HUAWEI P40 Pro 5Gのカメラ性能をレビュー! 前作からどれだけ進化したのか

カテゴリ: スマートフォン
2020年6月12日に発売されたSIMフリースマホ「HUAWEI P40 Pro 5G」は、5GやeSIMに対応した最新のハイエンドスマホです。
ファーウェイの高級機種といえば、名門カメラメーカー「ライカ」監修の高性能カメラが特徴。もちろん今回もさらに高画質に進化しています。
この記事では、最新モデル「HUAWEI P40 Pro 5G」と前モデルの「HUAWEI P30 Pro」、廉価版の「HUAWEI P40 lite 5G」のカメラ性能を比較してみました。
目次:
HUAWEI P40 Pro 5Gのカメラ性能のスペック概要

HUAWEI P40 Pro 5Gには、「Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ」という何やらすごそうな名前のカメラが搭載されています。
昨年のP30 ProやMate 30 Proと同様、多くのカメラ好きが憧れるドイツの高級カメラメーカー「ライカ」と提携して高性能なカメラを開発しました。
クアッドカメラ、つまり4つのカメラが搭載されており、それぞれに役割があります。
約5,000万画素 F1.9の広角カメラをメインに、約4,000万画素 F1.8の超広角カメラ、約1,200万画素 F3.4の望遠カメラ、背景ぼかしなどに使う深度測定用のToFカメラを組み合わせています。
アウトカメラ | Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ ・約5,000万画素 F1.9(広角) ・約4000万画素 F1.8(超広角) ・約1200万画素 F3.4(望遠) ・深度測定用カメラ(ToF) |
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インカメラ | デュアルカメラ ・約3200万画素 F2.2 ・深度測定用カメラ(ToF) |
約5000万画素のメインカメラ「ウルトラビジョンカメラ」は、スマートフォン用としては大きい1/1.28インチのイメージセンサーを採用しており、より多くの光を取り込んで暗い場所でもノイズの少ない写真を撮れます。
高速で正確なオクタPDAFにも対応し、シーンを問わずその実力を発揮します。
超広角カメラにも大型かつ高画素のセンサーが使われており、メインカメラ並みの性能です。広い範囲を映せるだけでなく、「ウルトラスローモーションビデオ」「4Kタイムラプスビデオ」などのドラマチックな演出ができる動画機能も強化されています。
そして望遠撮影は、光学5倍の望遠カメラに加えて、他のカメラ(広角・超広角)の力を借りて画質を落とさずに拡大できる「ハイブリッドズーム」を10倍まで使えます。
もっと遠くの物をアップで撮りたい時には、少し画質は落ちますが最大50倍のデジタルズームも可能です。
HUAWEI P40 Pro 5Gのカメラと前モデル(HUAWEI P30 Pro)を比較してみた

まずは、2019年に発売された前モデル「HUAWEI P30 Pro」と比較してみましょう。
余談ですが、P30 ProやP20 Proは日本ではNTTドコモ限定だったので、Pシリーズの最上位モデルをSIMフリーで買えるのは3年ぶりです。
HUAWEI P40 Pro 5G | HUAWEI P30 Pro | |
アウトカメラ | Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ ・約5,000万画素 F1.9(広角) ・約4,000万画素 F1.8(超広角) ・約1,200万画素 F3.4(望遠) ・深度測定用カメラ(ToF) |
Leicaクアッドカメラ ・約4,000万画素 F1.6(広角) ・約2,000万画素 F2.2(超広角) ・約800万画素 F3.4(望遠) ・深度測定用カメラ(ToF) Leicaクアッドカメラ広角 約4,000万画素(F1.6) / 超広角 約2,000万画素(F2.2) / 望遠 約800万画素(F3.4)ToFカメラ |
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インカメラ | デュアルカメラ ・約3,200万画素 F2.2 ・深度測定用カメラ(ToF) |
シングルカメラ ・約3,200万画素 F2.0 |
広角+超広角+5倍望遠+ToFというクアッドカメラの構成は同じですが、センサーはより高画素に、レンズはより明るく改良されています。
広角カメラのレンズだけF1.6からF1.9に落ちていますが、その分センサーサイズが拡大されたので、実用上はメリットの方が大きいでしょう。
(※作例はクリック・タップで拡大することができます。)


(左)P40 Pro 5G (右)P30 Pro


(左)P40 Pro 5G (右)P30 Pro
上の作例は、左がP40 Pro 5G、右がP30 Proで撮影した写真です。この2機種のカメラはよく似ていて、1年前のP30 Proもまだトップクラスのカメラ性能を持つ機種と言えます。
接戦ながら、2機種で撮った写真を並べてみると少し色味のチューニングが変わっていることに気付きました。1組目の機関車の写真で言えば、P40 Pro 5Gのほうが赤い車体や空の色が鮮やかに出ていますね。
日陰になっているアーケード街の写真も、並べてみるとP30 Proは緑っぽく、P40 Proのほうが見たままの色合いで撮れています。
正直、性能的にはどちらも甲乙つけがたいのですが、性能の差よりもチューニングの進化で、P40 Proは前モデル以上に見たままの景色を美しく記録できます。


(左)P40 Pro 5G (右)P30 Pro
とは言っても、この2機種の画質自体の違いはごくわずかです。上の夜景の写真のようにうまくハマる場面だと「おおっ、P40 Proに勝っちゃったかも!?」ということも多々ありました。
P40 Proの方が画素数は高いですが、SNSに写真を上げたり、スマートフォンの小さい画面で友達に見せたりといった程度なら性能差を感じることはあまりないでしょうし、P30 Proもまだまだ一線級の高性能スマホカメラです。
HUAWEI P40 Pro 5Gと HUAWEI P40 lite 5Gのカメラ性能の違いを比較してみた

Pシリーズといえば、手頃な価格でコスパ抜群の「lite」モデルも毎年人気です。
2020年のP40シリーズには、3万円を切る「HUAWEI P40 lite E」と5G対応でスペックもワンランク上の「HUAWEI P40 lite 5G」という2つのliteモデルがあります。
P40 lite 5Gはただ5Gに対応しただけではなく、liteなのにカメラにも力を入れています。お次はP40 ProとP40 lite 5Gのカメラ性能を比較してみましょう。
HUAWEI P40 Pro 5G | HUAWEI P40 lite 5G | |
アウトカメラ | Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ ・約5,000万画素 F1.9(広角) ・約4,000万画素 F1.8(超広角) ・約1,200万画素 F3.4(望遠) ・深度測定用カメラ(ToF) |
クアッドカメラ ・約6,400万画素 F1.8(広角) ・約800万画素 F2.4(超広角) ・約200万画素 F2.4(マクロ) ・約200万画素 F2.4(深度) |
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インカメラ | デュアルカメラ ・約3,200万画素 F2.2 ・深度測定用カメラ(ToF) |
シングルカメラ ・約1,600万画素 F2.0 |
3倍近い価格差があるのでさすがにカメラ性能も違いますが、約4万円の機種でクアッドカメラに約6,400万画素の高画素センサーを搭載、超広角やマクロも撮れるというのはなかなか充実していますね。


(左)P40 Pro 5G (右)P40 lite 5G
逆光でのHDR撮影のような難しい場面は、AI処理の効果が大きく出ます。
カメラ自体の性能差以上に、ハイエンドスマホならではの高性能CPU・GPUを生かして高度な画像補正ができるからこそ、こんな写真のセオリーとしてはNGな撮り方をしてもP40 Proならここまで鮮やかに撮れてしまいます。


(左)P40 Pro 5G (右)P40 lite 5G
少し暗めの店内で料理を撮ってみると、P40 lite 5Gも細かい部分までしっかり写ってはいるのですが、暗めで少し青っぽく、あまり美味しそうには撮れませんでした。
一方、P40 Proは被写体が食べ物だと認識して、明るく温かみのある色合いで断然美味しそうに演出してくれています。


(左)P40 Pro 5G (右)P40 lite 5G
最後は性能差が出やすそうな夜景で。安い機種のカメラだとノイズが目立ちがち……と思いきや、予想以上にP40 lite 5Gが善戦しています。
心なしか、P40 lite 5Gの方が引き締まっていてむしろ綺麗な気も。
現行スマートフォンの中ではトップクラスにカメラ性能が良い高級機のP40 Proと比べるとどうしても霞んでしまいますが、やはりP40 lite 5Gもミドルレンジとしてはとても優秀なカメラ性能を持っています。
HUAWEI P40 Pro 5Gのカメラと一眼レフを比較してみた

スマートフォンのカメラが年々進化していき、「もうカメラ専用機がなくてもいいや」と、いわゆるデジカメ(コンパクトデジタルカメラ)の売上は落ちていると聞きます。
一方で、高画質を追求した高級コンデジや、本格的なレンズ交換式カメラ(一眼レフやミラーレス)はその限りではないようです。
永遠のテーマとも言える「最新スマホのカメラは一眼レフを超えるのか?」という疑問に答えるとすれば、「ハードの性能は絶対に勝てないけれど、ソフトはもう勝っているかも」です。

スマートフォンの方がセンサーサイズが小さい分、グッと寄って撮影できる

大型センサーから生まれる表現力の違いは埋まることのない差
小さなスマートフォンに搭載できるセンサーやレンズの大きさには限界がありますし、それは光学機器としてのカメラ性能に直結します。
スマートフォンに一眼レフのような大きなセンサーとそれに見合ったレンズを搭載するのは物理的に不可能なので、画像処理に頼らず美しいボケやノイズのない夜景を撮れるようにはならないでしょう。

どんな難しい場面もシャッターを切るだけでビシッと綺麗に仕上げてくれます
しかし、その限界はあくまでハードの話です。ソフト的には最新スマートフォンは一眼レフとは別の進化を遂げています。
写真の知識がなくても、誰がどんな風に撮っても賢くアシストして完璧な写真に仕上げてくれるのはスマートフォンのカメラの強みです。
一眼レフで同じような写真を撮ろうと思ったら、撮る時の設定から撮影後の仕上げ(現像)まで、それなりの知識とセンスが必要です。


そして、一眼レフで撮れないわけではないけれどすごくお金がかかるのに、最新スマートフォンなら当たり前のように撮れるシーンもあります。
最近のデュアルカメラはもう当たり前、P40 Proなどは4つもカメラを搭載しています。その中に超広角カメラが含まれている機種も多いですよね。
一般的な一眼レフを買った時に付いてくるズームレンズでは超広角は撮れず、超広角用のレンズが別に必要です。そして、超広角レンズは特殊なのでとても値が張ります。
一昔前なら超広角ならではの構図でダイナミックな写真を撮るのはなかなかハードルが高いことでしたが、今やスマートフォンがあれば追加費用無しで手軽に撮れるようになりました。


(左)P40 Pro 5G(右)Canon EOS 7D
では、反対に望遠撮影はどうでしょうか。
一眼レフなら大きなレンズを持ち運んで構える必要がありますが、P40 Proなら光学5倍の望遠レンズを内蔵、さらに画質を落とさずにデジタルズームする仕組みで10倍程度までなら想像以上に鮮明に撮れます。
上の2枚は、P40 Proのハイブリッドズームを使って10倍相当で撮った写真と一眼レフの望遠レンズで撮った写真です。入門レベルの安いレンズを使ったとはいえ、意外とクオリティに差がないことに驚きました。
まとめ

カメラ性能に定評のあるファーウェイの最新ハイエンドモデルらしく、HUAWEI P40 Proは期待を裏切らないトップクラスのカメラ性能を備えています。
超広角から望遠まで、どんな場面でもスマホ任せで思い出を美しく記録できるでしょう。
また、改めて使ってみると1年前のP30 Proもまだまだ一流のカメラ性能ですし、比較用に使ったP40 lite 5Gもミドルレンジ機としてはなかなか綺麗に撮れました。
やっぱりカメラ性能でスマホを選ぶならファーウェイですね。