenFone 4のSIMカードトレイは、nano SIMカード2枚、またはnano SIMとmicroSDカード1枚ずつを同時にセットできるようになっています。
この仕様上、2枚のSIMを使い分けるDSDS機能を使うならばmicroSDカードは使えず、内部ストレージのみにデータを収める必要があります。

とはいえ、ZenFone 4のROMは64GBと大容量なので、写真・動画・音楽などを大量に持ち歩きたい方以外は影響は少ないかもしれませんね。

防水・ワンセグ・おサイフケータイは使えない

キャリア向けの機能は使えない
キャリア向けの機能は使えない

ZenFone 4に限ったことではなく、一部の国内メーカーの機種を除けばほとんどのSIMフリースマホがそうなのですが、テレビのワンセグ・フルセグ、おサイフケータイなど、キャリア向けの端末では定番となっている機能には対応していません。これらをお使いの方は、代わりの手段を考えておくのが良いでしょう。

また、防水仕様ではないので、水辺やアウトドアでの使用が多い方は注意が必要です。

サイズは5.5インチの1種類のみ

ZenFone 3のようにサイズ違いはないZenFone 3のようにサイズ違いはない
ZenFone 3のようにサイズ違いはない

前機種の「ZenFone 3」には、5.2インチモデル(ZE520KL)と5.5インチモデル(ZE552KL)という画面サイズの違う2つのモデルが用意されていました。

これらは画面サイズとRAM・ROMを除けばほぼ共通のスペックで画面サイズの好みに応じて選びやすいものだったので、扱いやすいサイズの5.2インチモデルを好んで使われていた方にとっては、ZenFone 4には5.5インチモデルしかないことは惜しい点ではないでしょうか。

ただしメリットの部分でも触れた通り、ZenFone 4は5.5インチクラスのスマートフォンとしては比較的持ちやすい機種なので店頭などで一度チェックしてみることをおすすめします。

まとめ:ZenFone 4のメリット・デメリット

ZenFone 4のメリット・デメリット

■ZenFone 4のメリット・デメリット

高級感のあるデザイン
ディスプレイ・大きさ・指紋認証、全体的な使い勝手は良好◎
前モデルから進化を遂げたスペック
急速充電対応の大容量バッテリーが嬉しい
DSDS対応も押さえてある
デュアルカメラの性能は◎
DSDS中はmicroSDカードが使えない
防水・ワンセグ・おサイフケータイは使えない
サイズは5.5インチの1種類のみ

ZenFone 4は、高級感のあるデザインや前機種から大幅に向上したスペック、高性能なデュアルカメラなど見所の多い機種です。

見やすい画面サイズで使い勝手の良いSIMフリースマホをお探しの方、防水・ワンセグ・おサイフケータイなどの機能は不要で、基本性能の良い機種が欲しい方には特にオススメのモデルです。

この記事の編集者

モバレコ編集者:シーモ

モバレコ編集者:シーモ

格安SIM・スマホジャンルを3年以上担当。
モバレコ編集部に着任後、ドコモ→ahamo→mineoに乗り換えるなどフットワークが自慢。
実際に選ぶ・乗り換える経験で得た目線を大事にしています。
良い所はもちろん悪い面もわかる、読んでいて納得感のある記事作りを心がけています。
推しはmineoとIIJmio。

この記事を書いた人(編集:モバレコ編集部)

agar

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爆買いスマホマニア

プロフィール

携帯ショップ店員、スマホ専門ニュースサイトの記者などを経て、フリーライターとして活動中。2010年頃からAndroidスマホにハマり、通算100機種以上を購入して使ってきました。端末の魅力から難しい料金プランの選び方まで、知識・経験を活かして分かりやすくお伝えします。

休日はバイクや自転車で旅に出たり、カメラを持って散歩するのが好きです。モバレコ以外のメディアではクルマ・バイク・鉄道など乗り物に関する記事も書いています。

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スマホ・料金プラン・カメラ など

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