知ってた?禁止されることも多くなった「自撮り棒」の危険・事故の話
“自撮り棒”、自分を撮影するためにスマートフォンなどの撮影端末を装着して使う、1m程度「棒」のことですが、2014年頃から日本でも急激に人気が出ています。
もともと、自撮り(セルフィー)が大好きな海外から流行しているもので、日本においても外国人観光客が観光地で自撮り棒を使って撮影しているのを良く見かけます。
しかしこの“自撮り棒”、色々と問題を抱え、議題にあがっているのも事実で、実際に様々な事故が起こり、各種イベントや、テーマパークなどでは規制されているところも多くなっています。
先日もJR西日本で「ホームにおける自撮り棒の使用の禁止」が発表されました。この「自撮り棒」について危険性や事故、規制などをまとめてみました。

目次:
実は日本発祥の自撮り棒
“自撮り棒”が海外から流行したことは事実ですが、そもそもは日本発祥ということをご存知でしょうか? それも1980年代と歴史は古いです。
80年代に当時のミノルタカメラから発売されたものの、まったく普及はせず、90年代には「日本の珍発明」として世界で紹介されるほどでした。
しかし、30年の月日を経て、2014年にはヒット商品としてTIME誌が紹介するほど、世界での大ヒットとなったという面白い経緯があります。
海外ではセルフィースティックなどと呼ばれ、簡単に撮影が出来るスマートフォンや個人発信のSNSの普及により、自らの写真を撮影しアップする行為が日常化することで、急激に普及をしていきました。
自撮り棒の危険性
しかし、この自撮り棒でのセルフィーによって、重大な事故を引き起こすこともあり、非常に問題となっています。
特にロシアでは今年に入ってから数十人が死亡するなどの事故が起こり、内務省が「楽しいセルフィーには命を落とす危険がある」と注意を呼びかけるほどとなっています。
この自撮り棒の事故は大きく2種類に分けることができます。“自撮り行為の危険性”と“自撮り棒そのものによる危険性”です。
自撮り行為の危険性
・自撮り行為の過激化
ロシアでの事故を紹介すると、「自分の頭に銃口を当てセルフィーを撮っていた女性が、銃が誤射して重態」「手榴弾の栓を抜いてセルフィーを撮っていた人が、そのまま爆発して死亡」など、到底日本では考えられないような事故が起こっています。
ロシアだけでなく、SNSに反応のいい写真をアップしたいが為に、どんどんと過激な行為を写真に収めようとする行為は、日本でも見られるのではないでしょうか?
・自撮り行為による集中力散漫
自撮りに夢中になるあまり、崖から転落してしまったり、車とぶつかってしまったり、自撮りに集中する分、周りに対する注意力を失って危険な事故を起こすという可能性もあります。
アメリカでも車の運転中に自撮りに夢中になり、そのままトラックに突っ込み重大な事故を起こして亡くなった例もあります。

自撮り棒の危険性
“自撮り棒”とはそもそもどういうものでしょうか?
端的に言えば“金属の棒”といえます。その金属製の棒の先端にスマートフォンなどの重いものを付けているというのは、形状的には単なる「凶器」とも言えるのではないでしょうか。
そんなものを、周りを気にせず振り回すのだから、トラブルが起こるのも仕方がありません。
自撮り棒は一般的に考えれば、非常に面白いアイテムですが、撮影機器と自分との距離の確保が目的であり、つまりは使用する際にスペースが必要なるアイテムなのです。
そのようなアイテムを人ごみで使おうと思った際には、それなりの注意をするのは当然のことで、そのモラルが欠けている人が多くトラブルが出てきているため、規制がかかり始めているのです。
幸いなことに日本ではまだ、大きな事故になった例はないようですが、今後大きな事故を起こさないためにも自撮り棒使用の際のモラルを今一度考えるべきなのではないでしょうか。
自撮り棒の禁止の動き
JR西日本での自撮り棒使用禁止の例を挙げましたが、これはホーム等で他の乗客との接触による事故、自撮りに夢中になっての転落事故、架線などへの接触による事故などを未然に防ぐための処置のようです。
他にも東京ディズニーリゾートや沖縄の美ら海水族館など、禁止とした場所も多く、海外でも同じ様に、テーマパークや美術館などで自撮り棒禁止の動きが起こっています。
急激な自撮り棒の普及に対して、その使用者のモラルが追いついていないことが問題となっているのです。

自撮り棒購入の際の注意
ここで改めて“自撮り棒”にはどのようなものがあるか紹介しましょう。
Amazonで見ると、数百円のものから1万円を越えるものまで、様々な価格のものが揃っていますが、いったいどれくらいものを買ったらよいのでしょうか?
自撮り棒は、簡単に言えば「金属の棒」です。あまり値段をかけるのはどうかと思います。しかし、スマートフォンを先端に付け、高く掲げることがあり、このスマートフォンのホールド製は信頼のあるものを選ぶべきでしょう。
筆者の友人にも安い自撮り棒を買ったが為に、自撮り撮影中に先端に付けたiPhoneが落下し画面を割ってしまった子がいました。
自撮り棒そのものだけでなく、先端につけるスマートフォンのことを考えれば、ある程度は信頼のおける商品を選ぶべきなのかもしれません。
自撮り棒には大きく分けて、撮影機器のセルフタイマーを前提にしたもの、イヤホンジャックなどに有線接続により撮影をするもの、Bluetoothでの通信を行い撮影するもの、の3つがあります。
もちろん、現在はこの中でスマートフォンでの撮影を前提としてBluetooth接続のものが人気であるでしょう。
ただ一つ注意をしておきたいのは、Bluetoothは「通信機器」であり、日本で使用するには技適の通った商品でなくてはなりません。海外の商品などを使用する際には、それが技適を通った商品を購入するようにしましょう。
また、同じ様に海外でBluetooth商品を使用する際にはその国で使えるかどうか、よく注意をしておきましょう。
まとめ
自撮り棒は、SNSの流行と同じく、世界的に普及した自撮り(セルフィー)の一つの道具として、可能性を広げた非常に面白い商品です。
しかし、金属製の棒という特性から、人ごみの中での使用は非常にモラルが要求されます。一部のモラルの欠けた行為により、禁止を検討する施設が多くなってきています。
皆様今一度、モラルを考え直した上で、自撮りを楽しんではいかがでしょうか?
参照:
ホームでの「自撮り棒」の使用を禁止させていただきます:JR西日本 ニュースリリース 2015年9月17日
自撮り棒 – Wikipedia